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新型コロナ肺炎 ── 消費者としてどう考え対応すべき?インフルエンザ対策にどう学ぶ?

コンシューマネットのHPや活動を知っている方から、今回の新型コロナウイルスについてどう考えるべきかとのお問い合わせをいただいています。相次ぐイベントや講演会等の中止に続き、この2週間が正念場とばかり、ついに学校での休校の要請まで出され、不安と混乱がひろがっています。母里啓子さんや黒部信一さん、本間真二郎さん、里見宏さんなどこれまで予防接種でご協力いただいた方々の意見をもとに今回の新型コロナ問題にどう対応すべきかについてまとめてみました。

当初、様々な情報や臆測の中には、楽観視するものから強い不安を煽るようなものなどがありましたが、感染の広がりが複数国で深刻なこと、株価もリーマンショック以後最大の落ち込みであると報道されています。

「正しくこわがる」とは、言うは易し…ですが、まずは感染症の基本にかえって、コロナウイルスとはなにかということから復習してみましょう。その上で今後は学校休校と今後の医薬品使用の可否についても考えてみたいと思います。新しく出現したウイルスですので不明な点も多いのですが、結論から言うと今回の新型コロナウイルスは基本的には風邪の一種と考えて良いと思われますので、あまり心配しすぎる必要はなく従来からの対応でよいということです。ただし、日本の公衆衛生対策は根本的に見直すべき点がありそうです。

その1:新型コロナウイルスもかぜの一種

新型コロナウイルス(COVID-19)は昨年末(2019年12月頃)に中国の湖北省武漢市で出現したとされています。

在来型のコロナウイルスは、至る所に存在し、絶え間なく感染するありふれた風邪のウイルスで、すべての成人と5歳以上の子どものほとんどが一度は感染したことがあると言われ、通常はかぜの5~10%を占めています。主に下気道に感染して時々重症化し、まれに肺炎を起こします。主に5歳以上で明らかな症状を示します。ウイルスの大きさは0.1~0.15ミクロンで、ほとんどのマスクを通過してしまいます。

今回新型ウイルスが見つかったのは香港大学医学院の患者で、60代の夫婦と30代の夫婦、孫2人のグループから。孫2人は発症せず、一人は検査では陽性でもう一人は陰性でした。その結果60代の夫婦と娘の義母の3人が入院したとされています。WHOの2020年1月27日の発表では、中国以外の患者の年齢は2歳から74歳までです。ほとんどが15歳以上で、子どもの感染者は少なく、症状が軽いのです。サーズの時も子どもはほとんど感染せず、感染しても軽症でした。

インフルエンザとのちがいはどうでしょう。厚生労働省は、インフルエンザの毎年の流行を人口の10%が感染、大流行時は25%が感染すると予測しています。2009年のメキシコ発新型インフルエンザは、今冬流行しているA型インフルエンザの主力株となっています。もう日本に居ついて従来型と呼ばれています。ウイルスは変異し感染を広げやがて収束していくということでは新型コロナウイルスもいずれ在来型コロナウイルスとなるということです。

飛沫感染を感染経路とする感染症については感染者は全員発症する訳ではないことにまず注目する必要があります。

どんな症状になるのか?

症状は、発熱98%、咳76%(痰がからまない、から咳)、筋肉痛または疲労44%です。下痢はまれです。サーズでも1割程度しか下痢はありませんでした。ほとんどがかぜか軽いインフルエンザの症状です。肺炎もすべてに見つかっている訳ではありません。無症状で検査陽性の人も次々と見つかっています。重症になるのは、ほとんどが高齢者です。これもインフルエンザと同じです。2月11日には世界で1000人以上が死亡したとされましたが、そのほとんどが武漢市の人です。その年齢と持病などの詳細は公表されていませんが、1月22日までの死亡者17人の平均年齢は73.3歳で、60歳未満は2人でした。死者のほとんどが重い心臓病、慢性腎不全、パーキンソン病、糖尿病などの持病を持っていました。

武漢市は人口1100万人ですから、1000人というのは総人口の0.01%になります。インフルエンザでは死亡率は0.1%以下といいます。交通遮断されて十分な医療を受けられる保証はないし、発病を隠し重症化してから受診しているのかもしれないのでこの数字は今後増えると思われます。重症になるタイプのウイルスに感染すると、その人は寝たきりか亡くなり、家族か医療従事者以外には基本的には感染しません。

