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もっと知りたいフッ素の話 その57  フッ素推進派の巻き返しを一刀両断 コネットさん論考・秋庭さんが紹介

米合衆国でのフッ素をめぐる裁判の判決がまたれています。
https://consumernet.jp/?p=8408
 
その前に、合衆国、オーストラリア、ニュージーランド、WHOへのフッ素化推進の提言など世界中でフッ素推進派の巻き返しが広がっています。特に英国では政府がフッ素化の強要をしています。
FANのポール コネット氏の批判文を紹介します。訳は秋庭賢司さんです。
 

FANニュース 2021.8/5  

英国政府が飲料水フッ素化強制を推進        文責 秋庭 賢司 2021.8/20

英国保守党はフッ素化強制を推進するため使い古されたプロパガンダを持ち出している。

英国では保守党、労働党共に政権が次々とフッ素化を推奨しているが、数十年間に実施されたのは僅か給水人口の10%に留まっている。サッチャー首相は水道会社に財政的負債の支援を申し入れたのに、事態を進められなかった。北アイルランドをフッ素化しようとする努力は、22の地域委員会(Council)が計画に反対し惨めな失敗に終わった。スコットランドもフッ素化しないままで、その替わり安価な「子どもスマイル計画」を遊び感覚で導入し経済的弱者の多い地域でフッ素化されているニュージーランドのような国々よりも虫歯撲滅に多大な成果を挙げている。

過去20年間サザンプトン、マンチェスター、ハル市でのフッ素化努力は全て失敗した。そして今、ボリス ジョンソン首相は英国全土に強制的なフッ素化を導入しようと努力している。詳細は英国政策白書(UK policy paper),健康と福祉事業部門(健康と福祉議案:フッ素化)を参照のこと。しかし彼らが強要する理論的根拠は、科学的中身がなく、合衆国とカナダ政府の資金によるIQに関する研究を無視するのは不誠実である。

事態に精通している我々の支援者は、この白書の“潜在的為害性の根拠”の項目にある米国NIEHSNational Institute of Environmental Health Sciencesの資金によるIQに関する2研究への論評を読んで嫌気がさすだろう(以下参照)。彼らは直ちに、この科学的評価を装った粗雑なプロパガンダの類いだと気づくだろう。我々の支援者は気づくが、不幸にも英国や多くのフッ素化された国々では、メキシコとカナダで実施された母子に関するフッ素研究をメディアが報道し続けないので多くの市民は知らないだろう。私はこれらの所見を総括し、如何にして英国政府の報告が、露骨にれらの研究を葬り去る為巧妙ごまかしたかを明らかにするつもりである。

フッ素の神経毒性

神経毒性の問題点の背景には、フッ素の神経毒性を指摘する1990年代に始まる多くのピュアーレビューによる研究があった。現在迄に69のヒトでの研究があり、その多くは中国のフッ素中毒地域の研究であるが、フッ素暴露によるIQの低下を関連づけている。フッ素化推進者達はこれらの研究の関連性を退けてきた。

a)研究方法に限界があるb)これらの見解の多く(しかし全てではない)は、フッ素化計画で使われるフッ素濃度より高い濃度で発生している。それにもかかわらず、結果は驚くほど一貫性があり一般的な同意を得てきた(Choi et al,2012)。さらにこれらの研究の幾つか(Xiang et al.,2003a,2003b)大変優れており、勿論その事実は推進派によって全ての研究を広汎磨きをかけて無視することによって消え去った。NIEHSNational Institute of Environmental Health Sciences)NIH(National Institutes of Health):アメリカ国立衛生研究所の資金による4つの前向きコホート研究が最初に発表されたとき、これらの研究の大変顕著な質的改善が2017年に起こった(Bashash2017,2018;Green2019;Till2020幼児の研究)。

