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もっと知りたいフッ素の話 その46 長年さんざん試薬で推進、こっそり?今更?医薬品を推奨ですか?

各地コロナ感染拡大防止を理由に学校などでの集団フッ素洗口が見合わされているようですが、強行しているところもあるようです。

2020年6月24日通知で「毒物及び劇物取り締まり法」が改正され、今回の改正でフッ化ナトリウム(6%以下は除外)は「劇物」となったようです。

このことから学校での試薬の希釈はなくなるのでしょうか?との質問がありました。
これに対して、秋庭賢司さんは以下のように述べられています。
 
フッ素洗口に関しては今回の改正では変わることはありません。フッ化ナトリウム試薬(特級、1級)は以前から劇物です。今回の改正でも内容は同じです。ミラノール、オラブリスは劇薬指定です。どちらも希釈による調整が必要です。
したがって、2020年7月1日から劇物指定になっても、フッ素洗口についてではなく、工業用の話であり、従来の調整に変更はありません。以下参考情報です。
 
<工業上の取り扱い>
厚生労働省はこのほど、アルミ合金用フラックスの一部製品で原料に用いられている「フッ化ナトリウム」を劇物に指定した。7月1日から施行し、9月30日までが移行期間となる。それを受け、フラックスメーカーや、アルミダイカストやアルミ二次合金を扱う需要家では、代替品への切り替えや保管方法の変更などの対応に追われている 。 
 
<市販薬の変更> 
厚生労働省は2018年9月18日、フッ化ナトリウム洗口液を同日付で要指導医薬品から第1類医薬品にリスク区分を移行すると告示した。販売名は「エフコート」(サンスター、関連記事)、「クリニカ フッ素メディカルコート」(ライオン)。

 厚生労働省は2018年9月18日、フッ化ナトリウム洗口液を同日付で要指導医薬品から第1類医薬品にリスク区分を移行すると告示した。販売名は「エフコート」(サンスター)、「クリニカ フッ素メディカルコート」(ライオン)。
要指導医薬品は承認後、原則3年間の製造販売後調査を行い、安全対策調査会などでのリスク評価を経て、第1類医薬品への移行が認められる。

(筆者:つまり現状使用されている市販のOTC医薬品であるフッ素洗口薬は、来年には第一類医薬品になります。学校などで処方箋か指示書が必要とされている劇薬(ミラノール、オラブリス:市販から3年以上たっている)を使用している学校もありますが、これまで大半の学校では、「現場の調整で劇物である試薬を使って、厳密な歯科医師や薬剤師などが関与しないで、現場の養護教員等の調整や管理により試薬によるフッ素洗口をし続けていた」のです。)      

  

フッ素洗口製品とは?〜安全性は?
* フッ化ナトリウム洗口液はむし歯予防薬で、1mL中にフッ化ナトリウム0.5mgを含む。4~5歳は1回5mL、6歳以上は1回7~10mLを、1日1回食後または就寝前に口に含み、30秒~1分間洗口(ブクブクうがい)をし、吐き出して使用する。

 「エフコート」は2015年3月13日に要指導医薬品として承認され、9月18日に製造販売が開始された(関連記事)。18年5月31日までにモニター薬局262軒から報告された1195例のうち、副作用の報告はなかった。一般調査では、副作用が35例38件報告されたがいずれも重篤ではなく、口内・舌・口唇のピリピリ感(7件)、口渇(3件)、歯の変色・着色(2件)、味覚異常(2件)などだった。

 同薬は、誤飲による有害事象が懸念されていた(関連記事:フッ化物洗口液は飲み込んでも大丈夫か)。今回の調査では12例が「使用中に誤飲した」と回答していたが、いずれも「洗口(ブクブクうがい)ができましたか」の質問に「はい」と回答しており、有害事象の報告もなかった。

 「クリニカ フッ素メディカルコート」は17年6月2日承認、9月27日製造販売開始。18年4月13日までにモニター薬局216軒から371例が報告された。うち副作用は4例あったが、いずれも重篤ではなく、適用部位刺激感(2件)、舌の感覚鈍麻、下痢(各1件)だった。一般調査では副作用6例6件で、こちらも重篤ではなかった。使用中の誤飲は3例認められたが、洗口はできた旨の回答があり、有害事象の申し出はなかった。

 この結果を受け、厚労省の薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会安全対策調査会は18年8月28日、フッ化ナトリウム洗口液を要指導から第1類に移行して差し支えないと判断。医薬品等安全対策部会の承認を経て、今回の告示に至った。

[関連情報]
・厚生労働省:要指導医薬品から一般用医薬品に移行した医薬品について(薬生安発0918第1号)
平成30年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会 医薬品等安全対策部会安全対策調査会 資料

では、学校での集団フッ素洗口をすすめている日本学校歯科医会は、どう考えているのでしょうか?

