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コロナ対応を知るシリーズ その6 新型コロナウイルス、インフルエンザ死亡とどう比べるべき?

2020年4月3日、世界での感染者が100万人を超えたとの報道がありました。日本では、これまで、新型コロナについて、楽観論が多く、オリンピック延期後急に感染者の増加と感染後の重症化が深刻な問題とされています。

日本では高齢者は肺炎で死亡することが多いとされてきました。死因を年齢別に統計化したものは、人口動態調査です。日本でのインフルエンザの死亡はこれまで超過死亡で見られてきました。今回の新型コロナで、超過死亡が出るとおもいますが、肺炎死亡にも、インフルエンザやインフルエンザ菌、また、誤嚥性肺炎もあります。現段階で、武漢と比較した肺炎死亡について、医療問題研究会の医師山本英彦さんの見解をご紹介します。


1.新型コロナウィルス感染の現状把握と評価

どれだけ怖いのかについてはインフルエンザや他の肺炎死との比較が一番良いと思います。

資料:厚労省「平成30年(2018年)人口動態統計月報年計(概数)の概況」のp32からの第6表 死亡数・死亡率(人口10万対)、死因簡単分類別をみると、p34に

とあります。全死亡のうち死因の6.9%は肺炎94,654人、0.2%がインフルエンザとありますから、インフルエンザによる死亡は3323人です。なお肺炎死の97%は65歳以上(別統計)です

また、国立感染症研究所からの資料「今冬のインフルエンザについて(2018/19シーズン)」からは 2018-19年のインフルエンザ推計数は1201万人、15歳未満が全体の41%(同p7)という結果でした。

以上の2つの資料から、2018年の日本のインフルエンザ死亡はインフルエンザ罹患推計に対し、約3323/1200万人となります(死亡数は多すぎ、罹患数も多すぎるとは思いますが)。

湖北省でのCOVID-19による確定患者、死亡は2020年2月11日までのまとめ(中国CDC「新型冠状病毒肺炎流行特征分析」)によると、PCR検査による罹患確定数は33367人、死亡は979名です。つまり979/33367人となります。

この両者を比較すると、106倍コロナ感染の死亡が多いことになります。インフルエンザ1200万人の推定は日本人口の約10%ですから、いかにも多い。罹患を仮に人口の1%で120万人と推定したとしても、上の計算によると死亡率は約10倍も多いことになります。日本のインフル死亡を半分としたり、インフルの方が観察期間が2倍長い等の条件を組み入れるとコロナ感染での死亡は200倍-400倍と多くなります。つまり、肺炎死亡の単一疾患としては10-数百倍のオーダーでCOVIDがインフルエンザより多いとなります。

一方同じコロナウィルスの変異である2003年のSARSウィルスや2012年のMARSウィルスと比較すると、SARS2-CoVの死亡数/確定患者数は中国では0.7-5.8%くらいで次第に低下傾向にあります。10%,30%のSARSやMARSに比べると大分低いことになります。

結論としては、COVID-19はSARS、MARSより死亡率は一桁低く、インフルエンザより一桁か二桁高いとなります。また、高齢者、合併症ある方の死亡率が高いということになります。(文献NEJMより改変)

一方、肺炎全体でみると、日本では毎年9万人が肺炎で亡くなります。それと比べると武漢で1000人/1000万の死亡は日本の1億人に10000人相当ですから大したことはないという論理も大雑把に成り立ちます。

不顕性感染、軽症8割以上はその通りのようです。なお、不顕性感染者からの伝染が強調されていますが、インフルエンザなどでもありますので厳密には今後の解析にまたなければなりません。

2.どうしたらよいのか

やはりかかった人の周囲の調査、感染者の隔離が必要かもしれません。2003年のSARSもそうでしたが、高齢者の悪化は成人呼吸窮迫症候群によるものが多いという報告も散見され、その場合は肺炎にかかった数日後に発症するようです。早期の治療介入が必要なため、感染者の周囲の調査はやはり必要でしょう。PCR陰性を過信しないという点はこれまでも指摘されていますが、その通りだと思います。

人の往来制限はどれだけ意味があるのか、WHO,中国では強調されていますが、その効果か、ウィルスと人との感受性変化による患者減少かは良くわかりません。特にインフルと違い、小児感染は中国でも家庭での成人→小児の感染のみで逆は一例もないようですので、学校閉鎖は全く非論理的です。小中高校生を学校からゲームセンター、カラオケ、漫画喫茶などの閉鎖空間に追いやり感染機会を増やすだけの意味しかないと思います。2003年SARSのとき香港が実施してWHOから評価されたことが影響しているのかもしれません。

今のところ手洗い中心の清潔と、体調不良で休む、熱や咳の先行症状に続き急に息苦しくなり危ないべきと感じたら強引に医者に行くあたりしか対応策はないようです。

(この見解は、2020年3月中旬にいただいたものです。続報は追ってお知らせします)

 

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