初めて妊娠中の母子の測定研究が含まれている。このことは、フッ素が血液脳関門を通過すると理解されるので重要である。母子へのフッ素暴露の測定と結果は個人レベルで行われた(以前はこれらの研究はいわゆる“生態学的研究として地域レベルで行われた)。Tillによる2020年の研究はまた、幼児の脳はフッ化物のダメージに大変敏感である事も明らかにした。この研究は、フッ素化された地域の飲料水で溶いた粉ミルクを飲んでいる乳児は、非フッ素化地域の粉ミルクを飲んでいる乳児に比べて大きなIQ低下が起こることを見いだした。最も重要なは、これら全ての研究で暴露されているフッ素濃度は、0.7ppmにフッ素添加されたカナダと合衆国のフッ素化地域で妊婦と幼児が日常的に経験している濃度と同じレベルである、ということである。この重要な科学的根拠は、今や極めて低いフッ素濃度でも胎児と幼児の両方の脳にダメージを与える可能性があることを強く示唆している。2021年6月に発表されたGrandjean ほか「ベンチマーク濃度の評価(BMD)」によれば、通常経験している0.7ppmのフッ素化地域の妊婦から生まれた子どもは4~5ポイントのIQを失うだろう。大局的に言えばIQの集団分布が低い方に移動しIQ5ポイントの集団的な減少は、極めてIQの高い(130>)子どもが減り,特別のケアーを必要とする子ども(IQ<70)が57%増えることを意味している。両方の変化が人口の多い英国(原文はUK連合王国)にとって社会的、経済的に莫大な影響を及ぼす。

Grandjeanほか(2021)のBMD論文によれば、主に多くの子ども達が故意にフッ素化飲料水に暴露されるため”概して今日フッ素は鉛、ヒ素や水銀より大きなIQポイントの喪失を起こしている。“としている。UK(連合王国)の政府報告では、最近発表された他の臓器、組織や体組織系(免疫など)などへの影響には言及していないが、例えば、米合衆国(USA)でフッ素化されているのと同じ範囲の天然のフッ素濃度に長年暴露した閉経後のスウェーデン女性と大腿骨頚部骨折(hip fracture)に関する広汎な前向きコホート研究がある(Helteほか2021)。これは大変深刻な知見である。なぜなら老人の大腿骨頚部骨折は心身を衰弱させ、医療費がかかり自立喪失に繋がり介護施設でのケアーやしばしばそれらの影響で死期を早める。この見解はフッ素が、胎児の脳と老人への生涯に渡る暴露に影響を与え、我々の生誕から墓場まで影響することもまた明らかにしている。そこで以下は英国政府の報告がフッ素化の健康問題をいかにして捨象したかという背景である。

起こりうる害作用の証拠

フッ素暴露と発育中の神経障害に関する幾つかのつい最近の研究がある。[Bashash ほか2017,Greenほか2019]。しかしながら事実はこれを支持しない、別の様々な世界的な権威筋の評価は、おしなべてフッ素化に使われている濃度や規制値以下の濃度で健康を害するに値する証拠がない、との認識である[カナダ2019,オーストラリア2016,ニュージーランド2021,ユーロ2011,アイルランド2015]

英国の評価は何処が間違っているか?

1. 英国の著者達は、フッ素が神経毒物質であるとするヒトや動物研究での幅広い視野から見た大局的な文脈で議論をしてこなかった。
2. 最近のIQ研究の議論の中で(むしろ無視した)イギリスの著者達は、上述した大変重要なTillほか2020の研究を挙げていない。これはイギリスの評価に先立つこと20ヶ月前の2019年11月に公表された。これは意図的な削除である。科学者達は、これを“文献の作為的使用”と呼び、この種の例は政策に奉仕する為に使われてきた。
3. Bashash2017とGreen2019の研究について、イギリスの著者達はこれらの見解に1つの研究例も引き合いに出さず厳しく反論することなく、“これを支持する科学的証拠がない”と言い古された言葉を使う。
4. 著者達が様々な世界的な組織の専門家の評価と主張するのは、これら2つのIQ研究の重大さを無視するためであり、彼らは大変貧弱な仕事をしていることになる。

イギリスの政治的報告は、NIEHSの資金援助によるBashash2017Green2019の研究を軽率にも無視したことを支援するため、“彼らが世界的組織”と称する5つの論評を引用している。このうちのただ1つが国際組織(EU`s SCHER)であり、他の4つはフッ素化人口の多い国の政府組織からのものである。それらの論評は通常、政府の政策を支持するものである。

