赤ちゃんの同時接種 即時見直しを! その1(2025年2月26日タネまき会報告)
母子手帳を見ると、いま赤ちゃんに接種を勧められる予防接種の多さに驚かれると思います。2025年2月26日、コンシューマネットではタネまき会を開催しました。30年前と比べ、いいえ10年前と比べても増加の一途を辿る予防接種ですが、副反応の実態を探ってみる必要があります。特にワクチンデビューが生後2ヶ月からとなって以降の「乳児突然死症候群」とされている接種後の突然死の実態に目を向けていきましょう。
予防接種スケジュール表
https://www.niid.go.jp/niid/images/vaccine/schedule/2025/JP20250116_02.pdf
1 予防接種の 今〜なぜ同時接種が進められるのか?
•生後1年間の間に接種すべきとされている予防接種は、定期接種での接種回数は13回、ワクチンの種類では8種類、比較的最近定期接種となったロタワクチン(経口接種)も含めると15回から16回、赤ちゃんにワクチンを投与するためにクリニックに行く必要があります。
それぞれのワクチンについて言うと、B型肝炎ワクチン3回、ロタウイルスワクチンは2回(1価)から3回(5価)、肺炎球菌ワクチンは15価も20価も計4回、5種混合ワクチン(DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)、IPV(不活化ポリオ)、Hib)も4回、従来からのBCGワクチンは1回接種が必要です。30年前はBCGと三種混合ワクチンくらいしかありませんでした。それに比べると年間15、6回の接種回数をなんとか減らしたいと思うのが保護者の素直な気持ちであり、医師の進めるところでもあるようです。
•1才から3才までの間はどうでしょう
定期接種の回数はMRワクチン(麻しん・風疹)を1歳の誕生日後にした場合は就学前の1回と合わせると、合計7回となります。これは3才から日本脳炎ワクチンを4回、水ぼうそうワクチンが2回。そのほかに毎年任意接種であるインフルエンザワクチン接種をしている子どもも25%以上いるとされます。
・就学前の小児の特徴はどうでしょう
MRワクチンの推進で就学前の追加接種が進められています。本来ネマワクチンの効果は障害と言われていたものが2回接種すべきとの論調に押されて就学前の接種がされています。水痘ワクチンも同様です。就学時検診では接種歴チェックが強化されています。
DTワクチンをDPTにする議論がすすめられている。(追加接種もDPT5種混合ワクチンへ)北海道では病気がないのに日本脳炎ワクチンが定期接種化。(見直し機運なし)。
積極的にVDPを呼びかける団体の接種スケジュール表では、「ロタ、小児用肺炎球菌、5酢混合の必要接種回数を早期に完了するために同時接種をすることが重要」と謳っています。また、「1歳の誕生日がきたらMRワクチンと水ぼうそうワクチンの同時接種を受けましょう。」とし、「小児用肺炎球菌、5種混合ワクチン、MR、水ぼうそう、おたふくかぜの5本を同時接種で受けることもできます」としています。
日本脳炎ワクチンやHPVワクチンが不要なことは以前もお知らせしていますが、この団体は、HPVワクチンの「キャッチアップ接種(無料)は2025年3月末で終了します。早めに接種しましょう」とか、「小学校6年生になったら受けましょう。」と接種推進の姿勢を崩していません。
今回は特に0歳代の同時接種についてその危険性をお知らせしたいと思いますが、成人や高齢者についても接種の推進が進められています。
風しんワクチンが必要なのは主に妊婦さんですが、配偶者への風しんワクチン接種が強く勧められています。相変わらずコロナワクチンを推奨し、高齢者への定期接種化をした国は日本のみと言う中で、インフルエンザワクチンもコロナワクチンとの同時接種が進められてきました。2025年4月からは帯状疱疹ワクチンも定期接種化されましたが必要ありません。
2 同時接種とは何か
①混合ワクチン、同時接種は避けるべき
予防接種の接種の原則は、生ワクチンは1日にワクチン接種した場合、28日後に次の接種が可能(約4週間後)。不活化ワクチン・トキソイド:1日に1つのワクチン接種した場合、7日後に次の接種が可能(約1週間後)とされています。それぞれのワクチンを接種をしたあと、種類の異なる次のワクチンを接種するまでに一定の間隔をあける必要があります。
