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もっと知りたいフッ素の話 その35 子どものIQや腎臓・肝臓への悪影響について

海外でもフッ素に関する有害情報論文が出されています。最新の報告を秋庭賢司さんがお寄せくださいましたのでご紹介します。

1.2019年8/19 JAMAPediatrics(アメリカ医師会小児科学会誌)論文

「カナダにおける妊娠中の母親のフッ素暴露と子どものIQとの関係」

R.グリーン、C.ティル(カナダ、トロント市、ヨーク大学健康学部精神科)

 

2.米合衆国における成人のフッ素暴露と腎臓、肝臓機能:

 全米健康栄養調査(2013-2016A.J.Malinほか。

Environment International,https://doi.org/10.1016/j.envint.2019.105012

FANニュース 2019 8/19

  1. 虫歯は治せるが脳は治せない。棺桶の最後のクギ。

Association Between Maternal Fluoride Exposure During Pregnancy and IQ Scores in Offspring in Canada.                          RivkaGreen,MA;ChristineTill,PhD et al.

CorrespondingAuthor:ChristineTill,PhD,DepartmentofPsychology,YorkUniversity,

4700KeeleSt,Toronto, ONM3J1P3,Canada(ctill@yorku.ca).

 

2019年8/19発行JAMA Pediatrics(アメリカ医師会小児科学会誌)発表論文

「カナダにおける妊娠中の母親のフッ素暴露と子どものIQスコアーとの関係」

R.グリーン、C.ティル(カナダ、トロント市、ヨーク大学健康学部精神科)ほか。

 

 概要:アメリカ合衆国医師会小児科雑誌に、政府の公的資金による「フッ素が発育中の脳に与える影響」についての2番目の論文が掲載された。最初の研究は、Bashashら(2017)の米合衆国、カナダ、メキシコによる環境中毒性物質の共同研究であり、今回は環境中化学物質が母子に与える影響調査(2008と2011)の一環である。カナダでは38%が飲料水のフッ素化がされており、合衆国は66%である(2018)。

調査方法

調査に影響を及ぼす以下の変動要因の検討をした。

母親の教育程度、人種、家庭環境の質、化学物質(鉛、水銀、マグネシウム、有機フッ素:PFOA、ヒ素)。

  1. カナダ6都市在住の妊娠中の母親(512人:白人90%の尿中フッ素濃度を3回測定;妊娠中約3 ,5, 8ヶ月)。平均年齢は32.3歳。
  2. 尿中平均フッ素濃度はフッ素化地区で0.7mg/L、非フッ素化地区では0.4mg/L。
  3. 自己申告により一日フッ素摂取量を推定。水道水のほか、ミルク、コーヒー、お茶、清涼飲料水などを含む。フッ素入り歯磨きや歯科治療のフッ素は含まない。該当者(400人)のうちフッ素化地区在住は41%である。フッ素化水は総摂取量の60~80%を占める。
  4. 推定摂取量はフッ素化地区で0.9mg/L,非フッ素化地区では0.3mg/Lであった。

③出生(2008と2012)後の3-4歳児のIQテスト(610人)を実施。

結果(2017~2019に分析)

  1. と③の結果で検討条件に該当する512組の母(尿中フッ素濃度)と子(IQテスト)のデータを単回帰分析した結果、男子のみ尿中フッ素濃度が1mg上昇すると、IQが4.5ポイント減少した。女子はこの関係が見られなかった。

しかし②と③では、検討条件を満たす400組の母(尿中フッ素濃度)子(IQテスト)のデータを単回帰分析した結果、男女ともに推定一日フッ素摂取量が1mg上昇すると、IQが3.7ポイント減少した。

結論:妊娠中のフッ素摂取はできるだけ少なくするべきである。

解説

男女の感受性の差について:幼児での自閉症スペクトラム(自閉症、ADHD、学習障害など)は、男子が女子より多いことが知られている。

また、尿中フッ素濃度とIQ低下の結果は、メキシコの研究(2017:妊娠中フッ素濃度の0.5mgの上昇に対し2.5ポイント低下)や中国の研究(2018:子どもの尿中フッ素濃度の1.0mgの上昇に対して5.3ポイントの低下)などと整合性がある。

