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コロナ対応を考える その27 予防接種法改正 コロナワクチンをどう考える?

新型コロナのワクチンへの過剰な期待に注意

宮坂氏引用文より

第3波ともいわれる感染拡大がいわれ有効率90%以上との報道がひとりし、株価が上がるなかで、「ワクチン待望論」に拍車がかかっています。新型コロナ禍対策には初めにワクチンありきで始まったこのワクチンについてどう考えるべきかについて国会での議論も踏まえて報告します。

2020年10月27日、国は新型コロナウワクチン(以下、ワクチンといいます)接種を進めるための予防接種法改正案を閣議決定し、国会に提出・審議がはじまりました。国会では未知のワクチンへの有効性や安全性への質問、予防接種法改正の内容などについての活発な質疑がされています。

今回のコロナワクチンの供給体制の特殊性、新規であることに加えてワクチンの開発手順の省略の是非、有効性や安全性の評価、法改正における位置づけ、強制的接種としないためにはどうすればよいのかについて述べます。

世界中が開発に奔走~前のめりの供給契約

新型コロナウィルス感染症の世界的大流行の中で、世界的大製薬企業資金提供を受けている大学や研究機関によるワクチン開発と市場支配競争がされています。全世界で200社以上が開発にしのぎを削っているとされていますが、各国の保健部門では、これらの製薬企業が開発中のワクチンの安全性や有効性をチェックするという本来の義務を遂行するのではなく、2009年の新型インフルエンザの時と同様、品化された時の優先売買契約を結ぶという方策をとり、優先供給を巡り数百憶ドル以上という規模の市場が展開されています。日本ではすでに海外3社から、外国製ワクチンだけでも11500万人分以上の未完成ワクチンの購入が決められています。

これまで、ワクチンの内容や契約の詳細については、国は開示することによって企業の競争上の地位を害することになること、秘密保持契約の対象であることから、契約内容の説明を避けてきました。国会質問でも開示されていません。コンシューマネット・ジャパンでは厚労省に対してこの3社のワクチンの選択(選抜)基準を聞きましたが、「有効性・安全性の確認を最優先にするとの前提に立った上で、ワクチンが開発された際に迅速に接種を開始できるよう、確保に向けた取組を進めてまいります。」という形式的な答えに終始しました。現在わかっていることは、臨床段階で最終局面をむかえているワクチンがある一方で、臨床段階での副作用発生があること、有効性については過剰に強調されていること、供給を受ける側が本来メーカーが負うべき国民の健康被害についての補償を肩代わりするという内容の契約への疑問の声がないことなどです。

11月9日ファイザー社のワクチンが90%、1週間後にはモデルナ社のワクチンが94.5%の有効性が確認されたとして株式市場が湧いています。報道は、加藤官房長官が承認に前向きであることや、これらのワクチンがいつ日本に到着するのかを心配する声や、集団免疫を獲得するには国民のほとんどが接種することが必要などの情報が流されています。一方で、全く新しい製法によるコロナワクチンについては、通常のワクチンは最初の研究開始から臨床試験までに10年近くかかるのに、それほど速く実用化できるかについて多くの疑問の声が出されています。

ワクチン開発の手順が無視国内では第Ⅲ相試験なしでの大規模接種

ワクチン開発には、まず基礎研究及び前臨床試験(ウィルスのどの部分をワクチンの対象にするのか、実験細胞をどうするかなどの基礎研究、試作ワクチンを接種する適切な動物の選択と接種実験などの非臨床試験)までに38年、次の臨床試験(人に接種する治験)に3~7年かかるとされています(注2)臨床試験にこぎつけると、三つのフェーズによる試験が必要となります。第Ⅰ相試験健康人数十人を対象とした主要副作用の特定が主目的とした安全性試験。第Ⅱ相試験有効性と適切な投与量の決定を目的として一人から数百人を対象に行います。第Ⅲ相試験では第Ⅱ相の結果を証明することを目的として、安全性、有効性、適切な投与量を再確認します。多くの国から志願者を募り数千人規模までを対象とします。この後、製造販売承認申請、医薬品承認審査、国家検定などを経て約1から2年後にようやく供給開始となるのです国会での参考人ヒヤリングで参考人の岡部信彦氏や宮坂氏は今回のコロナワクチンは、第Ⅲ相試験を原則的にはすべきとしながらも感染による致死率が10%であれば緊急に海外承認が公開されていてデータにもとづくものであれば緊急性を優先すべき状況として、Ⅲ相試験の人数はそろわなくても特例承認すべきとの含みをもたせた発言をしています。国会での質問に対して、厚労省も国内での第Ⅲ相試験については明言を避けています。

