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予防接種ネット・de・講座41 赤ちゃんの予防接種の裏事情 その2 ~5種混合ワクチンの治験に参加しないで

最近、「5種混合ワクチンの治験を1回15000円で勧められていますが・・」という情報が寄せられています。臨床治験は新しい医薬品が市場に出回る前に行われるものですが、新規のワクチンの治験がどうおこなわれているのかについてはこれまであまり明らかにされてきませんでした。少し前に、低体重で生まれた子どもの親に、「高額なロタワクチンをただでしてあげる。採血はお願いするけれどそんなに負担はないはず」と勧められているがどうしたらよいのか」という相談をうけたことがあります。

今回は、4種混合にヒブワクチンを加えた5種混合ワクチンです。日常的に医師の裁量(のみ)でほかのワクチンも含めて、同時接種が行われていることから、採血するだけで、お金ももらえるし、ワクチン開発という公益にも役立つなら・・と同意してみようかと思われる方がいるかもしれません。が、ちょっと待ってください。

そもそも、治験はとても厳格な要件で認められているもので、重篤な疾病の治療のためにメーカーに、課せられた義務を全うさせるためのものです。(厚労省の説明(参考)参照)

5種混合ワクチンの治験広告より

今回の5種混合ワクチンの治験への参加の募集は、いろいろなところで行われています。クリニックでのポスター掲示、製薬企業等による治験広告などで行われているようです。

医師への紹介医療機関と製薬企業等を媒介する小児治験ネットワークという団体があるようです。  

https://pctn-portal.ctdms.ncchd.go.jp/aboutnw/examine.html

が、こちらのHPには今回の5種混合ワクチンの治験についての情報は見当たらないようです。

各地のクリニックでの共通項としては、

参加期間:約10か月

治験期間中は、治験参加に伴う交通費などの、負担軽減費をお受け取り頂けます。

というものです。募集期間は、2018年6月から8月(予定)となっていますから、募集が始まったところと言ってよいでしょう。

治験の内容については、「お問い合わせください」となっています。

東京都S区のクリニックでは「肺炎球菌、B型肝炎、ロタウイルスワクチンとの同時接種可能です」としています。

K県のクリニックでは、webでこんな風に書いています。「多くの方は「実験台?」というふうに思われるのではないでしょうか。治験とはなかなか馴染みのない言葉ですから、そう思われても仕方ないと思います。ですが、この治験というものがなければ新しい薬やワクチンが日の目を見ることはありませんので、医療業界にとっては非常に重要なことなのです。決して実験台とかではありませんので、誤解のないように。 ・・・数年後には4種混合に代わって市場に出回ることになりそうです。・・小さいお子さんの採血がかわいそうだといって断念されたご家族もいらっしゃいました。確かに2ヶ月のお子さんに採血を行うのは、かわいそうと思われるのは仕方ないことです。一方、メリットは抗体検査によりワクチンの抗体がきちんと獲得できたかどうかを正確に知ることが出来ます。更に今回はロタワクチンとB型肝炎ワクチンの費用が無料になるという特典もついています。強制ではありませんが、本当に快く協力していただいたお子さんと保護者の方には感謝いたします。 ・・現在6年生が接種している2種混合ワクチンも3種混合に移行していくのですが、そちらの治験も無事に終了して現在認可を待っているところです」としています。

実際、どのように進められているかは不明ですが、全国で470人が募集されています。打ち方としては、子どもを2つのグループに分け、

<グループA>

①『5種混合ワクチン』を片方の腕に注射する

<グループB>

②『4種混合ワクチン』を片方の腕に、『Hib ワクチン』 を反対の腕にそれぞれ注射するようですが、詳細は不明です。

1回の受診に対して15000円が支払われるようです。ロタワクチン接種を無料でできることをアピールするのはわかりますが、定期接種であるB型肝炎や肺炎球菌も同時に無料で打てるというのは、すでに定期接種で無料(公費負担)であり、被害救済補償もあるものについて、あたかも無料で打てるような書き方がされており、不正確な誘導です。4回接種後、血清検査が求められているようです。また、「各グループともに、ワクチンを注射した後、ご自宅で体温測定など、お子さまの健康状態を記録していただき、後日、その記録を提出していただきます。また、注射回数は4回、採血回数は4回です。」とされています。

 

増え続ける~予防接種はどうなる?

