消費者のための安全安心情報サイト

コロナ対応を考える その62 〜3回目接種と若年層への接種を心筋炎副反応から考える

3回目接種と若年層への接種について疑問の声を出し、政府の対策について異議申し立てを行う用意をしています。今回は医療問題研修会の会報に山本英彦医師が寄せられた論文を紹介します。

コロナワクチンと心筋炎

コロナワクチンと心筋炎については、アメリカCDCの予防接種諮問委員会(ACIP)は2021年5月17日、COVID-19 Vaccine Safety Technical (VaST) Work Groupから少数ではあるもののコロナワクチンによる心筋炎の発症例についての報告がなされました。思春期や青年男子に多く、1回目接種より2回目接種に多いこと、接種1週間以内の発症が多いことと、多くの症状は一過性で、検査異状もすぐ改善、入院は短期間であること、長期の追跡データは乏しいことなどが示されました。その後5月24日、6月23日のACIP会議へのVaST報告がなされ、WebsiteやMMWRなどでコロナワクチンと心筋炎の関係が全世界に広がりました。(注1)

2021年10月8日、フィンランドは「まれ」な副作用といわれてきた心筋炎のため、30歳未満に対するモデルナ性コロナワクチンの接種を中断する決定をしました。スウェーデンの30歳未満の男子、デンマークの18歳未満へのワクチン中止に引き続く決定です。日本の厚労省も10代、20代の男性にはモデルナでなく、ファイザーワクチンの接種を推奨し始めましたが一般にはほとんど報道されないまま、ワクチン接種が進められています。

 ファイザーでも、モデルナでも、新型コロナワクチンは心筋炎を起こすことが周知の事実です。今後12-15歳への接種拡大、3回目の接種などを進めるワクチン対策のウイークポイントの一つである心筋炎について論じてみます。

急性心筋炎は原因不明で胸痛や動悸を症状に発症し、ひどいと心不全をおこしたり、不整脈突然死もあり得ます。心電図異常、血液検査、心エコーなどで診断を疑うものですが、確定診断は心筋生検とされますが、最近はMRIでもよいとされています。一過性の心電図異常などで治まることも多いようですが、心機能低下が慢性化し、心移植以外に治す見込みがなくなったり、急な不整脈で亡くなることもあります。思春期から青年期に多く、幼小児でも見られます。頻度は10万―100万に何人かのオーダーといわれますが正確なところは不明です。

(表1)に2021年6月11日までに2回接種1億3300万接種に対し636例の心筋炎があったとするACIP報告の抜粋を示します。

(表1)

これによれば、12-17歳男子では100万接種に対し心筋炎が636名 62.8名に発生するという結果です。この636/62.8名はアメリカの受動的副作用報告システムVAERSのデータをまとめたものであり、受動報告であり報告にかなりの制限があること等を考えると実数がはるかに多いか、636名に対応する分母がはるかに小さいと推察されます。本来、このような重篤な副作用報告は、phase3を経て一般認可前に知らせる必要があるが、早急に流布されたワクチンのため、頻度は少なくても重篤な副作用が見逃されたと考えるべきです。

ワクチン推奨側の言い分

コロナワクチンによる心筋炎は「コロナ流行前の一般人口での心筋炎発症頻度と変わらないという主張、あるいはワクチンによる副作用と認めても、SARS-COV-2に罹患しても心筋炎の合併例がみられ、その頻度はワクチンでの発症率よりも高い」という説が流布されるようになりました。

 Daniels Cらはアメリカ内科学会雑誌(JAMA)に、コロナ罹患後のアスリートの1.8%に心筋炎が合併したと報告しています。コロナ罹患のないアスリートとの比較もない論文で、心筋炎頻度が異様に高い報告です doi:10.1001/jamacardio.2021.2828

 MMWR 8月6日号によると(MMWR Weekly / Vol. 70 / No. 31)、2019年に比べ2020年の心筋炎は42%増加、2020年3月に比べ2021年1月ではCOVID-19入院罹患者の心筋炎リスクは非罹患者に比べ約16倍でした。ただし、これは心筋炎とCOVID-19 入院患者の因果関係を推定しているのではなく、コロナ罹患による心筋炎発症リスクは16歳以下、75歳以上が大きく16-39歳が最も低くなっているし、女性の方が優位に高いというように、一般の心筋炎頻度とは異なる分布を示しています。

 2021年10月、NEJMにイスラエルから3つの論文が発表されました。イスラエル最大の保険組合からの論文が2編、保健省からの論文が1編です。保険組合からの論文は先のMMWRにも引用されています。後者の保健省からの論文は、2021年1月から5月まで心筋炎で入院した286例(イスラエルでは2019年以前から心筋炎と診断された人はすべて入院となっているので、ほぼすべての心筋炎患者が網羅されていると述べられています)の心筋炎患者については、コロナ罹患者185例とコロナ非罹患者101名にわけ分かれ、それぞれがワクチン接種率によって心筋炎罹患がどれくらい異なるかを比較したものです(Mevorach Dら)。この286名の心筋炎は、接種三日後にピークが来ることも、また20-29歳をピークにするという、通常の心筋炎罹患の特徴を示していました。つまり、ワクチン接種によって心筋炎の発症疫学パターンは変わらなかったという結果です。(DOI: 10.1056/NEJMoa2109730)

さらに2回接種後30日までの接種者と非接種者の罹患率を比較した結果を見ると、(表2)に示すように、明らかに接種群での罹患が多く、やはり16-19歳男子が最大でRRは8.96でした。これはワクチンによる心筋炎に影響を与える疾患の予防より、ワクチンに伴う心筋炎が増加していることを示すと推定されるものです

(2)