安全性無視を鮮明にした日本の条件付き早期承認制度

海外メーカーとの契約がされるなか、国産ワクチン開発への期待も高まっています。立ち遅れている日本では、阪大とベンチャー企業アンジェスとの開発ワクチンの治験開始騒動がありました。厚労省は、日本のワクチン会社擁護のため、基礎研究から治験までのプロセスの短期化を容認しています2017年10月、「承認申請時の検証的臨床的試験以外の臨床試験等で一定程度の有効性及び安全性を確認したうえで、……早期の実用化を促進する「医薬品条件付き早期承認制度」の実施を公表」しました。基礎研究や動物実験の結果から安全性を検討して臨床試験を行うのではない、このような安全性軽視の制度が、副反応の多発につながらないか心配されます。

新しいタイプのワクチン~難問山積

医療従事者や研究者ほど接種に躊躇を覚えるといわれる新型コロナワクチンですが、それは今回の新型コロナワクチンが従来型とは全く異なる製法によるしいタイプだからです。これまでのワクチンは、生きたウイルスの毒性を弱めて接種する「生ワクチン」と、感染力を失わせたウイルを接種する「不活化ワクチン」と、HPVワクチンに代表される遺伝子組み換えタンパク質を接種する「VLPワクチン」でした。これらはウイルスやウイルス様のタンパク質(抗原)を体内に入れて抗体産生を誘導するものです。これに対して新型コロナでは、バイオテクノロジー(生命工学)を駆使して開発された「新型バイテクワクチン」が主流になっているのです

たとえばアストラゼネカが開発中のワクチンは、チンパンジーのアデノウイルス(風邪の原因になるウイルス)を運び屋(ベクター)としてワクチンの遺伝子を体内に入れる「ベクターワクチン」です。ファイザーのワクチンは、体内でウイルス蛋白をらせる「メッセンジー(m)RNA(リボ核酸)」を人体細胞に導入させ人体から蛋白を産出させて細胞に免疫機能を持たせようとするものです。アンジェスのワクチンは、「環状プラスミドDNA」と呼ばれるDNA(デオキシリボ核酸)を運び屋とし、これに新型コロナの遺伝子の一部を組み込んだものを体内に入れて抗体をつくらせようとするものです細胞内にRNAを搬入させるための方法と導入されたRNAが完全に消失するかについてはわかっていません。前者に関しては、以前アデノウィルが用いられ、副作用があったことから、改善されているとはいわれています。抗体ができるかについては、DNAと異なり、遺伝子に組み込まれることはなく、一代限りで安全とされていますが、RNAウィルスであるレトロウィルスは逆転写酵素によりDNAに取り込まれます。RNAといえども遺伝子に取り込まれる可能性はあるので、今後このようなワクチンが使用されれば、持続的に蛋白が産生され続け、免疫寛容になる人も出る可能性はあります。忘れてはならないのは、同じコロナ感染症である、SARSウィルス感染では抗体により、病状の重篤化が生じたためワクチンの製造が断念されいまだにできていないということです。

