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予防接種ネット・de・講座41 BCGワクチンにヒ素!厚労省のワクチン行政はダイジョーブ?

2018年11月12日、コンシューマネット・ジャパンとワクチントーク全国は、BCGワクチンにヒ素が混入していた件について、厚生労働大臣に抗議と質問状を提出しました。


2018年11月12日

厚生労働大臣 根本 匠 様

 

特定非営利活動法人コンシューマネット・ジャパン 古賀 真子

ワクチントーク全国 母里 啓子

 

BCGワクチンについてのご質問と申し入れ

 

冠省 2018(平成 30)年11月5日に、貴省の医薬安全対策課監視指導・麻薬対策課は、「乾燥 BCG ワクチン(経皮用・1人用)の 添付溶剤(生理食塩液)の品質問題に対する対応について」を発出されました。これは、BCGワクチンに本来入っていてはならないヒ素が混入したという重大な違反行為です。(https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000377872.pdf

(医薬安全対策課 監視指導・麻薬対策課/平成30年11月5日)

厚労省の発表によると、乾燥BCGワクチン(経皮用・1人用)の使用時に溶解するため溶剤(日本薬局方生理食塩液、0.15mL )のアンプルに含有されているヒ素が、生理食塩液をアンプルへ充填した後、熱をかける工程(熔封)により、ヒ素がアンプルから溶け出て、生理食塩液へ混入し、食塩液を入れる容器から溶け出たためであるということです。発表では、2018年11月末までには、容器を改良し出荷を再開するとのことでした。

3か月間情報を公開しなかったことについては、「当初より健康に問題がないことがわかっていたために公表しなかった」ということですが、本来であれば即時に回収し、安全性についての検証および、関係機関への迅速な指導や国民への情報提供を行うべきところ、2018年11月3日前後までこれら一連の事実を公表しなかったことについて抗議いたします。

報道によれば、11月5日の報告では、「なお、乾燥BCGワクチンの規格には適合している」と付記されましたが安全性についての問題はもちろん、被接種者はもとより医療機関への報告や注意喚起がされなかったことについては、厚労省として、予防接種行政にかかる信頼を大きく損なうものです。安全性を優先するのであれば一旦中止し、回収を行い安全性の再検討をすべきです。

他のアンプル製造メーカーより、ヒ素が溶け出ないアンプルを納入し、新しい生理食塩液の製造を開始し、3か月以上経てからの「安全宣言」は、安全性はもちろん、製法過程や改良過程について疑問があります。そもそも、BCGワクチンの有効性についても20年以上前から疑問の声があり、数年前から廃止されることも検討されていたものに、こうしたずさんともいえる対応が未公開で行われたことについては厚労大臣の監督責任に発展するもの思料します。厚労省はBCGワクチンの安全性についてだけでなく、今回の対応と今後の結核対策についても、国民に丁寧に説明する責任があると考えます。以下の点について、2018年11月26日までに、お答えをいただきますようお願いいたします。

 

1 2018年8月の時点でヒ素が混入していることが分かった端緒について詳細にご説明ください。

2 その時点で、なぜ健康に問題がないと判断されたのか、その根拠についてご説明ください。また、その後の対応についてだれ(どの部署)が決定されたのか教えてください。

3 BCGワクチンの現在の製法は2008年から行われているとされていますが、それまでと、どう変えたのか教えてください。

4 製法変更後の出荷量について教えてください。2018年11月時点で、市場に出回っている在庫が、35ロット、200万本という情報がありますが、この在庫について回収はしないのでしょうか。また、回収しないで接種勧奨するに際しては、安全性についてどのような説明をされているのでしょうか。医師にはどのような情報提供をされているかも合わせて教えてください。

5 生理食塩液に含有されるヒ素の曝露による健康への影響評価等については、「国立医薬品食品衛生研究所安全性予測評価部において、生理食塩液0.15mL中、最大0.26ppm(39ng(0.039μg))のヒ素が入ったワクチンを接種した場合、ICH Q3D「医薬品の元素不純物ガイドライン」でのヒ素(注射)の許容一日曝露量は15μg/day(体重50kg)であり、アンプル中のヒ素が全量注入された場合において、ワクチン接種対象児の体重(5-10 ㎏)

換算で、1 日の許容量の約1/38~1/77 となることから、安全性において問題の無いレベルと評価した」とされています。BCG対象年齢の子どもは体重5~10㎏と仮定して1.5~3μg/dayで、日本では重さでなく濃度で計るようですが0.1 ppm 以下なら安全とされており、

今回は最大でも0.26 ppm でも安全と判断したそうです。この点についてはなぜ安全かについて保護者に情報提供すべきではありませんか。

また、生後1歳までの乳児が他のワクチンを接種することとの関連から、他のワクチンにおいては、同様のアンプルによるヒ素の混入のおそれはないのか、ヒ素の規格は適合していると明言できるかについても合わせて教えてください。

6 報告によれば、「生理食塩液については、変更後のアンプルを用いて試作を行うとともに、その後、実製造を行っているが、いずれもヒ素の規格は適合している。なお、アンプル変更に伴う乾燥BCG ワクチンの品質・有効性への影響がないことの確認も実施している。」とのことです。今回は、アンプルの口をふさぐためガラスを溶かす際に微量のヒ素が溶け出すことにより混入したと考えられるとのことですが、審査基準ではアンプルの瓶に入れる前の食塩水で検査すればよいとなっていて、想定外だったということですが、アンプル後の検査に変更するなど、審査基準そのものの見直しはされましたか。

7 ヒ素の混入水準に問題ないとされるのであれば、そもそも変更する必要はないと思われます。仮に安全性に疑問であれば、市場の在庫は回収すべきと思いますがいかがですか。

 

以上

乾燥BCGワクチンの添付文書

https://www.mhlw.go.jp/content/11121000/000377873.pdf

 

 

(連絡先) 以下略

 

 

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