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もっと知りたいフッ素の話 42 フライパンなどに使われる有機フッ素コーテングは安全か?沖縄県衛生環境研究所とのやりとり~PFOA 排出削減の取り組みは完了しているか?

PFOA,S 沖縄衛生研究所のサムネイル

「PFOS・PFOAってなんでしょう?」(PDF 354KB)

前回ご紹介した、沖縄県衛生環境研究所の報告書についての質問書のやりとりを紹介します。今回は有機フッ素コーティングされたフライパンの安全性について報告します。

以下、秋庭賢司さんからの情報です。
沖縄県衛生研究所レポートにp1の下、フライパンには2015年以後、PFOAは使われていないとされています。これについて、フッ素研究会が質問をした回答があります。(下記回答書参照)です。

実際はフッ素コーティングのフライパンは現在も販売されています。中止になったのはPFOAとその関連物質で代替物が使用されています。しかし代替有機フッ素が安全であるとの保証はありません。

ちなみに、自動車の車体表面処理やこげつかないフライパン処理として知られるフッ素樹脂加工(テフロン8加工)とは,フッ素と炭素を結合させた化合物のポリテトラフルオロエチレンを貼りつける処理です。フッ素樹脂の場合,フッ素が陰イオンの状態になることはなく,フッ素化合物として分類され,う蝕予防のフッ化物と全く異なるものです。

沖縄県企業局のHPでは、
https://www.eb.pref.okinawa.jp/opeb/309/619

有機フッ素化合物とは、炭素―フッ素結合を持つ有機化合物の総称で、いくつかの種類があり、PFOSとPFOAはその一種です。
これらの物質は撥水剤やフッ素樹脂の製造等で広く使用され、環境中で分解されにくく、蓄積性を有しています。

流失や飲料水への混入は許されるものではありません。

以下、沖縄県衛生研の回答です。

お問い合わせ内容の「フライパンのフッ素コーティングの中止はいつ頃でしたか。」についてですが、日本弗素樹脂工業会のHPに、『主要ふっ素樹脂製造者は2015年までに自主的な環境対応を完了しており、PFOAの使用をしていないことを確認しています。』との記事がありますので、それ以降は、フッ素加工フライパンの製造時にPFOAは使用されていないものと認識しております。

フライパンのフッ素コーティングの中止に関する詳細につきましては、個別の製造業者等へお問い合わせいただきますようお願いいたします。 

沖縄県 衛生環境研究所
〒904-2241 沖縄県うるま市字兼箇段17番地1
TEL:098-987-82★★  FAX:098-987-8210 


(参考資料)

2014年8月

ふっ素樹脂製造メーカーからのお知らせ

PFOA排出量の削減活動についてのお知らせ その3

2006年 月25日に米国EPA(環境保護庁)長官が世界のふっ素樹脂メーカーとテロマーメーカー8社に呼びかけた2010/2015 PFOAスチュワードシッププログラムですが、日本においてはふっ素樹脂及びテロマー製品のメーカーである旭硝子、ダイキン工業、及びふっ素樹脂メーカーである三井・デュポンフロロケミカルの3社が参加し、PFOA排出削減の取り組みを進めてまいりました。

その結果、ふっ素樹脂製品に関しては、国内外において2013年末までにPFOAの使用を全廃致しております。

詳細は、各社のホームページを参照下さい。

・旭硝子㈱
http://www.agc.com/csr/env/products/12.html

・ダイキン工業㈱
http://www.daikin.co.jp/chm/business/pfoa.html

・三井・デュポンフロロケミカル㈱
http://www.md-fluoro.co.jp/corporate/eco/index.html

お問い合わせ先
旭硝子㈱ 化学品カンパニー フッ素化学品事業部 Tel.(03)3218-5496
ダイキン工業㈱ 営業部 Tel.(06)6373-4345
三井・デュポンフロロケミカル㈱ 樹脂営業部 Tel.(03)5281-


