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予防接種ネット・de・講座 50 新型コロナワクチン被害救済に審査請求制度は役に立つか?

新型コロナワクチンでの死亡や重篤な後遺症について国の救済制度が機能していないことが各地からの報告や報道で明らかになっています。副反応疑基準としてアナフィラキシーだけが明確に定められているようですが、他の副反応については認定されていないようです。副反応検討部会も報告を網羅的に行っているだけです。今回はMMR被害児を救援する会の栗原淳さんに不認定となった場合の審査請求制度について説明してもらいます。審査請求が新型コロナワクチン副反応の救済にどの程度有効かはわかりませんが、元々、よく知られていない制度なので制度の意味について理解しておくことが必要だと思われます。

予防接種健康被害救済制度に関する新情報

特に新型コロナワクチン接種後に死亡した方のご遺族

20222月1日

栗原 

自己紹介現在42歳の息子が1983124歳半でおたふくかぜワクチンを接種したあとに高熱その後にてんかんを発症年月の経過とともに知的障害みられ医薬品副作用被害救済制度年金給付を受けていますその経験からワクチンや薬の被害救済の問題などに関心をもちここ10年あまり同じように被害にあった方々の支援行なってきました

 その経験からご遺族の方弁護士体職員などの皆さんに済に関して新しい情報みつかりましたのでお伝えしたいと考えました

健康被害救済の現状 市区町村から厚労省にあがった請求書類が疾病障害認定審査会感染症予防接種審査分科審査されます

新型コロナワクチン接種後の被害については2021819日の審査分科会初めて審査が行なわれました913日に新型コロナについて分科会の下に設置されそこではアナフィラキシーのように判断しやすいものを審査し分科会で死亡例の審査をおこなうという役割分担ができました昨年12月末までに部会が4審査分科会2開催されました129日の分科会で初めて死亡例3例が審査されすべて保留とされています具体的には厚労省のサイトで疾病障害認定審査会情報を見て下さい審査結果の概要がわかります

 分科会や部会の結果がでてからおよそ2ヶ月の間に厚労大臣から市区町村伝えられ救済給付をするかしないか請求者に通知されという流れです表参照p.2

不服申立できます 接種後に死亡したと国に報告された症例のほとんどすべてが関係を判断できないとされていることから救済が進みにくいのではないかという見方ありますまた、市区町村長から厚生労働大臣判断により救済できませんという通知を受け取った場合3ケ月以内なら納得できないとして都道府県知事あて審査請求行なうことできます

国の判断を覆し被害認定される割合が大きくなっています 1977から始まった救済制度ですが長い間審査請求で国の判断を覆すことは困難ことでしたしかし2010頃から逆転認定されるケースの割合が大きくなってことがわかりました(別紙参照p.3)

 このことを踏まえ弁護士や支援の方々とよく検討して都道府県知事住民救済への強い意思をもつよう書類だけではなく口頭意見陳述専門家による鑑定必ず要求し迫ることが重要思います行政上の救済は裁判で被害を立証することと違い幅広く救済することが本来の姿だといえます

表 予防接種健康被害救済手続き流れ

救済できないいわれた時の審査請求

請求者

 

被害その保護者

給付請求書

書類一式

所定の様式の他に申立書添えること

重要市区町村の調査委員会会議録や報告書審査分科会会議録など開示請求入手しておくこと個人情報保護法条例審査請求で使う

市区町村長から通知を受け3か月以内

都道府県知事へ

審査請求書

 

 

 

 

処分取消の場合 

市区町村長が国に   ↓  

再審査を申し出る      

市区町村

接種と被害救済の主体

 

(予防接種の担当部署といえばつないでくれます)

市区町村長が調査求める

 

その結果を添え国に送る

 

 

予防接種健康被害調査委員会

 

調査報告書

 

 

 

 

 

 

都道府県知事

(予防接種の担当部署と言えばつないでくれます)

 

経由するだけ

 

 

裁決書棄却処分取消

門家鑑定求めることができる

口頭意見陳述ことができる

 

 

 

 

 