私たちが今直面しているのは、「軽くすんだ人が他の人に感染させるのです。軽くすむためにかえって感染する機会が増え、大流行しやすくなっていること」です。それを防ぐことは困難です。感染は日本全体に広がると予測されます。そして時間を経て世界に常在していきます。それが感染症の歴史です。感染で重症化する人をどのように守るかと言う点に政府は政策を絞っていく必要があります。

本間真二郎医師の指摘

新型コロナウイルス肺炎の特徴について、本間真二郎医師は以下のように指摘されています。(下線は筆者)


①感染力が強い

②ほとんどの人がこのウイルスに対する免疫を持たない

③そのため世界的に大流行する可能性がある

④全体の致命率は場所により異なるが0.05〜3%程度と思われる

⑤通常の健康な人にとっては症状の強い風邪程度の感染症である

⑥免疫力・抵抗力にリスクがある人は感染率、致命率ともに高くなる

⑦小児(20歳未満)では患者数、致命率ともに低い

⑧一般の病院ではコロナウイルスの診断を確定できない(検査法がない)。

⑨今後、日本での市中感染の拡大(つまり流行)を防ぐことはおそらく不可能

⑩日本以外の「ほとんど」すべての国での流行はまもなく収束の方向へ向かう

⑪正しい知識と理解を持って適切な対策、行動を起こすことが必要

まずは要点を箇条書きにまとめましたので、足りない分をいくつか補足し解説します。

④致命率

致命率とは病気になった人での死亡する割合のことです。リスク(健康状態、衛生環境、栄養状態、国、気候)などにより大きく異なりますが、今回の新型コロナウイルスは、パンデミック(広範囲の流行)を起こす新規の感染症としては高くない値です。

おそらく日本では最終的には0.1%程度かそれ以下になると思われます。しかし、0.1%でも例えば1000万人が感染すれば1万人程が亡くなることに注意してください。

ただし、通常のインフルエンザでも2000年以降、年によっては日本だけで3000人以上亡くなっています。

https://president.jp/articles/-/33053?page=2

 

新型コロナだけが肺炎死亡にいたる原因ではない

最先端国??のアメリカ合衆国でも、今シーズンだけで全米で14000人〜36000人がインフルエンザで亡くなることが推定されています。

https://www.cdc.gov/flu/about/burden/preliminary-in-season-estimates.htm 

大切な事は、通常の風邪でも免疫力や抵抗力が落ちていれば亡くなるということです。インフルエンザやコロナウイルスは感染力、症状が強い風邪なので致命率が高いのですが特別なウイルスではないことに注意してください

⑤免疫力、抵抗力

通常の健康な人とは病気を持たず普通に生活しているいわゆる一般の人になります。

⑥健康上のリスクのある人

具体的には高齢者や基礎疾患を持つ人(心血管疾患、糖尿病、肺疾患、がん、免疫抑制剤を使用している方など)、寝たきりの人、施設に入っている人、病後の人などになります。

いままでの重症肺炎を起こすコロナウイルス(SARS、MERS)、そしてインフルエンザもまったく同様の傾向がみられます。

⑩ほとんどを追加して修正しました(2/22)。

すべてというと極端な表現になりますので、「ほとんど」すべてに変更しました。実際に韓国でも今後の感染の拡大が予想されます。

⑪対策

健康な人は、まずは過剰に心配しない事、パニックを起こさない事です!とくに子どもをもつ親御さんでは⑦の情報だけでも安心できるのではないでしょうか。今後の対策の最も重要な点は、高齢者やリスクが高い人に対する対策になるでしょう。

今後は、

・新型コロナウイルスのウイルス学的な特徴

・新型コロナウイルスについての考え方と対策

・治療薬について

などを記事にしていきます。


本間医師のブログも参考にしてください。


https://www.facebook.com/shinjiro.homma

①最も重要な情報の簡潔なまとめ

②新型コロナウイルスの臨床的特徴(2/22の時点)

