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もっと知りたいフッ素の話 その47 フッ素研究会報告 フッ素洗口の意義はますますないことが明白に〜コロナからマスクまで多様な議論がされました

第40回日本フッ素研究会、全国集会報告を秋庭賢司さんにお寄せいただきました。

第40回日本フッ素研究会、全国集会は11月23日(祝日)午後1~5時迄zoom会議で開催された。本来は日本教育会館の予定であったがコロナの影響で1週間前に急遽変更されたにも拘わらず、75名の申し込みと関係者を含め80名が参加した。初めての試みで慣れない事ばかりであったが、なんとか乗り切ったのでは、と思う。

また申込みと同時に会誌のpdf版が送付されており、資料による確認が可能であった。

里見さんと母里さんによる対談

成田会長挨拶の後、プログラムの最初は母里啓子さん(元国立公衆衛生院疫学部感染症室長)と里見宏さん(元保健医療科学院疫学部客員研究員)による「公衆衛生とコロナ」と題する対談形式の発表であった。ズーム会議という制約もあり、当日は里見さんの発表に母里さんが逐次コメントを入れる、という方法を採用した。

一見無関係に見える「公衆衛生とコロナ」とフッ素洗口問題はリンクしている。学校や幼保での集団フッ素洗口は虫歯予防の公衆衛生政策と位置づけられており、集団フッ素洗口は唾液飛沫の飛散や洗口後の処置など感染リスクがあるとされ、日本口腔衛生学会でも5月にフッ素洗口の中断声明を出している。

発表のポイントは厚労省の感染症対策が

1 公衆衛生から予防医学に移ったが対応できなかった。旧来法が効果ある和歌山の例。
2 ウイルス薬、ワクチンの問題に移ったが対応できない。インフルエンザの抱合せ問題
3 予防方法科学的根拠がない。100年前の結核予防と同じ。
4 抗体検査はまだ必要(里見の221名の抗体検査11/27に厚労省がようやく大規模な抗体検査を実施すると遅すぎる声明)、罹患率と感染経路の明確化
 

発表では、公衆衛生の歴史、社会防衛としての思想、社会的犠牲者への補償、近年の政策により伝染病予防から医療の中での感染症対策へのシフトによる全国保健所の半減があり、コロナ対応での失策を招いている。マスクの科学的エビデンスはない(後の質問で反論が出る)など。テーマが大きいだけにとても1時間では収まらない資料と内容であったが、コロナ関連の問題点の整理にはなった。

報告1 コロナとフッ素洗口、うがい問題:清水央雄歯科医師、高山みつる元養護教員

清水さんは、「フッ素洗口における新型コロナウイルス感染リスク」と題してフッ素洗口によるエアロゾルの飛散を図で示し、コロナによる飛沫感染のリスクが高いことを強調した。フッ素洗口終了後に洗い場での洗口液の廃棄や液を拭き取ったティッシュによる飛沫感染リスクを挙げ、即時中止を求めた。またインフルエンザなどの感染症予防に対しても洗口はすべきではない、と結論づけた。

高山さんは、養護教員としての反省から「うがい神話」への異論を述べた。山形県内2つのTV局でコロナ対策として手洗いやうがいを推奨するCMがあり、これはまずい、との思いから地元医師達の賛同も得て、TV局に抗議と質問をした。また同様の推奨をしている日本学校保健会などへの抗議と質問などをし、手洗いとうがいをセットとして自らも推進した経緯から、科学的な情報を保護者や子ども達に提供し、うがいの誤解を解消する責務があり、またやらなければならないという強い決意を示した。

報告2 米合衆国での水道水フッ素化裁判: 秋庭賢司歯科医師

最初に水道水フッ素化とは何か、また歴史と国策公衆衛生施策とされた理由、フッ素化国の現状などが述べられた。世界の水道水フッ素化給水人口の半分近くが米合衆国なので、その本質は経済格差、医療保険制度の不備を解消する為の貧民政策であり、アメリカの問題である、と述べた。

