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もっと知りたいフッ素の話 その30 沖縄県では条例に「フッ化物応用」の文言阻止に成功しました!

各地で歯科口腔衛生条例が制定され、それに基づいた集団フッ素洗口が広がっています。

全国で歯科口腔衛生条例が制定されていないのは、東京都、大阪府、福井県、沖縄県の4都府県でしたが、2019年3月18日に沖縄県で、歯科口腔衛生条例が成立しました。

歯科口腔保健法と各県歯科条例

フッ素洗口は、1970年に新潟県の小学校で開始され、1970年代より地域歯科保健施策の一環として普及しはじめました。

もともと歯科口腔保健法が2011年8月に成立していますが、法文には「フッ素」の文言はありません。2012年7月に大臣告示の別表1にむし歯予防優先順位のトップにフッ化物応用が記載されました。乳幼児期、学齢期、成人期、高齢期のすべてにわたる推奨がどの範囲ですすめられているかよくわかりません。以後、北海道や県、市などで条例の成立が始まり、今回の沖縄での条例が成立するまでに、43道県(東京、福井、大阪、沖縄以外)106市、3区、34町 4村で条例ができました。うち、フッ化物応用の文言があるものは30。フッ素洗口条文まであるものは12。文言のない県では「科学的根拠に基づいたむし歯予防法」などの文言がいれられています。

https://www.8020zaidan.or.jp/map/pdf/law.pdf

フッ素洗口の根拠は?

推進派の人は下記のように説明しています。

Ø国レベルの口腔保健法制定の遅れが、都道府県の歯科関連条例制定の推進力の一つの要因であるとすれば、図らずも、従来の中央集権的な医療制度改革の大きな転換の契機を得たという解釈が可能なのかもしれません。

Ø生涯にわたる口腔保健の重要性が国民レベルで解決しなければならない切実な問題として認知され、8020運動が20年を経過して、国民・県民レベルでこの運動が定着してきたことを示していると言えます。

Øこのような観点からみて、条例制定の動きは、ある程度長期的な展望に基づき、各地域の独創性を粘歯の喪失の原因の約半数はう蝕であり、歯の喪失防止や口腔機能を損なう疼痛の軽減など、科学的根拠に基づく確実なう蝕予防対策が必要です。

Øフッ化物洗口およびフッ化物配合歯磨剤の普及をはじめとしたフッ化物応用の推進がさらに求められます。

福岡県はなぜ推進に?

福岡県の担当課は保険医療介護部健康増進課です。福岡県では、2013年3月 歯科口腔保健の推進に関する条例が制定されました。その後「福岡県歯科口腔保健推進計画」が公表、「学童期むし歯予防推進事業」として推進が図られています。重点施策検討委員会は県内の3市町村の保護者や子ども、学校関係者を対象に「むし歯予防実態調査」開始しています。

県保健医療介護部医療指導課は調査結果を根拠に『科学的根拠にもとづくむし歯予防方法の知識の普及啓発』を目的とし推進のための予算化をおこない、説明会を実施しています。

2015年11月には、フッ化物洗口実施マニュアルが公開され、2017年~18年度は県内6校モデル小学校で先行実施し状況・課題を公表・検証し始めました。

フッ化物洗口の勧め方検討会が開かれ、保護者説明会、フッ化物洗口の実施、検証会議の開催、報告会開催・実施報告書の作成などがされています。

福岡県がフッ素洗口に積極的になったのは、12才児一人平均むし歯経験歯数が全国平均以上(0.82:1.0)(全国平均は0.74本)となったこと、むし歯経験歯数2007年と比較し10年で全国20位から28位となった(49.7%減:37.5%減、減少率42位)ことにその理由がありそうです。

沖縄県の取り組みと成果

沖縄県では、フッ素洗口が始められそうな地域からの問題提起から、養護教員が反対の運動に積極的に取り組みました。学習会の開催等を行い、条例制定の機運をウォッチしながら、反対の申し入れ、パブコメでの明確な反対の意思表示を行い、原案では、「フッ化物応用」が入っていた条文を削除することに成功しました。

乙第11 号議案沖縄県歯科口腔保健の推進に関する条例

沖縄県歯科口腔保健の推進に関する条例

(目的)この条例は、歯科口腔保健(歯科疾患の予防等による口腔の健康の保持をいう。第1条くう以下同じ。)の推進に関し、基本理念を定め、県の責務等を明らかにするとともに、歯科口腔保健の推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、歯科口腔保健の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって県民の生涯にわたる健康の保持増進に寄与することを目的とする。

(基本理念)歯科口腔保健の推進は、日常生活における歯科疾患の予防に向けた取組が口腔の第2条健康の保持に重要な役割を果たしていることに鑑み、県民がその重要性について関心と理解を深め、生涯にわたって主体的に歯科疾患の予防に取り組むとともに、適切かつ効果的な歯科に係る検診、保健指導及び歯科医療を受けることができる環境の整備を図ることを旨として、行われなければならない。

