消費者のための安全安心情報サイト

子宮頸がんワクチン薬害訴訟のいま~各地での支援の輪のひろがりとメーカーの対応

2019年2月13日14時から、東京地方裁判所でHPVワクチン薬害訴訟第9回期日にて口頭弁論が開かれました。80数席の傍聴席に対して、100名以上の傍聴希望者が並び、関心の強さがうかがわれました。事業接種開始から9年目を迎え、被害を受けた少女たちも成人以上の年齢になっています。進路変更、家族の分離、夢を絶たれ、いまなお激痛や様々な苦しい症状に苦しみながらも、真の解決を求めて被害者は立ち上がり、真相究明と将来の補償をもとめた戦いが続けられています。

全国での集団訴訟の報告はHPVワクチン薬害訴訟全国弁護団のHPに随時アップされています。

https://www.hpv-yakugai.net/

CNJではこれまでもHPVワクチンの問題についてお知らせしてきました。

予防接種ネット・de・講座 38回 子宮頸がん(HPV)ワクチン問題の過去と今

法廷は、被害者の陳述により、過酷な被害の実態とそれを乗り越えようとする被害者と支える支援者で傍聴席はいつも抽選が必要なほど満席です。「なかったことにしないで、あきらめない、普通の生活を」との訴えに支援の輪がより広がるよう強く呼びかけたいと思います。

東京地裁での原告Aさんの陳述は、

幼少のころからバイオリンを習い、音楽高校に入学して本格的にバイオリンに取り組もうとした時期にサーバリックスの3回目の接種を受け、その後、両膝の痛みや立ちくらみといった異変が現れました。痛みのために駅で動けなくなり、大好きなバイオリンを持ち上げるだけでも腕が痛くなりました。痛みをこらえて練習を続けましたが、全身の痛みは悪化する一方で、寝ても覚めても激痛にのたうち回り、学校に通うことも難しくなってしまいました。 こんなにも辛い毎日がずっと続くなら死んでしまった方がよいとまで思い詰めましたが、学校関係者の理解と支援の下で、椅子を並べた上に横になって授業を受け、進級できるよう努力を重ね現在は大学院に通っています。音楽の授業の際、維さんは、教室の一番後で痛みをこらえて、椅子を並べた上に横になって授業を受けたそうです。

意見陳述の後半には、痛みのために立位を続けることができなくなり、着座した上で、ワクチンを作った製薬会社には、こうした副反応を研究する責任や、研究者の支援を行う責任があるはずであると、厳しい表情で指摘しました。

そして、最後に、このような体となってしまった過去や時間は取り戻せないけれど、被害者は皆ひとりひとり前を向いていこうと頑張っており、被害者がひとりの人として生きていけるよう、恒久的な支援を求めていることを裁判官に訴えました。

また、東京弁護団の針ヶ谷健志弁護士は、被告グラクソ・スミスクライン(GSK)社と被告MSD社が、積極的なロビー活動等を通じて国と一体となってHPVワクチン接種緊急促進事業という違法な事業を実施した共同不法責任を負うことを示しました。

これに対して被告GSK社やMSD社は、ワクチンの有効性を強調し、効果のエンドポイントががんの発症ではなく初期の感染にあるとし、「風が吹けばおけ屋がもうかる」式の予防論で有効性を主張しました。ワクチンの持続効果を外国の研究を引用して強調しましたが、あたかもワクチンを接種しないとがん患者が増加するのは自明のことのように言い、感染後の発症に至るまで十数年はかかるといわれる時間的な経年状況変化を無視し、日本でのがん発生が接種中止により増加するというラフな従前の主張を繰り返しました。

さすがに現実に起きている副作用については否定できないはずですが、一部の国での接種者と非接種者の発症のデータをあげて、母数などは都合のよいところのみ明らかにしつつ接種により予防できるとの無理な主張を試みました。

2018年3月に開催された国際シンポジウムでの世界各国からの報告では、コロンビアでは日本同様の被害者700名がクラスアクション裁判に参加しており、接種率は90%以上から16%程度まで落ち込んでいます。アメリカ合衆国の多くの州で、ワクチンの有効性の証明は不十分であり、副反応リスクも明らかではないといった理由で、HPVワクチンの接種が就学要件とはされていない状況になっており、米国も推進一筋ではなくなっています。

HPVワクチン接種後の自殺者の数も世界的に注目されています。訴訟が長引く中、マスコミ報道は一時期と異なり注目度が低下しているように見えます。HPVワクチン接種勧奨中止後、日本では同2社によるロタワクチンは市場を席巻しています。GSK社のB型肝炎ワクチンが乳児への定期接種対象となっています(B型肝炎ワクチンはHPVワクチンと同様のアジュバンドが使用されているとされています)が、同様のアジュバンドを使用したMMRワクチンの導入への議論も進められており、風疹や麻疹の流行がことのほか強調されています。

訴訟の場に出てこられない多くの被害者のなかには、自殺をしてしまった方、症状が重く身動きが取れない方や、訴訟は起こしていないものの、いまだに様々な症状や後遺症に悩まされている方がいます。

被害者の声に耳を傾け、国と製薬会社が早期解決にむけて動くように、あらためて訴訟の支援の輪を呼びかけていきたいと思います。

(古賀 真子)

 

裁判の予定

※過去の開催状況はこちらをご覧下さい。

2019/02/13(水)東京訴訟第9回口頭弁論

2019/03/05(火)大阪訴訟第10回口頭弁論

2019/03/08(金)名古屋訴訟第10回口頭弁論

2019/04/22(月)九州訴訟第11回口頭弁論

2019/05/22(水)東京訴訟第10回口頭弁論

2019/05/28(火)大阪訴訟第11回口頭弁論

2019/07/04(木)名古屋訴訟第11回口頭弁論

2019/09/12(木)大阪訴訟第12回口頭弁論

2019/12/03(火)大阪訴訟第13回口頭弁論

カテゴリー