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予防接種ネット・de・講座40 赤ちゃんの予防接種の裏事情 その1 B型肝炎ワクチン大丈夫?

2018年6月7日、厚生労働省 第22回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会が開催されました。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000210542.html

2016年10月から乳児を対象にB型肝炎ワクチンが定期接種化されています。

この審議会では、従来のB型肝炎ワクチン(現在つかわえているもの)と比較して、リン酸塩/アルミニウムモル比の2倍のワクチンで、シリンジ製剤に剤型変更されたワクチンを定期接種に使用することについての議論でした。

当日のテーマは、MSD社のB型肝炎ワクチンであるヘプタバックスーⅡのシリンジ製剤(薬剤があらかじめ充填された注射器)とmpHBV IM(同筋肉注射用)の定期接種化をめぐる議論でしたが、事務局の非劣性(既存の者等との比較で劣っているかどうかというこで、有効性とは別)の強調にもかかわらず、結論は先延ばしとされました。

そもそもB型肝炎ワクチンは必要か

B型肝炎ワクチンについては、以前もCNJのwebで情報提供をしています。

予防接種ネット・de・講座 その27 赤ちゃんへのB型肝炎ワクチンの接種に注意!必要性も安全性も供給体制も疑問!

B型肝炎ワクチンの乳児への定期接種化そのものに疑問があることをお伝えしましたが、先般の2018年5月20日のワクチントーク全国集会で、ワクチン接種後の死亡にB型肝炎を同時接種した4例の事例が報告されています。いずれも同時接種後の死亡で因果関係は不明とされています。

予防接種後死亡報告2018.4(エクセルファイル 50KB)

B型肝炎ワクチン導入経緯

2018年6月7日の審議会では、B型肝炎ワクチンの導入についての説明がありました。ここでは、日本での必要性等が議論された際の問題については触れられず、免疫原性を2倍にしたワクチンを定期接種に使用する方法を模索する議論がすすめられました。

MSD社の製造するB型肝炎ワクチンについて(資料1)

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000200518_1.pdf

MSD社のB型肝炎ワクチンは、1986年に米国で承認後2年後には日本でも承認されました。ところが、2000年に欧州で、6種混合ワクチンHEXVAC(ジフテリア、破傷風、百日咳、B型肝炎、不活化ポリオ、Hib )が発売されましたが、2005年にこれと、肺炎球菌ワクチン(PCV)を同時接種するとB型肝炎の免疫原性の減弱がおきるとされ、米国メルク社(MSDの前身)がHEXVACの販売を一時停止しました。その後、アジュバントであるアルミニウムヒドロキシフォスフェイト硫酸塩のリン酸/アルミニウムモル比をこれまでの2倍に変更しました。

欧州では2008年に、米国では2011年に変更の製法が承認されましたが、日本では液量の違い等から製法変更の開発と並行し、プレフィルドシリン製剤の開発がされ、2017年12月にようやくシリンジ製剤の剤形変更が承認されました。

今回、定期接種採用の候補となっている、ヘプタバックスーⅡ水性懸濁注シリンジ0.25mLと0.5mLですが、PMDAから、国内とは処方が異なる海外製法であるので、品質特性面から、同等性/同質性と、免疫原性と安全性への影響評価をもとめられ、日本人若年成人を対象に国内臨床試験(062試験)が行われました。0~35歳の若年成人にmpHBV皮下接種群、ヘプタバックスーⅡ皮下接種群、mpHBV筋肉内接種群を3:3:1の割合で無作為に割り付けて行いました。

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000200518_1.pdf

スライド7~11参照。日本では筋肉注射は乳児には「禁忌」とされ、皮下注射がされてきましたが海外では筋肉注射が普通のようです。今回シリンジ製剤の皮下注射ヘプタバックスーⅡは他の2者と比較すると血清防御率(SPR)も幾何平均力価(GMT)も明らかに劣っています。しかし、事務局は抗体価は91.6%であり、「非劣性」を示すものでないし、製法変更は安全性に影響しないと説明しました。(スライド12)

委員の間では、「10才以下は皮下注射で使っていいことになっているが1才以下の100万人に打ってよいとは言えない」「乳児のデータがない中で100万ににうつのであれば、自治体にうまく説明するのに苦慮する」「承認申請で小児の審査の指摘がなかったし新データもない」「懸念事項があれば市販後安全性について納得のいく説明をして接種していくべき」などの意見がでて、事務局は「多くの不安を払しょくし、再度検討したうえで改めて相談する」ということになりました。

いくつかの問題点を指摘できますが、

①そもそもB型肝炎のユニバーサル化は日本で必要であったかの検証をすべき。

②同時接種後死亡が多く出ており、B型肝炎ワクチンでもあることから、同時接種の在り方を検討すべき。

③若年成人のデータだけで、皮下注射を変更したり(筋肉注射の導入?)、アジュバント量を2倍にしたものを安易に乳児の定期接種に使用することが許されるのか。

最近の5種混合ワクチンの臆面もない治験誘導(別稿で報告)には、B型肝炎ワクチンとPV7のみを同時接種として残し、5種混合ワクチンを導入する布石としているなかでの、議論ではないのか。

との疑問があります。

この審議会では、ワクチン・トキソイド購入価格の調査結果が報告されました。(資料4 12頁)

混合化で同時接種のようなアジュバンドの低減に資する効果はあると考えられますが、それぞれが本当に必要なワクチンなのか。単味のワクチン価格が低いのに比べて、シリンジや混合ワクチンや特に外国製の新しいワクチンの高額さにおどろかされます。

次回は5種混合ワクチンと同時接種問題について報告します。また、新しいワクチンと同時接種については厚労省に公開質問状を提出する予定です。

(古賀 真子)

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