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秋庭賢司さんへの追悼 その3 山腹の快風 子どもたち健康を守る微笑みの静かなたたかい

秋庭さんへの追悼文をご紹介します。

                                                                    富山県  医師 藤沢 貞志さん

真実は勝つ。まず書くことだ

秋庭先生の訃報を聞いて驚いています。秋庭先生を知ったのは、私が昭和62年、労働衛生コンサルタントを始めてまもなくでした。

仕事上、塩基系有機溶剤やフッ化水素の毒性を学ぶことになりました。塩素・フッ素・ブロムなど、ハロゲン系元素は不燃性・安定性など、工業的に有用な反面、毒性もあります。
しばらくして小学校でもフッ素洗口、しかも試料としてのフッ化ナトリウム粉末を使うというのでびっくりしました。養護教諭がたずさわらず、薬剤師の管理、そして異議申し立てをしました。本来殺鼠剤であり、幼児に数グラムで致死性があります。微量で大丈夫と歯科医は言いましたが、秋庭先生によると10倍以上の濃度だそうです。
新潟の市民運動の方々を通じ、秋庭先生や村上徹先生を知ることができました。
いつもTシャツで、多くの資料をかばんに入れていらっしゃいました。
1995年頃、夏の湯沢スキー場山腹で、分担して翻訳をするということもありました。高橋晄正先生も見えられ「真実は勝つ。まず書くことだ」とおっしゃいました。「この単語がわからない」「もしかしたらフランス語だ」と言ってました。

山腹の風は快かったです。

お話はいつも論理的でした。危惧がいろいろあるのに何故学校で行わなければいけないのかわかりません。同調圧力があり、それを悪用しています。いまだに説明もなされていません。40年近く変わらぬ情熱をクールな話し方で皆をリードしていただきました。

依然として道なかばです。晄正先生、村上徹先生、秋庭賢司先生はいつもほほえんでいしゃいます。

ほほえみは力です。これからも勇気を与えて下さい。


 

 秋庭さんが戦ってきたもの

今、札幌市が子どもたちへの集団フッ素洗口を実施させるための条例を制定し2023年4月からの実施を睨んでの議会での質疑が始まっています。

フッ素洗口を真正面から壊滅に追い込めない真因は何でしょうか。洗口自体の有用性が誤魔化され続けてきたからではないでしょうか。

フッ化物応用がそもそもなぜ始まったかはコンシューマネット・ジャパンで最初出版した秋庭さん執筆本からずっと言い続けてきたことでした。原発余剰物質利用、財界との癒着。一方で、地域的に発生する疫病のような慢性フッ素中毒症。フッ素洗口は二次的三次的にじわじわと広められて「健康にあるべき思想」予防原則、自然派回帰を妨げてきました。全国で条例制定がされていないのは東京都だけとなりました。
フッ素研究会、なかんずく秋庭さんはさまざまな角度や海外の有識者との交流を含めフッ素についての市民側の活動に指針を与え続けました。
特に昨年11月の研究会冊子を改めてみて、秋庭さんのニセ科学へのあくなき研究と追求の強い意思を感じます。秋庭さんは一貫して、ニセ科学と戦い、疑問を持ち学び続ける市民とともに学びあい伝えることを冷静に楽しんでいらしたのだと思います。まだまだ研究を続け、フッ素洗口中止のための活動を続けていかれかったことでしょう。多くの方からの追悼の言葉を伝え切ることはできませんが、多くの方が秋庭さんの遺志をつなぎ、活かしてくださることを心から願い追悼いたします。        (古賀 真子)

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