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もっと知りたいフッ素の話 その17 新年度に向けて~知ってほしいフッ素の危険性:各地で広がるフッ化物洗口に待った!

フッ素洗口反対の動き

各地で幼児や学童に集団フッ化物洗口が広がる中、フッ素研究会を中心に2017年2月から、フッ化物洗口についての医療関係者の声明文の準備をすすめ、それをもとにブックレットの作成やちらしを広める活動を続けてきました。

  • 新刊ブックレット『フッ素洗口 する? しない?── 決める前に知っておきたい10の事実』(2017年7月6日)
    https://consumernet.jp/?p=4101
  • フッ素にNO むし歯にフッ素はニセ科学 増補改訂版を出版しました(2017年11月2日)
    https://consumernet.jp/?p=4448
  • もっと知りたいフッ素の話 その16 フッ素洗口に疑問提起~ちらし・リーフレットの紹介(2018年1月16日)
    https://consumernet.jp/?p=4678
  • 「フッ素洗口に反対する声明文」の賛同者呼びかけを行いました。(2018年1月11日)
    https://consumernet.jp/?p=4668

2018年1月31日には、厚労省担当課への申入れと、厚労記者クラブでの記者会見を行いました。(以下は、声明文の最終版と秋庭賢司さんの報告を引用いたします)


2018年1月31日

集団フッ化物洗口、塗布に反対する医師、歯科医師、研究者の声明

声明文

虫歯予防のフッ化物(以下フッ素)応用を推奨する歯科口腔保健法が2011年に成立し、2017年4月現在同様の歯科保健条例が43道府県(東京、大阪、福井、沖縄を除く)で成立しました。このような法的背景のもとで保育、幼稚園、小中学校での集団フッ素洗口は急増し、厚労省の平成28年度歯科疾患実態調査によると1)、1-14歳でフッ素洗口の経験者は13.4%、塗布は62.3%に及んでいます。

無効―29年度文科省速報値2)によると、12歳児の65.13%は虫歯がなく、一人平均虫歯本数は3.34本(平成9年)から0.82本に減少しましたが、フッ素応用と有効性との関係は証明できません。またフッ素入り歯磨き剤の有効性も証明出来ません3)。28年度に比べて0.02本の減少は、今まで毎年約0.1本であった減少傾向の下げ止まりと言えます。

ところでコクラン報告(http://www.cochranelibrary.com/4)によると虫歯予防の水道水フッ素添加も、1975年以前の文献調査(16件が対象)では無効とされています。

ほとんどの学童がフッ素入り歯磨き剤を使用している現在、同報告は「歯磨きとフッ素洗口とを併用した効果も有意差がない」としています。

効果が期待できない低感染性疾患の集団予防は時代錯誤であると考えます。

有害―フッ素は環境汚染物質であり、栄養説注1)は権威ある機関により否定されています。

WHOは6歳未満のフッ素洗口を禁忌5)としており、日本薬剤師会は40年以上使用されている試薬から薬品への転換を求めています。

また集団フッ素応用の弊害は急性中毒6)、アレルギー7)、甲状腺機能低下8)、糖尿病9)、がん10)、発育中の脳への影響1112)など全身に及び、健康な発育を阻害する危険性があります。さらに腎疾患のある児童は排泄機能が低下しフッ素が体内に蓄積しやすくなります。

倫理、人権―かつてないトップダウン攻勢で教育委員会の態度が急変し、実施率を各学校に競わせる方法は、教育現場に混乱を引き起こす事態となります。現在、集団を対象とした保健政策はフッ素応用だけです。希望しない子へのいじめ、塗布を拒否したのに間違えて実施、反対する学校歯科医(嘱託公務員)が辞退を強要されるなど多くの問題があります。

地域の健康は校医、小児科医師、公衆衛生医師の領域で、適法性や倫理は弁護士の専門です。日本弁護士連合会は既に、2011年1月に「集団フッ素洗口、塗布の中止を求める意見書」を出しており、さらに2012年6月には「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項(案)」についてのパブリックコメントに対する意見を述べています。