しかし著者らはこの論文の限界を以下のように述べている。

  1. 妊娠中3回の尿中フッ素濃度は僅か5時間前のフッ素摂取量しか反映していない。

2.摂取量は母親の血中フッ素濃度を反映するが胎児のそれではない。

3.母親のIQレベルは不明、F化地区の在住者は大卒レベルだが非F化地区はそうでない。

4.家庭の水道水のフッ素濃度は測定していない、自己申告の一日フッ素摂取量は食物や

歯磨き剤などの歯科関連用品は含まれていない。

5.出生後の子どものフッ素摂取量は調査していない。今後の課題である。

編集者の言葉

JAMA Pediatrics の編集者であるD.C.Bellingerハーバード大学教授は、この論文の出版に関して異例のコメントを掲載している。

「出版は容易ではなかった。研究により得られた所見と発表による社会的影響を鑑み、我々は、その研究方法と結果について特に注意を払った。雑誌の使命は、得られる最良のエビデンスにより、将来に向けて子どもたちの健康を最適化することである。」としている。

 

以下のFANニュースに原著と編集者の言葉があります。        文責 秋庭 賢司

CNN,CTV,ワシントンポストやカナダ、合衆国、オーストラリア、イギリス、中国、ニュージーランドなど世界中で多くのメディアがこの記事を紹介しているが、日本は全くなし。

僅かに英文誌Japan Todayが紹介している(8/21)。

prenatal fluoride/IQ study

READ THE STUDY ONLINE / PDF VERSION

editorial note,

 

  1. FAN News 8/8

Fluoride exposure and kidney and liver function among adolescents in the United States: NHANES, 2013–2016                       Ashley J. Malina.  Robert O. Wright a,bet al.

a Department of Environmental Medicine and Public Health, Icahn School of Medicine at Mount Sinai, New York, NY, USA

b Department of Pediatrics, Icahn School of Medicine at Mount Sinai, New York, NY, USA

米合衆国における成人のフッ素暴露と腎臓、肝臓機能:全米健康栄養調査(2013-2016)A.J.Malinほか。Environment International,https://doi.org/10.1016/j.envint.2019.105012

 

概要

背景:肝臓、腎臓へのフッ素の毒性は、動物実験で証明されてきた。しかしヒトへの影響についての研究は少ない。この大規模調査は、低濃度慢性フッ素暴露と合衆国成人の腎臓、肝臓機能との関連を調べることである。この研究の目的は、高濃度フッ素暴露が合衆国青年の腎臓の変化や肝臓の生物学的指標と関連があるかどうかを評価することである。

調査方法

この研究はNHANESのデータ(2013-2016)を使用した研究である。

我々は、それぞれ腎疾患のない青年1983人(2013年)1742人(2016年)の血漿中フッ素濃度と家庭の飲料水中フッ素濃度を分析した。

腎臓の生物学的指標(パラメーター):推定糸球体濾過率、血清中尿酸、尿中アルブミン

クレアチニン比。

肝臓のパラメーター:アラニントランスフェラーゼ、アスパルテートトランスフェラーゼ

アルカリフォスファターゼ、血中尿素窒素、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ、アルブミン。

変動要因を調整後、それぞれ飲料水フッ素濃度とパラメーター(9種類)及び血漿中フッ素濃度とパラメーター(9種類)の関係を単回帰分析により検討した。

結果

平均年齢は15.4歳。飲料水フッ素濃度の中央値は0.48mg/L,血漿中フッ素濃度の中央値は

0.33μmol/L(0.007mg/L)であった。9種類のうち3種類がフッ素暴露と有意であった。

血漿中フッ素濃度が1μmol/L上昇すると推定糸球体透過率が10.36ml/min/1.73m2低下(p=0.05)し、血清中尿酸は0.29mg/dl上昇する(p=0.05)、さらに血中尿素窒素濃度が1.29mg/dl低下する(p<0.001)。

飲料水中フッ素濃度が1mg/L増加すると血中尿素窒素濃度は0.93mg/dl低下する(p=0.007)。

結論

合衆国青年でのフッ素暴露は各種パラメーターを指標として腎臓と肝臓に影響している。

これは横断研究なので、逆の可能性はあり得るだろう。それ故腎臓や肝臓の変化は体内でのフッ素の吸収と代謝に影響を与えるであろう。今後腎、肝疾患のあるヒトでの研究が必要。

原文添付

JAMA Pediatrics bellinger-editorial. F&IQ 2019のサムネイル

JAMA Pediatrics bellinger-editorial. F&IQ 2019.pdf(548KB)

JAMA Pediatrics 2019 Fluoride & IQのサムネイル

JAMA Pediatrics 2019 Fluoride & IQ.pdf(442KB)

Low-level fluoride exposure & Kidney , Liverのサムネイル

Low-level fluoride exposure & Kidney , Liver.pdf(1659KB)

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