乳児期の予防接種が増加し、同時接種が増えています。1994年の予防接種法改正後の20年間のワクチンギャップが指摘されてから、日本はワクチン消費大国となっています。定期接種だけで13回、ワクチンの種類では8種、最近増えている任意接種のロタワクチン(経口接種)も含めると15回から16回も赤ちゃんにワクチンを投与することはお子さんを持っていない人にはあまり知られていません。

今回の5種混合ワクチンの治験のクリニックの誘導文を読むと、混合接種が規定路線のように書かれています。この傾向は2007年のワクチン産業ビジョン以来の国の方針、VPDをうけたもので、その中で起きているのが子宮頸がんワクチン副作用被害の問題と乳児の同時接種後死亡の問題です。

このビジョンでは、グローバル化と超少子化の中で、小児医療の質的向上と新たな感染症の脅威への危機管理対策としてのワクチンの研究開発、製造体制の維持の岐路にたたされている。

また、高齢化社会の新たなニーズへの対応とし、産業の安定化のための国の政策的関与の必要性が強調されています。

世界的にも1980年~2002年の間に2度の合併後、メガファーマー5社に独占されているのに対して、日本は1995年のA型肝炎ワクチン上市以来、新規開発ワクチンはありません。国内の3社以外は国策財団や社団で競争力がなく、少ない研究開発費(米国の10分の1)で安定的な経営基盤を確保するために、外国メーカーとのタイアップを模索してきました。

つまり、日本は完全に外資戦略に席巻されていて、審議会はメガファーマーの売り込みに抗することができなくなっているのが現状です。

同時接種後死亡問題

生ワクチンは原則として、1日にワクチン接種した場合、28日後に次の接種が可能(約4週間後)。 不活化ワクチン・トキソイドは、1日に1つのワクチン接種した場合、7日後に次の接種が可能(約1週間後)とされています。

同時接種の対象となるのは?圧倒的にワクチン接種回数が増えた0才児ですが、ヒブ、肺炎球菌、4種混合についてさまざまな組み合わせがされています。中には、麻しん・風しん、水ぼうそう、おたふくかぜ、任意である、ロタも同時接種されています。同時接種する場合には、左右の二の腕と左右の太ももを使って打つとされています。

同時接種を小児学会は推奨しています。何度も針を刺される子どもと受診する保護者の負担軽減のためとされ、大義は「重篤な病気から子どもを守るため」というものです。しかし、一方で、単味ワクチンを選択し受けたいという保護者の要望が強いにもかかわらず、「ワクチン・トキソイド購入価格」や同時接種の委託料問題をみると医師会が子どもや保護者のためだけのために同時接種を推奨しているとは思えません。

ワクチン・トキソイド購入価格(1包装単位当たりの税抜購入単価)
出典:「平成29年度「ワクチン価格調査」報告書」(厚生労働省)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000210760.pdf, p.12)

しかも、同時接種後死亡の例でよく出されるのが栗原敦さんが作ったこのスライドです。

この例に限らず、ワクチン接種後の死亡の75%が同時接種後の死亡ですが、国は真剣な原因究明を行わず、因果関係不明や評価不能をしたままで、新たに混合ワクチンの途を模索しているように思います。本当に医師の裁量に任せていてよい問題か、考える必要があります。

新ワクチン導入にからむさまざまな問題点がいま、噴出!

同時接種の委託費は適正か

平成28 年6 月21 日和泉市での職員措置請求に係る請求で、市は和泉市医師会に予防接種を委託料として、平成27年7月に29,342,248円を支出しているが、この委託料に初診料等の重複支給が含まれており、この重複加算された、初診料3,176,561円、乳幼児加算844,830円で合計4,021,391円は違法・不当な支出であるとしたものです。

同時接種は「医師の裁量のみ」に任され、そもそも医師の責任を問わない予防接種制度上、副作用被害が認められにくい構造になっているわけです。

混合ワクチンの安全性は?

委託費が問題とされ始め、同時接種後死亡問題が議論されない中、5種ワクチンの治験が目指すものはなんでしょう。前回、40回の記事中、6種混合ワクチンとの同時接種における抗原産出の弱さから、B型肝炎ワクチンの見直しがされたとの情報をお伝えしました。

この数年で増え続けた0才児のワクチン。すべてを受けないと「ネグレクト」とまで言われかねない現状の中での、同時接種後死亡や子宮頸がんワクチンでのかつてない大規模かつ深刻な被害状況。

5種混合ワクチンの開発、B型肝炎ワクチンの見直しの持つ意味を、真剣に考える時期にありそうです。

(古賀 真子)


(参考)

 

治験とは

 

化学合成や、植物、土壌中の菌、海洋生物などから発見された物質の中から、試験管の中での実験や動物実験により、病気に 効果があり、人に使用しても安全と予測されるものが「くすりの候補」として選ばれます。この「くすりの候補」の開発の最終段階では、健康な人や患者さんの協力によって、人での効果と安全性を調べることが必要です。

こうして得られた成績を国が審査して、病気の治療に必要で、かつ安全に使っていけると承認されたものが「くすり」となります。

人における試験を一般に「臨床試験」といいますが、「くすりの候補」を用いて国の承認を得るための成績を集める臨床試験は、特に「治験」と呼ばれています。

 

治験は病院で行われます。

治験を行う病院は、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」という規則に定められた要件を満足する病院だけが選ばれます。

 

その要件とは

  • 医療設備が充分に整っていること
  • 責任を持って治験を実施する医師、看護師、薬剤師等がそろっていること
  • 治験の内容を審査する委員会を利用できること
  • 緊急の場合には直ちに必要な治療、処置が行えること
  • くすりの候補」の人における効果(有効性)と安全性を調べる治験は、科学的な方法で、参加される方の人権を最優先にして行われます。