このような現状を改善するために、

私たちは 1.集団フッ素洗口、塗布の中止

2.2003年の厚労省ガイドラインとマニュアルの撤回を求めます。

世話人、賛同者一同

世話人:秋庭賢司(日本フッ素研究会)町田市、歯科医師

加藤純二(薬害オンブズパーソン会議・仙台支部)仙台市、内科医師

里見 宏(元国立保健医療科学院疫学部客員研究員)東京練馬区、公衆衛生学博士

成田憲一(成田歯科医院)新潟市、歯科医師

母里啓子(元国立公衆衛生院疫学部感染症室長)横浜市、医師

山田 真(八王子中央診療所理事長)西東京市、小児科医師

賛同者:青山浩一(ますみクリニック)鹿児島市、内科医師

阿部とも子(衆議院議員)藤沢市、小児科医

井村 久(松浦診療所歯科)大阪市、歯科医師

植木延江(植木歯科医院)八王子市、歯科医師

太田 暁(太田歯科クリニック)高崎市、歯科医師

大塚純一(おおつか小児科アレルギー科クリニック)古賀市、小児科医

数野太一(数野歯科医院)大分市、歯科医師

川田龍平(東京HIV訴訟原告)千代田区、参議院議員

木村素子(堀ノ内クリニック)新座市、内科医師

黒部信一(すずしろ診療所所長)練馬区、小児科医

近藤 彰(近藤歯科医院)鹿屋市、歯科医師

佐藤荘太郎(佐藤内科医院)仙台市、医師

清水央雄(和寒かたくり歯科)北海道和寒町、歯科医師

杉田育紀(杉田歯科医院)豊橋市、歯科医師

高木泰子(たから診療所)太田市、医師

武田 徹(武田歯科医院)名古屋市、歯科医師

田中慎介(京都大学国際高等教育院準教授、)京都市、発達・障害学等の研究者

中條幸一(中條幸一デンタルオフィス)仙台市、歯科医師

津曲雅美(津曲歯科医院)守山市、歯科医師

中村満雄(元製薬会社社員)霧島市、研究者

永坂佳規(永坂歯科)岡崎市、歯科医師

長野昭博(長野歯科医院)三島市、歯科医師

能勢千鶴子(母と子の健康を守る会)相模原市、医学博士

浜 六郎(医薬ビジランス研究所)大阪市、医師

林 敬次(医療問題研究会、はやし小児科)大阪市、小児科医師

藤 秀敏(ホワイト歯科クリニック)多賀城市、歯科医師

藤沢貞志(藤沢医院)富山市、内科医師

堀田宜之(桜ヶ丘病院理事長)熊本市、精神科医師

松本文六(へつぎ病院)大分市、医師

山崎行紀(山崎歯科クリニック)東京都中央区、歯科医師

山本英彦(大手前整肢学園)大阪市、医師

渡辺 新(中通総合病院小児科統括科長)秋田市、小児科医

渡辺充春(渡辺往診歯科)大阪市、歯科医師

解説と注

  1. エナメル質表面のフッ素濃度と虫歯予防効果との相関性はないことが示されており、虫歯予防のフッ素応用は歯の脱灰や歯フッ素症等の害作用を前提としています13)
  2. 根拠とされるフルオロアパタイトの生成(フッ素コーティング)は否定され14151617)、骨と違い細胞のないエナメル質の再生はなく、石灰化はもともと病変注2)です。僅かに期待される醸酸菌の糖代謝阻害によるフッ素の虫歯予防は、全身の酵素阻害に波及します18)
  3. フッ化物の代謝による骨への蓄積は平均で成人60%、飲み込み量が多い乳幼児では80%に及びます19)>。
  4. 高濃度フッ素入り歯磨き剤注3)などは、一日総フッ素摂取量を増やし、その摂取量の管理が困難な上に、飲み込みを考慮するとフッ素の局所応用とは言えません。
  5. 2017,12/22、合衆国の環境団体等が発育中の脳への影響などを指摘し、水道水フッ素化中止を求め環境保護庁を提訴、予備審査注4)を通過し裁判に進行中です。

