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消費者行政最先端~消費者基本計画にパブコメをだしました

消費者基本計画は、消費者基本法(参考)(昭和43年法律第78号)第9条の規定に基づき、政府が消費者政策の計画的な推進を図るため、①長期的に講ずべき消費者政策の大綱、②消費者政策の計画的な推進を図るために必要な事項について定めた消費者政策の推進に関する基本的な計画です。

消費者基本計画工程表は、消費者基本計画に基づいて関係府省庁等が講ずべき具体的施策について、本計画の対象期間中の取組予定(経過した期間については、実施状況)を示したものです。

消費者基本計画工程表は、関係府省庁等が講ずべき具体的施策について、その取組予定を取りまとめ、消費者政策会議において、施策の実施状況の検証・評価・監視を行い、消費者委員会の意見を聴取した上で、1年に1回は改定することとされています。

昨年7月の工程表改定後の消費者を取り巻く状況の変化や盛り込まれた具体的施策の実施状況等を踏まえ、「消費者基本計画工程表」改定素案が取りまとめられました。コンシューマネット・ジャパンでは2019年3月18日、パブリックコメントに意見を提出しました。


消費者基本計画工程表第4回改定素案に関する意見

特定非営利活動法人コンシューマネット・ジャパン理事長 古賀 真子

<消費者問題分野>

施策番号 ページ 意見
1 消費者の安全の確保
(2)①事故情報の収集、公表及び注意喚起等
21 事故情報収集に関して、事故情報データバンクを通じての公表については、より効率的かつ効果的なシステム構築をのぞみます。収集情報が迅速かつ広範囲に周知されなければせっかくの情報も被害拡大や抑止に効果的とはいえません。特に生命・身体・財産に関する情報については、注意喚起以前に事例ごとに情報を網羅した上で危害度をランク分けするなど、被害分析にもとづいた公表基準等をさだめて、「日常的に消費者に目につきやすい公表(広報)体制」をとっていただくことを要望します。
現在のリコール情報は大変貴重ですが、周知方法をより工夫していただくことを望みます。
2 表示の充実と信頼の確保
(1)① 景品表示法の厳正な運用及び執行体制の拡充
51 ①地方自治体による法執行の強化は消費者被害の防止のために重要です。地方においては前管轄官庁である公正取引委員会と緊密な連携をして、自治体の法執行体制の強化が進むような支援策をしてください。
③公正競争規約の積極的な活用、円滑な運用のための支援 52 ③電力・ガス小売自由化後の販売に関して、自由化そのものへの誤った情報に基づく営業、独占的なスイッチング情報提供事業や取戻し営業等、消費者の選択の阻害となるような営業がおこなわれていないかを調査のうえ、最低限の監視に有効かつ実効的な、公正競争規約の申請や認定を促してください。(113 頁㉑関連)LP ガスについてはより一層の消費者保護をすすめた内容にしてください。
⑤医療機関のウェブサイトによる情報提供 59 ⑤医療被害については、美容医療についての取り組みはすすめられているようですが、今国会または次国会において改正される医薬品医療機器等法に関して、未承認薬の早期承認や誇大広告等への課徴金制度導入、監視的委員会の設置に対応して、消費者庁内にも消費者相談や被害事例を踏まえた情報収集体制の整備が求められていると考えます。一般薬やワクチン等もふくめた医療情報ウェブサイトの構築を望みます。
⑥電気通信サービスにおける広告表示等の適正化 60 ⑥3(2)①と同趣旨。執行強化を求めます。
3 適正な取引の実現(1)
①②特定商取引法の執行強化
74 ①②もともと被害発生しやすい類型を法制度化した特商法では現在の高齢者をねらった詐欺に対応する内容になっていません。総合的な消費者詐欺防止法の検討を要望します。
3(1)④ 消費者契約法の見直し 75 平成30 年度改正の附帯決議をふまえ、改正で積み残された論点についても引き続き見直し体制を継続させてください。次回改正にむけてはより消費者の被害状況などを明確にしたうえで、他の法規範や判例実務との整合性を熟慮したうえで専門的な議論のできる人選および場を設定してください。特商法改正議論もふくめ、保護法益は消費者利益であるべきところ事業者の介入が多いと感じられます。(137 頁関連)
3(2)
① 電気通信サービスに係る消費者保護の推進
96 今回の改正では議論が深化しており本計画においても反映されていると思います。2019 年1 月にだされた総務省の「モバイルサービス等の適正化に向けた緊急提言」や公正取引委員会の報告書も踏まえ、実効性を確保できるような監視体制をとってください。消費者委員会において、具体的に適正な販売等おこなわれているかについて定期的に総務省にヒヤリング等を行い建議等を定期的に出されることを要望します。
②有料放送サービスにかかる消費者保護制度の適切な運用 99 ②高齢者などがテレビショッピングに誘引され大量に不要物を買い込む事例に対応して解約等に関する実効性ある法制度の創設も検討していただきたいです。
③詐欺的な事案に対する対応 ③さまざまな被害に対応する取引類型を整理検討いただいており、充実した内容であると思います。合法的な金融取引等に限らず、刑事上あきらかな詐欺事案(狡猾な振り込め詐欺・アポ電詐欺など)への具体的な規制が必要です。喫緊課題として関係省庁と協議しての検討を希望します。(3 適正な取引の実現(4)①等 関連)周知をはかるためのウェブサイトの充実は必須です、(130 頁)
3 適正な取引の実現 118 インターネット、電子メール等、ネット上のトラブルへの対応は重点項目として実効性ある法制度の創設を求めます
4(2)② 地域における消費者教育推進のための体制の整備
⑪ 金融経済教育の推進⑫法教育の推進
150 消費者教育に関する体制は順調に整えられていると思います。今後は地域全体を対象に、定期的に小学生から高齢者に至るまで、効果的な法律・経済教育を計画・実行してください。