原告側の質問書に対しEPA(米環境保護庁)が回答しなかった事が裁判に至る契機であった。2度の予備裁判を経て、本裁判は6月の7日間、2週間にわたり開廷された。

原告側の4証人は、フッ素毒性の専門家で、そのうち2人はかつてEPAで鉛や水銀、フッ素暴露による職業病の研究に従事し、EPA内部でリスク評価の基礎を築いた研究者もいる。いわばEPAの内部告発に相当する。

これに対し被告側(EPA)の2証人はEPAの外部委託(代理人)であり、フッ素毒性の専門家ではなく、多くの大企業の利益を代表する裁判を担当した経歴を持つ。また、EPAは歯と骨の害作用については研究蓄積があるが、発育中の脳への影響については、人材も財源もない事を明らかにしている。本裁判の結果、裁判官は裁定を凍結し双方の歩み寄りを勧め、2度の追加審理を実施したがまとまらず、12月に3回目の追加審理が予定されている。

最初の申し入れから6年、裁判開始から4年を経過したが裁定は近い。また12月に発行予定のNTPレポートの草稿では、飲料水中フッ素濃度が1.5ppm以上では脳への影響があるのを認めたが、1.5ppm以下(水道水フッ素化の濃度)では認めていない。これに対し1.5ppm以下での害作用の報告をした4論文を根拠とした反論が提出されている。日本では高濃度フッ素を含んだ歯磨き剤の問題が今後危惧される事を述べて、報告を終えた。

報告3 フッ素洗口と告発問題 中村満雄 前霧島市議会議員

中村さんは「小学校での集団フッ化物洗口」―洗口薬剤作成を学校現場で行わせるのは厚労省のガイドライン違反、と題して霧島市でのフッ素洗口剤濃度ミス事件を中心に、これは告発に相当する問題であるとの意見を述べた。

厚労省や文科省の見解では、学校での集団フッ化物洗口を実施するに当たり、 学校歯科医の管理と指導の下、教職員、保護者等がその必要性を理解し、児童生徒及び保護者の同意を得ること、厚生労働省のフッ化物洗口ガイドラインを参考にして慎重かつ適正に行うこと、としている。厚労省は7月の毒劇法改正で試薬のフッ化ナトリウム(6.0%以下の製剤は除く)を医薬外劇物に指定した。佐賀県では(新聞報道11/7)12市町村で安全管理厳格化により現場が苦慮し、フッ素洗口を中止している。試薬に比べフッ素洗口の医薬品は3.7倍高く自治体は変更に躊躇している。劇物、劇薬管理の不徹底と教職員などの分注による小分けが、薬剤師法違反に該当し、ガイドラインにも違反しているのでは、と中村さんは述べている。問題は指示書の有効性であり、指示書があればフリーハンドで分注は可能となる。

(注:5月の口腔衛生学会のフッ素洗口中断声明や厚労省による劇物指定は、4/7の参院文教科学委員会での水岡俊一議員の質問や我々の抗議などが背景にあると思う。)

追悼 新しいチラシと村上先生の思い出 加藤純二 仙台市宮千代加藤内科医院

仙台の加藤さんを中心に宮城県、秋田県で新聞折り込み広告として配布された2種類のチラシ(資料参照)は、今のところ反論はなく反対運動として効果的であること、このアイディアは村上先生の協力もあること、などが述べられた。

また村上先生が群馬県歯科医学会雑誌に連載された「森鴎外の脚気論争」や村上氏の文才やニュージーランドのフッ素推進派から反対運動のリーダーとなったジョン・コフーン博士との交流などを紹介され個人を偲んだ。最後に全員で黙祷をし、プログラムを終了した。

追加発言 福井県での歯科口腔保健条例 コンシューマネット・ジャパン古賀真子

福井県では最近歯科口腔保健条例が県議会で提案され、全国で東京都と共に条例のない地域として残っていたが、遂にフッ素洗口の波に飲み込まれそうである。北陸では富山県や石川県でフッ素洗口が始まっており、その流れが福井県まで及びそうである。

唯一条例のないのは東京都だけとなった。

質問と感想 多くの質問がチャットで受け付けられた。逐一述べないが、なぜこの時期にフッ素洗口が拡大しているのか。やはり推進派の焦りや危機感があると思う。フッ素のマイナス情報や中止が増えている事態への対応があるだろう。