注1栄養説

http://fluoridealert.org/studies/essential-nutrient/

1998,11/18,IOM(米国医学研究所)のKenneth Shine所長と米国栄養科学会Bruce Alberts会長がテキサス大学Burgstahler化学教授へ回答。フッ素栄養説を否定。その他CDC(2001)FDA(1990 )NRC(1993)等9機関が栄養(Nutritional Element)を否定。

注2石灰化は病変:歯石、血石(歯肉縁下歯石)、唾石、胆石、尿路結石、肺の石灰化など。

フッ化ナトリウムによる骨粗しょうの治療は反って骨を脆くし、現在は処方されていない。カルシウム代謝阻害はフッ素の毒性であり、骨では脱灰と沈着が同時進行する。

注32017年フッ素入り歯磨き剤の上限濃度が1500ppmに増加、フッ素入り含嗽液も発売。

注4 http://fluoridealert.org/content/bulletin_12-22-17/

予備審査(preliminary hearing)は、刑事訴訟における正式の裁判に先立って、当該案件を審理(起訴)するに足る証拠があるか否かを判断する手続きで、その後正式な裁判となる。提訴ではフッ素化中止を求めており、フッ素による様々な病気(関節リウマチ、糖尿病、甲状腺機能低下、発育中の脳への影響など)や米国では虫歯、歯周病と並び3大口腔疾患の1つとなった歯フッ素症が青年人口の3.6%に及ぶ中度、重度の歯フッ素症被害は補償問題へと波及する可能性がある。

文献資料

下記以外にも関連文献多数あり。

1 厚労省平成28年度歯科疾患実態調査

2 文科省平成29年度学校保健統計調査速報値

3 フッ素配合歯みがき剤:https://www.lion-dent-health.or.jp/study/statistics/dmft.htm

4 Marinho VCC et al. Cochrane Database of Systematic Reviews 2016, Issue 7.

F. Brudevold et al , Arch. Oral Biol.Vol.8,pp167-177,1963

5 WHO Techinical report series .846 .1994

6 K.Akiniwa,フッ素による急性中毒の再検討を;フッ素研究,No16.1996 p5-21.

7 Journal of dental medicine 1961.Oct.p190-198

8 Peckham S,et al. Center for Health Services Studies, University of Kent. Kent, UK

J Epidemiol Community Health 2015;0: 1-6.doi:10.1136/jech-2014-204971

9 Kyle Fluegge ,J Water Health.2016Oct;14(5):864-877

10 The informed Prescriber.2002 vol.17 No8-9 p86-93. 2004 vol.19-No8-9p82-91.

11 Ashley J Maline and Chritine Till, Environmental Health 2015 14:17
https://doi.org/10.1186/s12940-015-0003-1

12 Morteza Bashash et al.
https://ehp.niehs.nih.gov/wp-content/uploads/2017/09/EHP655.alt_.pdf

13 F. Brudevold et al , Arch. Oral Biol.Vol.8,pp167-177,1963

14 National Research council (1993), NHANES:1999-2004, Beltran ED et al. CDC (2010)

15 Fejerskov,O. Caries Res.38:182-191,2004.

16 Featherstone, JDB. (2000). Journal of the American Dental Association 131: 887-899.

17 M.Kakei et al. Journal of Hard Tissue Biology 21[3](2012)p257-266.

18 Yiamouyiannis, Fluoride the Aging Factor; Health Action Press,1986

19 Ekstrand J, Fomon SJ, Ziegler EE, et al.  1994a.  Pediatr Res 35(2):157-163(U.S.HHS,PHS,ATSDR,本文p157.2003)


2018年1月31日 集団フッ化物応用:厚労省への申し入れと記者会見の報告

参加者:加藤医師、成田歯科医師、秋庭歯科医師、古賀(コンシューマネット・ジャパン)

紹介議員は阿部とも子議員(立憲民主党)、当日の交渉経過は記録として秘書の方が録音。

声明文の世話人、賛同者は39名(医師17,歯科医師17、研究者5)でした。

厚労省交渉

厚労省交渉(1時-2時):歯科衛生課歯科専門官2名(女性)が対応しました。

厚労省への申し入れは責任回答の出来る立場にない方々だったので、上司に報告するとのことでした。私たちは、申し入れ(抗議)のつもりで臨みましたが、当局は陳情と受け取っていました。

