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コロナ対応を考える その40 救済制度への遠い道のり 肺炎球菌とおたふくかぜの同時接種での被害例

2020年12月18日に大阪府内で、PCV13(小児用肺炎球菌)とおたふくかぜワクチンの同時接種で障害を負った男児が、当初国の認定を拒否された事例について、府への審査請求で不支給処分取消し」の裁決書が出され、2021年8月に国の再審査部会でも認定となりました。

審査請求では医療費・医療手当だけが当初認められましたが、かなりの時間をかけての請求により、ようやく障害児養育年金も認められました。事例を紹介しながら現在における副反応救済の困難さと制度の問題点をご報告します。

接種と被害の経緯

男児は平成○年6月18日にPCV13(小児用肺炎球菌)とおたふくかぜワクチンを同時接種し、当日夜間より軽度の眼振が出現しました。3日後の6月21日からそれまでできていた伝い歩きが不安定となり、眼振がさらに悪化したため6月24日に受診しました。その時感染症に伴う小脳失調が疑われました。7月3日の頭部MIRでは、小脳を含め異常は認められませんでした。7月十六にtに外来受診した際には眼の揺れは残っていたとされています。8月22日にはつかまり立ち、伝い歩きはするが一人歩きができなくなりました、8月27日には正受遅延とされました。

9月1日には発熱に伴い急激に眼振、体幹失調、企画振戦などが憎悪し、立位も困難となり入院となりました。・・体幹失調が強く、企画振戦が著明で立位が保持できない。9月3日から小脳失調に対してステロイドバルスが3日間施行されました。・・小脳炎。入退院後、9月29日には失調が増加、11月8日に退院しましたが12月22日に再度入院。翌年1月18日の頭部MRIでは異常なし。症状は残存し、1月21日に再度入院ステロイドバルス5クール目。その後ステロイド内服1mg/kg開始。

3月8日に再度入院、7月20日に外来。言葉の数は少し増えたとされています。

男児のお母さんから、コンシューマネット・ジャパンに予防接種の副反応ではないかとの相談が寄せられ、ワクチントーク全国、MMR被害時を救援する会とともに被害申請、不支給、審査請求の支援を行いました。

2019年9月29日のワクチントーク全国集会では、男児の父やが経過と審査請求での苦労を発言されました。私たちは被害申請への支援を決め、集会では認定部会の議事録を読み合わせし、国の認定部会がいかに短時間で結論ありきの「不認定」審査をしているかの実態を明らかにしました。

副反応認定部会は慢性小脳炎という病名については認めたものの、ワクチン接種前の2週間前の胃腸炎を引き合いに出したり、先天代謝異常を推測したりなど発達障害についてのワクチン関与を終始否定する発言が目立ちました。当日に眼振が出るのは早すぎるとか、MRワクチンでの小脳炎が接種後13日経過後だったなどの発言がされ、肺炎球菌の4回目接種が早すぎたせいではないかとか、画像診断がないなど、ワクチン接種との因果関係を真っ向から議論するのではなく別に原因を探すことに終始一貫した座長の誘導が見られました。

2019年より大阪府への審査請求を行いましたが、審理には手間と時間がかかり、口頭意見陳述も再三お願いしてやっと実現しました。鑑定要請もしましたが鑑定医のS医師がとても好意的に「因果関係を否定できない」との鑑定書を出してくれたことが大きな力になりました。黒部医師に意見書をお願いした点に関して、鑑定を求めていたところ、大阪府側のS医師が「救済対象である」という鑑定結果報告書が2020年5月に提出され、8月17日に当初に要望していた口頭意見陳述が予定通り実施し、ようやく2020n年12月に裁決書が届いたのです。

口頭意見陳述聴取結果記録書

なぜか障害児養育年金については先延ばし

〇〇さんによれば、M市の当時の室長が自宅まで来られた際に、当初から、医療費、医療手当と障害児養育年金の3つの請求をすると伝えたが、その方は、医療費と医療手当の申請を先に行い、 この2つが通れば、障害児の養育年金を申請すると言った。最初からすべて申請したいと何度も伝えたが、かたくなにまずは医療費と医療手当のみ申請し、それが通れば障 害児養育年金の申請を後からつけると言っていた。その理由を教えてほしい。
【処分庁 N氏の弁】 ・前任者はすでに辞めているため、聞き取りや、残された記録等をもとに調査を行ったが正確な事実を導きだすことができていない。ただ、記録によると○○様から障害児養育年金を申請したいとの申し出があり、また同年金が障がい発生の時点まで遡って支給されるのであれば医療費手当の請求結果が出てからでも構わない、となっている。その後、 5月に○○様から障害児養育年金請求書の提出を受けてM市で健康被害調査委員会の開催に向けた準備をしていたが、同じ時期に国から府を通じて不認定という通知が来 たため、その説明のため職員が審査請求人の自宅を訪問した際、○○様の方から手続きを保留してほしいとの申し出があったと記録が残っている。M市としては○○様の意 向に従い保留している、と認識しているが、行き違いがあったのであれば申し訳ない。
【審査請求人 ○○氏】(母) ・障がい児の養育年金は最初から申請すると伝えており、箕面市役所に伺ったときにも、当時の担当から様式のコピーもいただいているので、私の方から申請しない、ということはなかったと思う。先ほど、準備をしているところに、国から否決の通知がきたので委員会を開催しなかったと言われたが、その準備についても言ってくれなかったし、担当が代わられたことについても連絡がなく、M市の対応としては残念。
【審査請求代理人 栗原敦氏】 ・医療費・医療手当の請求と同時に障害児養育年金の申請を行うことはよくあることである。先送りさせる根拠は不明。

