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コロナ対応を知る その21 国民全体へのワクチン接種は無意味かつ危険!? 考察 ❶ 2009年の新型インフルエンザ時のデータより

2020年8月28日の第24回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発及び生産・流通部会

 
では、明らかにコロナ対応の予防接種関連法制度見直しが図られています。(下記参照)
 

先日の報道によれば、2020年7月31日、米ファイザーが新型コロナウイルスのワクチン開発に成功した場合、来年6月末までに日本で6000万人分(1人2回接種で1億2000万回分)のワクチンの供給を受けることで同社と合意したとのプレスリリースが報道されました。

コロナ対応を知るシリーズ その19 コロナワクチン待望論の前に新型インフルエンザワクチンの失敗を省みるとき

8月29日には、米モデルナが開発中の新型コロナウイルスのワクチンについて「武田薬品工業による国内の販売・流通の下で、来年上半期から4000万回分以上の供給…とあります。安倍総理の辞任のニュースの影で、コロナ対策の主軸がどうなっているのかが報道もされませんが、いよいよワクチン生産・消費大国への舵取りが始まっていると思われます。

今回は新型インフルエンザ時の抗体やワクチンの功罪について考えるために、田中真介さんの論考をご紹介します(下線は筆者)

2009aインフルエンザのウイルス抗体検査データに基づく不顕性感染率の推定

                            2012年1月31日 田中真介(京都大学)

 

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への対応を考えるにあたって、2009年「新型」インフルエンザの際の抗体データとその考察の記録を再掲します。

(1)新型インフルエンザの抗体検査データ
 2009年11~12月に、「新型」インフルエンザの初期感染で話題になった「関西大倉中学・高校」の生徒、教職員、家族を対象として抗体検査が行われた(新聞記事資料、及び「前橋レポート」を参照)。
(1)不顕性感染の比率

647人の対象者のうち、102人に感染が確認された(抗体が陽性と判定された)。そのうち、98人を調査・分析した結果、インフルエンザ特有の臨床症状を示していたのは(おそらく聴き取り調査及びカルテ確認で)、44人(45%)のみだった。この結果は、感染していても症状の出ない「不顕性感染」の比率が55%に達していたことを意味する。

(2)感染拡大は防げない

抗体陽性者102人のうち、18人(18%)は無症状。36人(37%)もほとんど症状なし(軽症)。つまり、54人(55%)の人たちは、いわば自分はインフルエンザとは思わずに行動していたと推定される。このような「顕性・不顕性」の比率は、季節性インフルエンザと同程度だった(後述の前橋レポートのデータを参照)。感染者のうちの45%程度と推定される顕性の感染者(発症者)を「隔離」して、その人からの感染を防いだとしても、ほかの55%以上の不顕性感染者がいる限り、広範囲の流行を防ぐのは容易ではない。私たち人間は日常生活の中でいろいろなものを素手で触り、道具を共有する暮らし方をしているので、不顕性感染者からのウイルスの転移・感染の拡大は自然に起こるだろう。

(3)母集団での推計

2009年12月初旬の時点で、新型インフルエンザの患者は、1414万人(推計)であったとされるので、上記データをもとに推定すると、「不顕性感染者」は、無症状者およそ560万人以上、軽症者およそ1100万人以上(計1700万人~顕性感染・発症者を上回る)と推定できる。

(2)前橋レポートからの重要事項の要約
 インフルエンザ・ワクチンの有効性について、群馬県前橋市医師会の由上修三らは、1981年から1986年に、群馬県内の地域を対象として、インフルエンザワクチンの接種地域と非接種地域の小学生児童を追跡調査して疫学的に比較検討した。その調査研究の成果は「前橋レポート」と呼ばれている(前橋市インフルエンザ研究班(班長・由上修三)『ワクチン非接種地域におけるインフルエンザ流行状況』トヨタ財団助成研究報告書、Pp.102、1987)。 

 インフルエンザ・ウイルスへの抗体検査が実施され、基礎資料が提示されているので、それを再考察した上で、新型コロナウイルス感染症の抗体データへの示唆をまとめる。

・1)(はじめに):1980年代前半には、わが国では次のインフルエンザの流行があった。1981年:A/H1N1(Aソ連型)、1982年:B型…82年3月に、A/H3N2の小流行あり(HI抗体価検査により判明)、1983年:A/H3N2(A香港型)。

 ・2)(インフルエンザ・ウイルスの検出)1985年11~12月に、A/H3N2(A香港型)の流行初期に、群馬県・勝山小の6年生1学級全員の咽頭ぬぐい液よりインフルエンザ・ウイルスが検出された。欠席者の多くは、臨床的にみてインフルエンザと診断された。HI抗体価からみれば、およそ6割がインフルエンザに罹患。

・3)(接種地域vs非接種地域):①発症者数(人口比)に有意差はみられなかった。②接種しなかった地域でも、超過死亡の増加はなかった。ワクチンの接種は、発症や超過死亡を十分に抑制できたとはいえなかった。

