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どうなる電気料金? 3 経過措置料金は据え置き決定 パブコメにみる 公正市場への監視の徹底を

2020年4月に予定されていた経過措置料金が継続することはお伝えしました。

どうなる?電気料金 2~電気経過措置料金は2020年4月以後も継続

2019年4月末から約1ヶ月間、資源エネルギー庁はパブリックコメントを実施し、結果17件の意見がありました。エネ庁の審議会で、本回答案及び指定案(全地域を指定)が確認され、電力・ガス監視等委員会は全地域について経過措置を指定することについて異存ないと回答し、6月中には正式に経過措置料金存続指定が行なわれることになりました。

指定旧供給区域の指定に関する意見聴取についての意見回答

https://www.emsc.meti.go.jp/info/public/news/20190627001.html

経過措置料金の継続に関してのパブコメと委員会の回答は以下のようなものです。今後は「当事者等から、競争状況の顕著な進展を示す合理的な根拠に基づく申し出等があった場合には、適切に対応していきます。」とされており、発電市場における競争環境の歪みを解消すべく新電力のベースロード電源へのアクセスを容易にする「ベースロード市場」が適正に創設され、引き続き競争が行われ、料金低廉化のための努力がなされるかを監視していくことが重要です。

(古賀 真子)

 

 

 

別紙

いただいた御意見に対する考え方

 

※御意見の全体像が分かるように代表的な御意見を抽出し、整理しています。

※基本的にいただいた御意見から抜粋したものですが、明らかな誤字や変換ミス等はこちらで修正しています。

整理

番号

御意見の内容 御意見に対する考え方
 今回の改定事項に関する御意見
「電気の経過措置料金に関する専門会合」における議論の中でも委員の方々から意見が出されておりましたが、経過措置は解除することが原則と考えます。

今回、全エリアにおいて、低圧分野における競争状況が十分でないため経過措置を解除しないとのご判断は、非常に残念に思うところではありますが、実際に事業を行う者として、小売全面自由化以降、競争圧力が日々強まっていることを実感しております。

実際に高圧分野では新電力との競争のみならず、旧一般電気事業者間の競争も激化しており、この競争はいずれ低圧分野にも波及することは明らかで、エリアの競争状況が急激に変化することも予想されます。 つきましては、「電気の経過措置に関する専門会合報告書」でも、「競争状況の顕著な進展を示す合理的な根拠に基づく申し出等があった場合は、その内容についても吟味することとする」と記載いただいているとおり、当該エリアの競争状況が急激に変化した場合は、適宜審査を実施いただきたいと考えます。

指定旧供給区域の指定解除の再審査については、「有力で独立した競争者」の新たな登場や既存の有力競争者の状況、需要家のスイッチングの状況など、各指定旧供給区域の競争状況について「顕著な進展」があった場合など、再審査を行う合理的な理由があると判断される区域を対象に審査することとしており、当事者等から、競争状況の顕著な進展を示す合理的な根拠に基づく申し出等があった場合には、適切に対応していきます。

 

「電気の経過措置料金に関する専門会合」の31 ページにおける、再審査の在り方については、競争状況について顕著な進展があった場合など、再審査を行う合理的な理由があると判断される区域について、概ね年に1回程度検討が行われることが適当とされております。顧客基盤を有する有力な事業者の競争圧力は高まっており、スイッチングも日々増加している状況であることから、経過措置は解除が原則だという趣旨を十分踏まえ、遅滞なく審査が実行されるようお願いいたします。 指定旧供給区域の指定解除の再審査については、「有力で独立した競争者」」の新たな登場や既存の有力競争者の状況、需要家のスイッチングの状況など、各指定旧供給区域の競争状況について「顕著な進展」があった場合など、再審査を行う合理的な理由があると判断される区域を対象に審査することとしており、当事者等から、競争状況の顕著な進展を示す合理的な根拠に基づく申し出等があった場合には、適切に対応していきます。
「電気の経過措置料金に関する専門会合とりまとめ」における今般の評価については全ての供給区域において改正法附則第16条第1項の規定により指定することが適当と考えられるとしている。