③新型コロナウイルスについてのウイルス学的な特徴

④一般家庭での新型コロナウイルス(COVID-19)の感染予防


本間医師のまとめで病気のことが少しずつ理解できたことと思います。

その2:感染をおそれるな

感染することと発病することは違う~抗体ができずに細胞免疫で発病しない人もいる

インフルエンザとコロナで感染することと発病することについて考えてみましょう。

黒部信一医師の指摘

黒部信一医師は2009年の新型インフルエンザについてこういわれます。


2009年のメキシコ発の新型インフルエンザを検証してみましょう。当時に大阪の中高一貫校の生徒が最初に集団感染しました。その学校の全生徒教職員647人の血液検査をしたところ、その結果102人(16%)の人しか抗体が検出されませんでした。しかも、典型的な症状が出たのはその中の44人(45%)で、軽症36人(37%)、無症状18人(19%)でした。無症状だった人は不顕性感染と言い、血液中に入ったので抗体ができたのですが、その段階でウイルスに勝ったということです(ワクチンと同じ経過です)。

抗体が出なかった人は、侵入経路の鼻や咽頭の粘膜細胞で闘って病気に勝ったので、血液中に入らず、抗体ができなかったのです。それが細胞免疫というものです。

細胞免疫の測定はいまだにできず、唯一結核におけるツベルクリン反応だけしかありませんがこれは、抗体があるかどうかで判定しています。だから抗体が無くても感染しない人もいるはずですが、このことの証明はできません。

インフルエンザ不活化ワクチンの有効性については疑問がありますが、それではと、何年も前から、生ワクチンをのどや鼻の粘膜へスプレー噴霧して細胞免疫をつける試験がなされています。しかし、インフルエンザは変異が早いので難しいようです。

厚生労働省もインフルエンザの毎年の通常の流行では人口の10%が感染し、大流行時は25%が感染すると予測しています。それで見込み違いをしたのです。新型インフルエンザを大流行と予測したのですが、従来型より少し多いだけだったのです。

メキシコから始まった新型インフルエンザが、今冬流行しているA型インフルエンザの主力です。もう日本に居ついています。だから新型とは言わず、従来型と呼ばれています。

麻疹と風疹が国内で騒がれていますが、ちなみに過去のデータを見ると(今はワクチンをしてしまうのでデータはない)、兄弟への感染率は、麻疹99%、風疹90%、水痘80%、おたふくかぜ67%とありました。

「新型コロナウイルスによる肺炎」は?

潜伏期間は、その人の抵抗力の違いです。1日~10日前後です。潜伏期間中も感染するというのは、軽く発症していたのに本人が自覚していなかったのではないでしょうか。よくあることです。

例えば、麻疹は最初軽い風邪様の症状と発熱が軽度あり、発疹と共に高熱が出るようです。発疹とその頃に出るコプリック斑で診断がつきます。

百日ぜきも、3~5日の風邪のような軽い症状で始まり、ある晩突然ひどい咳こみが始まります。私の経験でも、黄疸やギランバレー症候群で入院させたら、肺に影があり、マイコプラズマ肺炎だったことがあります。つまり、その始まりの時期には感染しますから。

肺炎がないからと、否定できません。マイコプラズマ肺炎でもある日突然肺炎のX線の映像が出ます。前日には出ません。これはアメリカの小児放射線診断医のグループでの研究で明らかになっています。

「毒性が強まっている」は本当か

これは人とウイルスの力関係ですから、持病などのある人は重症化し、健康な人は軽症ですむということです。インフルエンザと同じパターンです。それが重症化率です。

人から人へ感染すると毒性が強まると言うのは思い違いです。デュボス説では、重症になるタイプのウイルスに感染すると、その人は寝たきりか亡くなり、他の人に感染しません。軽くすんだ人が他の人に感染させるのです。感染力は高くなりますが、軽症化します。