いくつかのワクチンを混ぜて1本の注射で接種する混合ワクチンがありますが、接種回数がこれほど多くなると、1回に1種類のワクチンを接種していたのでは日数が足りなくなってしまいます。ヒブと肺炎球菌ワクチンは任意接種で始められたころには、3種混合DPTワクチン(当時)と同時接種されていましたが、いまでは様々なワクチンとの同時接種が増えています。
同時接種とは、同じ接種機会に2種類以上のワクチンをそれぞれ別の注射器で打つことを言います。一度に3〜4本打つことは当たり前で、なかには6本以上打つ医師もいます。同時接種は国が推奨しているのではなく、現場の医師による裁量で行うことを国が容認しているだけですが、日程をこなす必要からいまは主流になっています。ただ、同時接種が実際にどのくらい行われているかは、調査がないのでわかっていませんが、副反応報告書の報告はほとんどが同時接種の事例です。
日本小児科学会は「同時接種に問題はなく、何本打っても大丈夫」としています。
自然界で複数の病気に同時感染することはありません。同時接種によると考えられる副作用症状は多数報告されています。2011年から2019年8月までのHibワクチン、肺炎球菌ワクチンなどの同時接種での死亡例が71人を超えました。その多くが突然死(乳児突然死症候群)で、すべて月齢6カ月以下での同時接種で起きています。混合を含め7種類のワクチンを同時接種されて脳症の重い副作用が出ています。
厚労省の副反応検討部会では、同時接種による死亡例などが毎回報告されていますが、平成27年度以降、同時接種に関する検討はされていません。
同時接種の大きな問題は、接種後に副作用が出た場合、何種類ものワクチンを同時に打っているため、どのワクチンの副作用なのかわかりにくいということです。このため、副反応検討部会に出てくる大多数が「資料不足による評価困難」とされているのです。
「安全だから」と同時接種をすすめる医師が大多数ですが、小児科医の黒部信一さんは「副作用の原因の決め手がなくなる点から、同時接種は避けるべき」としています。母里啓子さんは、同時に複数の病気にかかることはまれなこと、人工的に病原体を乳児に複数介入させることの影響についてはわかっていないといいます。「同時接種は絶対にしない。今ある定期接種のものも、間引いて接種することを勧めている」という医師もいます。
②接種後死亡報告は同時接種が圧倒的に多い ヒブ・肺炎球菌の組み合わせは目立つ
ヒブ、肺炎球菌ワクチンは、2010年の審議会では「日本では重症化する子が米英にくらべて非常に少ないので、すべての赤ちゃんにすすめるべきワクチンではない」との意見がある中、VPD思想で強引に導入されました。
2011年2月、続け様に同時接種後の死亡報告が続き、一時中止したましたが、すぐに再開され、2013年4月にHPVワクチンと一緒に定期接種(A類)化されました。
同時接種による副反応は詳細をおくことができませんが、毎年14人程度、乳幼児が、接種後まもない時期に死亡していると言われてきました。
副反応検討部会によれば、2011年2月から2024年7月までのに両ワクチンをふくむ同時接種後の死亡報告は90件。 死亡までの日数は、翌日までが37件、3日目までが18件、7日目まで13件あったとされています。ヒブ・肺炎球菌以外のワクチンでの同時接種後死亡報告は10件です。
ヒブ・肺炎球菌による同時接種の死亡は全体の接種後死亡45件中11件と3分の1を占めています。そのたのワクチンの同時接種死亡が10件であることを考えるとヒブ・肺炎球菌の組み合わせによる死亡率が多いようです。
*2013年か2024年までの単独接種後の死亡内訳(ヒブ・肺炎球菌がらみでない)は32件中
4種混合:7件
• MR :4件
• HPV :7件(2024年の1件は調査中)
• ロタ :2件
• BCG :2件
• 水痘 :1件(水痘ワクチン誘発全身性炎症反応症候群)
• 日本脳炎:6件
• B型肝炎:2件(1件高齢者)
• 破傷風 :1件(高齢者)
となっています。
③死亡以外の副反応状況は?