(県の責務)県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、歯科口第3条腔保健の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。2県は、歯科口腔保健の推進に関する施策の実施に当たっては、市町村並びに歯科医療等業務関係者(歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士その他の歯科医療又は歯科保健指導に係る業務に従事する者(第6条第4号において「歯科医療等業務従事者」という。)及びこれらの者で構成される団体をいう。以下同じ。)並びに保健等業務関係者(保健、医療(歯科医療を除く。)、社会福祉、労働衛生、教育その他の関連する分野の業務に従事する者(同号において「保健等業務従事者」という。)及びこれらの者で構成される団体をいう。次条において同じ。)との連携及び協力を行うものとする。3県は、市町村、事業者(労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第2条第3号に規定する事業者をいう。次条第3項において同じ。)及び医療保険者(介護保険法(平成9年法律第123号)第7条第7項に規定する医療保険者をいう。次条第4項において同じ。)が行う歯科口腔保健に関する取組を効果的に推進するため、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

(歯科医療等業務関係者等の責務)歯科医療等業務関係者は、基本理念にのっとり、歯科口腔保健の推進に資するよ第4条う、保健等業務関係者との緊密な連携を図りつつ、歯科医療及び歯科保健指導を提供するとともに、県が実施する歯科口腔保健の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。2保健等業務関係者は、基本理念にのっとり、歯科医療等業務関係者との連携を図りつつ、県が実施する歯科口腔保健の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。3事業者は、基本理念にのっとり、その使用する労働者の歯科検診等(歯科に係る検診及び歯科保健指導をいう。次項及び第6条第3号において同じ。)を受ける機会の確保その他の歯科口腔保健に関する取組を推進するよう努めるものとする。4医療保険者は、基本理念にのっとり、被保険者及びその被扶養者の歯科検診等を受ける機会の確保その他の歯科口腔保健に関する取組を推進するよう努めるものとする。

(県民の責務)県民は、歯科疾患の予防及び口腔の機能を生涯にわたって維持することの重要性第5条について関心と理解を深めるとともに、自らの歯科口腔保健に努めるものとする。2保護者(児童福祉法(昭和22年法律第164号)第6条に規定する保護者をいう。)は、その監護する児童の歯科口腔保健に努めるものとする。

(基本的施策)県は、歯科口腔保健の推進に関する法律(平成23年法律第95号)第7条から第9第6条条までに定めるもののほか、次に掲げる基本的な施策を講ずるものとする。

⑴乳児期から高齢期までの各段階に応じた科学的根拠に基づく効果的な歯科疾患の予防の推進に必要な施策

⑵乳児期から高齢期までの各段階に応じた口腔の機能の発達、維持及び向上を図るために必要な施策

⑶離島及びへき地における地域の実情に応じた歯科検診等及び歯科医療の確保に必要な施策

⑷歯科医療等業務従事者及び歯科口腔保健を担う保健等業務従事者の資質の向上のために必要な施策(歯科口腔保健推進計画の策定等)知事は、歯科口腔保健の推進に関する施策を総合的に実施するため、歯科口腔保第7条健の推進に関する計画(以下この条において「歯科口腔保健推進計画」という。)を定めるものとする。

2歯科口腔保健推進計画は、歯科口腔保健の推進に関する法律第13条第1項に規定する基本的事項として、次に掲げる事項について定めるものとする。

⑴歯科口腔保健の推進に関する総合的な方針及び目標

⑵前号に定める事項に基づき実施すべき具体的な歯科口腔保健の推進に関する施策

⑶前2号に掲げるもののほか、歯科口腔保健の推進に関する施策を総合的に実施するために必要な事項

3知事は、歯科口腔保健推進計画を定めるに当たっては、広く県民、歯科医療等業務関係者、有識者等の意見を聴取するものとする。

4知事は、歯科口腔保健推進計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5前2項の規定は、歯科口腔保健推進計画の変更について準用する。

6知事は、毎年度、歯科口腔保健推進計画に基づき実施した施策の実施状況その他歯科口腔保健に関する事項を公表するものとする。

(実態調査)県は、歯科口腔保健の推進に関する施策の策定に必要な調査を行うものとする。第8条(歯科口腔保健啓発月間)県民の間に広く歯科口腔保健の推進についての関心と理解を深めるため、歯科口第9条腔保健啓発月間を設ける。2歯科口腔保健啓発月間は、11月とする。3県は、歯科口腔保健啓発月間の趣旨にふさわしい事業を実施するものとする。

(財政上の措置)県は、歯科口腔保健に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずる第10条よう努めるものとする。附則この条例は、公布の日から施行する。平成31年2月13日提出

条例案のときには赤字の部分にはフッ化物応用との文言が入っていました。

今後、条例に基づいた基本計画などが作成されていきます。フッ素洗口が科学的根拠にもとづいたむし歯予防にならないことは明らかです。集団フッ素洗口がすすめられないよう、引き続き監視していくことが必要です。

次回は法的根拠と危険性についての情報を整理します。

2019年度のフッ素研究会集会は

2019年11月4日(日)、日本教育会館で行います。今からご予定ください。

ワクチントーク全国集会は2019年9月29日(日)で同じく日本教育会館です。

(古賀 真子)

 

 

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