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予防接種ネット・de・講座 45 安全性評価に影響ないの説明は?子宮頸がんワクチン副作用報告後出し

2019年4月24日、第40回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成31年度第2回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が開催されました。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00009.html

HPVワクチンについては下記のような報告がされています。

第41回の合同開催~同時接種後死亡についても議論は一切されない

2018年9月1日から12月31日までにサーバリクスは1447接種(接種可能延べ人数;重篤報告2)、ガーダシルは10042((接;種可能延べ人数重篤報告1)接種されていると思われます。これまでの累計接種可能延べ人数はサーバリクスは7006392、ガーダシルは1366562です。最近4か月間で2社合わせて11489の接種可能延べ人数ということで、まだまだ接種をしている人がいることに驚かされます。

このあとに、資料12としてHPVワクチンの副反応報告がありますが、タイトルからはHPVワクチンの副反応報告であることがわからないようにされていました。。厚労省のHPには「HPVワクチン」の表題がなく、「資料12-1 副反応疑い報告等の確認について」とのタイトルとなっています。中身はHPVワクチンの副反応報告そのもの、しかもかなり膨大な数の報告です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00009.html

これらの副反応報告事例について、国は因果関係を認めていないのですが、3492例の報告があり、死亡症例11件、後遺症28件、ADEM・GBSは79件、アナフィラキシー81件の報告の再確認したとの詳細報告が載っています。(※製造販売業者からの報告は、販売開始(平成21年12月)~平成30年8月まで、医療機関からの報告は、平成22 年11月~平成30年8月までの期間)

こちらは 20112月の審議会から201811月の審議会までの報告です。いずれもワクチンの安全性の評価に影響を与えるものではないと考えられるとされていますが、この報告に関するどのような議論がされたかについての詳細は不明です。2か月以上たった今も議事録が公開されていません。

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000504813.pdf

栗原敦さん(MMR被害児を救援する会)が大阪の弁護団にこの件について知らせたところ、弁護団からは、「副作用について、法廷では、何回も国に求釈明しているが、国はまともに答えたことがない。副反応報告の症例についてもこれまで求めてきたことに応えていないなかで、司法がなんらかの動きをもとめたことが今回公表の契機になったのではないか」とのことでした。裁判の場で正面から応えてはいないが、問題化しないうちにこっそり(再確認の結果を)公表したという感じでかもしれません。

栗原さんは、2019年6月25日に「なぜHPVワクチン副反応報告を見直すことになったのか」と、 医薬・生活衛生局安全対策課長にメールで質問されました。厚労省からは、628日電話で回答があったようです。内容は、

「副反応報告の症例の当事者から、報告原票の開示請求があった。(開示後)合同部会の一覧にある症例と原票の照合の依頼があったので協力した。」とのことでした。個人が特定できないような形で副反応の一覧表や原票が作成されているようですが、開示請求した方のものであることがこれであると断定的には判断できないが、内容から当事者のものであると特定することに協力したようです。厚労省は、「その照合の結果、問題はなかった(開示請求をした本人の症状・経過と報告原票、合同部会一覧との間に不整合はなかった」としていますが、安全対策課として、全体を見直す必要を感じたので見直し報告をした。ということのようで、よくわからない説明です。

栗原さんは、「資料12 副反応疑い報告等の取扱いについて」となっている表記を、「資料12 HPVワクチンの副反応疑いに係る報告等の再確認について」とするなど、内容がHPVワクチンに関するものであることが一目瞭然である表記にすべきではないでしょうか。そうでないと意図的に気づかれにくくしたととられかねないと思います。きわめて不自然な表記です。と批判しています。

副反応は大したことはない?厚労省は正確に把握しているとアピール?

今回の報告が遅れた理由として、厚労省は医療機関及び製造販売業者から、4か月ごとに審議会に報告することになっているが、その後の審議会で報告したものが8例あった。(いずれも死亡症例、重症症例ではなかった)。そして、重症症例報告が的確に行われているか確認するために3493例のうち死亡及び重症症例186例と外部専門家に個別確認された約600例をのぞいた約2700例について、新たに外部の複数の専門家(神経内科及びワクチンの専門家)に重症症例に該当するか判断してもらった結果、重症症例と判断されたものはなかった。

また、死亡症例及び重症症例として詳細な報告がされた180例について、審議会資料の記載内容に報告原票と相違がないか確認したら、相違は45症例あった。内訳は接種後日数などの経過の記載、副反応・転帰、ロット番号、既往歴、報告医等の意見の表記上の相違であった。としています。

結局、今回の報告は子宮頸がんワクチンの副作用を矮小化するためのものであったとしか思えません。神経内科とワクチン専門家の属性も明らかにされていません。国としては副作用報告については報告に齟齬がないかを専門家の意見も入れながら検証しているということでしょうが、症例は報告にあげられているものだけではなく、裁判でもHANSについては真っ向から否定する被告側の主張が繰り返されていることから、被害の矮小化と被害者の絞り込み、事態の収拾のための報告だったと思われます。


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『HPVワクチン東京訴訟支援ニュース No.17』
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各地の訴訟の現状は?

HPVワクチン東京訴訟の報告が寄せられました。

深刻な被害を多発したHPVワクチン、訴訟での製薬会社の代理人弁護士の答弁には副作用はねつ造といいかねない主張を繰り返しています。現実に後出しされた報告書を見ても、明らかな副作用被害を国は十分把握しているはずです。決してなかったことにはできないはずなのに、こうした後出しのような情報隠ぺいに類する行為は決して許されるものではありません。

(古賀 真子)

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