もっと知りたいフッ素の話 その32 ガッテン放送に各地からの意見~フッ素入り歯磨きは危険、吐き出さないなんて非常識
2019年5月13日にNHKのガッテンあてに抗議文をだしました。
関係団体や個人の方から寄せられた意見をご紹介します。
「ためしてガッテン」(5月8日放映)の放映について(健康情報センター* 里見宏さんより)
1.問題は番組に使われている映像で、フッ素入り歯磨きを使うスウエーデンの1家族の事例を紹介し、スウエーデンの虫歯と日本の虫歯をグラフで比較し、スウエーデンで虫歯が少ないのはフッ素と磨き方であるとした。フッ素に結びつけるためわざわざ鍋やフライパンのフッ素加工で視聴者をコーティングに誘導して、歯の表面をフッ素でコーティングするとし、わざわざ模型で視覚的にフッ素の働きを連想させていく手の込んだ手法をとっている。
●本当にフッ素が膜のように歯面をコーティングしていると模型を作成しているがこの模型での説明するような科学的根拠はない。
●1家族の事例で全体に当てはまるかのようにする手法はフッ素のような科学的証明が必要なものに使うことは間違い。事例は問題の広がりを見るのに役に立ちますが、結論を導くことはできない。
●スウエーデンは水道水フッ素化で裁判まで起こし、裁判所もフッ素の水道水化を止めた国で、フッ素に対しては警戒心がある国のひとつである。誰でも歯磨き粉を飲み込んでいると思わせる放映になっている。これはNHKの放送基準に反している。
●こうした表現の方法が問題を起こすことはNHKが十分理解しているはずである。「1事例を全体に広げ事実とする手法はおかしいのではないか」、「フッ素は大量に飲み込めば効くのか」など問い合わせが来ている。特に「ウガイをするな」という方法はNHKを信じた視聴者に被害をもたらす危険が有り、重大な問題である。
2.歯磨き会社の研究室で試作された練り歯磨きで歯を磨く映像が出るが、この歯ブラシに着けられた練り歯磨きの重量が表記されていないので、当会で似た形状になるようにして計測した結果3〜4グラムになった。この量を見た視聴者は歯ブラシから垂れる状態で良いと、強いインパクトのある映像である。ブラシに着けられた歯磨き剤に研究者が「多いかな」と発言しているところを放映しているが、NHKはこの発言で問題が指摘されても逃げを用意したと思っているかもしれない。しかし、番組のなかで最初に出てくる歯磨き粉の量は大きな影響を与えることを承知しているはずで、映像をそのまま使ったことが問題である。また、番組後半で歯磨きの量を増やしたほうが良いと暗示させるため、一般人の使用量が少ないことを見せ、続けてイエテボリ大学の教授に「歯みがき粉を2センチ使う。これがとても重要です。虫歯予防に十分な効果が期待できます。フッ素の悪影響が起こらない安全な量だとわかっています」と語らせている。フッ素については効果があるのかどうかが議論されている。教授も発言に慎重さをみせ「効果が期待できる」と発言している。実際に社会に応用されている方法に「期待」という非科学的な発言になっていることにNHKの制作職員が気づかないとするならのは問題が根深い。
どうしても、歯磨き粉を2センチという歯みがき粉の長さに持っていくように強引な手法であり、用心深いNHKがこのような積極的な放映をすることは何か理由があると考えざるを得ない。この点は明確にすることが必要である。
3.フッ素コーティングという新しい思いつきに、フッ素が本当に歯面でコーティングしているのかを卵の殻にフッ素入り歯磨きを塗布した実験がおこなわれている。この実験には時間経過とコントロールとしてのフッ素が添加されていない歯磨き剤およびフッ素だけというも比較対象が必要である。当然これらの実験が用意されていると思うが、結果は紹介されていなかった。フッ素入り歯磨きとフッ素無しの歯磨きで差がなかった。もし、十分な証明データもないまま、フッ素が卵の殻を溶かさないと報道したなら、これは誇張した表現だけではすまない。フッ素の効果を捏造した実験映像である。公共放送であるNHKがこのような実験を視聴者に放映したならその責任は重い。視聴者の誤解や誤ったに認識を作り出し、フッ素の積極的使用と積極的飲み込みを推奨したことになる。この実験も重大な問題である。なお、付け加えるが卵の殻を歯に見立てているが、卵の殻は炭酸カルシウムであり、歯のエナメル質はリン酸カルシウムを主成分としており、視聴者を驚かすためのトリックといえる。このような手法をNHKは認めているとすれば重大な問題である。