各供給区域の指定解除の判断は、再審査を行う合理的な理由があると判断される区域を審査対象とすることが適当であるとし、「具体的な審査対象区域の選定については、概ね年1回程度検討が行われることが適当」、「当事者等から、競争状況の顕著な進展を示す合理的な根拠に基づく申し出等があった場合は、その内容についても吟味する」と明記していることから、しかるべき時期に再審査が行われるべきものであることは言うまでもない。

本来、自由競争の環境下においては、料金の設定は企業毎に戦略を持って行うべきものであると考えるが、今回の経過措置料金の存続は、他の小売電気事業者によって消費電力量の多い低圧需要のみが奪われ、ひいては、旧一般電気事業者のみが不利益を被ることにほかならない。

電力市場の全面自由化は、公正で中立的な競争環境下で、現行の旧一般電気事業者だけではなく、すべての事業者が電気事業者としての公益的責任を果たしたうえで、お客さま利益の増進に向けて切磋琢磨することが基本でなければならない。

従って、旧一般電気事業者にのみ課されている小売料金規制については、早期に撤廃すべきである。

指定旧供給区域の指定解除の再審査については、「有力で独立した競争者」」の新たな登場や既存の有力競争者の状況、需要家のスイッチングの状況など、各指定旧供給区域の競争状況について「顕著な進展」があった場合など、再審査を行う合理的な理由があると判断される区域を対象に審査することとしており、当事者等から、競争状況の顕著な進展を示す合理的な根拠に基づく申し出等があった場合には、適切に対応していきます。
総合的に判断する事項として、「当該供給区域に係るみなし小売電気事業者と競合関係にある有力で独立した複数の事業者の存在」が挙げられており、「みなし小売り電気事業者による特定小売供給に係る指定旧供給区域に指定及び指定解除に係る基準等について(回答)」において、目安とされるシェアが示されておりますが、電気事業以外の事業において、既に大規模な顧客基盤を持つ事業者は、顧客獲得の潜在的な能力を有していることから、シェアに関わらず十分有力な競争者と見做すべきと考えます。また、経過措置料金に留まっているお客さまの中には、現状を変えるつもりはない方々も多数あり、その方々も母数に入れてシェアを判断するのが良いのかということも慎重に判断すべきと考えます。

また、目安とされるシェアについては、今回考慮要素として示されている口数だけではなく、事業者の売上高に直結する販売電力量についても、参考としてではなく考慮要素として判断すべきと考えます。また、その場合も、ある断面の数値だけでなく、至近の伸び率や将来の想定等も踏まえて判断すべきと考えます。

 

必需品としての電気の性質をも踏まえると、有力な競争者か否かの判断については、小売電気事業者の潜在的な顧客基盤のみでは、小売電気事業の現実の事業能力を適切に判断することは困難であり、実際に相当程度のシェアを獲得していることが必要であると考えております。

また、消費者等の中にはスイッチングに消極的な方々が一部存在する可能性は承知していますが、その消極性の程度は、各種の広報活動や電気料金の水準、身近な方々のスイッチングの有無、満足度などの各種の事情によっても変化するものであることから、別添2(1)に掲げる消費者等の状況や、別添2(2)に掲げる競争圧力におけるみなし小売電気事業者の地位による競争圧力への影響において適切に考慮してまいります。なお、シェア自体はある時点の数値を参照することとなりますが、御指摘の至近の伸び率や将来の見込みを必要に応じて総合考慮の中で適切に考慮することを否定するものではありません。

「有力で独立した複数の小売電気事業者(審議会ではシェア5%程度以上と定義)の存在」は指定等基準の 必須要件の一つとなっており、クリアしなければならないハードルと認識しております。
一方で、水面下で行われている激しい競争の圧力により、価格競争以外の面でも既存小売事業者の様々な創意工夫による新サービスが誕生しており、それが新規参入者のサービスを上回っているとお客さまが判断した結果、インターナル・スイッチングは増加するものの、狭義のスイッチング(=新電力シェア)は変動しない、という状況も存在するのではないでしょうか。
つきましては、別添2の(2)に掲げる事項に関する判断をされる際には、狭義スイッチングの実績としての数字はもちろんのこと、狭義スイッチングの数字に表れない競争の実態も丁寧に把握し、総合的に勘案いただいたうえで、解除に向けたご判断をお願いしたいと考えます。 

