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とうていガテンできない、「ガッテン 虫歯撃退!歯磨き粉」に抗議文をだしました

2019年5月8日のNHKのガッテンには多くの方から抗議の要望がよせられています。

フッ素研究会ほかでは、2019年5月13日にNHKに対して抗議文を出しましたのでご紹介します。

公共放送で、健康に関して疑問のある情報を流すことによる悪影響ははかりしれません。

NHKの対応いかんによっては、引き続き質問や抗議に関する賛同を募っていく予定です。皆様のご意見もお待ちしています。


 2019年5月13日

日本放送協会会長 上田 良一 様

科学環境番組部   様

ガッテン!CP    様

 

 

                    日本フッ素研究会   会長  成田 憲一

                    フッ素問題全国連絡会 代表  清水 央雄

                    健康情報センター   代表  里見  宏

        薬害オンブズパーソン会議仙台支部 加藤 純二

特定非営利活動法人コンシューマネット・ジャパン 理事長 古賀 真子

 

2019年5月8日放送の貴番組「ガッテン!虫歯撃退!歯磨き粉」の放送内容についての

抗議と要望

 

冠省 日頃の放送文化等へのご貢献に感謝いたします。

貴NHK総合テレビが2016年4月13日より放送を開始された生活情報番組・科学番組であるガッテンは、日常的な健康等に関する常識を疑い、より安全で暮らしやすい生活スタイルを提案するものとして、ゴールデンタイムにおける高視聴率を維持する看板番組です。

しかしながら、残念なことに、さる2019年5月8日に放送された番組内容「虫歯撃退!歯磨き粉!」に関しては、子どもの健康やEBMを研究・実践する市民団体等から多くの疑問の声が寄せられています。

虫歯予防にフッ化物応用は、世界的にその有効性や安全性を二分する議論があるところであり、全国各地ではフッ素塗布剤やフッ素製品の高濃度化に関する疑問の声や学校でのフッ素洗口に反対する運動が高まっている中、フッ素入り歯磨きをことさらに虫歯予防上有用であるとの立場において、口中の残留を勧めるような番組を作成されたことは健康上の安全性についてのご認識を疑わざるを得ません。

公共放送においては、科学的に争点が明確になっている問題、とりわけ命や健康に直接的に関わる問題においては真摯な検証を行い、賛否の意見がある場合は、少なくとも両論や補足意見を公平に紹介することが求められています。

日本では近年、特に子どもの虫歯が激減しており、むしろフッ化物の過剰摂取による安全性への疑問が高まっているなかで、偏向したフッ素推進とも受け取れる放送をされたことは、公共放送の使命を逸脱したもの、国民の健康に対する誤った情報を提供されたものとして強く抗議し改善を要望いたします。その論拠は別紙意見書に述べるとおりです。

5月29日に予定されている再放送については、フッ化物の安全性と過剰摂取における懸念を踏まえたうえでのご対応を頂きますよう要望いたします。別紙意見書に対するご意見も合わせて書面でご回答を頂きますようお願いいたします。また、この問題についてご説明させていただく場と反論報道の機会を設定していただければ幸いです。番組に関して抗議の申し入れに賛同したいという声が各地から集まっています。早急にご対応いただけますようお願い申し上げます。

別紙

意見書

 

虫歯予防のフッ化物応用については、合衆国で1945年に水道水へのフッ素添加が開始されて以後、70年以上にわたり反対論があります。フッ化ナトリウムは元来殺虫剤や殺鼠剤に使われた物質です。これは化学物質万能の時代以前の公衆衛生施策であり、その後水道水のほかに食塩へのフッ素添加、またフッ素洗口やフッ素入り歯磨き剤などが普及しています。

虫歯は多因性の生活習慣病でありフッ素不足が原因ではありません。またエナメル質表面のフッ素濃度と虫歯との関係も否定されています。

番組で取り上げた虫歯予防の先進国と言われるスウェーデンは、1971年に「水道水のフッ素添加を禁止する法律」が制定され、その代替としていわゆる局所応用が採用されました。