4.フッ素の危険性については10mgまでは安全とし、12歳以下については行わないと条件を付記したと言う。歯磨きからは1mgと紹介するが、個人差がありこの量も間違いである。安全という重大な問題について取材が足りていないか、あえて隠匿した可能性が有り問題となる。インプラントのチタンについては「フッ素がインプラントに与える影響についてさまざまな研究があります。心配な方は主治医にご相談ください」とちいさな説明が入っていることを見ると取材はしていると考えられる。ということは問題部分を隠してフッ素の効果を強調する放映を狙っていたのではないかと危惧する。内部で詳細に調べて結果を公表されたい。
5.歯磨き粉には多くの化学薬剤が配合されており、それを飲み込むことを想定していない。フッ素のために口腔内から吐き出さず飲み込むことになる多くの化学物質に何ら配慮がない放映で問題が大きく、NHKの責任も重大である。
6.番組中で「ラウリル硫酸ナトリウム(発泡剤)」の説明を加えている。「コーヒーや紅茶などを飲んで歯が茶色っぽくなってしまうのは着色汚れです。そういったものを浮かせて落とす力がある」と説明している。界面活性剤で洗剤の主成分であるラウリル硫酸ナトリウムは発泡目的で許可され、歯の着色成分を浮かして落とす力があるというのは間違いである。歯の着色を落とす成分として認められているか早急に調査されたい。
*健康情報安全センターは長年、照射食品問題などの食の安全やフッ素や健診の問題などに取り組んでいる団体です。
http://www.sih.jp/news/kenkou/index.htm
十勝子どもとフッ素を考える会
食品安全委員会が2012年に公表した「食品健康影響評価の結果の通知について 清涼飲料水評価書 フッ素」食品健康影響評価の結果によると、無作用量とはある化学物質を生涯にわたり摂取し続けても人体に影響が出ないと判断される量のことで、飲料のフッ素耐容量は一日体重1kg当たり0.05㎎としています。フッ素入り歯磨き粉は一般的にゆすぐことを前提として、残留0.3㎎と言われています。
しかし今回「ガッテン」で勧めるようにゆすがなければ25.8ppm残留すると紹介しており、4回ゆすいだ時(1.9ppm)の13倍以上残留するグラフが示されました。それを㎎で換算すると0.3㎎×13(倍)=3.9㎎位が残留するということになるでしょうか。12歳児が40㎏と仮定しても一日の無作用量(2㎎)を超える量になっています。
番組の中で12歳未満にはお勧めしないと言いながら、その前後の画面では12歳前後に見える子どもが歯磨き後、ゆすがないままにしている様子を映し出しており、紛らわしい映像だったと思いますし、なぜ12歳未満にお勧めしないのか番組内で説明して欲しいと思いました。先に述べた無作用量の定義からすると、年齢制限では無く使用の条件は体重で示さなければならないと思います。
また卵の殻に酢を塗った後に水に入れるという実験がありましたが、卵の殻を歯に見立てていいのでしょうか?本物の歯なら唾液により再石灰化が起こり、酸や糖分で一度溶けた歯を食後20~30分かけて基に戻すといわれています。それが事実だとしても、その自然の循環の現象については触れずに、フッ素の力で卵の殻が溶けないことに着目していますが、卵の殻は歯とは違う性質ですから元に戻らないのは当然だと思います。
番組の後半で「フッ素がインプラントに与える影響についてさまざまな研究があります心配な方は主治医にご相談ください」と右下に字幕で小さく書かれていました。フッ素はインプラントのチタンを腐食させるため使用すべきではないはずです。あのように数秒間の字幕では気づかない人が多く、読んだとしても内容が簡単すぎて不親切だと思いました。
十勝子どもとフッ素を考える会
http://tokachi-fusso.memuro.main.jp/
フッ素洗口を実施している教員の方から
学校での状況
フッ素の過剰摂取が問題になっており、中でも歯磨き粉は、ほとんどのものにフッ素が配合されていることが問題ととらえてきました。その上自治体の条例でフッ化物洗口を学校現場で半強制的に実施しているところにとっては、本当に問題です。
日常的な家での歯磨き粉に「フッ素」が入っており、その上洗口ですから、子どもたちの体内へ入るフッ素の量が危険な量にまで達する可能性が高いです。
よってフッ化物洗口をやっている学校は、朝の健康観察をより丁寧に行い、
- 朝ごはんを食べてきているか?
- 熱や頭痛はないか?
- 腹痛・下痢はないか?
- かぜやその他の体調不良で薬剤を服用していないか?
- のどは痛くないか?
- 歯が抜けたばかりではないか?口腔内に傷はないか?
などに該当する場合は、保護者の申し出がなくても中止としています。自治体のマニュアルには、「体調が良くない児童には無理を押して実施する必要はない。」となっています。
洗口の際は、担任・管理職・養護など多くの目でみて、万が一の飲み込みがないようにしています。洗口後も下校するまで、急性中毒症状がでないか、細心の注意を払って授業をしてもらっています。
皆様のご意見をお待ちしています。
(古賀 真子)