これらはいずれも、ウイルスの設計図ともいえるRNAまたはDNAの断片を人体の細胞内に送り込み、体内で抗原を作り出して作用させるものです。人間の体が遺伝子組み換えされるという人もいます。これらのワクチンが実用化されれば、新タイプのワクチンが、史上はじめて何億人という人に接種されるわけで、これまでに経験したことのないような特に自己免疫性の副反応が発生する懸念あります。新タイプのワクチンでは、臨床試験が進むとともに副作用の報告が増えているといわれています日本では9月4日に第1・2相臨床試験を開始したアストラゼネカのワクチン9月9日、治験参加者の一人に「説明できない病状(副作用)」が出たことを理由に臨床試験を世界中で一時中止治験に参加した英国の女性に発生したのは、脊髄に炎症が生じる自己免疫性の疾患である「横断性脊髄炎」が発生しましたが、看過できない重要な副作用ですが、「ワクチンとの関係を結論づける確証はない」として、一週間足らずで治験は再開されました。初期試験では、接種に伴って発熱・筋肉痛・全身の倦怠感などの副反応を抑えるため、第3相試験の参加者は、抗炎症解熱剤を6時間おきに1グラムずつ服用しているということです。抗炎症解熱剤は1日0.5グラム程度の服用が普通なので、1日4グラムというのは異常な量であり、肝臓などへの影響が心配です。「解熱剤を1日に4グラムも使わなければ炎症を抑えられないとすれば、高齢者に接種するのは難しい」とする医師もいます。

ファイザーのワクチンは、mRNAは不安定で分解しやすいため、マイナス60から80度での保管・輸送が必要になるとされています。このため、専用の低温保持輸送箱が開発されましたが、この容器は「1日に2回以上開けてはならない」「1度に1分以上開けてはならない」「5日ごとにドライアイスの補充が必要」など制約が多いことが国会でも質問されていますが、改善可能だとの説明はされていません。この点、4度(冷蔵庫)で保管すればよいインフルエンザのワクチンとは全く異なります一般の診療所で扱うことは難しいと思われます。

有効なワクチンはできるのか

2020年11月外部の独立した委員会が臨床試験のデータを分析した、暫定結果としてファイザー社のワクチンが90%効果があったという情報が世界中に広がり、株価が急上昇しました。11月18日には最終分析で95%有効だったとして、FDA(米食品医薬品局)に数日中に緊急使用許可申請をするとされました。報道によれば、臨床試験の対象となった4万3538人のうち、新型コロナウイルスの感染が確認された170人うちワクチン接種者が8人にとどまったからとされています。実際にワクチンを接種した人としなかった人を比較して分析した結果、予防の効果は90%を超えるとみられるとしています。また、接種した人に深刻な健康への影響はみられなかったといワクチン供給の見通しについてファイザーは年内に5000万回分、2021年には最大13億回分を生産する方針とされていますモデルナ社のワクチンの有効性94.5%との報道もされています。

ワクチンの有効性とは

そもそもワクチンの有効性とはどの様なことをいうのでしょう。

効果90%というのは百人が打って90人がその病気にならないという意味ではありません。接種者と非接種者(偽薬)を等しく無作為に割り付けて接種したほうが接種しなかった方と比べて「どれだけ罹患を防げたか」という効果に過ぎないのです。90%というのは非接種群で10%に罹患に対して接種群では1%だった場合に(10−1)10=0.9 という机上の計算になります。有効性とは相対的に減少した罹患率ということなのです。

例えば、「インフルエンザワクチンの有効性」は、ヒトを対象とした研究において、「ワクチンを接種しなかった人が病気にかかるリスクを基準とした場合、接種した人が病気にかかるリスクが、『相対的に』どれだけ減少したか」という指標で示されます。6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの研究(神谷データ)では、発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効率は60%と報告されています。「インフルエンザ発病防止に対するワクチン有効率が60%」とは、下記の状況が相当します。

・ワクチンを接種しなかった方100人のうち30人がインフルエンザを発病(発病率30%)

・ワクチンを接種した方200人のうち24人がインフルエンザを発病(発病率12%)

→ ワクチン有効率={(30-12)/30}×100=(1-0.4)×100=60%

 ワクチンを接種しなかった人の発病率(リスク)を基準とした場合、接種した人の発病率(リスク)が、「相対的に」60%減少しています。すなわち、ワクチンを接種せず発病した方のうち60%(上記の例では30人のうち18人)は、ワクチンを接種していれば発病を防ぐことができた、ということになります。

前橋レポートで報告された「インフルエンザB型」の地域比較研究のデータを、この「有効率」の計算式に当てはめてみると、おそらく、有効率は「0%」と算定されると思われます。

