令和の時代に地方創生は重要な消費者運動課題~自治体から始める町おこしの輪を全国に広げましょう!その1 「自治体戦略2040構想」から今後の地方消費者行政を考える学習会の紹介
地方創生が日本の将来を左右する重要なカギであることはよく言われますが、実際にどうすればよいのか、自治体窓口は行政組織の管轄はどうなっているのか、わかりにくいところです。
CNJでは、地方再生を重要な消費者問題としてとらえています。東京・首都圏への一極集中がすすむなかで、東京オリンピックを控え、建設ラッシュがすすめられていますが、オリンピック後の経済の発展・生活基盤の安定を支えるためには地方の活性化こそが経済のかなめとなると考えられます。何から始めればよいのかを皆さんと一緒に学び、考えていきたいと思います。
行政との連携は可能か
地方活性化と国の方針に対して、自治体レベルではどの程度情報の共有化がされているのか、自治体によりかなりのばらつきがあように思えます。全国で、特区や活性化基金への申請があるなかで、取り組みはまだまだ一部にとどまっています。これらの制度自体が知られていないことに加えて、住民意識が町の活性化へのインセンティブが盛り上がらないことについてはそれぞれの個別の要因がありそうです。まずは住民自らが行政実態に関心をもち、国の制度を利用した活性化への取り組みをはじめることが必要です。
国家戦略特区とは
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/kokusentoc/pdf/kuikikeikaku_aichi_h300614.pdf
特区申請などがされていないのではないか。受け身で自主独立の昔からの地縁血縁だけのネットワークでは、人材の流出により、自治体としての活性化はその意識すら醸成されないのではないか。
地方創生推進交付金などの申請はどうするのか
地方創生推進交付金制度要綱をみてみましょう。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/tiikisaisei/pdf/180601_chiiki-kouhuyoukou.pdf
・法第5条第4項第1号に規定する「先導的な事業」とは、事業ごとの性質を踏まえつつ、具体的には以下のような要素を有する事業であることに留意する必要があります。ポイントとしては、
① 自立性
事業を進めていく中で、事業推進主体が自立していくことにより、将来的に本交付金に頼らずに、事業として継続していくことが可能となる事業であること。
② 官民協働
地方公共団体のみの取組ではなく、民間と協働して行う事業であること。また、単に協働するにとどまらず、民間からの資金(融資や出資など)を得て行うことがあれば、より望ましい。
③ 地域間連携
単独の地方公共団体のみの取組ではなく、関係する地方公共団体と連携し、広域的なメリットを発揮する事業であること。
④ 政策間連携
単一の政策目的を持つ単純な事業ではなく、複数の政策を相互に関連づけて、全体として、地方創生に対して効果を発揮する事業であること又は利用者から見て意味あるワンストップ型の窓口等の整備を行う事業であること。
⑤ 事業推進主体の形成
事業を実効的・継続的に推進する主体が形成されること。特に様々な利害関係者が含まれつつ、リーダーシップを持つ人材がその力を発揮できる体制を有した推進主体であることが望ましい。
⑥ 地域社会を担う人材の育成・確保
事業を推進していく過程において、地方創生に役立つ人材の育成や確保を目指すものであること。
⑦ 事業が先導的であると認められるその他の理由 (略)
第6 交付対象事業
1 法第5条第4項第1号イに規定する事業
1)結婚、出産又は育児についての希望を持つことができる社会環境の整備に資する事業
2)移住及び定住の促進に資する事業
3)地域社会を担う人材の育成及び確保に資する事業
4)観光の振興、農林水産業の振興その他の産業の振興に資する事業
5)1)から4)までに掲げるもののほか、地方公共団体が地域再生を図るために取り組むことが必要な政策課題の解決に資する事業
(参考)
地方創生拠点整備交付金(基金造成事業)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/tiikisaisei/souseikoufukin.html
地方消費者行政専門調査会
https://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/chihou/index.html
消費者行政新未来創造プロジェクト検証専門調査会
https://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/shinmiraipj/index.html
このような取り組みは自治体行政の姿勢と住民意識の向上が核になりますが、制度自体をまず知ることから始める必要があります。民間のシンクタンクや事業構想大学院なども重点テーマとして学習をすすめているようです。
今回、消団連での学習会が開催されます。皆様のご参加お待ちしています。まず制度を知り、そして活動を広げていきましょう。
(古賀 真子)
≪6月セミナー≫
「自治体戦略2040構想」から今後の地方消費者行政を考える
学習会のご案内
全国消団連では「地方消費者行政プロジェクト」を立ち上げ、自治体消費者行政の充実強化のために調査活動や提言活動に取り組んでいます。地方消費者行政
の基盤の強化として、地方消費者行政交付金制度の改善や国による恒久的な財政措置を講じる必要があるとの意見の提出を行っています。あわせて、地方の消費
者行政機能の戦略的強化も必要であると考えています。
今後、我が国が本格的な人口減少と高齢化を迎える中、住民の暮らしと地域経済を守るためには、自治体が行政上の諸課題に的確に対応し、持続可能な形で、
質の高い行政サービスを提供する必要があります。2040年ごろには、高齢者人口が最大となります。現在総務省において地方制度調査会と「自治体戦略2040構想
研究会」が開催され、自治体が抱える行政課題を整理し、早急に取り組むべき対応策について検討が行われています。
地方消費者行政が抱えている様々な課題と今後の消費者行政の在り方について学習を行います。
【日時】2019年6月21日(金)12時30分~14時00分
【会場】主婦会館プラザエフ 5階会議室(東京・四ツ谷)
【参加費】資料代500円(会員は無料)
【講師】 東京大学大学院法学政治学研究科教授 宍戸常寿さん
【内容】 ①地方制度調査会と「自治体戦略2040構想研究会」の概要
②今後の地方消費者行政のあり方について意見交換
【スケジュール】
12:30 開会
12:35 講演
13:35 意見交換
14:00 閉会
(問い合わせ先)全国消費者断定連絡会
TEL 03-5216-6024 FAX 03-5216-6036