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「再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会報告書」(案)へのパブコメを提出しました

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「再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会報告書」(案) (画像をクリックするとpdfがダウンロードされます)

「再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会報告書」(案)にCNJとしてのパブリック・コメントを提出しました。

この報告書案には、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)による設備認定の「空押さえ」(制度発足当初の高い買取価格で大量の設備認定を取得し、他方で実際の設置を遅らせて設備価格が安くなるのを待ったり、その権利を転売して利益を得る行為)に対する規制や、競争強化による設備費低減、設備の安全性・発電能力の確保、廃棄・リサイクル対策など、必要な、または致し方ない措置が多く盛り込まれています。

その一方で、再エネのコスト低減や効率化を急ぐあまり、再エネ導入を抑制しかねない措置も含まれています。また「消費者が電気を選べる」という点で、現状ではFIT発電業者と小売業者間の直接取引ができるため、消費者はそうした小売業者から電気を買うことで素性のはっきりした電気を直接選ぶことができますが、報告書案に示されているようにFIT電気の買取義務者が送配電事業者に変更されると、FIT電気が火力や原発の電気と混ざってしまい、消費者がその素性を確認しにくくなる可能性があります。

こうした問題意識から、重要な点に絞って下記のようなコメントを提出しました。


該当箇所:p. 5「事業用太陽光発電について」

  • 意見内容トップランナー方式による買取価格は、事業用全体で一律とせず、コスト構造に応じた区分ごとに設定すべきである。
  • 理由コスト構造は事業規模によって異なるため、トップランナー方式を一律に適用すると買取価格が大規模事業の採算性に基づいて決定されることになり、小中規模の事業の採算性が圧迫され、その多くが実施不可能になる可能性が大きい。その場合、トップランナー方式導入により、我が国全体の太陽光の有効利用が阻害されることになる。

該当箇所:p. 5「賦課金の減免制度について」

  • 意見内容賦課金減免の原資としては、現行どおり経産省予算・エネルギー特別会計から確保すべきであり、賦課金を充てるべきではない。
  • 理由賦課金を原資に充てれば、減免された分を減免対象外の消費者が負担することになり、「FIT制度の国民負担抑制」の目的に逆行する。
    また、この項目が本小委員会で議論されたことは一度もなく、負担が増える一般ユーザーに対する説明がないまま本報告書案に記載されていること、さらにこれ前提とした経産省予算案がすでに閣議決定されていることは極めて大きな問題である。

該当箇所:p. 8「③ 送配電事業者による買取義務等を通した広域融通等」

  • 意見内容従来どおりFIT発電所と小売事業者が直接にFIT特定契約を締結することを今後のすべての新規FIT発電所においても認めるべきである。
  • 理由現行の小売事業者買取方式の場合、以下の大きなメリットがある。
    • 消費者がFIT電力の由来(発電種類・場所・発電事業者名等)を知ったうえで、選んで電力を購入できる。
    • 中長期的に、再エネの導入量を低コストで拡大できる。
      報告書案では「② 発電事業者と小売事業者との間で合意が成立している場合には当該小売事業者に引渡す」ことも認めるべきとしているが、これを実現するためには、現行の小売事業者買取方式を残すことが容易である。ゆえに従来どおり、FIT発電事業者と小売事業者間の直接取引を認めるべきである。
      本報告書案では、FIT電気の買取義務者を送配電事業者に変更するとした上で、②の方式では何らかの方法により発電事業者と小売事業者を紐付けすることが示唆されているが、現時点その詳細は一切不明である。また、②の方式では、小売事業者が調達するFIT電気の実質的な費用がどうなるか一切不明である。仮に、方法1や方法3と比較して実質的に高単価となる場合、現実的には方法②は全く採用されないおそれがある。現行制度のシンプルな直接取引を残すことで、いたずらに制度を複雑化させることなく、かつ低コストでこの目的を実現すべきである。

なお、FIT電気の買取義務者変更に関しては、NPO法人コンシューマネット・ジャパンによる以下の考察を参照されたい:

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