フッ素の効果や安全性は30年以上前に確立しており、反論はない、あっても少数意見として無視されてきました。

しかし、合衆国では歯フッ素症の増加により疾病予防管理センター(CDC)は2015年に水道水に添加する濃度を1.0から0.7ppmに下げました。また清涼飲料水のフッ素濃度も0.7ppmを上限(CDC2018)としています。にもかかわらず歯フッ素症は上昇し続け2011-12年の調査(NHANES) では12-15歳の65%が罹患し、そのうち30.4%が中度、重度の症状です。

フッ素摂取量と歯フッ素症は相関があるが、虫歯減少の再現性がないことは明白です。

フッ素の一日総摂取量の増加は慢性フッ素中毒(フッ素の酵素阻害は全身に及ぶ)の危険性を増やし、特に発育中の胎児や幼児の脳、中枢神経系への影響は最近になって解ってきたことです。なかでも甲状腺機能低下やADHD(注意欠如多動性疾患)、IQ低下の論文が相次いでいます。

これらの事実をメディアが全く取り上げず、業界紙の日本歯科新聞だけが報道し続けてきましたが、来る5月24日の第68回口腔衛生学会(大津市)のシンポジウム8の案内でこの業界紙の姿勢を強く批判しています。フッ素問題は科学的検証ではなく政策的キャンペーンの歴史です。今回のNHKガッテン!のフッ素報道は、見事にこの流れに沿っています。

以下、報道の具体的な問題点です。詳細な資料は後日提示のうえ説明させていただける機会を設定いただければ幸いです。

1. 世界中で虫歯統計が整備されているのは日本だけです。2018年度文科省学校保健統計によると、12歳児の虫歯本数は0.74本となっています。新潟県男子は0.2本です。虫歯は蓄積疾患であり年齢と共に増加します。放送では日本人の虫歯が多いことを強調するため12歳を省略して40歳以上のデータを利用しています(出典が明記されずHPにも掲載されていない)。日本の12歳児虫歯のピークは1975年の5.41本(厚生省歯科疾患実態調査)であり、スウェーデンのピークである1960頃と比べて10年以上の差があります。虫歯の調査方法や年度が不明のため推定するしかありませんが、虫歯の時代背景や本数の違う同年齢の比較は、トリックです。この種の方法は、フッ素洗口の効果を強調する為の群内比較として、開始時と10年後の同学年の虫歯本数を比較し、同程度の全国的な虫歯本数の減少を隠して紹介されています(佐賀県、埼玉県の例)。虫歯の減少に伴いフッ素応用を、虫歯の健康格差,高齢者の虫歯にシフトさせています。

2. 2015年(平成28年度)の厚労省歯科疾患実態調査p12にあるグラフでは、1993年の3.6本から2005年の1.7本へ、12年間で53%も12歳児の虫歯が減少しています。12歳児の比較が虫歯統計の国際基準であり、日本は世界のトップレベルです。フッ素コーティングは従来のフルオロアパタイトなのか、単なるフッ化カルシウム様物質の沈着なのか不明瞭です。フルオロアパタイトは歯の形成中にできるとされ12歳以上のフッ素応用ではあり得ません。またヒトでのフルオロアパタイトの生成は確認されていません。また合衆国CDC(1999,2001)はフッ素の虫歯予防効果は飲み込みによる全身作用ではなく、フッ素の局所作用が主であるとしています。

3. いわゆる再石灰化はフッ素がなくても可能です。

「薬用ハイドロキシアパタイトは① 歯垢の吸着除去② 歯面の微小欠損の充填③ 表層下脱灰部の再石灰化という、3つの作用によるむし歯予防効果が認められる」として1993年に厚労省より認可されました(サンギ歯磨き剤の説明書 中嶋論文1991など)。