予防接種後副反応疑い報告2024.07(第102回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和6年度第4回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(以下、副反応検討部会とする) 資料)厚生労働省によると、
• Hib(2013.4~2024.3)接種可能延べ回数 約4045万回(基本 1人4回接種)がされています。
副反応疑い報告
製造販売業者 813件 医療機関 1106件(うち重篤769件)
• PCV(販売開始~2024.3)接種可能延べ回数 約3870万回(基本 1人4回接種)
副反応疑い報告(2013.4~2024.3)は、製造販売業者 1172件(肺炎球菌感染・肺炎を除くと806件)医療機関 1045件(肺炎球菌感染・肺炎を除くと725件)(うち重篤725件・肺炎球菌感染・肺炎を除くと713件)
※肺炎球菌ワクチン(PCV)接種後に肺炎球菌感染や肺炎になった場合、副反応ではなく効果効能の問題として、その数を除いて計算しています。(副反応の捉え方として理解不能です)
④同時接種後副反応認定状況は?
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-shippei_127696_00006.html
ヒブ・肺炎球菌は2013年4月より定期接種A類型となりました。2014年より「疾病・障害認定審査会 感染症・予防接種審査分科会」にて審議が始まりました。
• 2014年~2024年8月の認定審査会(同時接種しているもののみ)
審議件数は 97件ありました。うち、認定されたのは70件。 否認が27件です。否認については疾病名・障害名は不明です。認定のうち1件の障害児養育年金は否認されています。
一方、死亡について審議されたのはわずか 8件 。認定されたのは 1件のみで、残る7件は 否認されています。
障害児養育年金については、審議対象は 13件。うち 認定が 6件、 否認は 7件です。認定された1件は審査請求を経て再審査にてようやく認定されたものですが、認定レベルについて再度係争中です。
同時接種後の死亡報告は約100件。その多くは0歳、1歳児です。0歳代の予防接種が増加したことに真因があります。
接種後の死亡が1〜3日以内。これまで順調に生育してきた子どもが予防接種後突然死亡してしまうという不幸に「まさか予防接種が」と思うまもなく「乳児突然死症候群」だと説明される親御さんの気持ちは筆舌につき難いものです。
副反応検討部会でも報告が挙げられるのみで大方が「評価不能」として処理されています。認定を求めて争う人がいかに少ないか。それにもまして認定されたのがたったの1人(死亡例でワクチンによる被害と認定されたのはHibワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンと4種混合ワクチン(DPT‐IPV)を同時接種した1歳男児)と言うことは、この副反応救済制度がいかに機能不全であるかを示しています。
ちなみに、認定されにくいとされているコロナワクチン接種後の死亡報告は2100件余あります。
死亡の進達受理数(2024.12.26現在)は1607件 認定939件、否認483件です。これまで、ヒブ・肺炎球菌が7915万件近い接種がされているわけですが、死亡の認定数が1件と言うのはあまりにも少ないと言わざるを得ません。接種後に死亡するという深刻な事象でも、予防接種の副作用であると認められて救済を受けることがいかに難しいかを物語る数字です。
⑤5種混合ワクチンは安全か?
5種混合ワクチンは従来の3種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)に二次感染対策として経口ポリオ生ワクチンに変えて加えられた不活化ポリオ(IPV)にヒブワクチンを加えた混合ワクチンです。
3種混合ワクチン自体の存続の必要性を問われた時代もありました。そもそもポリオは撲滅されていますし、ジフテリアなどは診断できる医師がいなくなっているような病気です。
3種混合ワクチンの必要性を問われる時期に4種となり、生産ラインの変更により3種混合ワクチンは選べなくなりました。11歳前後での追加接種には2種混合(ジフテリアと破傷風)ワクチンが使われています。5種混合ワクチンは治験が1回15000円で勧められていましたが、コロナ禍の中すんなりと5種混合ワクチンとして認可がされました。コロナ禍の中、緻密な分析なく5種混合ワクチンが導入されました。
副反応検討部会での死亡例?(下線は乳児)
