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もっと知りたいフッ素の話 その24 北海道での集団フッ素洗口ひろがりは条例のせい?

各地で学校での集団フッ化物洗口が始まっています。

2018年7月8日に北海道の養護の先生の集会で、フッ素洗口の問題点について話し合いがされました。フッ化物応用にむし歯予防効果があるとしても、「多フッ素原、総フッ素摂取量」概念に立ち返る時期にきています。むし歯が激減していること、特殊な環境で多発していることを考慮し、総フッ素量が過剰である現実から、少しでも危険性が認められるものを予防医学として採用することには慎重であるべきです。

日本ではCMでフッ素のむし歯効果が当然にように強調され、フッ素を添加した虫歯予防のグッズも多く市販されています。フッ化Naは強力な劇物であり、急性毒性や致死量に関する基準も統一されていません。

アレルギー児が増加する学校で、一律かつ半強制的にフッ素洗口が行われることについては、養護の先生から、多くの疑問の声があげられました。「よいものとしての一方的な情報のみ」が与えられ、質問に、ていねいに答えてもらえないままに導入されることについての父兄の不安の声も出されました。

なぜ、フッ化物応用がすすめられているの

1970年に新潟県の小学校で開始され、1970年代より地域歯科保健施策の一環として普及しはじめました。2011年8月に成立した歯科口腔保健法の法文には、フッ素の文言はありません。あるのは、2012年7月の大臣告示の別表1にむし歯予防優先順位のトップにフッ化物応用が記載されており、乳幼児期、学齢期、成人期、高齢期のすべてにわたる推奨がされています。法をうけて各地で条例が制定されていますが、2014年4月には、県条例成立は39道県、46市2区 11町1村となりました。。条例の中身はさまざまで、フッ素の文言は一切なく、科学的根拠に基づいたむし歯予防法などとされているところもあります。

北海道での広がりはなぜ

北海道は、全国に先駆けて条例11条でフッ化物洗口を明記し、北海道歯科保健医療推進計画でフッ素洗口を具体化しています。しかも近年は、条例制定に寄与した道の責任者が現場で指揮して洗口の普及に努めているようです。

「条例が政策にもたらしたインパクト(保健医療科学 2011 Vol.60 No.5 p.373-378北海道保健福祉部健康安全局・現北海道立旭川高等看護学院の学院長)https://www.niph.go.jp/journal/data/60-5/201160050004.pdf

安全・有効調整のむずかしい劇物を学校保健に入れるべきか

フッ化物の安全性や有効性については40年以上前から二分して争われてきたところです。推進派と慎重派の攻防は大変なものです。しかし、いったん推進派が舵取りを握ると、危険性が多面的に認識されておらず、当然保護者等への情報提供はされにくいままに集団洗口が当たり前のように広がっていってしまいます。学校で集団でする問題点への問題意識がされず、個人の健康感や医療選択の自由、プライバシーや自己決定権を侵害した形で勧められていきます。

フッ素でむし歯予防の歴史

フッ化物応用は、フッ素の水道水添加として、1945年米国が開始し、WHOも推奨して世界的に広まりました。(近年は中止する国が増加。米国では約2000回の住民投票。直近の状況については「もっと知りたいフッ素の話その23参照)

歯科治療においては、人工歯の製造工程にフッ化水素が使われる一方で、むし歯予防にフッ化ナトリウム(NaF) が使われることになりました。自然界にあるものなので安全と強調されますが、フッ素を含む化合物の1つであるフッ化カルシウムは、自然に産出したものは蛍石と呼ばれて装飾品、工業原料になったり、中国医学の咳止め薬に使われたものですが、洗口や塗布に使われるのはフッ化ナトリウムです。

フッ素含有と書かれた歯磨きペーストと、歯科医院で行われているフッ化物塗布の薬剤では、最低でも9倍の濃度差があります。どの程度でむし歯予防ができるかは諸説あり、予防できると信じられる濃度による調整がむずかしいのがフッ化物応用のむずかしさです。

1980年代、柳澤文徳さんは、フッ素濃度低地区でも斑状歯があることから、「多フッ素源、総フッ素摂取量」概念の提唱されました。調整のむずかしい「劇物」を安全濃度として「予防試薬」として使っているわけですが、各地では濃度の希釈間違えなどの問題が起きていることはすでにお伝えしてきました。

1990年、洪遠志らが、ディーンの分類と地域フッ素指数(CFI)で斑状歯の調査をしました。また、NZジョン・コフーンが推進から反対派へと研究調査を経て変わっていったことも注目すべきです。

日本では、水道水添加の反対運動を経て他のフッ化応用へということで、歯磨き剤や塗布、フッ素洗口がすすめられているわけです。

しかし、いま、原点に立ち返って「多フッ源、総摂取量」が子どもの健康を逆に蝕まないかを真剣に検証すべき時です。

北海道での集団フッ化物洗口ののサムネイル

「北海道での集団フッ素洗口 法的根拠と問題点」(PDF 1MB)

(古賀 真子)

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