秋庭賢司さんへの追悼 その2〜健やかな命を命を守るための専門家の役割(実務的医療研究)と市民運動
秋庭賢司さんの急逝から3週間が過ぎました。北海道から追悼文が寄せられましたのでご紹介します。
秋庭先生へ
私は、直接お会いしたことはありませんでしたが、お名前だけは、随分前からフッ素研究会で、存じ上げておりました。ここ2、3年は、zoomでご講演をお聞きしていました。北海道は、フッ素推進の条例も全国的にみても新潟について2番目という早さで2009年に制定されてしまい、各教育局や地教委は、早々と歯科医師会の働きかけで、フッ素洗口を開始してしまいました。
教育局の説明会にも参加しましたが、指導主事が横に並んで、参加者を睨んで質問などにも圧力をかけてきました。「本当にこんなにも有害な劇薬を使って、学校で一斉に行うことを、この人達は危険だとは思わないのか?」と怒りすら感じました。その後、圧力をかけられながらも、私たちは、自治体ごとに交渉を行ってフッ素の危険性を訴え、何とか子どもたちを守りたいと保護者の方々とも手をつなぎ、とりくみをしてきました。
私たちが確信を持って、現在までこのようなとりくみを行ってこられたのは、秋庭先生たちのおかげです。全国で、誰も科学的な根拠を基に、危険性や有害性を発信してくださらなかったら、私たちも同じように勉強不足で上意下達の行政の手先となっていたかもしれません。勉強不足、知識不足というのは、本当に罪であると思います。
子どもたちのためになると信じて、産業廃棄物であり劇薬で、薬とは言えない工業用試薬の化学物質を、いたいけな子どもたちに使う人たちがいます。また実施者側の多くの行政たちは、危険性やリスクなどを何も考えもせず、ただ歯科医師会などの言うままで、圧力に従ってしまいます。ただでさえ、日本は化学物質や遺伝子組み換え食品だらけで、何も子どもたちを守っていません。こんな国で、社会状況で良いわけがありません。
フッ素研究会の先生方も歯科医師会や行政の圧力もあり、きっと様々な困難の中、大変な思いをされて、世界の研究者と連携し、全国へと発信してくださっていたことと思います。今すぐは無理でも、多分歴史が証明してくれるのではないかと、私は信じています。フッ素の有害性を発信してくださった先生方が正しかったんだ、子どもたちを守ってくださったんだとわかる時がくると。
これからも秋庭先生の教えを胸に、1人でも多くの方々にフッ素の有害性を伝えていきたいと思っています。本当に今までありがとうございました!!本当に感謝いたしております。
(北海道 養護教員の方より)
コンシューマネット・ジャパンは子どもたちの健やかな成長を目指しています。ワクチンとフッ素については設立当初より重要なテーマとして取り組みを進めています。母里啓子さんに続いて理事をお願いした秋庭賢司さんも、フッ素問題については市民研究者として右に出るものはいない方でした。
お二人に共通するのは、医師、歯科医師として専門的分野の実務家でありながら、医学的根拠が薄弱なまま、予防医学的見地から進められている予防接種やフッ素洗口について、人権的立場から鋭く研究を重ね、勇気を持って啓蒙を続けた点にあると思います。私が知り合った当初は、研究者タイプでしたが、科学的根拠がなくむしろ有害である予防医学的政策に関して(背後にはさまざまな利権が垣間見える)、専門家として勇気ある発言を続け、市民団体や教組関係の学習会に進んで講師を引き受けるなどして、特に強制力の働く学校の場での養護教員の方たちを支援した役割を果たされたことを強く訴えたいと思います。お二人とも亡くなった年齢は異なりましたが、直前まで健康そのものに見えました。それだけに突然の逝去は衝撃と悲しみは筆舌に尽くし難いものです。
秋庭さんにはコンシューマネット・ジャパンのブックレット、「フッ素にNO」や「フッ素洗口する?しない?」を執筆していただきました。編集段階でも新情報を丁寧に補足し、改訂版への意欲もお持ちでしたので、本当に残念としか言いようがありません。特に2022年11月23日のフッ素研究会の冊子の編集では、ポール・コネットさんの、フッ素とIQ低下の関連性についての論証やコネットさんの合衆国に対する訴訟が勝訴に向けて進行していることについて編集するとともに、ご自身では「虫歯予防のフッ素応用に伴う唾液(血清)中カルシウムの減少と そのメカニズム」についての原稿を執筆されました。
フッ素洗口を目的とする各地の条例制定が進み、札幌市でも2023年4月から学校でのフッ素洗口が開始されることを憂い、2022年は何度も学習会の講師を引き受けられていました。フッ素問題以外にもコロナワクチン問題にも強い関心を持ち学習会に参加し貴重な発言を続けてくださいました。
コロナワクチン問題で、政策への盲従が自分や家族の健康や命を守れないことが明らかになっています。私たちにとって必要な情報をまだまだ提供していくことに意欲を燃やしていた秋庭さんの無念は計り知れません。フッ素にNOの改訂版の出版のための秋庭さんとのメールのやりとりを少しづつ公開していきながら、フッ素洗口再考のための運動を進めフッ素によるIQ低下やカルシュウム減少の子どもたちへの影響について引き続き考えていきたいと思います。また、秋庭さんの意思をつなぎ、フッ素研究会や養護の教員の皆さんの研究活動にもフッ素研究会や歯科医師のみなさんが引き続き協力していくことを強く働きかけていきます。追悼文やフッ素に関する研究発表もお寄せくださいますようお願いします。
(古賀 真子)