重症になるのは、持病のある人たちです。

マスクで予防はできるのか

いまマスクが店頭から消えています。トイレットペーパやティッシュペーパまで「マスクと原材料が同じなので不足する」といって買い走りが起きていますが完全なデマです。

またマスク、手洗いは、日本の真似です。2009年のメキシコでは、誰もマスクもうがいも手洗いもしていませんでした。これはアメリカのやり方です。

昔中国に行った時には、中国の医師たちは日本よりアメリカの医学を見ていましたが、今は違ってきたようです。欧米諸国では、マスク、手洗い、うがいはしません。汚れた時だけするくらいです。厚生労働省もやっと認めて、「エチケット・マスク」と言って咳の出る時に他人に濃厚にうつさないようにマスクをしましょうと変わってきたはずですが。マスクの予防効果はほとんどありません。見かけだけです。防毒マスクなら確実に予防できます。

かからないようにするためには

まず、今までに何年もインフルエンザにかからなかった人は、新型コロナについても今まで通りの対策で良いのです。

そうでない人は、睡眠時間を十分とり、過重労働を避けることです。体とこころの疲れを避けること。神経質になりすぎてもいけません。

かかってしまったらどうするか

病院にかかる条件は、呼吸状態が悪くなった時です。解熱剤を使うことは、絶対にしてはいけないことです。免疫を低下させます。総合感冒薬も解熱剤入りです。内科医は対症療法と称して解熱剤を出します。小児科でも出す医者がいますが使うべきではありません。インフルエンザ薬の予防投与もやめるべきです。解熱鎮痛剤は、遠くはアスピリンとアセトアミノフェンをインフルエンザと水痘に使うとライ症候群になることが判っています。また、昔から解熱剤を麻疹に使うと内攻すると言われてきましたが、最近は忘れられています。麻疹脳炎は解熱剤で多発しています。

世界では、多くの国が解熱剤としてはアスピリンとアセトアミノフェンだけだったので、解熱剤を使わなくなりました。日本では多くの薬が解熱剤として使われていたので、他の薬は大丈夫と思われています。しかし、解熱する仕組みは、免疫の仕組みを止めるから熱が下がるのです。ですからすべての感染症に使ってはいけないことなのです。

症状は体の防衛反応ですから、症状を取ってはいけません。つらければ、高熱には頭を冷やしたりしてもよいし、子どもはあなたの肌で冷やしてください。以前は、欧米ではぬるま湯に入れて下げましたが、今はしません。下げない方が良いからです。解熱剤が氾濫しているのは、先進国の中で日本だけです。(製薬企業がメディアを支配しているからでしょう。)

次に、熱が出てすぐにはレントゲンを撮っても肺炎の影は出ないことが多いようです。熱が出ても、一日か二日は様子を見ましょう。でも呼吸状態が悪ければ、いつでも病院へ行きましょう。今のところウイルスに効く薬はありません。間違って解熱剤をもらっても、飲まないように。解熱剤が免疫を低下させることを知らない医師が多いですから。

かかったと思ったら、家で休んでください。診断書をもらいに医者にかかることも、周りに感染させてしまいます。心配なら受け入れ病院へ電話して指示を仰いで下さい。

1月28日に「指定感染症」に閣議決定されたので、確定診断されたら行動が制限されます。問題はどうしたら診断できるのでしょうか。特有な症状はないし、肺炎が判るのは時間がかかるし、診断基準はないし、治療法もありません。

ちなみに、私の理論、病原環境説または適応説ですが、感染症の歴史や、耐性菌はどうして出てくるか、人間の歴史は感染症の歴史でもあることや、古い感染症は次第に消えて行き、また新しい感染症が出てくるのが歴史の必然であること、常に人間は犠牲を払いながらそれを乗り越えてきたことなどについて環境説のデュボスは明確に説明しており、私は臨床の場でそれを確かめています。新しい感染症が出てくるのは、歴史の必然とかんがえるべきです。

この10年の遺伝子学の進歩の話が、日本の科学ジャーナリズムの少ないことから、一般に知られていませんが、遺伝子も環境によって変化するし、遺伝子の発現も環境に応じて発現が変わってくるのです。そうして人間は、感染症に適応関係を作り、最後は共存していくのです。ヨーロッパを折檻したペストもそうして消えて行きました。総人口の四分の一を失ってですが。

感染を防ぐことはできません

マスクは感染防止には無力です。

人へのウイルスの感染経路は、あくまで気道の感染からです。鼻と口からです。そこへ入るのは、飛沫感染と口からの経口感染です。

接触した手からの感染は、口からですから、飲食時の手洗いをすれば十分です。手の皮膚からは、皮膚の防御システムが働かない傷や湿疹、皮膚炎ができている所だけです。それも手袋をすれば防げます。