 日本学校歯科医会として、学校現場においてフッ化物洗口の際、試薬であるフッ化ナトリウムが使用されているということに関する見解について検討いたしましたのでご報告いたします。
現在、フッ化物洗口薬剤については、許可・承認を受けた医薬品としたものがあり、学校という教育の場で使用するにあたっては、医薬品として許可・承認されたフッ化ナトリウム製剤を使用することが望ましいと考えておりますので、「フッ化物洗口薬剤に係るお知らせ」をご参考ください。
なお、医療用医薬品とは、『医師若しくは歯科医師によって使用され又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品をいう』(厚労省通達により)と定義されております。
したがいまして、フッ化物洗口を行う際には、学校歯科医の指示のもと、薬剤の処方、調剤、計量を行い、施設において、厳重に管理されるようよろしくお願い申し上げます。

 

つまり、日本学校歯科医会は「医薬品として認められたもの」を推奨しているようですが、これまでの試薬についての問題指摘は完全にスルーしているのです。医薬品として整理すれば良いというものではありません。これまでさんざん現場の養護教員等の反対にもかかわらず試薬でのフッ素洗口事業を進められてきました。濃度間違いや使用期間を過ぎたものが使われるなどの事故も起きています。虫歯予防効果に疑問、学校教育現場での混乱のみ助長するフッ素洗口、コロナ問題にかかわらずやめるべき時です。(筆者 古賀 真子)


成田憲一さん(に本フッ素研究会代表)の指摘

◆ 試薬を使用
「ふっ化ナトリウム試薬1級・特級」は、研究などに使用される試薬です。「特級」はJIS規格による薬品でフッ素純度99%、劇物に指定されています。
純度97%の1級はJIS規格からはずれています。健康を問題にする人々が、人体に使うことを想定していない試薬を使うことが許されるでしょうか。
 県行政は「試薬は、医薬品であるフッ素洗口剤ミラノールと成分がほとんど同じであり、問題はない」と私たちに回答していますが、薬物には厳格な取り扱いが求められるはずです。

◆ 院内処方でない
人体に使うとは考えられていない薬物(または類似品)を使うことが許されているのは医師・歯科医師としての責任と有資格のもとでのみ可能です。しかしそれも、医師・歯科医師の管理のもとにある院内処方、すなわち病院なり診療所の中での処方が前提です。学校や保育所等で行われているフッ素洗口は、医師・歯科医師の管理・監督のもとにはありません。

◆ 無診察治療
病気の治療や医薬品の投与には、医師・歯科医師による診察が義務づけられています。子どもたちの歯(そして全身の健康)を診察しないでフッ素を投与することは、無診察治療として医師法・歯科医師法違反の疑いがあります。なお、学校における歯の定期健診は診察には当たりません。

◆ 処方箋なし
薬を投与するには処方箋が義務づけられています。不特定多数に処方箋なしでフッ素を投与することも医師法・歯科医師法違反です。

◆ 薬剤師以外の調剤
フッ素洗口剤の調剤(秤量、溶解、調合、分包、希釈、分注など)は、医師・歯科医師の指示を受けた薬剤師以外はやってはならず、もし薬剤師以外の人がや
っていたら薬剤師法違反となります。
 1985年の内閣答弁書では「学校の養護教諭がフッ化ナトリウムを含有する医薬品をその使用法に従い、溶解、希釈する行為は薬事法及び薬剤師法に抵触するものではない」としています。この回答は、あくまでも「医薬品」を溶解・希釈する場合であって、医薬品ではないふっ化ナトリウム試薬の溶解・希釈を養護教諭が行ってよいとは言っていません。
 そもそもふっ化ナトリウム試薬に医薬品としての使用法はありません。それができるのは医師・歯科医師の診察にもとづいた処方箋による場合だけです。
注)内閣答弁書では、養護教諭が医薬品を調剤する行為は違法ではないとしていますが、薬剤師法に照らして問題があり、違法の疑いがあります。

◆ 一方的説明
 病気等の治療・予防行為の前提に患者への説明と同意(インフォームドコンセント)が必要です。フッ素洗口の説明会は推進側の行政と講師による一方的な効用説明に終始しており、これに反対する考えの人が呼ばれることはありません。また保護者の疑問には、納得できる説明がなされません。時間を理由に切り捨てられることが多いのが実態です。
 また保護者からの同意書(申込書)が小学校入学時だけで、あとは卒業までとらないという学校等があるのもおかしなやり方です。さまざま学説や情報等が年々積み重なり、保護者の認識も深まります。少なくとも毎年保護者の意向を確かめるべきです。

◆ 誇大宣伝
推進学者らのグループによるフッ素効果の宣伝には目に余るものがあります。フッ素洗口を導入している学校と導入していない学校のむし歯を比較し、その差を「フッ素効果」としているのです。実際は、フッ素洗口を導入している学校は、フッ素洗口のほかにも歯みがき指導、甘味制限指導などを熱心におこなっており、その効果までフッ素洗口効果の中に入れてしまうのです。
 またフッ素洗口を導入していないけれども、歯みがき指導、給食指導などでむし歯予防に大きな効果を上げている学校も無視されつづけています。

 
(その他参考)
 
加藤先生のHP 
日本学校歯科医会による試薬から医薬品への推奨 

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