・4)(不顕性感染率):感染したが症状が現れず欠席しなかった児童は、34.0~63.1%(対象地域によるばらつきあり)。調査対象者全体の2割にあたる。

*インフルエンザB型では、抗体価が上がりにくい傾向がある(p.30~)。

・5)(HI抗体価):HI抗体は、血中IgGの一種であり、これは、感染防御の主役ではない。それゆえ、HI抗体価をもって免疫の指標とすることには慎重でなければならない。非接種児童におけるHI抗体価は、「感染既往」を示す(これまでに同様の型のインフルエンザに感染したことがあることを示す)。接種群の結果は、「感染既往(による多様な抗体の獲得)+ワクチンの(わずかな)効果」の合成とみる必要がある。HI抗体価の結果は、「不活化ワクチンは、血中IgGだけを、選択的に上昇させる」ことを意味している。おそらく、このことも、従来のインフルエンザ・ワクチンが有効性を減じている原因のひとつといえよう。

・6)それまでのインフルエンザへの感染既往の有無によって、その後の(現時点での)インフルエンザへの感染率が異なる。本研究では、次のことが実証された。

すでに1978~81年のA/H1N1型に感染既往のある子どもたちでは、1983年のA/H1N1型の流行時の感染率は21.7%だった。感染既往のない子どもたちでは、感染率は53.7%と有意に高かった。また、一度インフルエンザを経験すると、3年後にも免疫はよく保存されていた。さらに、感染を繰り返すにしたがって、感染率は低くなる傾向にあった。

(考察メモ)年齢を経るにつれて一般にインフルエンザに感染し発症する率が低下する(カゼを引きにくくなる)ことのひとつの根拠ともいえよう。

・7)どの型系列においても、以前の感染既往が、感染率を引き下げていた。既往あり(=抗体保有者)では、感染率8.5%であった一方で、既往なしの場合には、感染率は49.7%に達していた(5.8倍の感染率)。

ワクチンを接種することによっても、いわば感染既往と同様の効果を得られるはずであるのに、そうならないのは何故なのだろうか。野生型のインフルエンザ・ウイルスを経験するということは、多種多様な膜タンパク(いわばウイルスの多様な部品)に対する抗体が一挙にでき、免疫記憶される。それに対して、ワクチンでは、その多様性がかなり乏しいのではないか。

・8)抗体の保有者・非保有者別の感染率の年次推移をまとめる(p.39~)。

抗体保有者では、(1年後)10%、(2年後)25%、そして(3年後)30%という結果だった。それに対して、抗体非保有者では、(1年後)50%が感染し、(2年後)60%、(3年後)65%(前回の非感染者)という結果だった。
 このことから、抗体価の「半減期」(抗体の量が当初の50%まで減少するのに要した期間)は約10か月であり、流行前のもとの状態に戻るのに約2年7~8か月かかっていたことがわかる。

また、ワクチンでなく、自然感染によって抗体を得ていた場合には、免疫がきわめてよく保持されていた(p.48)。

■発展的考察

(1)(年代別による不顕性感染者の比率の違いについて

関西大倉中学・高校の生徒たちのデータは、10代のデータです。その家族や教職員は、だいたい30歳代~50歳代が中心でしょう。

インフルエンザ・ウイルスの場合、推定ですが、「顕性感染」(明確な発症)と「不顕性感染」の比率は、世代によって異なり、10代では顕性が高く、不顕性は低めとなるとみられます。20~30歳代以上と、年齢が高くなるにつれて、発症者の比率は減少し、不顕性感染者数の比率が高まっていくと推定できそうです(*新型コロナウイルスは、インフルエンザとは対照的な感染動向を示す。別に考察する)。

(2)(ワクチンによる副作用被害の発症機構について)

 1)2009aインフルエンザ・ウイルスの「不顕性感染」の比率が、55%以上に達しているということが、関西大倉中高校の抗体データから明らかとなりました。

 もしある子どもが、「感染既往」があって抗体価が高く、「不顕性感染」していて、たっぷりとウイルス、また抗体を保持しているのに、ワクチンを接種されてしまうと、そこに追加して、ワクチンによって弱毒ウイルスを過剰に注入してしまうことになります。対象者の抗体価が高い場合に、ワクチン接種による副作用被害の発生率も高い可能性があると推定されます。

 2)もうひとつの、副作用の発生機構としては、「解熱剤」などの臨床対応の方法の影響も、大きな要因として見逃せないと感じています。

 インフルエンザによる脳炎・脳症と診断された場合も同様に、インフルエンザ・ウイルスそのものの感染による作用でなく、その後の薬剤投与の影響を考える必要がありそうです。
 →つまり、「インフルエンザ感染~発症後の重篤な症状」と、「ワクチン接種後のその副作用による重篤な症状」についても、単純な比較によって、リスクとベネフィットを推定・比較することはできず、それぞれの機構や原因~実態を丁寧にとらえる必要があるのではないか、と考えています。

(2012年1月31日、田中真介)

 

 