当初は声明文に基づいて議論する予定でしたが、質問による確認へと戦術を変更しました。

質問内容

1.虫歯予防のフッ化物応用は(準)国策か? 法律、条例で推奨し、歯科口腔保健特別事業などで予算化(H30年度は1億円)、洗口ガイドラインによる各県への衆知が圧力となっている。

鹿児島県歯科医師会では会員向けに、フッ素洗口ガイドライン(平成15年)により学校歯科医は事業に協力する義務があるとの通知を出している。反対する学校歯科医への辞任要求もある。

回答:国策ともそうでないとも言っていない(4年前の厚労省交渉では国策ではない、とした)。

8020に向けての歯科口腔保健事業の1つの例として考えている(推進派は国を利用し、国は見てみないふりをしている:各県が勝手にやっていると言うことか)。国は迷惑をしているのではないか、との質問には曖昧な対応。

2.洗口ガイドライン(2003)以後に、フッ化物の効果への疑問や有害情報(特に発育中の脳への影響に関する論文など)が多数公表されている。ガイドラインは古いので撤回する必要がある。

3.米国での過剰フッ素暴露による被害、及び裁判の開始をどのように評価するか。

我々は厚労省へ情報提供し、間違った歯科保健政策をとらないよう助言をしている。

回答:2.3については上司に報告をする。

4.平成30年度の歯科口腔関連予算のうち、フッ素に関する事業の予算配分資料の請求、などであった(当日メールでこの資料への回答はあったが、フッ素応用に関する詳細情報はない)。

8020運動・口腔保健推進事業について

8020運動・口腔保健推進事業について 画像をクリックするとPDF(451KB)が開きます。

そのほか、加藤先生の用意した文書、フッ素入り歯磨き剤の高濃度化への対応、歯科口腔保健法の本文にはフッ素の文字は一言もない、等についての質問であった。

記者会見について

記者会見(2-3時):会見は7社が取材をしました。現在までに記事になったかどうかは確認出来ていません。2社から熱心な質問を受けましたが、内容が理解しにくいのかな、との印象を受けました。

今後は、賛同者を一般の方々、組織へも拡大し、次のアクションへとつなげて行く予定です。

ご賛同ありがとうございました。

(2018年2月2日 文責 秋庭賢司)

 

その後の情報提供活動~ちらし作戦

現在、東京都、大阪市などではフッ素洗口がされていないため、首都圏(厚労省記者クラブ)での関心はいまひとつです。フッ素研究会では、西日本新聞社(福岡)、佐賀新聞、新日本海新聞、島根日日新聞、山陰中央新報社、奄美新聞、高知新聞、秋田魁新報などに情報提供として声明文を送りました。

フッ素洗口の科学的真実、Q&A

フッ素洗口の科学的真実、Q&A 画像をクリックするとPDF(246KB)が開きます。

また、仙台薬害オンブズパーソン会議(加藤医師)は、全国で、フッ化物洗口をすすめている地域の保育所や教育委員会、小児科医などへのチラシの送付活動をされています。

私立保育園の全国の連合会、洗口がすすめられている、秋田県の私立保育所154か所など、秋田を中心にできるだけ保護者に近い、保育士や養護の先生、子育ての団体へ送られました。佐賀県の私立の保育園、幼稚園の104か所にも送られました。

フッ素洗口が広まっている島根県の私立の保育園、幼稚園の約40か所にも郵送。フッ素洗口の拡大した県3県のうちの1つの福岡県では、秋庭さんが先日、講演されました。

仙台市では「石けんをひろめる会」のメンバーの方が「石けんニュース」と同送してくれました。また、養護教諭の方あてにも400枚を送付されました。

日本小児科医会のメンバーのうち、佐賀県、新潟県、島根県、福岡県、秋田県、高知県、沖縄県、鹿児島県の医師達にもちらしを郵送しました。阻止ができなくても反対の意思をもってくれる医師が増えています。

引き続き、県、市、村の野党議員や学校長にも送付していく予定だということです。

新学期を前にして、多くの保護者の方が、フッ素洗口についての情報を共有し、子どもたちの健康を守る取り組みをすすめていただくことを切に願っています。

(古賀 真子)