今回ファイザー社のワクチンが90%または95%有効とされたことについてもう少しくわしくみていきましょう。

ファイザー社の例では、臨床試験対象が4万3538人でしたが、プラセボ接種群とワクチン群が半数ずつと仮定します。これらの臨床試験対象者のうち、新型コロナ感染者が94接種群では8人)でした。しかし、この試験は第三相試験なので、プラセボ接種群、ワクチン接種群における割合は不明です。しかし、プラセボ接種群に感染者が86名、ワクチン接種群に感染者が8名だったとすると、新型コロナを発症するリスク(感染率の減少割合)9以上減ったということになります。これでワクチンで感染が防げると考えるのは早計です。

インフルエンザワクチンの効果とコロナワクチン過剰な期待

コロナ感染症症状やウイルスがているとされる感染症はインフルエンザですが、インフエンザのようにワクチンがあるから安心とも言い切れません。いずれも風邪様の症状であること、RNAウイルスであること、変異が激しく有効な感染予防ワクチンがつくれないことなど共通点が多いのです。ワクチンがないのでコロナは大変だ、感染拡大がおさまったとしても5類疾病にはできないとよくいわれますが、そもそもインフルエンザワクチンの効果も万全ではありません。のインフルエンザワクチンについての正式見解は「現行のインフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありません。しかし、インフルエンザの発病を予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関しては、一定の効果があるとされています。」しかし、これは精度の低いデータで無理矢理出したものです3年間の研究では、小児には20〜30%の有効性の年もありましたそえゆえに、今も子どもへのインフルエンザ予防接種は任意接種となっているのです。

日本では人口の半分にまでワクチンを打つようになりましたが、相変わらず毎年インフルエンザは流行します。「重症化予防効果」を期待して接種がすすめられていますが、国会答弁でもコロナワクチンには感染症予防効果を期待するのはむずかしい、重症化予防をつみかさねることで感染被害を予防するというような答弁がされています。それでも国民全体にいきわたるようにワクチン購入がきめられた日本はインフルエンザワクチンのように未来永劫にわたってコロナワクチン接種をすすめることになりそうです。

インフルエンザもコロナも、ワクチンができるのは、弱毒化し集団免疫もある程獲得されたあとです。インフルエンザ同様、もともと罹患し難かったり重症化のリスクの少ないものに対しては有効性というお墨付きはあまり信頼できる指標とは言えないでしょう。新型コロナのようなRNAウイルスは、変異が激しく、ワクチンを作るのはきわめて困難と多くの研究者はみており、尾身茂・政府の対策分科会会長は8月21日の記者会見で「一般的に、呼吸器ウイルス感染症に対するワクチンでは、感染予防効果を十分に有するものが実用化された例は今までなかった」と述べています

ファイザー社やモデルナ社の有効性は何についての有効性なのか詳細は不明です。無作為に割り付けているか、罹患のエンドポイント(何を持って効果というか死亡?発熱?重症化?)をどこに置くかでも有効性の評価は変わってくるはずですがその辺もどのようにされているか曖昧です有効性が強調されていますが、ワクチンへ過剰な期待は禁物ということでしょう。

ワクチンの安全性と抗体依存性感染増悪

ワクチン安全性に関連して、不活化や弱毒化過程や製造過程の添加物に起因するワクチンの害も問題ですが、近年特に懸念されているのが抗体依存性感染憎悪です。ワクチンによる原疾患増悪については種々のメカニズムで説明が試みられていますが、抗体依存性感染増悪(Antibody Dependent Enhancement;ADE)とくくられています。