食に関する項目

1(4)⑥食品中の放射性物質に関する消費者理解の増進 43 地方公共団体による放射性物質検査体制支援として、「検査機器の貸与等」の取り組み継続を評価します。測ることが現時点で一番確実な風評被害防止策であると考えます。
2(3)①新たな食品表示法の円滑な施行 65 食品表示については、食品表示一元化に続き、加工食品の原料原産地表示制度、遺伝子組換え表示制度、今後添加物表示の検討が始まるとされています。次々と制度が変わり、消費者にとって理解しづらい表示制度となっています。わかりやすくまとめた冊子などにより、制度についてていねいな説明を求めます。
2(3)②健康食品も含めた食品の表示・広告の適正化 67 機能性表示食品に関しては、2019 年度から「機能性関与成分が明確でないエキス等」も対象となります。さらに食薬区分の運用も変更される予定です。消費者に普及周知を行うともに、今後被害発生が不可避である、機能性表示食品制度自体の見直しにも着手してください。
4(2)⑮食育の推進 食の安全に関しては、家庭や教育関係者に正しい情報提供を行う必要があります。アレルギー児の増加が一番大きな問題となっている義務教育課程においては、アレルゲンはもちろん、加工食品をなるべく控え、農薬や食品添加物、遺伝子組み換え食品などについての予防原則にもとづく教育が必須です。リスクアナリシスに基づいた、安全性基準や評価をきめての使用推進ありきではなく、学校給食などを通して地産地消にもとづく、正しい食生活の見直しこそが求められています。文科省、厚労省とも連携した、子どもたちのための豊かな食生活を支える政策を望みます。加えて各地で広がるフッ化物洗口などの取り組みについても効果安全性の点から中止を求めます。

<エネルギー分野等>

施策番号 ページ 意見
4(4)②公共料金等の決定過程の透明性及び料金の適正性の確保 113 ・電力自由化の次の段階に向けて、2020 年に予定されている電力の経過措置料金規制の解除の具体的な条件等の検討が進められています。消費者の立場から検討の進捗を見極め、意見表明ができるような施策を工程表に記載してください。
・また、電気料金に関しては、自由化により消費者庁が電気料金値上げに関する審議にかかわれなくなることは消費者にとっては不利益といえます。今後一部地域において、不当に料金が高騰した場合などに備えた対応を検討してください。
・マンション一括受電に関する最高裁の判例が出ました。専有部分おける電気選択の権利に関して、消費者庁の見解を明らかにしてください。
・電力広域的運用機関が容量市場における定款改正で、容量市場拠出金を小売り事業者に求めるようです。また、託送料金はこれまでどおり規制料金として残ります。こうした電気料金に直接影響する政策について、消費者の意見が適切に反映されていくようにするための消費者庁の対応を検討ください。
3(2)⑳電気・ガスの小売供給に係る取引の適正化(LPガス) 113 平成30 年10 月に公表された総務省北海道管区行政評価局「液化石油ガスの取引適正化に関する調査」の結果から、取引適正化ガイドラインの遵守・徹底がいまだ不十分であることがわかりました。北海道内のみでなく全国的な課題であると考えられます。液化石油ガスの取引適正化状況の全国調査、資源エネルギー庁・消費者庁・地方自治体との連携など、取引の適正化にむけての具体的な対策の実施についての工程を明らかにしてください。
その他
水道事業民営化についての対応
昨年の水道法改正で今後、自治体の水道政策の変更が住民に大きな影響を与える懸念があります。厚労省の審議会の議論も注視しながら、公共料金としての水道料金への監視をすすめてください。
その他
消費税増税に関する取り組み
消費税増税に向けて、便乗値上げなどへの具体的対策をすすめてください。また、クレジットカードや電子決済の普及、東京オリンピック・パラリンピックにむけてスマホ等決済の普及が見込まれますがこうした取引に関しての詐欺的犯罪発生も懸念されます。被害防止対策をすすめてください。

第4期消費者基本計画

改訂素案はこちら

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/basic_plan/pdf/basic_plan_190215_0003.pdf

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/basic_plan/pdf/basic_plan_190215_0001.pdf



(参考)

消費者基本法は、「消費者の権利の尊重」と「消費者の自立支援」を基本理念とした、消費者政策の基本となる事項を定めた法律です。平成16年に「消費者保護基本法」(昭和43年法律第78号)が改正され、「消費者基本法」となりました。

消費者基本法(昭和43年法律第78号)

消費者基本法の一部を改正する法律要綱[PDF:9 KB]
法律[PDF:10 KB]
新旧対照表[PDF:10 KB

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