(参考)

2018年のフッ素研究会集会開催がきまりました。

2018年11月4日(日)

午後1時~4時

場所 日本教育会館

詳細は後日


2018年1月31日会見参考資料

平成二十三年法律第九十五号

歯科口腔保健の推進に関する法律

(目的)

第一条 この法律は、口腔の健康が国民が健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしているとともに、国民の日常生活における歯科疾患の予防に向けた取組が口腔の健康の保持に極めて有効であることに鑑み、歯科疾患の予防等による口腔の健康の保持(以下「歯科口腔保健」という。)の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、歯科口腔保健の推進に関する施策の基本となる事項を定めること等により、歯科口腔保健の推進に関する施策を総合的に推進し、もって国民保健の向上に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第二条 歯科口腔保健の推進に関する施策は、次に掲げる事項を基本として行われなければならない。

一 国民が、生涯にわたって日常生活において歯科疾患の予防に向けた取組を行うとともに、歯科疾患を早期に発見し、早期に治療を受けることを促進すること。

二 乳幼児期から高齢期までのそれぞれの時期における口腔とその機能の状態及び歯科疾患の特性に応じて、適切かつ効果的に歯科口腔保健を推進すること。

三 保健、医療、社会福祉、労働衛生、教育その他の関連施策の有機的な連携を図りつつ、その関係者の協力を得て、総合的に歯科口腔保健を推進すること。

(国及び地方公共団体の責務)

第三条 国は、前条の基本理念(次項において「基本理念」という。)にのっとり、歯科口腔保健の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。

2 地方公共団体は、基本理念にのっとり、歯科口腔保健の推進に関する施策に関し、国との連携を図りつつ、その地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(歯科医師等の責務)

第四条 歯科医師、歯科衛生

歯科医師等の責務)

第四条 歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士その他の歯科医療又は保健指導に係る業務(以下この条及び第十五条第二項において「歯科医療等業務」という。)に従事する者は、歯科口腔保健(歯の機能の回復によるものを含む。)に資するよう、医師その他歯科医療等業務に関連する業務に従事する者との緊密な連携を図りつつ、適切にその業務を行うとともに、国及び地方公共団体が歯科口腔保健の推進に関して講ずる施策に協力するよう努めるものとする。

(国民の健康の保持増進のために必要な事業を行う者の責務)

第五条 法令に基づき国民の健康の保持増進のために必要な事業を行う者は、国及び地方公共団体が歯科口腔保健の推進に関して講ずる施策に協力するよう努めるものとする。

(国民の責務)

第六条 国民は、歯科口腔保健に関する正しい知識を持ち、生涯にわたって日常生活において自ら歯科疾患の予防に向けた取組を行うとともに、定期的に歯科に係る検診(健康診査及び健康診断を含む。第八条において同じ。)を受け、及び必要に応じて歯科保健指導を受けることにより歯科口腔保健に努めるものとする。

(歯科口腔保健に関する知識等の普及啓発等)

第七条 国及び地方公共団体は、国民が、歯科口腔保健に関する正しい知識を持つとともに、生涯にわたって日常生活において歯科疾患の予防に向けた取組を行うことを促進するため、歯科口腔保健に関する知識及び歯科疾患の予防に向けた取組に関する普及啓発、歯科口腔保健に関する国民の意欲を高めるための運動の促進その他の必要な施策を講ずるものとする。

(定期的に歯科検診を受けること等の勧奨等)

第八条 国及び地方公共団体は、国民が定期的に歯科に係る検診を受けること及び必要に応じて歯科保健指導を受けること(以下この条及び次条において「定期的に歯科検診を受けること等」という。)を促進するため、定期的に歯科検診を受けること等の勧奨その他の必要な施策を講ずるものとする。

(障害者等が定期的に歯科検診を受けること等のための施策等)

第九条 国及び地方公共団体は、障害者、介護を必要とする高齢者その他の者であって定期的に歯科検診を受けること等又は歯科医療を受けることが困難なものが、定期的に歯科検診を受けること等又は歯科医療を受けることができるようにするため、必要な施策を講ずるものとする。