【審査請求人 ○○氏】(父) ・今、初めて箕面市の方から「一緒に」とおっしゃっていただいた。子供が病気になって以来6年間、職員の方に助けを求めてきたが、一緒に頑張りましょうと言ってくれた方 は一人もいなかった。今この場において、初めておっしゃっていただいたのはうれしいが、もっと早く聞きたかったと思っている。
【審査請求人 ○○氏】(母) ・予防接種をするには保護者のサインが必要である。それを書いた自分を一日たりとも許せないでいる。M市は住民に対する支援が他市より手厚いのは知っている。私はM市に助けを求めた。M市には、必要として手を伸ばしている手を振りほどかないでほしい。子供は予防接種の副反応が原因で自己免疫性の脳炎になっている。治ることはない。薬は、タクロリムスを現在使っている。保険適用外だが、検査結果等を研究機関に提出しており、子供の救済ということもあり現在自己負担はない。ただ、将来保険適用でなくなれば自己負担額は大きくなる。免疫抑制剤を飲んでいるのでウイルスにも感染しやすく、予防接種も打てない。子供が成長すれば自己負担額は上がる可能性がある。 従って、医療費や障害年金の含め認めていただきたい。私たちは、M市と揉めたいの ではなく、単に厚生労働省が出した結果に不服があるだけであり、直接厚生労働省に文句が言えないので、どうしても住んでいる自治体を通じ、都道府県、都道府県から厚生労働省に言っていただかないといけない。そこを理解していただきたい。
【審査請求代理人 栗原敦氏】

・新潟県胎内市では、法律で定められた救済給付以外に、年間150 万円を上限として、保険適用にならないリハビリなどを対象とした、健康被害者の支援制度を設けている。胎内市の条例を見ていただければありがたい。

・国の審議会の議事録については、大阪府が昨年の7月に入手し、M市にも渡っていると思う。議事録が手に入った段階で、説明をやり直すべきではなかったか。今後は、否認事例が生じた場合は、出来るだけ議事録を入手し、保護に丁寧な説明をしてほしいと思う。今ある制度の枠組みの中であっても、不幸にも被害に出くわした当事者の方々に対し、ベストな対応ができるようなM市の予防接種行政であってほしい。
【審査請求人 ○○氏】(父) ・M市において、この先発達保障や発達支援といった政策を拡充していく予定はあるのか。
【処分庁 N氏】 ・今この場で、制度を拡充するといった約束はできないが、現在の制度、提供している福
祉サービスに足りない部分があるという認識はしているので、今後どういったことができるのかについては、庁内で検討を進めていきたい。
【審査請求人 ○○】(母) ・子どもは免疫抑制剤、プレドニン含めても5年くらい服用していて、自粛生活は5年に及んでいる。家族旅行もほとんど行っていないし、学校にマスクをして行っている。そ のきっかけをつくったのは予防接種の副反応以外の何物でもないと思っているので、そういう子どもがいるということを心の片隅においていただけたらありがたい

栗原敦さんのコメント

2019年11月に審査請求、その後黒部意見書、栗原意見書、2020年5月に「救済の対象だ」との鑑定結果報告書が提出されていた、○○さんの口頭意見陳述が8月17日にすみ、その記録案ができてきました。録音を忠実に起こしたものではなく、表現を整えたものでした。一部、修正を要求します。また、審理員の発言が全く記録されていないことが気になりました。たとえば、今後、鑑定結果報告書と意見書(黒部さん)などに基づいて検討し、年内に裁決をするといったことや、本件は、大阪府行政不服審査会へ諮問しなくてもよいケースであるといったことなどが記録されていないのです。記録せよと要求するつもりです。自治体名や当事者氏名をマスキングしたものを添付しておきます。父母と市の間のやり取りで、不信感が多少とれたような印象でした。

