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マルチ商法や訪問販売で被害にあっていませんか?特商法関連被害の実態把握等に係る検討会報告書が発表されました

2014年8月6日消費者庁は、「特商法関連被害の実態把握等に係る検討会」の報告書を公表しました。2008年(平成20年)に改正された特商法の施行状況やその後の社会変化等を踏まえ、特商法関連の消費者被害の実態把握と課題の整理を行ったものです。この報告書をもとに、今後も本格的な検討を行い、消費者被害を防止する議論が進められる予定のようです。

http://www.caa.go.jp/trade/pdf/140806kouhyou_1.pdf

特定商取引法(旧称「訪問販売法(訪問販売等に関する法律)」)は、訪問販売や通信販売等、以下に挙げる消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めています。これにより、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守るための法律です。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S51/S51HO057.html

特定商取引法の対象となる取引類型としては以下のようなものがあります。しかし、これらの変形のような形態もあり、悪質商法は手を変え品を変え消費者を狙ってきます。従来から被害の多いエステに加え、化粧品や植毛ビジネス、健康食品や健康器具など健康産業関連の被害も多いようです。サラ金からお金を借りさせたり、クレジットを組ませるものもあり、法規制も後追いになりがちです。

最近はスマホやSNSを使ったもの、電子メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上のメッセージ、チャットなどにより勧誘が行われ、インターネット上で契約が締結されることもあります。こうした契約は、特商法上の類型としては通信販売に当たりますが、特商法上、通信販売については電話勧誘販売取引において認められている別段の明確な表示があっても排除されない強行規定としてのクーリング・オフや意思表示取消などの効果は認められていないことなどから、今回の有識者会議で法規制上の問題点が指摘されています。

被害防止のための規制強化も大切ですが、こうした法律があることを、ぜひ一人暮らしを始めた大学生や一人暮らしのお年寄りにも知っていただきたいと思います。

裁判所のような名称を利用して「利用代金」などの名称で支払を督促してくるものもあります。「楽してうまい話はない」「あわてて支払等をしない」という当たり前のことを肝に銘ずる必要がありそうです。

被害にあってしまったら、お近くの消費者センターに相談しましょう。最近は消費者センターや国民生活センターに似た名称で被害相談に乗るとして二次被害を受ける方もありますのでしっかり確認するよう注意が必要です。

訪問販売

事業者が一般消費者の自宅等へ訪問して、商品、権利の販売又は役務(サービス)の提供を行う取引、キャッチセールス、アポイントメントセールス等のこと。

通信販売

新聞、雑誌、インターネット等で広告し、郵便、電話等の通信手段により申込みを受ける取引のこと。「インターネット・オークション」も含みますが、「電話勧誘販売」に該当するものを除きます。

電話勧誘販売

電話で勧誘し、申込みを受ける取引のこと。電話をいったん切った後、消費者が郵便や電話等によって申込みを行う場合にも該当します。

連鎖販売取引

個人を販売員として勧誘し、さらに次の販売員を勧誘させるというかたちで、販売組織を連鎖的に拡大して行う商品・役務(サービス)の取引のこと。いわゆるマルチ商法です。被害者が加害者となり被害を拡大していきます。

特定継続的役務提供

長期・継続的な役務(「えきむ」と読み、いわゆるサービスを意味します)の提供と、これに対する高額の対価を約する取引。現在、エステティックサロン、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の6つの役務が対象とされている。

業務提携誘因販売取引

「仕事を提供するので収入が得られる」という口実で消費者を誘引し、仕事に必要であるとして、商品等を売って金銭負担を負わせる取引。

訪問購入

事業者が一般消費者の自宅等へ訪問して、物品の購入を行う取引。

行政規制

  • 氏名等の明示の義務づけ

    特定商取引法は、勧誘開始前に事業者名や、勧誘目的であることなどを消費者に告げるよう業者に義務づけています。

  • 不当な勧誘行為の禁止

    特定商取引法は、不実告知(虚偽の説明)や、重要事項(価格・支払い条件等)を故意に告知しなかったり、消費者を威迫して困惑させたりする勧誘行為を禁止しています。

  • 広告規制

    特定商取引法は、業者が広告をする際には、重要事項を表示することを義務づけ、また、虚偽・誇大な広告を禁止しています。

  • 書面交付義務

    特定商取引法は、契約締結時等に、重要事項を記載した書面を交付することを事業者に義務づけています。

民事ルール

特定商取引法は、消費者と事業者との間のトラブルを防止し、その救済を容易にするなどの機能を強化するため、消費者による契約の解除(クーリング・オフ)、取り消しなどを認め、また、事業者による法外な損害賠償請求を制限するなどのルールを定めています。

  • クーリング・オフ

    特定商取引法は、「クーリング・オフ」を認めています。クーリング・オフとは、申込みまたは契約後に法律で決められた書面を受け取ってから一定の期間(※)、消費者が冷静に再考して、無条件で解約することです。(※)訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供・訪問購入においては8日間、連鎖販売取引・業務提供誘引販売取引においては20日間。通信販売には、クーリング・オフに関する規定はありません。

  • 意思表示の取消し

    特定商取引法は、事業者が不実告知や重要事項の故意の不告知等の違法行為を行った結果、消費者が誤認し、契約の申込み、またはその承諾の意思表示をしたときには、消費者は、その意思表示を取り消すことを認めています。

  • 損害賠償等の額の制限

    特定商取引法は、消費者が中途解約する際等、事業者が請求できる損害賠償額に上限を設定しています。

今後の本格的な検討に、注目していきましょう。

古賀 真子

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