すべてのワクチンが有益なわけではなく、一番生体の免疫反応に近いはずのウィルス本体から作った不活化ワクチンや生ワクチンでも、日本脳炎、ムンプスワクチンなど被害が多いワクチンあります。最も市場価値の高いインフルエンザの不活化ワクチンが無効なことは年々あきらかとなっています。ワクチン効果の典型と言われる天然痘ワクチンはむしろ例外と考えるべきでたとえば、RSVといわれる、乳幼児や高齢者に重篤な肺疾患をおこすウィルスの不活化ワクチンについて。ワクチン接種しなかった乳児のRSVに罹った児の入院が5%だったのに対し、ワクチン接種者の80%が入院、2名の死者も出した成績が公表され、RSVワクチンは接種中止となりました。デング熱ウィルス(DENV)は最初に罹った時は軽いのですが、二度目、三度目に罹るとデング出血熱やデング熱ショックなどと重症化することが知られています。最初のDENVワクチン接種後にデング熱ウィルスにり患すると入院率は6.5倍となりました。また母親接種後生まれた乳児が最初のデング熱ウィルスにり患すると、初回感染ではありえない重篤なデング出血熱を起こす傾向が報告されています。このように、ワクチン接種後感染時にかえって症状が悪化するウィルスの存在が明らかとなってきています。り患すると症状が悪化するワクチンが開発途上ないし中止されたウィルスはほかにSARS(2003-4年流行)やMARSのコロナウィルス、西ナイル熱、エボラ出血熱、ジカ熱、HIVなどに及びます

SARSウィルスについては、フェレットやアカゲザルにワクチン接種後ADEによるSARSの悪化が確認されている(Lambert P-Hら)。ヒトでの報告もあります

こういった背景のもと、ワクチンの世界的雑誌であるVaccineにすら、SARS-CoVワクチンでのADE出現を強調した後、SARS-2ワクチンについて、動物実験でのChallenge test後の抗体、リンパ球の反応などについての注視とアドバイス指針について言及されているのですコロナワクチンももしある子どもが、「感染既往」があって抗体価が高く、「不顕性 感染」していて、たっぷりとウイルス、また抗体を保持しているのに、ワクチンを接種さ れてしまうと、そこに追加して、ワクチンによってウイルス抗原を過剰に注入してしまう ことになります。 コロナ感染症でも対象者の抗体価が高い場合に、ワクチン接種による副作用被害の発生率 も高い可能性があると推定されます。ヒト治験で安全性や効果についてのデータを集める 必要があるとすれば、ワクチンで産生された中和抗体や司令塔であるリンパ球が、ADE を惹 起するワクチンでないことを確かめる必要があります。ヒトではウイルスの投与実験はで きないのでワクチンを接種されたヒトが新型コロナウイルスに暴露されたときのデータが 不可欠となります。半年や一年でこういったデータを出すこと

ヒト治験で安全性や効果についてのデータを集める必要があるとすれば、ワクチンで産生された中和抗体や司令塔であるリンパ球が、ADEを惹起するワクチンでないことを確かめる必要があります。ヒトではウィルスの投与実験はできないのでワクチンを接種されたヒトが新型コロナウィルスに暴露されたときのデータが不可欠となります。半年や一年でこういったデータを出すことは不可能で。(山本英彦医師原稿より)

接種は臨時接種〜国民の努力義務は?

コロナワクチンの開発への期待と同時に当初より政府は供給体制や接種対象について専門家会議などで議論をしてきました。中間方針では、①国が買い上げたワクチンは接種費用を無料とし、個人や自治体に負担は求めない、②接種後に重い副作用による被害が出る場合に備え、患者の救済措置を整えるとともに、ワクチンメーカーが払う損害賠償金を政府が補償する契約を結べるようにする、③接種は国民の努力義務とするが、有効性や安全性が十分に確認できない場合は努力義務を適用しないと報道されています

2020年10月27日、予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案(令和2年10月27日提出)が提出されました。(注3)

今回の改正はコロナ対応で、法6条の臨時接種を附則で改正するということです。1994年に法改正されて以後、臨時接種(予防接種法6条)によってこれまで接種対象とされた防接種はありません。予防接種は予防接種法で定められている定期接種A類型とB類型(主に高齢者対象の努力義務を課さないインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチン)があり、その他のワクチンは個人が必要に応じて接種する任意接種とされています。

臨時接種は、予防接種法で、A類疾病またはB類疾病として定められた疾病のうち、厚生労働大臣が緊急性の高さ、あるいはパンデミックの危険性などを認めた場合に、臨時で予防接種を行うことができるとしています。つまり、まん延予防上緊急の必要があるときに実施するものとして想定されていました。実施主体は都道府県又は市町村です。

