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暮らしの中の化学物質~合成洗剤などの過剰なCMへの警告書の紹介と新しい洗濯絵表示についてのパブリックコメント提出

私たちの身の回りには、台所、お風呂場、洗面所、トイレと、目的別に多くの洗浄剤があり、食器洗いや洗顔やシャンプー、洗濯用と目的別に多種のものを使わなければいけないように思わされていますが、これらのほとんどが合成洗剤です。実はこれらの合成洗剤をやめて石けんに変えることで、環境にも人体にも安全で安心、経済的にもとてもお得な生活ができることが知られていません。

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1974年、朝日新聞に複合汚染(有吉佐和子著)のドキュメンタリー小説が掲載され、農薬や食品添加物とともに合成洗剤による水質汚染問題が取り上げられ大きな社会問題になりました。41年たった今、化学物質への依存はますますすすみ、香料が過剰な合成洗剤や柔軟剤、「洗える」と強調したスプレータイプの消臭剤、空間除菌などのCMがテレビで流されドラッグストアやネットでも合成洗剤であふれかえっています。

なんでも洗える?過剰な清潔志向は体や環境に悪影響はないのか???・・・洗剤・環境科学研究会の長谷川治さんが、そんな疑問に商品名入りでズバリ答えてくれる本を上梓されたのでご紹介します。「石けんと合成洗剤50のQ&A~あなたはなにを使って洗っていますか?」(合同出版)です。話題の洗剤問題や石けんの基礎知識、問題のある化粧品や石けんと上手につきあう方法などを化学物質や合成問題に取り組んできた市民の方たちの協力も得てわかりやすく解説された必読書です。


 

行政の合成洗剤や表示についての意識は? 中性洗剤表記の問題点は?

消費者庁が、2015年1月19日から2月18日まで、「家庭用品品質表示法の繊維製品品質表示規程の一部を改正する消費者庁告示案に対する意見」募集を行っていました。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=235070022&Mode=1

国際基準に合わせての経済産業省からの要請に基づく改正ですが、私たちは今一度、PRTR制度に指定された化学物質である合成洗剤問題について、考えてみる必要があると思います。皆さまのご意見もぜひお寄せください。

上記告示案についてのコンシューマネットとしての提出意見

 1消費者のニーズが反映されていない不十分な改正であり、洗濯絵表示の前提として合成界面活性剤の種類表示を徹底させることが必要

(意見の理由) 今回の改正は、家庭用品の生産又は流通の改善を目的として、市場のグローバル化や、新JIS法での表示記号変更に対応させ、繊維製品の取扱いに関するきめ細かな情報提供、取扱い表示記号の国内外統一により消費者にとっては繊維製品を購入する際の利便性向上が改正の趣旨であるとされています。しかしながら、改正にあたっては、洗剤業界、洗濯機業界、文科省などで広範な会議が行われたきたとされるものの、消費者の意見は十分聴取されてはいないと考えられます。

消費者は、利便性も重視していますが、人の健康や生態系に有害な恐れのある化学物質を使用している商品を避けたいと考えて商品選びをすることを望んでおり、その際の選択の基準は正確な品質表示です。

現在、世界規模で化学物質の総量削減の取り組みがなされています。わが国でもPRTR制度などで化学物質の把握・管理を促進し、総量削減を目指しています。そのために物質名を明示し、排出データも公表しています。合成洗剤には合成界面活性剤が使用されていいますが、これらPRTR制度に指定された化学物質を避けたいと思っても、系別のみの表示では避けることができません。まず、界面活性剤の種類表示をおこなうべきです。

2 パブコメ対象の告示案の「洗濯絵表示対比表」の中に「付記」についても対象とすべきです。

(意見の理由)

家庭用品品質表示法では、「記号及び付記用語は、繊維製品に直接記載するか、又は繊維製品に容易に取れない方法で取り付けたラベルに、織り出し、印刷、その他の方法によって記載しなければならない。また、記号及び付記用語は、製品の使用可能な期間、取扱方法の情報が容易に判読できなければならない。・・・」とされており、付記事項は選択権を確保するために重要な表示対象です。

2015年1月20日に開催された消費者団体主催の「新しい洗濯絵表示」普及啓発についての意見交換会では、「新しい衣類の洗濯絵表示」という啓発用パンフの「付記される用語の例と意味」の項に「中性洗剤使用」という指定がされていました。その後1月28日に開催された勉強会で(案)として出されたパンフにも「中性洗剤」を奨めるような写真と文言がありました。

これまで、「中性」とのみ表示されていたのに、「中性洗剤使用」と表記されることにより、本来「中性」は液性のことであるのに「中性洗剤」と書くと「合成洗剤」のことを指すと思い、「石けん」は使えない、と誤解する消費者が出てくることが危惧されます。環境や人体への影響を考えて「石けん」を使用している人が、この表記により、洗剤を選ぶ際に混乱します。

それだけでなく、この度の改正は国際規格であるISO3758に合わせることを目的としていますが、「中性洗剤」という付記に対応する英語はISO3758にはありません。日本だけ勝手な付記用語を作ることは問題です。

また、JISL1930繊維製品の家庭洗濯方法に使用した標準洗剤は「合成洗剤」を使用しており、「石けん」を使用した試験を行っていませんが、このこ点も大きな問題です。

3 パブコメ対象となっていない。付記(案)で表記されている「中性洗剤」という用語は削除すべきです。

(意見の理由)家庭用品品質表示法・雑貨工業品規定では、洗濯用は「洗濯用石けん」「洗濯用合成洗剤」の規定のみで「中性洗剤」という規定はありません。

現在、国の化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)の第一種指定化学物質に、合成洗剤の成分の9種が指定されていますが、石けんは指定されていません。直近のデータでも「家庭からの排出量」の上位5物質の中の4つが合成洗剤の成分です。

国を挙げて化学物質の削減を目指していく中で、合成洗剤を想起させる「中性洗剤使用」なる付記(案)は合成洗剤疑問をもち石けんを上手に使用している消費者に混乱を与えるものであり表記しないことを求めます。

 

以上

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