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だれもがどこかで直面?悪質商法の被害者になるのを予防・解決する助っ人!改正消費者契約法が施行されました

待たれた改正消費者契約法の施行

消費者契約法の一部を改正する法律(平成28年法律第61 号)が、2017年6月3日に施行されました。

消費者契約法の一部を改正する法律案
http://www.caa.go.jp/soshiki/houan/pdf/160304_2-0.pdf

消費者契約法の一部を改正する法律案 新旧対照条文
http://www.caa.go.jp/soshiki/houan/pdf/160304_2-3.pdf

 今回の改正により、高齢化の進展を始めとした社会経済情勢の変化等に対応して、消費者の利益の擁護を図るため、取消しの対象を拡大するとともに、無効とする消費者契約の条項の類型が追加されました(改正の趣旨)。具体的には、過量契約の取消権(改正後消費者契約法第4条第4項)、不実告知の対象となる重要事項の概念の拡大(同条第5項第3号)、消費者の解除権を放棄させる条項の無効(同法第8条の2)、消費者の利益を一方的に害する条項の無効に該当しうる条項の例示(同法第10 条)等が改正されました。

どんな人も油断は禁物~だれもオレオレ詐欺を笑えない

消費者被害といっても幅広く、悪質業者は手口、対象を替え、つねに私たちを狙っていると言っても過言ではありません。身近なところで、いとも簡単にオレオレ詐欺の被害をうけた方の話を聞くことがありますが、本人が気づかないまま高額な商品やサービスを大量に売りつけられたり、実体のない投資まがい商品を購入させられたりする被害は後を絶ちません。特に年金暮らしで日中一人で家にいる高齢者がターゲットとされているケースが多くあります。

高齢者だけでなく、ゼロ金利の中で言葉巧みに投資まがい商品やサービスを持ちかけられたりする事例も多く、悪質業者は法の抜け道を巧みに利用してきます。判断力の衰えだけでなく、ちょっとした欲や精神的に不安定な時に巧みに付け込まれる被害もあります。ネット詐欺やフィッシング詐欺も巧妙化しており、なにをどう気を付ければよいのか、個人の注意と正確な情報収集は必要ですが、社会環境の変化に合わせて、健全な消費生活を営むためにどうすればよいかを真剣に取り組まなければならない事態となっています。

民法改正でも消費者保護に配慮した改正がされていますが、消費者契約法や特定商取引法はより直截に私たちのこうした日常の消費生活のなかで私たちを守るための重要な法律です。

「知っていますか?消費者契約法」画像をクリックするとPDF(1.17MB)が開きます。

法律そのものの改正内容を正確に理解することは個々の消費者にはむずかしいかもしれませんが、消費者契約法等の改正議論では、事業者からの抵抗にめげず、身近な消費者被害者に親身に立ち会う消費者センターや相談員、弁護士会、消費者団体等の意見もほぼ入れられ、今後の被害救済の協力な武器になるという意味で、今回の施行は待ち望まれたものです。

消費者庁のリーフレットはとてもわかりやすく作成されています。改正のポイントも含め、消費者契約法の概要がわかりやすく紹介されていますのでぜひ参考にしましょう。

知っていますか?消費者契約法
http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/consumer_contract_act/pdf/public_relations_170329_0001.pdf


(参考)

  消費者契約法は、民法の特別法で、消費者と事業者の情報力・交渉力の格差を前提とし、消費者の利益擁護を図ることを目的として、2000(平成12年)4月に制定され、平成13年4月から施行されました。2006(平成18)年の法改正により消費者団体訴訟制度が導入され、2007(平成19)年6月より運用されており、2008(平成20)年の法改正では、消費者団体訴訟制度の対象が景品表示法と特定商取引法に拡大されました。民事法制の改正を一体化し整合的にすすめるべく、民法、消費者保護法、特定商取引法と改正がすすめられてきました。

消費者庁が管轄庁ですが、消費者委員会でも検討がされ、消費者団体や日弁連も改正問題に取り組んできました。

生協が消費者契約法に関するアンケート実施~消費者契約法改正で消費者の権利保護はどうなる?

CNJでも、中間とりまとめなどに意見を出してきました。

消費者契約法中間とりまとめへの意見を出しましょう

2016年5月24日、特定商取引法と消費者契約法の改正法が可決成立しました。

特定商取引法と消費者契約法の改正法案が可決成立

 

消費者保護関連法改正作業が精力的にすすめられ、今国会成立の国民生活センター法の改正も含め(別稿)、法の周知とともに、一層の消費者の主体的な正確な情報収集の姿勢が求められます。

地方では、被害にあっても消費者センターの存在すら知らない方が多くいます。泣き寝入りはしないさせないことが、健全な消費生活を営むための基本です。まずは消費者センターの存在と相談体制の一層の整備を求めていきましょう。

実際に被害にあったら、

消費者庁のHP

消費者ホットライン 188 へ

http://www.caa.go.jp/region/shohisha_hotline.html

 

(古賀 真子)

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