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ネクタイアルを知っていますか?「ネクタイアル中 ── 妻たちが語る酔っ払い天国の地獄 」オンデマンド (ペーパーバック)(紹介)

最近、若い人はアルコールを飲まない人が増えていると言われています。新型コロナの影響で宴会やイベント、飲食店の自粛などでアルコールの消費量が減っていると思いきや、家庭内でのアルコール消費の増加やそれに伴う問題も起きていると思われます。

本書は英国在住の加藤慶子さんが論文をもとに書き下ろした、現在社会の中でアルコール依存によりどのような問題があるかをインタビューや実例紹介をもとに論考した貴重な情報です。アルコールに限らず、ギャンブルや薬、ネットゲームなどの依存症の原因や対応についても役に立つ情報です。

今回初の試みとして、コンシューマネット・ジャパンで編集・出版のお手伝いしたものです。インターネットで一見どんな情報も取りやすく見える現在、商業出版の中で貴重な情報が埋没していく事はとても残念な事です。今回はオンデマンド方式での出版ですが、引き続きKindle版も出す予定ですが、世界中から取り寄せ読むことが可能です。以下本の紹介文より〜

日本では、およそ440万人の多量飲酒者がおり、その内の数%のみがアルコール依存症としての治療を受けています。彼らの大半は、決して乱暴でも、不道徳でもなく、どちらかというと、まじめ過ぎるほど働いている中年男性(サラリーマン)です。こうした現代の日本のアル中は、「酒臭く、汚くて、暴力をふるったりする」アル中のステレオタイプと区別して「ネクタイアル中」と呼んでいます。

ネクタイアル中は、日本のアルコール問題全般にいえる現象で、一般に見えにくい社会問題です。ネクタイアル中の中には、酒を毎日のように飲み続け、肝臓障害、糖尿病、高脂質血症、痛風などがあり、中にはγ-GTPが300単位を超えていたり、指がふるえている人もいます。

この本は、ネクタイアル中問題が「どうして社会問題として扱われないのか」、「どうして見えにくいのか」という問題を、著者の専門である文化人類学の思考法で説明します。

著者は、インタビューを通じて、このアル中地獄問題を隠すのに貢献している「寛容な飲酒文化」、「ジェンダー(男らしさ、女らしさ)」、「共依存症問題」、「適切なサポートの欠如」を、ケーススタディーを通じて分かりやすく説明しています。妻が良かれと思ってする対応が、夫の依存症をさらに深みに誘導しているケースでは、文化的な「女らしさ」がアルコール医療の「共依存症問題」にどう抵触しているかを、事例を通じて理解することができます。夫以上に妻たちが苦労している彼女たちの生の声から、断酒会やAAなどの自助グループが、依存症者だけでなく、家族を対象に広げる必要性もわかります。

家族が、アルコール依存症に負けずに生き、将来訪れかねない問題を予防することができるよう、そんな願いを込めて書かれた本です。解決の鍵は、被害者たりうるネクタイアル中の妻の「アルコール依存症に関する知識」と「意識の在り方」にかかっているため、お酒をやめることを望む妻たち、夫婦関係に悩む妻たち、アルコール依存症の人と家族の看護ケアに関わる人たちに是非読んでいただきたい本です。

文化人類学者による現場を質的研究する手法、そしてフェミニスト人類学という文化人類学ならではの切り口を取り入れられたエスノグラフィーでもあるため、エスノグラフィー入門書として、また女性学やフェミニズムに興味のある方にも読んでいただきたい本です。

〈目次〉
序章 内科の盲点 ── ネクタイアル中が見えない一般医療 ──
〈現場の声: 監修者・内科医 加藤純二〉
第1章「ネクタイアル中」とは?
第2章 飲酒の機能I「集団の結束」〈ケーススタディー〉
第3章 飲酒の機能Ⅱ「ストレス解消」〈ケーススタディー〉
第4章 ジェンダーⅠ「男らしさ」〈ケーススタディー〉
第5章 ジェンダーⅡ「女らしさ」〈ケーススタディー〉
第6章 機能不全家族ならではの問題〈ケーススタディー〉
第7章 適切なサポートの欠如〈ケーススタディー〉
第8章 「ネクタイアル中」という 社会問題について考える
最近のアルコール問題の傾向〈監修者×著者 対談〉
あとがき

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