最大の感染経路は、鼻や口からの呼吸で吸い込むことです。0.1~0.15ミクロンですから、普通のマスクでは防げません。毒ガスを防ぐ防毒マスクなら防げます。医療用のN95マスクで防げるという確証を私は持ち合わせていません。

ちなみに、スギ花粉は20~40ミクロンです。だから花粉症もマスクでは防げません。

マスクは、かかった人が大量にまき散らさないためのエチケットマスクです。予防にはならないので、欧米ではしません。

ウイルスは、口からの飛沫で細かい粒子に乗って、空気の流れによって漂っていきます。離れればうつらないとか、接触するからうつると言うのは思い違いです。ウイルスは直射日光に弱いですから、晴れた日は1メートル以上離れればうつりません。

でも室内や、曇った日は1キロメートル以上飛んでいくと言うことが科学史の中で判っています。エアコンで運ばれることもあります。だから船内にいる方が感染しやすいのだと思いますが。昔小児病棟で麻疹が発生した時には、入院を止めて、入院患者さんはできるだけ退院させて自宅で過ごさせ、21日間待ってから入院を開始したのですが、たまに21日目に発病した子がいました。その頃には麻疹生ワクチンがあったと思うのですが、発病した子が出た当日にワクチンを接種すれば間に合うなどということを知りませんでした。だから潜伏期間は最大21日です。

環境工学の研究所の研究では、タクシーの車内で咳をしたら、エアコンの気流に乗って車内全体に広がります。同様に室内にいたら、部屋全体にウイルスの微粒子が蔓延します。

一番感染しやすい麻疹の場合に、昔、アメリカの小児科クリニック(もちろん小児科専門医)で、患者さんが麻疹と診断されました。それでその場に居たすべての人の麻疹の罹患歴とワクチン歴を調査し、かかっていない人にはすぐワクチンを接種して帰しました。それで診療を中断し、部屋を全開放し、空気を入れ替えるようにして、一時間後に診療を再開しました。しかしその後の来院者に麻疹の患者さんが出てしまったと言う報告がありました。

インフルエンザの場合も、室内では一人が咳をしてウイルスをばらまけば、部屋全体に広がります。

新生児室や未熟児室の感染予防に関わったことがありますが、外気を取り入れて、室内を一方向、通常は横に流れるようにし、しかも吸い出し口から陰圧をかけて、空気を流していました。落下細菌を防ぎ常に新しい空気に入れ替えるためです。それだけしていても、新生児に医療従事者の病気が感染する例がなくなりません。

ですから、同室に居たり、同じ車内、同じ船内にいたら、うつるのは当たり前です。隔離しても空気を隔離できなければ防げません。エアコンの風でも運ばれます。

だから接触したかどうかを調べても意味がありません。

でもインフルエンザや、風疹がクラスで流行していてもかからない子どもや教師がいるのもよくあることです。

ではどうしたら感染を防げるか

でもかかる人とかからない人がいるのは、個人の免疫システムが働いているか、働いていないかによって決まります。ウイルスを吸い込んでもその人の免疫システムが働いていれば、感染しないか、しても発病しないのです。(前述の2009年新型インフルエンザ流行時の最初の集団感染した学校の報告を参照して下さい)それは、人は一人ひとり違うのです。その人の健康状態、特に免疫システムの働きが正常に働いているかで決まります。免疫状態を低下させる最大の原因は、ストレスです。がまんさせたり、嫌がることを強制したりすることも、よくありません。

感染の仕組みはどうか

人の自然免疫は、まず侵入経路の鼻やのどの粘膜細胞の細胞免疫によります。細胞免疫が働けば、細菌やウイルスをそこで侵入を阻止します。侵入されても細胞内の闘いで勝てば、そこで止まります。細菌の場合には、白血球が細菌を喰って死んだものがうみ(膿)です。ウイルスの場合は違います。ウイルスは細胞内でないと繁殖できません。細胞内に入って繁殖できるかどうかで決まります。そこの闘いで細胞側が勝てばそれで終わります。