 

御指摘の消費者等のインターナル・スイッチングについては、別添2(2)に掲げる競争圧力それ自体ではないものの、別添2(1)に掲げる消費者等の状況においては重要な判断要素として考慮するなど、指定解除における総合的な判断において適切に考慮してまいります。

 

みなし小売電気事業者と競争関係にある有力で独立した複数の小売電気事業者の存在について、本基準等策定のもととなる「電気の経過措置料金に関する専門会合とりまとめ」において、競争圧力の考察に当たってのスイッチング率は、「エクスターナル・スイッチングのみを考慮することが適当」としているが、小売全面自由化以降、小売電気事業者は消費者等にとって魅力的な小売メニューを開発・提供し、消費者等に選ばれるための努力を行い、消費者等はその中から自らの判断で小売電気事業者を選択する行動を行っており、その結果として旧一般電気事業者内部での切り替え(インターナル・スイッチング)に至 っているものも存在すると考える。

また、電力システム改革の目的は、電気料金の最大限の抑制や、需要家の選択肢や事業者の事業機会を拡大することであり、電力システム改革の成果を国民の皆さまに享受いただけるよう、公正で中立的な競争環境の整備を図るべきである。

従って、別添2(2)に掲げる事項に関する判断に当たっては、インターナル・スイッチングの増加によって需要家等の選択肢が拡大していること等も含め、総合的に勘案すべきである。

御指摘の消費者等のインターナル・スイッチングについては、別添2(2)に掲げる競争圧力それ自体ではないものの、別添2(1)に掲げる消費者等の状況においては重要な判断要素として考慮するなど、指定解除における総合的な判断において適切に考慮してまいります。

 

別添2の(1)に掲げる事項に関する判断に当たり、スイッチング等に関するアンケートの結果及びスイッチングの動向その他の事情を総合的に勘案とあるが、スイッチングしたお客さまには、みなし小売電気事業者の規制料金から同エリアのみなし小売電気事業者の自由料金へスイッチングしたお客さまもおり、電力自由化の恩恵を理解した上で意思を持って当該みなし小売電気事業者を選択していると言える。蓋然性の判断に際しては、新規参入者へのスイッチング率に加え、みなし小売電気事業者の自由料金へのスイッチング進展による、みなし小売電気事業者の経過措置料金比率の低下度合について重要視されるべき。 御指摘のみなし小売電気事業者の自由料金へのスイッチングの状況については、別添2(1)に掲げる消費者等の状況に関する判断において考慮されることとなります。
有力で独立した複数の小売電気事業者の存在について、本基準等策定のもととなる「電気の経過措置料金に関する専門会合とりまとめ」において、競争圧力の検討の有力な材料となるシェアについては、「契約口数ベースのシェアが最も適切に事業能力を表現する可能性があると考えられる」としているが、契約口数をベースとすることは、資源エネルギー庁電力・ガス事業分科会電力・ガス基本政策小委員会において、販売電力量をベースに小売全面自由化の進捗状況をモニタリングしていることと整合を欠いている。

シェアについては、競争者が獲得した顧客に供給する販売電力量の大きさを小売電気事業の事業能力として評価すべきであり、別添2の(2)に掲げる事項に関する判断に当たって勘案する有力で独立した複数の小売電気事業者の存在は、販売電力量ベースのシェアを考慮すべきである。