EUROPEAN2011.EU. 健康と環境科学に関するリスク評価委員会―SCHER(2011).有害情報、健康影響ヒトへのフッ素暴露と飲料水フッ素化物質の新証拠の論評。注)EU SCHER委員会、69のIQ研究のうち僅かしか入手できない2011年に論評を公表した。英国の論評に関する限り、Bashash2017,Green2019論文が発表される6~8年前なので両論文の質的評価に無関係である。

IRELAND―2015. 健康調査委員会 フッ素化健康に及ぼす影響への証拠の評価 )この委員会は、1960年代に国内で強制的に飲料水のフッ素化を実施したアイルランド政府によって設立された。それらの論評は、Bashash2017,Green2019論文が発表される2~4年前なので英国の論評と無関係である

AUSTRALIA2016.NHMRC.  Jack B, Ayson M, Lewis Sほか.水道水フッ素化の健康影響。証拠の評価報告。国立健康医学調査委員会2016. 注)当委員会はオーストラリア政府の一部門であり、一般的に科学案件では政府の政策を守るのが任務である。このケースでオーストラリアは、米合衆国と同じくフッ素化人口の占める割合が他のいかなる大国よりも多い極端なフッ素推進国である。この論評基本的に2007年の彼らの報告の繰り返しで、その多くはイギリスのヨークレポート(McDonagh ほか2000年)のコピペであり、IQの研究は貧弱である。1つの例として、Xiangほか,2003年の研究に対して、対照地区があるにも拘わらず、ないとして批判している。再び言うが、この報告はBashash 2017,とGreen 2019研究の1~3年前なので無関係である。

CANADA2019.CADHT. 水道水フッ素化計画: 健康科学の評価―虫歯とそのほかの健康影響の結果報告;Ottawa;2019. 注)これはBashash,2017が発表されて以後、イギリスでその論文が最初に引用された報告書である私は「カルガリーに安全な水を(市民団体)」の招きでこの報告書を批判する専門チームの一員であった(20197月の論評を参照のこと)。しかし、それは非常に貧弱で偏った報告であり、Bashash,2017の研究を論評してなかった。市民団体の推測では、そしてそれは恐らく正しいと思うが、その報告書はカルガリー市を再度フッ素化させるべく、委員会の決定に影響を与えるために慌てて出版されたのだった。再び言うが、この報告書はBashash2017もGreen2019研究の両方とも考察していないので、イギリスの議論とは無関係である。

NEW ZEALAND―2021.首相の主任科学アドバイザー事務所、ニュージーランド王立協会2021.フッ素化の根拠のアップデート注)最後に、我々は実際にBashash,2017Green,2019論文を引用し論評した唯一の報告書にたどり着いた。このコメントに言及する前に、この報告書の政治的背景を理解しておくことが重要である。それはニュージーランド政府が再度フッ素化を強制するのに、間に合うようある種の科学的様相をまとったものとして現れたのである。この引用はいかに彼らのフッ素の神経毒性に関する文献の理解が貧弱であるか、とうことの一端を表している。最近の一連の研究では、非常に高濃度かつフッ素への慢性的暴露、神経と認識機能の発育に悪影響があり得る。しかし、このことはAotearoa(ニュージーランドのマオリ語)で使用されているフッ素化濃度とは無関係である。これはナンセンスである。上記で論じられた全てのNIEHS資金での研究(Bashash,2017;Green,2019;Till,2020)は、0.7ppmのフッ素化地区か住民がそれと同等のフッ素量を他から摂取している地区で実施されていた(妊婦の尿中フッ素量の測定のように)。ニュージーランドのフッ素化濃度は0.85ppmであり、合衆国やカナダより多くのIQ喪失の危険性がある。Bashash,2017.論文への言及はないが、Green,2019論文の論評はある。