法案はこれまでと違うは、①国が臨時接種として全額費用負担すること②接種対象者を「新型コロナウイルス感染症のまん延の状況並びに当該感染症に係る予防接種の有効性及び安全性に関する情報その他の情報を踏まえ」国民全体を対象者としていること③予防接種法にメーカーへの損失補償を明記するということです。

2009年の新型インフルエンザが実際は「緊急性のない弱毒型のウイルスでパンデミックではなかった」ので、その後努力義務を課す臨時接種と、努力義務を課さない臨時接種(弱毒型インフルエンザ等を想定)が策定されました。今回は、臨時接種の要件であるまん延予防については、感染予防効果も重症化予防効果も未だわかっていない中で、努力義務を課し、国民全体を対象者として国が全額負担して行うとしています。国会では何度も努力義務を課すまたは外すタイミングについての質疑がありました。

臨時接種として努力義務を課すということは、手厚い救済と表裏の関係にあるようにいわれていますが、そうとは限りません。今回のような特例改正では努力義務をはずすことは重要なポイントです。

ワクチンは必要か?

感染拡大がいわれていますが、いまだ日本では重症者や死亡者は抑制できていくとみられワクチンの必要性は小さいと思われます。またワクチンで防げるというエビデンスは徹底的に不足しています。日本での死亡がすくないことについては所論ありますが、いくつかの国で「重症者数」や「死亡者数」が多い原因は、「新型コロナウイルス」そのものの特質だけではなく、「人口の密集」「貧困率」「医療体制の不備」などの社会的条件に起因するとされています。ワクチン待望論が後をたちませんが、ワクチンも血漿療法も危険を伴い、元々重体化する人にしかメリットはありません。新型コロナ感染症は、世界的規模でのワクチン開発が進められていますが、完成時には少なくとも日本ではすでにパンデミックではないことが想定されます。 新型コロナウイルス感染症の重症化要因が解明されない状況での国民全体へのワクチン接 種構想は無意味かつ危険です。ワクチンへの供給確保政策を見直し、新規クチンの懸念事項のていねいな説明、初期の解熱剤や ステロイド剤の使用による重症化の危険や抗体依存性感染増強(抗体がある方が重症化しやすい)ことの検証、注意喚起が必須です。

努力義務をはずすべき理由~「接種しない選択」を認めるべき

いうまでもないことですが、ワクチンは感染すると死亡する割合(致死率)が高い感染症で使ってこそ意味があります。ところが新型コロナは、感染してもほとんどの人が無症状か風邪程度の軽症で済み、重症になっても治療法がわかってきています日本では致死率は高くありません

このような感染症では、重症化するリスクの高い人や希望する人が接種するのは自由ですが、努力義務を課してまで国民全員が接種する必要はないと考えられます

新型コロナワクチンが承認され、接種が努力義務とされて推奨されるようになれば、接種しないことを許さない風潮が広がり、接種しない人を社会的に差別するようになりかねません。その結果、たとえば医療や福祉の現場で働く人が接種しないと業務に従事できないといった事態が起こる恐れがあります

新型インフルエンザの教訓と補償契約

国は 2009 年の新型インフルエンザ流行時、海外のワクチン製造販売業者から製造販売業者に損失が生じた場合の諸外国と同程度の国による補償が求められ、健康危機管理の観点から緊急かつ例外的な対応として、新型インフルエンザ等感染症ワクチンに限り、特例承認を受けた製造販売業者に生じた損失を政府が補償するための契約を締結できるよう、「新型インフルエンザ予防接種による 健康被害の救済等に関する特別措置法」において損失補償の規定を設けて対応しました。 今回、新型コロナのワクチンについて、政府は、実用化後に副反応(副作用)で健康被害が生じ訴訟が起きた場合、国が製薬企業の訴訟費用や賠償金を肩代わりする法整備を行うことになりました海外メーカー側からの要請で契約に盛り込むよう求めていることを受けた対応です。今回のコロナも新型インフルエンザの時と同じであり、当時の問題点を振り返る必要があります。