2019年(文科省)の12歳児(中学1年生)の一人平均虫歯経験歯数は男女平均が0.7本、有病者率は31.76%,そのうち未治療の歯は13.07%である。虫歯の経験のある人は3人に1人以下、未治療者は8人に1人となる。虫歯経験歯数が1.0本以下では検診の誤差が出てくるので、本数の比較ではなく、有病者率の比較をすべきである。これだけ少なくなるとフッ素洗口などの集団予防は意味がなく、本数の多い有病者への個人的対応が必要である。

最後に、コロナと公衆衛生に関する質問でマスクの効用が問題となった。里見さん、母里さんのコメントでは、三密は100年前の結核の予防法であり、マスク効果の科学的エビデンスはないと思われる、との報告があった。

私見だが、「たかがマスクされどマスク」で保湿効果と唾液飛沫を飛散させない効果はあると思う。ただし、マスク装着は加害者意識と被害者意識があり、加害意識は本人が検査をすることで陰性なら解消し、エチケット用のマスクになる。被害者意識は情報氾濫で助長されマスクをすることは当然であり、しない人への同調圧力となる。

マスクの使用はTPOによる。政治的リーダーたちが自助努力(自粛、3密を避け、マスク、手洗い、消毒など)に頼り、科学的なコロナ対応をしてこなかった「付け」が第3波への無策になっている。新型コロナ対策分科会の尾身会長でさえ、「個人の努力頼みのステージは過ぎた」と危機感を訴えている。マスクは必要だが十分ではない、点、線、面での疫学的な対応が急務である。政治的リーダーの優先順位は、この期に及んで一にオリンピック、二に経済、三にコロナで、検査が当初から進まなかったのも集団免疫を目指して検査を控えた形跡がある。大規模な抗体検査を至急に実施して、発生源の特定、収束を目指すべきである。    

(文責 秋庭 賢司)

*当日の録画と資料ご希望の方は下記まで

*冊子のみご希望のかたは、当日ズーム会議に参加された方とフッ素研究会関係者、養護教員は500円、資料として欲しい一般の方は1500円です。(1冊の場合送料込み)です。(タブ数の場合の送料は宅配便等になりますので、ご負担をお願いします。なくなり次第終了です)

問い合わせ先 秋庭 080−5062−1088

フッ素研究会の記録ビデオができました! 「フッ素研究」紙版冊子版も

歯科新聞記事についての秋庭さんのコメント

  • 1. 劇物と劇薬の混同
    理科実験用試薬のフッ化ナトリウムは医薬品として認可されていないので、劇薬ではなく、以前から劇物扱いです。
      したがって劇物の管理は、本来毒物劇物取扱責任者による管理が必要ですが、 約50年間、厚労省は治験として黙認してきました。 
    薬剤師は医薬品の調整はできるが、医薬品ではない劇物の取り扱いはできず薬剤師会がフッ素洗口剤の濃度調整を拒否した事もあります。
    ミラノール、オラブリスの医薬品があるのに、さすがに試薬の使用はまずいと判断したのでしょう。厚労省はガイドラインに沿ったフッ素洗口を勧めるべく、厚労省が劇物に指定(既に別の機関では劇物指定になっているのに)して試薬を追放し医薬品の使用を徹底させる、という方針なのだと思います。
    6%以下は除く、とありますが業界の意向が働いたのだと思います。
    私たちは以前から試薬のフッ化ナトリウムは劇物、と主張してきましたのでその考え方に変化はありません。
    フッ化ナトリウムの劇物指定毒性情報です。毒性をようやく厚労省が認めたということです。

    添付資料最後のページのURLをクリックしp65-70に出ています。
     

    歯科新聞社の見解は、ミラノール、オラブリスは劇薬である、との指摘がなくその原料であるフッ化ナトリウムを劇物としています。

  • また、厚労省は50年間黙認してきた試薬の使用を終わらせ(責任逃れ)、医薬品に切り替えさせる方針と思われます。
  • 推進の相田記事では、焦点は管理問題なのに薄めれば問題ない、としています。また医薬品は劇薬なのに劇物使用ではない(ご飯論法)としています。
佐賀新聞は「試薬でしにくくなったために薬剤への移行を睨んでいる」と思われますが、そこまでしてフッ素洗口をする必要はありません。
 

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