(参考レジュメ)*上記の考察のもとになったレジュメと資料です。

■抗体検査データ:
 2009年11~12月に、「新型」インフルエンザの初期感染で話題になった「関西大倉中学・高校」の生徒、教職員、家族を対象として抗体検査が行われた(新聞記事資料、及び「前橋レポート」を参照)。

 

(要点と田中による考察メモ)
1)647人の対象者のうち、102人に感染が確認された(抗体が陽性と判定された)。
 そのうち、98人を調査・分析した結果、インフルエンザ特有の臨床症状を示していたのは(おそらく聴き取り調査~カルテ確認で)、44人(45%)のみだった。
 →感染していても症状の出ない「不顕性感染」の比率は、55%に達していたことを意味する。

2)抗体陽性者102人のうち、18人(18%)は無症状。36人(37%)もほとんど症状なし(軽症)。
 →つまり、54人(55%)の人たちは、いわば自分はインフルエンザではない、と思って行動していたはず。これらの比率は、季節性インフルエンザと同程度(前橋レポートのデータを参照)。
 →感染者のうちの45%程度と推定される顕性の感染者(発症者)を「隔離」して、その人からの感染を防いだとしても、ほかの55%以上の不顕性感染者がいる限り、広範囲の流行は防げない。

3)(推計)2009年12月初旬の時点で、新型インフルエンザの患者は、1414万人(推計)であったとされるので、上記データをもとに推定すると、「不顕性感染者」は、無症状者およそ560万人以上、軽症者およそ1100万人以上(計1700万人~顕性感染・発症者を上回る)と見積もることができる。

■(前橋レポートからの重要事項の要約)
1)概要 81年:A/H1N1(Aソ連型)
      82年:B型…82年3月に、A/H3N2の小流行あり(HI抗体価検査により判明)

      83年:A/H3N2(A香港型)

 

2)インフルエンザ・ウイルスの検出:85年11~12月に、A/H3N2(A香港型)の流行初期に、群馬県・勝山小の6年生1学級全員の咽頭ぬぐい液より検出。欠席者の多くは、臨床的にみてインフルエンザ。HI抗体価からみれば、ざっと6割(後述)。

 

3)接種地域vs非接種地域 → 発症者数(人口比)に有意差なし。超過死亡も増加なし。

→ ワクチンの接種は、発症や超過死亡を抑制できなかった。

 

4)「不顕性感染率」:34.0~63.1%…全体の2割(=感染したが欠席しなかった者の率)        *B型…抗体価が上がりにくい傾向(p.30~)。

 

5)HI抗体価は、血中IgGの一種であり、これは、感染防御の主役ではない。それゆえ、HI抗体価をもって免疫の指標とすることには慎重でなければならない。

非接種児童におけるHI抗体価は、「感染既往」を示す(これまでに同様の型のインフルエンザに感染したことがあることを示す)。 
 *接種群の結果は、「感染既往(による多様な抗体の獲得)+ワクチンの(わずかな)効果」の合成

→HI抗体価の意味は… *不活化ワクチンは、血中IgGだけを、選択的に上昇させる。
 (田中…おそらく、このことも、従来のワクチンが無効となる原因のひとつ)

6)83年の、A/H1N1型の流行時に…
   すでに78~81年のA/H1N1型に
    感染既往のある子どもたち…感染率は21.7%
    感染既往のない子どもたち…感染率は53.7%
  →一度、インフルエンザを経験すると、3年後にも、免疫はよく保存されていた。
  →感染を繰り返すにしたがって、感染率は低くなる傾向にあった。

 (*田中メモ…年齢を経るにつれてカゼを引きにくくなることの根拠か)

7)どの型系列においても、以前の感染既往が、感染率を引き下げていた。
  (例)既往あり(=抗体保有者)…感染率   8.5%
     既往なし         …感染率  49.7% …5.8倍の感染率に。

(*田中メモ1…ワクチンを接種することによっても、いわば感染既往と同様の効果を得られるはずであるのに、そうならないのは何故か?)
(*田中メモ2…野生のインフルエンザ・ウイルスを経験するということは、多種多様な膜タンパクなどのウイルス部品に対する抗体が一挙にでき、免疫記憶される。それに対して、ワクチンでは、その多様性がかなり乏しいのではないか。)

8)(まとめ) p.39~

・感染率のまとめ:
         1年後 …  2年後 …   3年後
抗体保有者    10%     25%     30%  
抗体非保有者    50%      60%      65%  
(前回の非感染者)

*抗体価の「半減期」は約10か月。流行前のもとの状態に戻るのに約2年7~8か月かかっていた。

*自然感染…免疫がきわめてよく保持されている(p.48)

【参考文献・資料】

1)朝日新聞「新型インフル 関西大倉中・高で647人調査」2009年12月12日(土)記事。
2)前橋市インフルエンザ研究班(班長・由上修三)『ワクチン非接種地域におけるインフルエンザ流行状況』トヨタ財団助成研究報告書、pp.23-25、1987.  http://www.kangaeroo.net/D-maebashi.html

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