日本では、2009 年に H1N1 対策として、国産ワクチン400 万回分(210 億円)、輸入ワクチン 6700 万回分(853 億円)を政府が買い上げ、のちに国産ワクチン 3100 万回分、輸入ワクチンのほとんどを廃棄していたとされています。海外ワクチンを大量に 4900 万人分も輸入しながら、1000 人程度しか接種をしなかった理由は曖昧にされていますが、一方で 2009 年から 2010 年 6月までの国産のワクチンの推定接種可能数は 22,833,137 回分。副反応報告は 2428 人.うち重篤が 416 人.死亡報告が 133 人と記録されています。死亡の年齢別の内訳は、91.0%が 60 歳以上、70 歳以上が 78.2%、 80 歳以上が 49.6%だったとされています。

一方、副反応認定件数は 2011 年 41 人(申請は 76 件)、12 年 28 件(申請 65 件)、13 年 10 件(申請 23 件)、14 年 0 件(申請 1 件)、15 年 0 件(申請 2 件)、16 年 2 件(申請も 2 件)、 17 年 0 件(申請も 0 件)とされています。(医療費・医療手当と障害年金などの詳細は不明 とされていますが、障害年金が 2 名、障害児養育年金が 5 名認定されています。子どもで 重篤な副作用が発生したということです)。実際にどれくらいの人が接種し、被害報告の実態がどうだったかは厳密に検証されていませんが、筆者も新型インフルエンザが怖いと、ワクチンを接種して、発達障害や自閉症様の症状を起こし被害申請したものの認定されなかった方からの深刻な相談を受けました。

パンデミックをワクチンで防げた実績はありません。ワクチンには莫大な利権が絡むことや副作用が軽視されていることも十分考慮して対策をする必要があります。 新型インフルエンザワクチンでは多額の公費を投じて外国製ワクチンを抱え込み接種されることなく大半を廃棄し、流行が既に収まった段階で使用した国産ワクチンでは副作用が発生したものの、多くの人は認定されず泣き寝入りを強いられたというのが実態だと考えます。

コロナワクチン結局使い物にならず大量に廃棄したうえ、国産ワクチン保護のためと流行期をすぎてなお接種の推進を行い、副作用被害を発生させても救済されないようなことは絶対に避けなければなりません。ましてや強制接種などということは論外です。新型インフルエンザの轍を踏まないで、国民のために最適なコロナ対策を検討すべきです。

今回努力義務をかすことについて、参考人等の答弁では「あくまでも強制ではなく「NOと言える権利も保障されている」と強調しています。しかし、日本は同調圧力が強すぎるので、対策を一般の方々に求めすぎると対策をやれない方や、新型コロナウイルス感染症にかかった人への圧力や排除の力が強くなり、マイナスの作用が大きくなります。感染状況を的確に判断し、社会の状況をみながら医療崩壊となりうる根本的な原因(人手不足、医師や医療従事者の高齢化、介護などの療養施設や在宅介護の脆弱性)についてアプローチこそ必要す。

(注1) 最初に報道されたのは、英国アストラゼネカ社2021年初頭から1億2千万回分(うち来年3月までに3千万回分) のワクチンの供給を受けると基本合意です。7月31日には、国のファイザーワクチン開発に成功した場合、来年6月末までに日本6000万人分(1人2回接種で1億2000万回分)の供給するとされました。10月29日には、米国モデルナ社及び武田薬品工業株式会社との間で、両者がワクチンの開発に成功した場合、 5000万回分(2500 万人分)のワクチン供給を受けると契約締結されました。

(注2)2012年厚労省ワクチンに係る規制・制度の現状など(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000635865.pdf

 

(注3)https://www.pmda.go.jp/files/000220723.pdf 

(注https://dx.doi.org/10.1016%2Fj.vaccine.2020.05.064

Consensus summary report for CEPI/BC March 12-13,2020 meeting: Assesment of risk of disease enhancement with COVID-19 vaccines

(注5

https://www.mhlw.go.jp/stf/topics/bukyoku/soumu/houritu/203.html

 

 

*文中、抗体依存性感染増悪については山本英彦医師の原稿を引用させていただきました。

コロナ対応を知るシリーズ その20 新型コロナワクチンの安全性評価は抗体依存性感染憎悪への対応が不可欠

 

(文責 古賀 真子)

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