赤ちゃんの接種後死亡について、副反応検討部会の資料を見てみましょう。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_284075old2.html
死亡報告として受け付けられても副反応検討部会の報告に上がるものは時間差があります。同部会での同時接種死亡の報告が出された100回(2024年1月26日)101回(2024年4月15日開催)102回(2024年7月29日開催)、104回(2024年10月25日開催)、105回(2025年1月24日開催)の結果を見てみましょう。
(1)100回ではシングリックスで5名接種死亡(71歳女、76歳女、70歳男、不明2名)肺炎球菌(80歳代男)日本脳炎ワクチンで3歳の男児(2023年10月27日接種:101回、102回で詳細報告)
(2)101回では9件の死亡例がありますが、
①5種混合ワクチンではGSK社のシングリックスで70歳(102回に詳細)、71歳、76歳と年齢不明者が1名、
②ヒブ(アクトヒブ)、肺炎球菌(プレベナー13)ロタテックの同時接種で2ヶ月男児(102回に詳細γ評価)
③肺炎球菌(年齢不明)⑤HPVワクチン(年齢不明102回にも同報告)と9件の死亡報告があります。
(3)102回は20件の報告がありますが、101回との重複事例が4件です。残りの16件については、
①ニューモバックス(肺炎球菌;単独接種で71歳女、72歳女、75歳女、85歳女、93歳男の5名が死亡、
②ヘプタバックス(B型肝炎)、アクトヒブ、プレベナー13(肺炎球菌)、テトラビック(4種混合)で6ヶ月女児(γ)
③MR、水ぼうそう、おたふくワクチンで1歳男児(γ)
④ロタリックス、ビームゲン(B型肝炎)パクニュバンス(15価肺炎球菌)ゴービック(5種混合)で2ヶ月男児(調査中)
⑤MR、水ぼうそう、アクトヒブ、バクニュバンス(15価肺炎球菌)おたふくかぜで1歳女児(調査中→γ)
⑥クイントバック(5種混合)、ヘプタバックス(B型肝炎)パクニュバンス(15価肺炎球菌)ロタリックスで3ヶ月女児(調査中)
⑦バクニュバンス(15価肺炎球菌)ゴービック(5種混合)ロタで乳幼児(調査中)
⑧パクニュバンス(15価肺炎球菌)単独接種で乳幼児(調査中)
⑨インフルエンザ(85歳男、83歳男、97歳女(評価不能))
(4)104回は15件の報告がありますが、4件は102回と重複。ニューもバックスについては3件101回と重複
①ニューモバックス(肺炎球菌)、パクニュバンス(15価肺炎球菌)ヘプタバックス(B型肝炎)ロタテック、ゴービック(5種混合)2ヶ月男児 (肺炎球菌異種を接種?105回で修正)
②クアトロバック(4種混合)プレベナー13、ヘプタバックス(B型肝炎)ロタテック(年齢不明)
③プレベナー13、アクトヒブ、ミールビック(Mr)水ぼうそう 13ヶ月男児
④クイントバック(5種混合)4ヶ月男児(調査中 資料2−17:パクニュバンス(15価肺炎球菌)ヘプタバックス(B型肝炎)ロタテックも接種105回)
④コミナティ(不明)、破傷風(71歳男)
(5)105回では20件の報告がありますが、7件は重複報告。
①ロタリックス、ゴービック(12週女児)
②クイントバック、ビームゲン、プレバナー20、ロタリックス(3ヶ月男児)
③パクニュバンス(15価肺炎球菌)乳幼児
④ニューモバックス(90歳男、75歳女)、ガーダシルまたはシルガード(胎児)、コミナティ・インフルエンザ(76歳男、85歳女、76歳男2)、ダイチロナ(コロナ)・インフルエンザ(79歳男)、シングリックス(53歳男)、ヌバキソビット(コロナ)・インフルエンザ(72歳男2名)、アレックスビーRS予防ワクチン
以上15件の乳児の「同時接種を含む死亡報告があります。
同時接種を防ぐためと導入された5種混合ワクチンでの死亡例が報告されています。同時接種はどのワクチンが原因での死亡か特定できず、報告も調査中からγ評価になっているものがほとんどです。
自然界では1度に複数のウイルスに感染することはありません。生後2ヶ月の赤ちゃんに8種類ものウイルスや菌を体に入れることの危険性にう目を向ける必要があります。
同時接種はあくまでも「医師の裁量医療行為」。副反応にあっても原因の特定は難しく被害者は泣き寝入りを余儀なくされています。高齢者がインフルエンザとコロナの同時接種で死亡している事例もあります。これから認可されるであろうRS予防ワクチンによる死亡報告もあります。
現在、同時接種死亡で2家族が東京地裁に認定を求める訴訟を起こしています。これまでの審査請求や訴訟の経過を見ながら乳児突然死症候群として片付けられている現状の問題点を次回は深く掘り下げます。
(古賀 真子)
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