カナダで行われた研究(Greenほか。2019),妊娠中の母親のフッ素への暴露は、虫歯予防に最適な飲料水中のフッ素濃度(つまり0.7~1.2mg/L: ppm)でさえ、男子(女子ではない)のIQスコアーの低下と関係があることを見いだした。もしもこの研究がしっかりした研究で検証されるなら、0.7~1.0ppmのフッ素濃度が推奨されているニュージーランドでは面倒なことになるだろう。この研究が発表された時(例えばScience Media Center2019を参照:母親へのフッ素暴露と子どものIQの関係を調べた研究に対する専門家の反応、該当分野の多数の専門家から研究の概要について強い批判があった。研究は、関係を見つけるために論文中に説明のない小さなグループを評価している(つまり、なぜ男子だけに影響があるのか、なぜ発語能力に影響がないのか)、その影響はフッ素化濃度より非常に高濃度に暴露したの少数の参加者の様に見える(つまり、ニュージーランドより高濃度である)”   注)これらの該当分野の専門家には誰1人として神経毒性の専門家はいない、Green論文から関心をそらす目的で、彼らは英国の企業と親密なメディアセンターによって急遽集められたのである。執筆者達はたった1篇の論文だ、もっと多くの研究が必要であるのよう単純で見当違いのコメントを含め、この研究に対し極めて短い回答をしている。多くのフッ素化推進者達がIQ研究を論じ合う時にするように、ニュージーランドの執筆者達も同じように振る舞った。:彼らはニュージーランドBroadbentほか.が2015年に実施された研究とそれを比較した。BroadbentとGreenの方法論を比べるのは、防波堤と山を比べるのに等しい。Broadbent論文の最初の文章を読むだけで、この件について、いかに政治的に動機づけられているかが解るだろう。Broadbentは、フッ素化計画は主に中国のIQ研究に警告を鳴らし大きくなった市民達によって脅されている、と最近のハミルトン市の地域委員(council)でこぼしている。明らかにこの論文の目的はこれらの関心をつぶすことであった。論文は重大な欠陥があり、最近のNTP(National Toxicology Program)報告書(草稿)の論評では低ランクに位置づけている。

以下がこの論文の弱点である:

1. フッ素暴露の個人測定はない。コホートと対照地区の違いは地域飲料水のフッ素濃度だけである。
 
2. 標本数があまりにもバランスが取れていない:対照の非フッ素化地区は99人、フッ素化地区は891人。
 
3. 2つの地区の差は他にもあり、飲料水中の混入物質を含む説明がない。同じコホート研究では鉛の影響の調査があるのに、対照地区では鉛の暴露調査がない。
 
4. 非フッ素化地区の子ども達はおそらくフッ素を摂取していた(フッ素化濃度と同程度のフッ素錠を処方されていた)。
 
5. 更に、ニュージーランドは世界中でお茶の消費が最も多い国の1つである。お茶はフッ素の大きな摂取源である。
 
6. このように2地区コホート研究ではフッ素の総摂取量に殆ど差がなく、IQスコアーの差の決め手は極めて限定的である。
 
7. Broadbentが調整に使った4要素は、露骨に言えば殆どコントロールされている。例えば、社会経済的状況(SES: Social Economical Statusは、単に3段階に分けた父親の職業だけである。社会経済的状況の不十分な調整は、フッ素が原因のIQ低下を不鮮明にする、何故なら非フッ素化地区の殆どの子どもは、フッ素化地区より社会経済的状況が低い中心部から離れた地区に居住しているからである。
 
8. 最後に、2の研究が掲載された2つの雑誌を比較すべきである。Broadbentは神経毒性や小児の発育に特化した雑誌ではない、Journal of Public Healthに発表、他方、Greenはその方面で世界をリードする雑誌の1つであるアメリカ小児科医会雑誌に発表した。Green論文は、その種の研究が受けるであろう厳しい査読に曝された。このあたりの経過は、掲載雑誌の編集長が、「多くの反対意見があったが内容の重要性から掲載を決断した」と述べている。
 

結局Bashash2017とGreen2019無視しようと英国政府が提起した5つの報告のうち、1つだけが1論文についてだけ問題と関連のある批判をしている。それは著者達によって仕組まれたことであった。英国市民はこの重要案件について英国政府からもっとましな扱いを受けるべきである。

原文は以下参照: https://fluoridealert.org/content/bulletin_8-4-21/

Fluoride Action Network 代表 ポール コネット

 

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