○○さんの思い

大阪府から「審理手続き終結の通知」が届きました。なぜか9月8日付けの通知がきのう届いたのですが、当初、通知を出すつもりはなかったのかもしれません。8月17日口頭意見陳述で「終結」と宣言したようでしたから。考え直して紙を作ったという感じです。審理員意見を11月30日までに知事にあげるということで、それが裁決書の案文に相当するものと考えられます。年末までに「不支給処分取消し」の裁決書がでたら早々に、養育年金の初回請求と未請求の医療費・医療手当の請求の準備にかかるようにM市との間で確認したらよいと思います。そのやりとりは、審査請求ではないのでご自身で進めてください。府の裁決を国の再審査部会が覆すことはないと考えられます。国も過去に覆ったことが一例もないことを確認しています。

ワクチン接種に関する思いや考えに関しては、個人個人が自分の意思と責任を持った上でどうするか決めなければ、何か起こったときに後悔しか残りません。義務と同調圧力で接種した結果、副作用が残り、行政からハシゴを外され、子供に一生残るかもしれない不自由を与えてしまうリスクを考えなければならないと思います。

ワクチン接種を行政が推奨するのであれば、救済の拡充とリスクの開示は必須だと思います。また、救済が手厚いとの認識は何がどの基準でそうなっているのかが理解できません。国の基準で救済できないと判断された人間は理由もわからず一生苦しみます。

私たちは運良く皆様と出会えたため、現状良い方向へ向かっていますが、この結果を受けるまで妻はずっと自分を責め、毎日息子の将来を不安に感じ、苦しんでいました。救済されるされないの結果が出るまで非常に時間がかかるのも苦しむ大きな要因だと思います。民間企業とお役所のスピード感の違いは、そのまま公務員と民間人との考え方のズレのように感じ、いらいらすることが多かったです。

ワクチン接種に関する思いや考えに関しては、個人個人が自分の意思と責任を持った上でどうするか決めなければ、何か起こったときに後悔しか残りません。義務と同調圧力で接種した結果、副作用が残り、行政からハシゴを外され、子供に一生残るかもしれない不自由を与えてしまうリスクを考えなければならないと思います。ワクチン接種を行政が推奨するのであれば、救済の拡充とリスクの開示は必須だと思います。また、救済が手厚いとの認識は何がどの基準でそうなっているのかが理解できません。国の基準で救済できないと判断された人間は理由もわからず一生苦しみます。私たちは運良く皆様と出会えたため、現状良い方向へ向かっていますが、この結果を受けるまで妻はずっと自分を責め、毎日息子の将来を不安に感じ、苦しんでいました。救済されるされないの結果が出るまで非常に時間がかかるのも苦しむ大きな要因だと思います。民間企業とお役所のスピード感の違いは、そのまま公務員と民間人との考え方のズレのように感じ、いらいらすることが多かったです。以前のワクチントークでの話も、特定されないのであれば、掲載していただいて構いません。(あまりお役に立てないと思いますが)
被害救済への遠い道のり
足掛け3年位及ぶ審査請求。これまでの国が否認した被害事例で全面勝訴したのは1979年代から26年間に及ぶ1992年の4大訴訟。その後のMMR裁判での戦い後、子宮頸がんワクチン(HPVV)では今なお集団訴訟が続けられ、被害者は二重三十の苦しみを負わされています。11月からは積極的勧奨を再開するとの動きまありますが、まずは被害救済を先行させるべきです。
コンシューマネット・ジャパンでは予防接種の副反応の実態、救済制度について出版し、HPでも情報発信を続けています。
現在東京都に対して同時接種後死亡例と発達障害被害にお2件の審査請求の支援をしています。東京都の動きは遅く通り一遍の反論書が来たに過ぎません。予防接種法第一条の迅速な救済とはかけ離れた対鵜です。
 
新型コロナでは副反応基準もアナフィラキシーしか認められていません。発熱や体調不良は副反応とは認めず数日で軽快するとされています。一方で膨大な症状が副反応疑い報告として2、3週間に一度副反応検討部会で出されています。回を追うごとに死亡数も含め関心が薄れているようです。感染者が減少しても子どもへの接種に突き進んでいきそうです。これまで発信してきたように感染が少なく重篤化の問題もない子どもたちへの接種は行うべきではありません。これまで副反応救済にどれだけの多くの困難があったか。認定され救済されることの壁の厚さを1人でも多くの方に知っていただきたいと思います。そして改めて、新型コロナワクチンが臨時接種としてされながら、予防接種法で定められた救済ルートに乗らないことのおかしさ、職域接種での副反応訴えのたらい回しの現実、救済なき妊婦や子どもへの接種推進の問題点について考えていただきたいと思います。

追記府の裁決後に、未請求だった「養育年金」を請求した件が、本年8月19日の審査分科会(新型コロナワクチン、初の被害認定がなされた)で認定されたことを確認しました。

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