別添2(2)に掲げる競争圧力を評価するにあたっては、顧客の属性や季節変動に左右されない契約口数ベースのシェアが最も適切に事業能力を表現する可能性があると考えられますが、必要に応じて販売電力量ベースのシェアも勘案してまいります。
総合的に判断する事項として、「当該供給区域における小売電気事業者間の適正な競争関係が長期的に継続する蓋然性」が挙げられているが、現時点でも、小売電気事業者間の適正な競争環境の確保に向けて、みなし小売電気事業者による、「常時バックアップ」供給、供給力の余剰分全量を卸電力取引所で売電するなどの電力小売自由化の趣旨に則した自主的取組みがなされており、今年度からは新電力のベースロード電源へのアクセスを容易にする「ベースロード市場」が創設される予定となっております。また、一般のご家庭向けの電力市場には、多彩な電気料金メニューやサービスを提供する小売事業者が複数存在しており、お客さまの選択肢は着実に拡大しております。競争関係が長期的に継続する蓋然性の判断に当たっては、そのような、既に行われている取組等も踏まえて、総合的に判断すべきではないでしょうか。

 

競争の持続性を評価するにあたっては、御指摘のベースロード市場やその他の既往の取組の状況等についても、適切に考慮してまいります。
10 事業者が独占している特殊な状況は、全面自由化前より何ら変わっておらず、新電力における小売参入領域は、依然として低負荷率領域に限定されている状況にある。

そのような中、新電力がアクセス可能な電源を用いて価格提示できる水準を大幅に下回る価格で、みなし小売電気事業者が新電力の需要を取り戻すような事例も出ている。(例えば、最近も東電EP管内で標準メニューの20%を超える値引きをした事例も出ている。)

また、発電市場における競争環境の歪みを解消すべく、今年度からベースロード市場の取引が開始されるところであるが、この市場においてもみなし小売電気事業者のグループ内の内部取引と遜色ない価格水準で市場に供出されるか、といった懸念が強く残っているのが実情である。

2020年4月の発送電分離以降、東京電力、中部電力は持株会社方式となるものの、2社以外のみなし小売電気事業者は発電部門と小売部門の電気事業を一体で運営する事業持株会社の下に、送配電事業を行う100%子会社を設置する形(発電小売親会社方式)をとる見込である。

今後、容量市場、非化石価値取引市場等の創設により、発電側に追加的に得られる収益が多く発生することとなることからも、「みなし小売電気事業者の社内及びグループ内における小売競争を歪めるおそれがある不当な内部補助を防止するための方策」を具体的に検討すべきである。

まず、持株会社方式のみならず、発電小売親会社方式の場合も発電部門と小売部門を会計分離し、部門別収支を開示することが必要である。それでも透明性が確保されない場合、全社、持株会社方式へ移行するか、もしくは所有権分離も含めて、具体的に検討することが必要である。

特に、今年度のベースロード市場開設後も小売競争が改善されない状況や、内外無差別な価格水準で供出されているかが疑わしい場合は、速やかに上記の具体的な検討に着手すべきである。

今後、容量市場、非化石価値取引市場等の創設により、発電側に追加的に得られる収益が多く発生するとともに、ベースロード市場の懸念も引き続き大きく、新電力の電源調達環境における旧一電とのイコールフッティングは依然として確保されていない。

発電部門と小売部門が一体で経営されている限り、市場監視や発電側での収益使途制限を行ったとしても、お金に色はないため、発電部門から小売部門への内部補助が行われ、競争環境の歪みが生まれる可能性が高い。

また、将来的に経過措置料金規制が解除された場合、解除された後に得られる収益を新電力との競争領域へ投下される可能性が高く、新規参入者は競争で劣後し、これまで以上に市場の寡占化が進む可能性も高い。

以上のことから、旧一電の発電市場における圧倒的な競争力が小売競争環境の歪みを生じさせる根本的な要因となっていることは明らかであり、まず、持株会社方式のみならず、発電小売親会社方式の場合も発電部門・小売部門を会計分離し、部門別収支を開示することが必要である。それでも透明性が確保されない場合、発電部門と小売部門の事業形態について、全社、持株会社方式へ移行するか、もしくは所有権分離も含めて、具体的に検討することが必要である。

