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もっと知りたいフッ素の話 その59 ニューハンプシャー州でフッ素化禁止法令を勧告

州議会がフッ素化禁止法案(Bill)を準備  FAN ニュース 
2021.12/5 文責 秋庭賢司

合衆国で400名の議員を擁する最も大きな州議会で、公共飲料水へのフッ素化合物の添加を禁止する法案を初めて通す準備ができている。

2度の公聴会と1年間の熟慮の末、ニューハンプシャー(以下NH)州議会の資源、保養、開発委員会は“通さねば”という熱烈な支持者により12対9の投票で”フッ素化廃止法令(Act:HB611)“を勧告した。法案は来年1月に議員達が委員会報告書作成の80%の時間を費やして投票した議員席に移る。

HB611は、議会を主導するメンバー達とベテラン議員を含めた熱烈な発起人達によって2020年12月に導入された。最も重要な発起人であるLeah Cushman共和党議員は、看護師であり地域の水道水フッ素化によるフッ素の過剰摂取で歯フッ素症に罹患した愛すべき人である。彼女は、NH州住民が何故この法案を支持すべきかについて、昨年1月の公聴会での説明に先立ち、“力強い新聞記事のコラム”を書いていた。

1月の最初の公聴会で委員会のメンバー達は、フッ素化実施の有害性について薬剤師、獣医師、看護師、神経毒性を専門とする科学者、歯科医師、医師を含む様々な専門家から宣誓を受けて意見聴取をした。彼らはまた歯フッ素症を持つ子どもの両親、フッ素に過敏な住民や甲状腺、腎疾患の可能性のある多くの住民の意見を聞いた。この宣誓の多くは地域の利害関係者と一緒に運動をしているFANによってまとめられたものである。コロナ禍によって2021年の全法案は審議が遅れ、この法案は夏を過ぎるまで審議が残っていた。11月に委員会が開かれ、委員達へは“胎児の神経毒性のベンチマーク濃度の論文”を含む更新された科学的新証拠が提供された。

勿論法案は、公衆衛生産業複合体の反対からは逃れられない。反対者は、NH口腔衛生連合、NH歯科医師会、NH健康医療福祉部門、飲料水の規制を監督する環境サービス部門を含む。

しかしながら、委員会のメンバーは、公聴会に先立ち最新の科学的知見を提供されており、彼らには反対者が不正確で時代遅れの論点に頼っており、発言者がこの件について殆ど知らない、ことが明らかだった。

公聴会で起こった決定的な瞬間は、私が神経毒性の研究について反対者達に反論すること、そしてそれらの文献を本当に読んだのか、あるいは米国歯科医師会とCDCの見解を信頼していたのかを質問することを委員会のメンバーに促した時である。1人の委員会メンバーによってまさにこの質問がされた時、HHS(米国健康福祉局)の代表は、実際時代遅れの論点を読んでいる事、しかし“それらを作成した人々や組織を信用している”ことを認めた。

NHは、連邦政府と汚染企業が原因となる害を認め行動を起こす何年も前から、環境毒性物質を規制するという長くてうらやましいほどの歴史がある。2020年、NH州議会は最も低い飲料水中のPFOAの許容濃度を要求する法案を通過させた。前年に、彼らが主導してガソリンからMTBA(発がん性の疑い:メチル-ターシャリ-ブチルエーテル)を除去し、FDAとEPAが規制は不必要であるとしたにも拘わらず—良くないと判ったので—乳児用ボトルのBPA(プラスチック:ビスフェノールA)を禁止した。

HB611はFANによる長年の情報供与の結果である。2012年、歯フッ素症の爆発的増加を受けて我々は、新法案の公式な提出をし、子ども達がフッ素に過剰暴露する危険があるのでフッ素化水で粉ミルクを溶かないように、とのCDCの警告をNH州のフッ素化地域の全ての飲料水消費者に知らせるよう求めて、最終的に同じ資源、保養、開発委員会で通過したHB1416法案のキャンペーンを実施した。この法案(Act)は州議会の下院と上院を通過し州知事により署名がなされた。現在は法律となり9年が経過している(RSA485:14-b)。

NH議会の行動は暗闇の光となった。なぜなら2年後の2014年に、米国HHSがフッ素化地区での過剰摂取を示すCDCのデータによって、全米の水道水中フッ素濃度を1.2から0.7ppmへと40%引き下げる勧告を出したからである。このときNHでフッ素化されている10ヶ所の濃度は1.0から0.7ppmへと30%引き下げられた。

数年後、この警告と議会が的確に動いた現実性によって、歯科関係者からの嘆願にも拘わらず今年の法案の段階に至った。HB611を成立させる投票に先立ち、議員達は乳児に対する警告声明を参照しており、人工乳(ほ乳瓶)栄養児になぜ有害な添加物を与え続けるのか理解できなかった。また彼らは、NHはバーモント州と共に虫歯が最も少ないトップ3の3番目であり、どちらも全米ではフッ素化率の最も低い州に属するとのコメントをした。

彼らが最も虫歯の多い州のフッ素化率を比較したとき、それらの殆どが30年以上、90%以上強制的にフッ素化してきたことに気付いた。

法案は現在、議論と投票に向けて議会に向かうであろう。もし通過すれば2月か3月に州の上院議会で公聴会が開かれ、引き続き上院での投票と州知事による署名か拒否権が実施されるであろう。首尾良く行けばこの法案は8月に法律(Act)になるであろう。

NHでの成功は間違いなく全米にドミノ効果をもたらし、同様の法案を準備しているマサチューセッツ州やハワイ州などへ波及するであろう。

FAN ディレクター スチュアート・クーパー

 

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