 

【 治験を実施するためのルール 】

治験を行う製薬会社、病院、医師は「薬事法」というくすり全般に関する法律と、これに基づいて国が定めた「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(=GCP[Good Clinical Practiceの略])という規則を守らなければなりません。この規則は欧米諸国をはじめ国際的に認められています。

 

  • 【 法律・GCPで定められているルール 】
  • 治験の内容を国に届け出ること

製薬会社は、治験を担当する医師が合意した「治験実施計画書」(「くすりの候補」の服薬量、回数、検査内容・時期などが記載された文書)を厚生労働省に届け出ます。厚生労働省は、この内容を調査し、問題があれば変更等の指示を出します。

  • 治験審査委員会で治験の内容をあらかじめ審査すること

治験審査委員会では「治験実施計画書」が、治験に参加される患者さんの人権と福祉を守って「くすりの候補」のもつ効果を科学的に調べられる計画になっているか、治験を行う医師は適切か、参加される患者さんに治験の内容を正しく説明するようになっているかなどを審査します。

治験審査委員会には、医療を専門としない者と病院と利害関係がない者が必ず参加します。

製薬会社から治験を依頼された病院は、この委員会の審査を受けて、その指示に従わなければなりません。

  • 同意が得られた患者さんのみを治験に参加させること

治験の目的、方法、期待される効果、予測される副作用などの不利益、治験に参加されない場合の治療法などを文書で説明し、文書による患者さんの同意を得なければなりません。

  • 重大な副作用は国に報告すること

治験中に発生したこれまでに知られていない重大な副作用は治験を依頼した製薬会社から国に報告され、参加されている患者さんの安全を確保するため必要に応じて治験計画の見なおしなどが行われます。

  • 製薬会社は、治験が適正に行われていることを確認すること

治験を依頼した製薬会社の担当者(モニター)は、治験の進行を調査して、「治験実施計画書」やGCPの規則を守って適正に行われていることを確認します。

 

  • 医師は「くすりの候補」を使えば病気に効果があると期待される患者さんに、治験への参加をお尋ねします。患者さんの自由な意思にもとづく文書での同意があってからでないと治験は始められません。

この「説明と同意」のことを「インフォームド・コンセント」といいます。

 

インフォームド・コンセントの手続き

医師から、治験の目的、方法、治験に参加しない場合の治療法、「くすりの候補」の特徴(予測される効果と副作用)などが書かれた「説明文書」を手渡され、その内容がくわしく説明されます。

患者さんは、わからないこと、確認したいことなど、納得するまでどんなことでも質問することができます。

そして、治験に参加するかしないかは、だれからも強制されることなく、自分の意思で決めてください。説明を受けたその場で決めず、説明文書を持ち帰って家族に相談してから決めることもできます。

  • 治験に参加される患者さんの安全の確保と信頼できるデータを集めるために、患者さんには治験中に守っていただかなければならないことがあります。その内容は、インフォームド・コンセントの際に手渡される説明文書の中に記載されています。

 

一般的な注意事項

  • 治験薬の服薬方法、検査など

治験薬の服薬方法、服薬期間、回数を正確に守ってください。

使わなかった治験薬は、まだ国から承認された薬ではないので、必ず返却してください。

  • 生活上の注意

治験の内容や病気の種類によっては食事や運動に関する注意や、飲酒、喫煙などの制限があります。

  • 他の病院を受診される場合、他の薬を服用する場合の注意

他の病院を受診したり、新たな薬を服用する場合には前もって治験を担当する医師に相談してください

他のくすりと治験薬を組合せて使用すると、それぞれの作用を弱めたり、または強めたりするなど予期しないことが起こることがあります。

他の病院を受診される場合は、必ず治験を担当する医師にご相談ください。そして、他の病院の医師にも、患者さんご自身が治験に参加されていることをお伝えください。

また、市販の風邪薬や漢方薬などを服用する場合も、前もって治験を担当する医師にご相談ください。

  • 体調に変化が見られた場合の注意

治験薬を使い始めて、いつもとちがう症状が見られたときは、すぐに担当医師に連絡してください。

参加することに同意いただきましたら、「同意文書」に患者さんと治験を担当する医師が自筆で署名します。

同意文書の控えと説明文書は患者さんに渡されます。

 

 

 

  • 説明文書に書かれていること

治験の目的、治験薬の使用方法、検査内容、参加する期間

期待される効果と予想される副作用

治験への参加はいつでもやめることができ、不参加の場合でも不利益は受けないこと

副作用が起きて被害を受けた場合、補償を請求できること

カルテ、検査結果などの医療記録を治験を依頼した製薬会社、厚生労働省、治験審査委員会の担当者が見ること

担当する医師の氏名、連絡先

治験に関する質問、相談のための問い合わせ先

(説明文書に記載すべき内容は、「GCP」で定められています。)   等

 

プライバシーは厳重に守られます

カルテ、検査結果には、患者さんの名前や住所、電話番号などが記載されていますが、プライバシーは厳重に保護されます。

 

〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2 電話:03-5253-1111(代表)

 

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