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コロナ対応を考える その56 変異株感染拡大の実態は?

新型コロナの記事を最後に書いてから1ヶ月が経ちました。色々と物議のあった東京オリンピックも終わり、豪雨被害と感染拡大に打つ手なしの状況が続いています。少し情報を整理してみたいと思います。今回は変異株の問題です。

変異株感染拡大

東京大学の研究でもデルタ株に続き、ラムダ株の強い感染力とワクチンへの抵抗力が確認されています。国はオリンピックでのラムダ株の国内検疫確認例を事実上隠蔽していましたが、パラリンピックでも同様に国内流入の危険性が高く、既に国内感染が広がり始めている可能性もある現状での、更なる感染者流入のリスクは避けるべきでしょう。3.11を克服した証、コロナを克服した証としての東京オリンピックは最後は「安全安心」の開催という開催事態が目的化下としか言いようがない状態です。こういう懸念も国は発信するべきです。デルタ株での流行が収束する前にラムダ株の流行が始まれば、医療体制は壊滅的な状況に追い込まれると言われています。既に国内の麻酔薬などは大きく不足しています。今後、重症者を挿管すること自体が難しくなる懸念があります。
抗体カクテルやイベルメクチンなどの治療が提案されているようですが、現場の状況を報道するマスコミも国の公式の説明もありません。
 
デルタ株の脅威

変異した新型コロナウイルス「デルタ株」が、日本で最初に確認されたのは、今年春でした。それからわずか数か月、デルタ株への置き換わりは急速に進み、8月5日に国立感染症研究所が発表した推定結果では、首都圏でほぼ90%を占めるまでになっているといわれています。

WHO=世界保健機関などによると、デルタ株は2020年10月にインドで初めて報告され、インドでの爆発的な感染拡大の原因のひとつとみられています。現在は130以上の国や地域で報告され、WHOは、最も警戒度が高い「VOC=懸念される変異株」に位置付けました。国内外の研究では、従来株のウイルスに対して2倍程度、アルファ株に対して1.5倍程度、感染力が強まっているとされています。中国のグループの研究では、デルタ株に感染した人は、体内から検出されるウイルス量が、従来株のウイルスの1200倍多かったと指摘されています。

デルタ株の脅威はどれほどなのか? イギリスで、デルタ株がこれまでよりも症状が重くなりやすいことを示すデータでは、イギリス・スコットランドでの治療・入院の状況をエジンバラ大学アジズ・シェイク教授らがまとめたものです。およそ2万人の感染者を対象に調べたところ、入院が必要になる人の割合が、アルファ株と比べ、デルタ株は1.85倍に高まったとされています。

新型コロナウイルスは、今も次々と遺伝子に新たな変異が起こり続けています。8月5日。鹿児島県は、「新たな変異を獲得したデルタ株を発見した」と発表しました。デルタ株が持つ遺伝子に、「E484K」という遺伝子の変異が加わり、免疫の攻撃をよりすり抜けやすくなっている可能性が指摘されています。

次々と出現する新たな変異ウイルス。東京大学医科学研究所の佐藤准教授は、「変異にはまだまだ終わりがなく、監視を続けていく必要がある」といいます。

東京大学医科学研究所 佐藤佳准教授

「新型コロナウイルスは“進化”する余力をまだ残している。広がっていく中で毒性は弱まるという予測をみんな持っていたが、この一年みてきたなかでは、明らかに弱毒化の方向に向かっていない。新型コロナウイルスが現れた当初には持っていなかったような、いろいろな能力を獲得して広がっている。間違いなく、これで終わりではない」

(以上NHKスペシャルより一部抜粋) 