厚生労働大臣

 

担当部署健康局健康課予防接種室健康被害救済給付係直通03-3595-3287

大臣が審査会に諮問

 

 

審査結果を都道府県経由で市区町村長へ

 

 

疾病障害認定審査会感染症予防接種審査分科会

 

答申

 

再審査申出受け分科会の再審査部会認定することになる行政不服審査法の規定による

 

認定通知を都道府県経由で市区町村長

 

 

 

 

 

2022.2作成栗原

 

予防接種健康被害救済制度、増える逆転認定

-行政文書の開示請求による発見-

栗原 

ワクチン副作用被害者家族として接種健康被害認定されなかった事例の審査請求支援複数回経験したある時期から逆転認定される事例割合激増ていること判明したので報告する

1、予防接種法の健康被害救済制度における審査請求とは何か

 予防接種の実施主体は市区町村だが、被害の認は国の・障害認定審査会の感染症・予防接種審査分科会の審査により厚生労働大臣が行なう。その結果、被害められなかった場合、請求被害者は都道府県知事に見直しを求めることができる。これを審査請求という

審査請求の状況ほとんど公表されていない

 環境省管轄するアスベストの場合、公害健康被害補償不服審査会は、裁決書まで公開している、厚労省所管、感染症・予防接種審査分科会再審査部会の審議結果、審査請求求による事案区分明示なく混在しているそのため審査請求の状況を知るには関係文書開示請求しかない

審査手続きの変更

 1977より運用されてい予防接種健康被害救済制度では公衆衛生局保健情報課長通知1979.11.2により審査請求受理した道府県知事厚生大臣に見解を求めることとされていたが健康局結核感染症課長通知2006.6.26により廃止されたその背景に審議整理合理化に関する基本的計画H11.4.27閣議決定あったこの変更をS54通知廃止呼ぶこととする廃止後は都道府独自に審査棄却不支給処分取消逆転認定意味する後述などの裁決行なうことになった

都道府県及び厚生労働省文書の収集と分析

 
査請
求件数
棄却
件数
処分取
消件数
判断の主体
S54通知廃止後
14
5
35.7
9
64.3
都道府県知事
2006(H18).6.26健康局結核感染症課長通知
S54通知廃止
28
24
85.7
4
14.3
厚生労働大臣
1979(S54).11.2公衆衛生局保健情報課長通知
()
42
29
69.0
13
31.0
 
 S54年通知廃止後の審査請求結果変化

労省文書から1920002017府県から2319802020合計42審査請求関する文書の開示を受け裁決の年月日順に並べところS54年通知廃止以後すなわち判断の主体が都道府県知事となってから国の判断原処分の根拠覆され被害認定される割合が廃止前14.3から廃止後64.3激増しているただし47都道府県への開示請求行なえば棄却の割合がさらに増大するものと推測される

裁決効力審査請求活用について考察

審査請求を受けた都道府県審査庁町村処分庁不支給決定取り消す知事が裁決すれば市区町村長は国に再審査を求めることになる行政不服審査法「第52条 裁決は、関係行政庁を拘束する。」規定により国の疾病障害認定審査会の感染症・予防接種審査分科会再審査部会認定せざるを得ないためこれまで例が裁決を踏襲認定されている厚労省調

審査請求は国の審査判断委員の利益相反に由来するかもしれない狭隘な認定姿存在する可能性ある監視す機能であり被害者国民の権利積極的に審査請求を被害認定救済給付を獲得したいものであるその際都道府県専門家による鑑定を求める行政不服審査法34こと重要であその鑑定意見救済されるべきあればそれを踏まえた知事の裁決なる換言すれば誰に鑑定を依頼するか住民を救済しようとする都道府県意思かかってくるといえる

行政文書アーカイブズ国民による検証手段であその一例として審査請求状況を報告した現に被害に苦しむ当事者救済が公正な判断により幅広く迅速になされる必要があり今回報告した内容は国民及び自治体職員弁護士周知されるべきと考える

 

 

資料 S54年通知廃止の通知

 

 

 

 

 

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