経過措置の解除を行うに際しては、小売電気事業者間の適正な競争関係が長期的に継続する蓋然性があることが必要と考えていますが、現時点においてはみなし小売電気事業者と新規参入者との間で電源の調達に係る公平性について課題が存在することから、みなし小売電気事業者の社内及びグループ内における不当な内部補助を防止するための方策を具体的に検討する必要があると考えています。今後、その具体策について、御指摘も参考にしながら、検討を進めてまいります。

また、御指摘のベースロード市場については、適正な電力取引についての指針やベースロードガイドラインに基づき、監視を行ってまいります。

11 「不当な内部補助の防止策」「社内外取引の無差別性の確保」等については、今後ガイドライン等が策定されるものと思いますが、「旧一般電気事業者の発電部門・小売部門(及びグループ会社)間の取引に関する透明性の担保」を重視頂けますと幸いです。それを実現する為には、発電部門・小売部門(及びグループ会社)間の取引内容を、旧一般電気事業者から電力・ガス取引監視等委員会へ提出するルールを盛り込む必要があると考えます。また、ガイドラインに基づき、電力・ガス取引監視等委員会にて取引内容を評価した結果については、情報公開する方向でご検討をお願い致します。 現在、特高・高圧の小売市場において、大手電力会社の大幅な値下げにより、新電力は厳しい経営環境に晒されております。この背景として、大手電力会社の発電部門と小売部門の関係性の課題が挙げられると考えます。(本件については、電力・ガス取引監視等委員会「競争的な電力・ガス市場研究会 中間論点整理」において指摘されている「市場支配的事業者の垂直統合等に伴う懸念」と密接に関係していると考えます。)
具体的には、大手電力会社の小売部門が発電運用の権限を保有していることにより、自社需要を賄う供給力として、競争力のある電源を優先的に先取りすることで、小売部門の販売において大幅な値下げをしても採算が取れる構造になっているのではないかと推察致します。(逆に発電部門の利益最大化は実現されない。)
旧一般電気事業者(及びグループ会社)と新電力とで公平な競争ができるような環境整備をお願い申し上げます。
経過措置の解除を行うに際しては、小売電気事業者間の適正な競争関係が長期的に継続する蓋然性があることが必要と考えていますが、現時点においてはみなし小売電気事業者と新規参入者との間で電源の調達に係る公平性について課題が存在することから、みなし小売電気事業者の社内及びグループ内における不当な内部補助を防止するための方策を具体的に検討する必要があると考えています。今後、その具体策について、御指摘も参考にしながら、検討を進めてまいります。

 

12 審査基準の改正および競争状況の評価については妥当であると考えます。

旧一般電気事業者内の発電・小売間の不当な内部補助の有無を監視するためには、発電と小売の会計分離といった透明性向上策の導入が必要であると考えます。

経過措置の解除を行うに際しては、小売電気事業者間の適正な競争関係が長期的に継続する蓋然性があることが必要と考えていますが、現時点においてはみなし小売電気事業者と新規参入者との間で電源の調達に係る公平性について課題が存在することから、みなし小売電気事業者の社内及びグループ内における不当な内部補助を防止するための方策を具体的に検討する必要があると考えています。今後、その具体策について、御指摘も参考にしながら、検討を進めてまいります。
13 総合的に判断する事項として、「当該供給区域における小売電気事業者間の適正な競争関係が長期的に継続する蓋然性」が挙げられており、「みなし小売り電気事業者による特定小売供給に係る指定旧供給区域に指定及び指定解除に係る基準等について(回答)」において、不当な内部補助の防止が求められておりますが、不当な内部補助を防止するための方策については、その方策の必要性について慎重に議論すべきであり、不当な内部補助の確認という目的を超えるような過度なものとならないよう、具体的な内容は慎重な議論をお願いいたします。

