電気料金を知る その1 託送料金訴訟が漫画になりました

コンシューマネット・ジャパンでは、3.11以降、電気料金を決めるものは何かを追求してきました。
2016年から原発推進、再エネ後退政策を問う九州グリーンコープの「託送料金の上乗せ違法訴訟」に弁護団とともに訴訟を支える活動を行ってきましたが、この年末にはいよいよ最高裁の判断が下されるようです。
同じく、この裁判に関わってきた静岡の馬場利子さんのグループが消費者の立場から、この訴訟をわかりやすく漫画にしてくれました。
1秒たりとも無くしては生活に大支障を起こす電気。原発をどうするかは国の政策の核となる大きな問題です。一方で国の政策がどこに向かっているかは消費者が関心を持たなければいけない命に関わる問題です。
電源確保から小売り、託送制度がどう進められているのか。その中で9年をかけて戦い続けた託送料金訴訟の意味を多くの方に知って欲しいと思います。

2020年10月15日にグリーンコープでんきが、託送料金に原発関連の費用を上乗せして請求することができるとする経済産業省の省令の取り消しを求めて、福岡地方裁判所に提訴して以来、皆さんに署名をしていただいた2審の判決も、2月26日、福岡高等裁判所は、「原判決を取り消し、経済産業大臣が令和2年9月4日付けで九州電力送配電株式会社に対して行った託送料金約款の変更認可決定を取り消す」ことを請求した原告の控訴を棄却しました。

この判決は、法律的な判断や、会計学研修者4名の専門家も、「電力会社の経費でもない費用を経費として計上することは、会計学の根本的な信頼性を覆す政策であること」を指摘した意見書さえも無視をして、
「託送供給制度において、電気の全需要家が公平に負担すべき電気事業に係る公益的課題に要する費用を託送料金として回収することを許容するものである」という判決でした。

この署名で心から願ったのは、国民に負担を強いる政策は「国会で審議し、法律に則って行う」と立憲主義の基本的なことでした。

この判決には、心から驚き、皆さんに冷静にご報告する言葉がないままになっていました。申し訳ありませんでした。

法廷でどれだけ原告(国民・消費者)が問題点を指摘しても、世論に影響を与えることは無い、と司法も国も高をくくっているとしか思えない判決でしたが、それでも(いえ、だからこそ)、グリーンコープでんきも弁護団も、とうてい承服することはできず、最後まで法的な判断を求めて、2025年3月10日、最高裁判所に上告をしました。

最高裁では、法廷は開かれず、提出した書面の審査で判決が出されるそうです。

最高裁の審理に向けて、私たちにできることはないという状況に歯がゆさを感じで、この託送料金取り消し訴訟について、より多くの人に知ってもらいたいと願って、
『託送料金訴訟を支える会・静岡』で漫画冊子(B5判8頁)、
『知って作ろう未来!!託送料金取り消し訴訟~の巻』を作りました。

漫画チラシは、https://drive.google.com/file/d/1DVENdTgyGH0yleo3NNPkVO0fS9w3g44l/view?usp=sharing でご覧いただけます。

■託送料金取り消し訴訟について、分かりやすくドラマにしました。
ぜひ、ご覧ください。
B5判8頁の冊子に印刷もしました。

国民の多くが、電気を送る費用に原発関連の費用が上乗せされて請求されていることを知りません。託送料金の違法な上乗せを多くの人に知ってもらえるよう、皆さんも 周りの方、イベントや街頭宣伝などで、配布してくださる方がありましたら、ご連絡ください。
何部でも送料のみでお送りします。ご連絡をお待ちしています。

最高裁の判決が出るのは、早ければ年内ということもあるそうですが、
万一、門前払いの判決となった場合も、私たちはこの漫画を持って、衆参両院の議員控室を回って、「国会で審議をし直して欲しい」ともう1度、伝えようと思っています。

事故を起こした東京電力が支払うべき費用を、電気の消費者全員に支払わせるというまるで無法国家のような日本を正さない国会議員がいるとすれば、立憲政治の破壊を容認することになります。

どうそ、引き続き、託送料金裁判を応援してください。
よろしくお願いします。

<漫画冊子ご希望の方は>
ssokuteisitu@yahoo.co.jp (静岡放射能汚染測定室)宛て、
件名を「託送料金漫画冊子希望」として
・住所・郵便番号・お名前・連絡先・送付希望数 を明記して申し込みください。

送料のご負担をお願いしています。ご協力ください。

漫画は、 https://x.gd/VfgeH でご利用、回覧ください。

(馬場 利子)

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