4. 玉子の実験について

フッ素コーティングという新しい思いつきに、フッ素が本当に歯面でコーティングしているのかを卵の殻にフッ素入り歯磨きを塗布した実験がおこなわれています。この実験には時間経過とコントロールとしてのフッ素が添加されていない歯磨き剤およびフッ素だけという比較対照が必要です。当然これらの実験が用意されていると思いますが、結果は紹介されていません。卵の殻を歯に見立てていますが、卵の殻は炭酸カルシウムであり、歯のエナメル質はリン酸カルシウムを主成分としており、視聴者を驚かすためのトリックです。このような手法をNHKは認めているとすれば重大な問題です。

5. インプラントは酸性下でフッ化水素となりチタンを腐食するので、フッ素入りでない歯磨き剤を使用すべきとして、フッ素入りを使用していない臨床家が多くいます。

全てのフッ素化合物は内服後、フッ化水素(HF)となり胃粘膜を傷つけフッ素イオンに比べ270万倍のスピード(0.005秒)で全身を巡ります。アルカリ性下の組織内ではフッ素イオンとなり、酸性下ではHFとして存在します。

6. イエテボリ方式は一般的ではないが、合成洗剤の使用後も食器を水洗しないという、欧米との生活習慣、文化の違いがあるにしても、番組放送後は実施者が増えるでしょう。

合衆国では、フッ素入り歯磨き剤の警告表示をメーカーに義務づけました(FDA1997)。日本にはこの種の警告はありません。規制緩和のもと在日米国商工会議所の要望により虫歯予防フッ素関連のフッ素製品は増加しており、歯磨き剤の上限のフッ素量は1000ppmから1450ppmに増えました(2017)。ところで合衆国では小児の歯磨き剤使用量の増加により、歯フッ素症が増えているとして適切な使用量を遵守するよう警告を出しています(CDC2018)。

[うがいをしない危険性]

口腔内残留フッ素量:使用後にうがいをしないと口腔内(唾液)中のフッ素量は25.8ppmであるとホームページにあります。バトラーサンスター社の広告では、再石灰に必要な唾液中フッ素濃度は30分後で0.05ppmであり、950ppmの歯磨き剤では0.15ppmになり、1450ppmだと0.3ppmとしています。ダックワース(1987)によると通常の唾液中フッ素濃度は約0.005ppmです。ゼロ(1992)によると、歯磨き直後(1000ppmの場合、1500ppmでは推定で1.5倍)唾液中フッ素濃度は10ppmであり、1時間後に0.1ppm,24時間後は0.02ppmとなっています。うがいをしないで2時間放置するとフッ素の飲み込み量はかなり増加します。

イエテボリ方式は不必要なフッ素摂取量を増やすだけです。

7. 合衆国IOMの1日フッ素摂取基準量である9歳以上の10mgは合衆国がフッ素を微量栄養ミネラルとして評価しているからであり、日本では栄養素として認めていません。合衆国でも1998,11/18,IOM(米国医学研究所)のKenneth Shine所長と米国栄養科学会Bruce Alberts会長がテキサス大学Burgstahler化学教授へ回答し、フッ素栄養説を否定しています。その他CDC(2001)FDA(1990 )NRC(1993)等9機関が栄養(Nutritional Element)を否定しています。

日本の食品安全委員会評価書(2012)ではヒトの一日フッ素総摂取上限量を0.05mgとしています。歯ブラシに付ける使用量の2cmは、チューブの穴の大きさにもよりますが、2グラムとすると1450ppmで2.9mgのフッ素量になります。12歳児の平均体重(44kg)では2,2mgが1日総フッ素摂取量となり、2cm(2.9mg)のフッ素量に近くなります。また10mgの摂取量は1日フッ素総摂取上限量の4.5倍に当たります。

8. 歯磨き粉には多くの化学薬剤が配合されており、それを飲み込むことを想定していません。フッ素のために口腔内から吐き出さず飲み込むことになる多くの化学物質に何ら配慮がない放映で問題が大きく、NHKの責任は重大です。

以上

 

  (文責 秋庭 賢司)


ガッテンHP

http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20190508/index.html

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