 
ラムダ株、強い感染力とワクチンへの抵抗力
デルタ株の次に変異株として指摘されているのが、ラムダ株です。南米で猛威をふるっている「ラムダ株」は、日本でも、7月20日に羽田空港の検疫所で、ペルーから到着した人の感染が確認されました。ロイター通信によると、日本の東京大学研究チームは7月28日、科学論文サイト「バイオアーカイヴ」に、ラムダ株の研究結果を公開しました。これによると、「ワクチンがウイルスの力を失わせる「中和作用」に抵抗する突然変異、既存のウイルスよりも感染力が強い突然変異がラムダ株から観察された。 特定の条件でデルタ株よりラムダ株の感染力が強かったという内容もあった。ただし、ラムダ株が既存のウイルスより感染力が正確に何倍さらに強いのか、致死率はどの程度になるのかについてはまだ確認されていません。 研究チームは、「まだ全世界がラムダ株の危険性を認知できていない」と懸念を示しているようです。
ラムダ株は昨年12月にペルーで初めて発見されたことがわかっています。しかし、研究チームはそれよりも早い同年11月8日にアルゼンチンで検出されたウイルスからラムダ株が確認されたと明らかにしました。 ラムダ株の感染は、ペルー、チリ、エクアドル、アルゼンチンなど南米を中心に急速に拡大。ペルー国立保健院によると、ペルー全体の新型コロナウイルス感染者のうち80%以上がラムダ株に感染しました。
全国民の65%がワクチン接種を終えたチリでは、ラムダ株による「ワクチンブレークスルー(突破)型」の感染ケースも相次いでいます。インフルエンザウイルス遺伝子データベース(GISAID)によると、現在、ラムダ株が確認された国は26ヵ国。 世界保健機関(WHO)は、ラムダ株を「懸念される変異株」より低い段階の「関心のある変異株」に分類していますが、専門家たちは変更しなければならないかもしれないと指摘しています。 ペルー・リマにあるカジェタノ・エレディア大学の分子微生物学者パブロ・ツカヤマ博士は、「ラムダ株は初期の頃はあまり注目されなかった。今はラムダ株の感染力が強いという指標が次々に明らかになっている」と話したようです。
 
日本の感染報道が遅れたわけは?
7月20日に羽田空港に到着した人から採取した検体の解析結果によるものですが、公表は8月6日でした。国会議員の山添拓さんのfacebook報告によると、
厚労省はいつラムダ株を確認していたのか。議員が厚労省に問い合わしたところ、最初はこれに答えず「ゲノム解析の結果がわかるには通常一週間程度かかります」との文書回答が来たそうです。質問に答えてほしいと重ねて求めると、今度は「担当者がいない」とか「確認中」といい答えないままになりました。
8月12日夕方のBS番組で自民党議員がこの件に言及。翌朝になって山添議員の事務所にも電話があり、最初にラムダ株検出がわかったのは7月23日、ゲノム解析の定例報告で判明していたといい、7月26日にはWHOにも報告したとのことでした。
23日といえば開会式当日。これはやはり五輪を忖度したのかと思っていたら、13日夕方には五輪関係者からの検出との報道がありました。
議員の質問に対しては、8月6日、海外メディアが報じ、問い合わせを受けたので答えた、というのが厚労省の回答でした。
しかし、本当にそれだけでしょうか。
組織委や官邸はいつ事実関係を把握したのか。感染者は3日後に再度検査を受けたはずですがその後はどのような対応になったのか。
アルファ株でもデルタ株でも、変異株対応に失敗してきた日本です。五輪のために対策が歪められたことはないのか、検証が必要です。https://www.tokyo-np.co.jp/article/123981
(以上山添議員より引用)
 
変異株にどう対応すべきか
オリンピックが終わり、感染拡大報道が一気に強調されたと思うや否や、豪雨被害報道に取って代わられています。新型コロナに限らず、変異するのは想定内です。国民も一喜一憂すべきではなく、国は正確な報道を行うべきではないでしょうか。人流制限で感染拡大が収まるものではありません。感染症類型の見直しも検討外れな改悪にならないよう監視が必要です。次回は副反応報告の実態について報告します。
(古賀 真子)

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