そこで負けると細胞内でウイルスが繁殖して、細胞を破壊して周囲の細胞に入り込み、同じことを繰り返します。粘膜細胞での闘いで勝てば抗体もできずに感染を防ぐことができます。そこを突破されると、血液中に入ります。血液に入るとリンパ球(T細胞とB細胞)が活動して闘います。リンパ球が直接ウイルスと闘ったり、抗体を作り、抗体がウイルスと結合してその働きを阻止します。(人には1億の抗体を作る働きを持っていることを利根川進さんが証明しました。)そこで抗体を作るスピードが間に合えば無症状です。少し遅れると、軽症で済みます。間に合わずに、血液中でウイルスが繁殖してしまうと本格的に発病します。

既に抗体を持っている場合は、獲得免疫と言って以前に感染したか、ワクチンによって抗体を作った経験があり、免疫学的記憶が残っていて、抗体価が低くても速やか抗体を作ることができ、発病を阻止できるか、間に合わずに発病しても軽く済むのです。

新型の場合にはそれは期待できません。しかし、ほとんどすべての5歳以上の人は、在来型のコロナウイルスに感染していますから、その抗体を持っています。それで近縁のウイルスなら交叉免疫で抗体を作りやすいと思いますが、それについての確証はありません。でもなぜサーズの時も、今回の新型コロナウイルスでも子どもはほとんど発病しないし、ウイルスを検査しても陰性の子がいることを説明できません。ウイルスは粘膜細胞内に入り込めないと繁殖できないし、繁殖しないと検査に引っかからないのです。

検査では偽陰性のこともあります

検査万能ではありません。インフルエンザの検査でも、発病後8時間程度過ぎないと陽性に出る確率が低いようです。それだけ活発にウイルスが繁殖している必要があるようです。

しかもインフルエンザは主に上気道で繁殖しますから、鼻やのどの粘膜でのウイルスを検査しています。

しかしコロナウイルスは一般に下気道を中心に感染を起こすので、気管・気管支・肺への感染を起こしやすく、それで肺炎が多いのです。その検査を鼻やのどの上気道の検査で代用していますから、偽陰性が出ることも多いと思います。だから何度も検査されたりします。

一度の検査で陰性でもあてにならないのです。PCR法はウイルスのゲノムの検査ですから、大量にはできません。しかもウイルスをしっかりつかまえないと正確に出ません。血液中の抗体の検査よりも難しく、手間のかかる検査です。

検査すれば判ると思うのは幻想です。だから中国のように臨床診断として胸部X線やCTでの肺炎像を使うことも大量にさばくために考えられたのです。でもそれでは診断漏れが多くなります。

一般の診療所や中小の病院では検査できないかもしれません。数少ない検査の枠を、国の対策に使っているからです。

免疫の働きを活性化するためには、どうしたらよいか

のびのび生きることです。今までインフルエンザにかかっていない人は、それができているからかからないのですから、今まで通りにして下さい。

持病があっても、一病息災でインフルエンザにかかっていなければ、その人も大丈夫です。

多くの開業医はインフルエンザの患者さんを多数診察しても、かかる人は僅かです。医師は自分の健康管理をしっかりしているからで、勤務医がかかるのは過重労働からです。

子どもが3歳過ぎると病気をしなくなるのは、自己主張が強くなるからで、病気をしなくなる代わりに、親の言うことを聞かなくなります。親の言うことを聞くような良い子は、病気になります。過保護や過干渉は、子どもを病気にします。

毎年インフルエンザにかかる人は、睡眠時間、体調管理に気を付けないとかかってしまうでしょう。ストレスも免疫システムの働きを低下させます。

結論:あなた自身が防ぐしかありません

あなたの健康を自分で守るしかありません。体調管理をすることが最大の課題です。医者が滅多にインフルエンザにかからないのもそこにあります。


その3:学校の休校をどう考える

里見宏さんの指摘

公衆衛生学に詳しい健康情報センターの里見宏さんは今回の新型コロナ感染についてこういわれます。


クルーズ船に閉じ込めて709人(81%)も感染者を作った検疫は日本の恥でしょう。国内の171人(2020年2月28日時点で210人)の追跡調査ができなかったのは国の体制の欠陥です。東京では中国人観光客の乗った屋形船からの感染と言うことが分かったけれどほかの追跡調査はすすめられていません。