一方、競争の持続的確保のためには、小売市場の監視・モニタリングの観点も重要であり、不当な内部補助を防止するための方策として新たな事前規制を掛けるのではなく、まずは小売市場の監視・モニタリングといった適切な事後規制がなされるべきと考えます。また、事前規制を検討する場合も過度なコストや手間がかからない方法であることが重要であるとともに、確認において使用されるデータ等については経営情報も含まれる可能性があるため、その取扱いについては、十分慎重な検討をお願いいたします。

経過措置の解除を行うに際しては、小売電気事業者間の適正な競争関係が長期的に継続する蓋然性があることが必要と考えていますが、現時点においてはみなし小売電気事業者と新規参入者との間で電源の調達に係る公平性について課題が存在することに加え、みなし小売電気事業者の社内及びグループ内における不当な内部補助を防止するための方策を具体的に検討する必要があると考えています。

今後、その具体策の検討にあたっては、不当な内部補助を防止するという目的を達成する上で直接的であり、かつ、事業者にとって必要最小限の制約であるか否かという観点も踏まえ、検討を進めてまいります。

14 消費者の状況、十分な競争圧力の存在、競争の持続的確保の客観的判断について、本基準等策定のもととなる「電気の経過措置料金に関する専門会合とりまとめ」において、「経過措置料金規制の解除による小売料金の潜在的な価格上昇リスクを総合的かつ定量的に評価する参考資料として可能な限りシミュレーションを行った経済モデルを活用していく」としているが、同時に、分析結果が実際の行動を予測するものではないことや、モデルには様々な仮定が設定されていることに留意すべきこと等を指摘している。 従って、解除基準の判断にあたっては、経済モデルの取り扱いは慎重にすべきである。 経済モデルによるシミュレーション結果の活用については、電気の経過措置に関する専門会合とりまとめに記載のとおり、御指摘のような留意事項も踏まえた上で、参考資料として可能な限りにおいて活用してまいります。
15 30ページにおける、経済モデルのシミュレーションの結果については、事業者の行動とは一致しないことを記載の上で、具体的数値が記載されておりますが、一方でその部分だけが切取られて解除に伴う一般的な傾向として取り扱われるリスクもあると考えられます。事業者の行動と一致しないシミュレーション結果が公表されるということは、非常に機微な問題であり、結果の公表については慎重な取り扱いとなるようお願いいたします。 経済モデルによるシミュレーション結果の公表については、検討プロセスの透明性を確保する観点から必要性があるものと考えておりますが、モデルに一定の限界もあることを踏まえ、公表の有無・内容など、今後の取扱いについては、御指摘も踏まえて検討してまいります。
16 当生協は①消費者が多様な新電力を安心して選べる市場環境、②公正で活発な競争環境の実現が不可欠であると考えます。しかし、電力自由化後一般家庭の契約切り替えは2割に満たず、また発電コストの低い電気は大手電力会社が独占している状態です。この状況下のもと、すでに大手電力会社と新電力の価格競争が始まっているため、公正な競争環境の整備は喫緊の課題です。

今回電気の経過措置料金指定解除の基準として、①スイッチング等に関する電気の使用者の認識度およびスイッチング動向、②みなし小売電気事業者と競争関係にある有力で独立した複数の小売電気事業者の存在、③みなし小売電気事業者と競争関係にある小売電気事業者の追加的な供給能力の確保の見込み、④小売電気事業者間の電気の調達に係る公平性、⑤スイッチングを円滑にする仕組みおよび体制の整備状況、これら5点の基準を総合的に判断し勘案することとあります。この内容は将来的にも消費者視点で有効な基準であると考え、当生協としても評価できる内容です。

審査基準の一部改正および審査基準案に基づく各供給区域の競争状況の評価の内容について、当生協は全面的に支持いたします。

今後の検討の参考にさせていただきます。
17 農事用電力制度の廃止は、農業者の死活問題となるとともに、地域の環境の悪化にもつながります。地域農業の存続と発展のためには、農事用電力の経過措置の存続が必要ですので、是非ともよろしくお願いします。

 

総合資源エネルギー調査会(電力・ガス基本政策小委員会)における取りまとめも踏まえ、今後も経過措置の扱いについては、引き続き、慎重に検討してまいります。

 

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