2016年3月31日
フッ素化学製品におけるPFOA 及び関連化合物の製造、使用全廃について

ダイキン工業株式会社(本社:大阪市北区、社長兼CEO:十河政則)は、PFOA(パーフルオロオクタン酸)及び関連物質の製造・使用、およびそれらを原料とした製品の製造を2015年12月末で完全に終了しました。

当社は2006年、持続性のある化学物質管理の一環として、世界の主要フッ素化学メーカー7社(計8社)とともに、2015年までにPFOA及び関連物質を全廃することをめざす「PFOA自主削減プログラム(PFOA2010/2015 スチュワードシップ・プログラム※1)」に参画しました。

それ以降これまで、代替品開発の取り組みを推進してきたことにより、スチュワードシップ・プログラムの目標期限である2015年末で、PFOA及び関連物質の製造・使用を完全に終了したことを報告します。

今後も当社は、化学物質の管理に留意しながらさらなる製品開発に取り組みます。一例として、代替製品の原料となるC6テロマー関連化合物について様々な試験を実施しており、その結果を当社ウェブサイト上で公開しています※2

※1 PFOA 2010/2015 スチュワードシップ・プログラムについて

2006年1月末、米国環境保護庁は「PFOA 自主削減プログラム(PFOA 2010/2015 スチュワードシップ・プログラム)」を発表し、世界の主要フッ素化学メーカー8社(社名は下記)に対し、プログラムへの参加を呼びかけました。プログラムの内容は以下の通りです。

1)PFOA、もしくは分解してPFOA を発生する前駆体物質、およびC8より炭素数の多い類縁物質の、工場から環境中への排出量、製品中含有量の両方について、2010年に基準年比95%削減すること。

2)PFOA、もしくは分解してPFOA を発生する前駆体物質、およびC8より炭素数の多い類縁物質を2015年に全廃することに対する努力を行うこと(Working toward the elimination)を約束すること。

【フッ素化学メーカー8社】
デュポン(現ケマーズ)、3M/ダイネオン、旭硝子、ソルベイ・ソレキシス(現ソルベイ・スペシャルティー・ポリマーズ)、アルケマ、クラリアント(現アークローマ)、チバ・スペシャルティー・ケミカル(現BASF)、ダイキン工業

※2 関連URL
https://www.daikinchemicals.com/jp/company/sustainability.html


2019年5月29日
日本弗素樹脂工業会環境委員会

POPs 条約によるペルフルオロオクタン酸(PFOA)規制について

2019年4月29日~5月10日にジュネーブ(スイス)において、残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約(POPs条約)の第9回締約国会議(COP9)が開催され、「ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質」を同条約の附属書A(廃絶)に追加することが決定されました。

これによりPFOAについて製造、輸出入、意図的な使用が世界的に禁止されることになります。

POPs条約で規制対象となった物質は、各締結国*1)がそれぞれの国内法で規制されることとなり、日本においては、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(以下化審法という)で第一種特定化学物質として製造・輸入・意図的な使用が原則禁止される見込みです。

規制の開始までの猶予期間については、現時点では未定です。

POPs条約では不純物に関しては対象外となりますが、化審法では不純物についても対象となる可能性があります。

PFOAはふっ素樹脂の重合等に使用されることがある物質でありますが、主要ふっ素樹脂製造者*2)は2015年までに自主的な環境対応を完了しており、PFOAの使用をしていないことを確認しています。

工業用途向け製品において微粉末状に加工されたPTFEグレードの一部に、ごく微量のPFOAが含まれる場合があります。

日本弗素樹脂工業会の会員および協力会員は、自主的な対応を進めております。

各ふっ素樹脂製品のPFOA 含有の有無は、各製造者へお問い合わせ下さい。

*1)現在の締約国/締結状況は以下Web-site を参照下さい。
http://chm.pops.int/Countries/StatusofRatifications/Overview/tabid/3484/Default.aspx

*2)アークロマ、アルケマ、AGC、ケマーズ/三井・ケマーズ フロロプロダクツ、3M、ソルベイ・スペシャルティ・ポリマーズ、ダイキン工業、BASF

(着色下線は古賀)

(秋庭 賢司)

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