クルーズ船を除けばたった171人(2020年2月28日時点で210人)の感染者なのに、少し多い北海道、神奈川、和歌山、愛知だけならまだしも全国一律に休校というのは疑問。感染経路の調査が先のはずです。発病者が誰に感染したのか調べているようですがこれではもっと広がると不安を作り出すだけです。感染、発病、回復者の経過を情報公開することが重要であり、副作用の危険なウイルス薬アビガン(動物実験で胎児に奇形をつくるとされる)を使用するのは問題です。

感染症の専門家としてメディアに登場する人たちが、「感染症はワクチンの開発、抗ウイルス剤の開発とコメントしていますが、新型コロナには間に合いません。仮にできても副作用があります。また、科学的エビデンスがないのにHIV薬が効くというのもおかしいのです。

インフルエンザに学ぶ

感染症のうち毎年流行るインフルエンザ。インフルエンザの21世紀的対応として、検査キット、予防接種、抗インフルエンザ薬が「三種の神器」としてすすめられてきました。しかしそれ以前には、インフルエンザを含め、効果がないワクチンで副作用被害にあった人が26年間訴訟をして勝ち取った予防接種法の改正がありました。


母里啓子さんの指摘

母里啓子さんは今回の新型コロナ感染問題についてこう言われます。


1970年代“私憤から公憤へ”(吉原賢治さんの本、岩波新書)によりワクチンの被害者に教えられ、26年に及ぶ集団訴訟の成り行きを見守りました。インフルエンザワクチンの学童防波堤論に抗議し、全国の養護の先生たちと連携してやっと予防接種法の改正にまで(強制のものはない)持ち込んだのも束の間、5年後の見直しで、重症化を防ぐために有効ですと、国民を脅し、老人を嚇して増産されたインフルエンザワクチン。高齢者中心に予防接種に駆り立て、2009年の新型の時は大騒ぎが起きました。無駄な騒ぎをしたとの反省もなく輸入に道を開いただけでした。その後はVPDの思想を広めワクチン販売に猛進、その他の病気も脅しの結果、3か月からが中心であった予防接種が0歳児の間に、定期接種だけでも13回~15回も接種されるようになりました。接種スケジュールがこなせないので、禁忌だった同時接種を容認されましたが、被害が出てもどれが原因かわからないとして、因果関係は認めてもらえません。乳児だけでなく子宮頸がんの防止になると言う触れ込みで、実績のないワクチン推進で、導入されたHPVワクチン。多くの被害者が出ていることも認めず、治療方法も見つからないまま裁判で争われているのが現状です。

コロナウイルスに対する対策も基本を守れば自ずから分かる事です。2007年に書いた “インフルエンザワクチンは打たないで”(双葉社刊)で、これまでの感染症対策のおかしさを集大成した積りですが、今回の新型コロナ対策では感染症の基本対策が全くなっていなかったことが露呈されたものです。


まずは、感染の拡大防止が最大のポイントですが、日本は薬やワクチンで対応すれば流行は抑えられるという政策にしたことが感染症対策の基本を見誤った点だともいえます。公衆衛生という分野が抹殺されて、近年特に予防医学が幅を利かせてきました。公衆衛生院疫学部がなくなり、大学の公衆衛生学教室がなくなり、どうしてもなくせない教室は大学院に持っていき、予算を縮小されました。大切な保健所も減らし、公衆衛生のノウハウを持つ人がいなくなる政策がすすめられたのです。医療の活性化の名のもと予防医学という名前が幅を利かしていますがワクチンや薬でという儲かる医療の論理が今回の流行の前に、まったく手も足も出ないという混乱状況のもとになっているともいえるでしょう。

PMDA法が改正されて医薬品の迅速な認可ができるようになりましたが、新型コロナ感染についてはまずは感染経路、感染源の特定をすること。いたずらに恐怖心や社会不安をあおらずに、感染症から真にまもるべき対象は誰か、私たち自身のもつ総合的な体のしくみ、抗体の形成メカニズム、不顕性感染という感染症の本質など、基本のきに戻って対処していくべきではないでしょうか。

(古賀 真子)

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