(歯科疾患の予防のための措置等)

第十条 前三条に規定するもののほか、国及び地方公共団体は、個別的に又は公衆衛生の見地から行う歯科疾患の効果的な予防のための措置その他の歯科口腔保健のための措置に関する施策を講ずるものとする。

(口腔の健康に関する調査及び研究の推進等)

第十一条 国及び地方公共団体は、口腔の健康に関する実態の定期的な調査、口腔の状態が全身の健康に及ぼす影響に関する研究、歯科疾

第十一条 国及び地方公共団体は、口腔の健康に関する実態の定期的な調査、口腔の状態が全身の健康に及ぼす影響に関する研究、歯科疾患に係るより効果的な予防及び医療に関する研究その他の口腔の健康に関する調査及び研究の推進並びにその成果の活用の促進のために必要な施策を講ずるものとする。

(歯科口腔保健の推進に関する基本的事項の策定等)

第十二条 厚生労働大臣は、第七条から前条までの規定により講ぜられる施策につき、それらの総合的な実施のための方針、目標、計画その他の基本的事項を定めるものとする。

2 前項の基本的事項は、健康増進法(平成十四年法律第百三号)第七条第一項に規定する基本方針、地域保健法(昭和二十二年法律第百一号)第四条第一項に規定する基本指針その他の法律の規定による方針又は指針であって保健、医療又は福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。

3 厚生労働大臣は、第一項の基本的事項を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するものとする。

第十三条 都道府県は、前条第一項の基本的事項を勘案して、かつ、地域の状況に応じて、当該都道府県において第七条から第十一条までの規定により講ぜられる施策につき、それらの総合的な実施のための方針、目標、計画その他の基本的事項を定めるよう努めなければならない。

2 前項の基本的事項は、健康増進法第八条第一項に規定する都道府県健康増進計画その他の法律の規定による計画であって保健、医療又は福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。

(財政上の措置等)

第十四条 国及び地方公共団体は、歯科口腔保健の推進に関する施策を実施するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

2 前項の基本的事項は、健康増進法第八条第一項に規定する都道府県健康増進計画その他の法律の規定による計画であって保健、医療又は福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならない。

(口腔保健支援センター)

第十五条 都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、口腔保健支援センターを設けることができる。

2 口腔保健支援センターは、第七条から第十一条までに規定する施策の実施のため、歯科医療等業務に従事する者等に対する情報の提供、研修の実施その他の支援を行う機関とする。

附 則

この法律は、公布の日から施行する。

「歯科口腔保健の推進に関する基本的事項」に関する目標等について
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/shikakoukuuhoken/dl/07.pdf

「歯科口腔保健の推進に関する法律」(平成23年法律第95号)第12条第1項の規定に基づき定められる「基本的事項」の目標

1 口腔の健康の保持・増進、歯科口腔保健に関する健康格差の縮小に関する目標

次の2から5に掲げる目標等を達成すること等により実現を目指すこととする。

2 歯科疾患の予防における目標

(1)乳幼児期

【目標】健全な歯・口腔の育成

具体的指標:3歳児でのう蝕のない者の増加

現状値 77.1%(平成21年)
目標値 90%(平成34年度)
データソース 厚生労働省 実施状況調べ
(3歳児歯科健康診査、平成17~21年)
目標の必要性 3歳児は乳歯咬合の完成期であり、乳歯う蝕状況を評価する上で最もよく用いられる年代である。
健康日本21の最終評価において、3歳児のう蝕有病者率は低減したが、「う蝕のない3歳児の割合を80%以上にする」目標は達成されておらず、さらなる改善が必要である。
目標値の考え方 3歳児のう蝕有病者率の過去の5年間データ(3歳児歯科健康診査結果、平成17~21年)から、う蝕のない者の割合を求め、その値をもとに回帰分析による推計を行った。その結果、平成34年度において、3歳児でのう蝕のない者の割合は94%と推計されたが、既に、う蝕のない者の割合が高率に達していることから、今後、天井効果により上昇傾向に抑制がかかることが予想される。これらのことを踏まえ、実現可能性等を考慮して、目標値を90%と設定する。

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