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第32回食品表示部会が開催されました~個別ルールについてのコンセンサスはなされるのか?

2014103日、32回食品表示部会が開催されました。食品表示部会の審議は、内閣総理大臣からの食品表示基準の制定に係る審議について(消食表第229号諮問書)によるものです。

現行制度からの主な変更点は(項目のみ)
①加工食品と生鮮食品の区分の統一
② 製造所固有記号の使用に係るルールの改善
③ アレルギー表示に係るルールの改善
④ 栄養成分表示の義務化
⑤ 栄養強調表示に係るルールの改善
⑥ 原材料名表示等に係るルールの変更
⑦ 販売の用に供する添加物の表示に係るルールの改善
⑧ 通知等に記載されている表示ルールの一部を基準に規定
⑨ 表示レイアウトの改善

これら点について、パブリックコメントを踏まえた修正案とその理由が示されました。

また、食品表示基準(案)が示され、

【資料2】食品表示基準(案)

【資料2_part1】食品表示基準(案)~P60(PDF形式:580KB)

【資料2_part2】食品表示基準(案)P61~108(PDF形式:438KB)

【資料2_part3】食品表示基準(案)P109~175(PDF形式:890KB)

対照表や委員からの意見書、

パブリックコメント後の食品表示基準(案)(資料1、資料2)の変更点

栄養表示の対象成分について(義務表示、任意表示、推奨表示に関する項目)
栄養表示に関する調査会において、栄養表示の対象成分は義務表示と任意表示に分けられ、任意表示に推奨表示が含まれると取りまとめられ、食品表示基準(案)では義務表示、任意表示、推奨表示がそれぞれ個別の条文で規定されたが、消費者庁より、基準上は義務表示でないものは全て任意表示と位置づけられる旨、説明があった。委員からは任意表示と推奨表示を区別することで事業者や消費者から推奨が義務であるかのような誤解が生じる可能性があるとの意見が出された。最後に部会長より各委員の意見確認が行われ、意見留保とする委員はなく、賛成できないとする委員が1名となった。
栄養表示の対象成分について(ナトリウムの表示に関する項目)
栄養表示に関する調査会において、ナトリウムを表示する際は「食塩相当量」もしくは「食塩相当量(ナトリウム)」で表示する旨が取りまとめられ、消費者庁より、パブコメの意見を踏まえ、「食塩相当量」もしくは「ナトリウム(食塩相当量)」で表示する方法が提示された。
委員から、食塩相当量を義務表示とするのだから、「食塩相当量(ナトリウム)」の表示を原則とし「ナトリウム(食塩相当量)」という表示は食塩を含まない商品に限って認めるなどの制限があるべきでないかとの意見が出され、消費者庁からは、「ナトリウム(食塩相当量)」の表示と「食塩相当量(ナトリウム)」の表示は混在させず、食塩を添加していないものにのみ今回の規定を設けるものではないとの説明がなされた。また、任意でナトリウムを表示したい場合はナトリウムと食塩相当量をセットで記述するのが原則との消費者庁の説明に対し、委員から、現行の包材を有効活用できることが今回の変更理由である
ことに触れて、食塩相当量が欄外の一番下に書かれているものも多く(セット表示になっていない)、ナトリウムを表示するなら枠内で食塩相当量と必ずセットになっている必要があり、運用でも(運用は今回の議論の対象外だが)その点は担保されるべきとの意見が出された。消費者庁からは、基準案の別記様式3にあるとおり、ナトリウムと食塩相当量の記載は近接させるものであり、枠を表示する場合にはどちらも枠内で記載することが原則である旨が説明された。今回の部会では、運用に関する消費者庁の説明は今後検討とされた。
最後に部会長より各委員の意見確認が行われ、留保とする委員は4名、賛成できないとする委員が7名となった。
栄養表示の対象食品及び対象事業者について
(省略可能対象となる事業者の規定に関する項目)
栄養表示に関する調査会において、栄養表示免除対象事業者は消費税法により規定される小規模事業者とすると取りまとめられたが、消費者庁より、パブリックコメントを踏まえ、出荷額換算で市場に流通する9割の加工食品が表示対象となる等の理由から、当分の間、消費税法に規定される小規模事業者に加え中小企業基本法で規定する小規模企業者も栄養成分表示を省略可能とするという基準案の説明があった。

委員からは消費者庁案の根拠となるデータの提示や「当分の間」がどれくらいの期間なのか示して欲しい旨、意見が出され、消費者庁からは、「当分の間」は、5年後に仮に表示ができない事業者が直ちに表示違反になってしまうことを懸念し、政策的判断をした旨、また、一定期間経過後のフォローアップなどで表示の実施状況などを確認しながら見直しを進める等の回答があった。
最後に部会長より各委員の意見確認が行われ、留保とする委員は6名、賛成できないとする委員はなかった。
栄養強調表示等について
(低減された旨の表示に関する項目)
栄養表示に関する調査会において、低減された旨の表示において現行の特例は廃止し、コーデックスガイドラインに準じると取りまとめられたが、消費者庁より、パブリックコメントを踏まえ、当該食品の保存性及び品質を保つことが著しく困難な食品に対して特例を認める旨、説明があった。委員からは、特例があると優良誤認につながらないか、特例を認める客観的な判断基準が必要ではないか、等の意見が出された。消費者庁からは、パブコメ意見を踏まえ、技術的に対応できない食品があるのであれば、例外規定の設定が必要である旨説明があった。最後に部会長より各委員の意見確認が行われ、留保とする委員はなく、賛成できないとする委員は6名となった。
〇「生鮮食品」と「加工食品」の整理について(製造、加工、調整、選別の定義について)
生鮮食品・業務用食品の表示に関する調査会において、具体的にどのような行為が「製造」、「加工」、「調整」、「選別」のいずれに該当するかをQ&A 等で示す必要がある旨、取りまとめられ、第31 回食品表示部会においても再確認されたところ、消費者庁よりQ&A 等の準備作業が進められている旨、説明があった。最後に部会長より各委員の意見確認が行われ、留保とする委員は1名、賛成できないとする委員はなかった。
「生鮮食品」と「加工食品」の整理について(異種混合の食品に関する項目)
生鮮食品・業務用食品の表示に関する調査会において、異種混合の食品について生鮮食品とするか、加工食品とするか摂取の際の安全性や商品実態、消費者が選択する際の意識などを調査した上で再検討が必要であると取りまとめられ、消費者庁より、それを受けて食品表示基準案では現行通りとしている旨、今後の調査が必要であると考えている旨、説明があった。最後に部会長より各委員の意見確認が行われ、留保とする委員はなく、賛成できないとする委員もなかった。

今回(第31 回)の部会では栄養表示に関する調査会および生鮮食品・業務用食品の表示に関する調査会で取りまとめられた事項について議論され、加工食品の表示に関する調査会で取りまとめられた事項については第32 回食品表示部会(10/3)で引き続き審議されることとなった。
以 上

●会議資料掲載ページ

http://www.cao.go.jp/consumer/kabusoshiki/syokuhinhyouji/bukai/032/shiryou/index.html

*表示は消費者の権利を守るための重要な制度。今後とも、注目していきましょう。


(関連情報)

2014年9月には、ノンアルコール飲料の特保表示に関して、消費者委員会の答申に対して、消費者庁が消費者重視の政策に反しする答申を出しました。コンシューマネットでは、以下のような意見を表明します。


 ノンアルコール飲料の特保表示許可に関する意見

  未成年者の飲酒を誘引する恐れがあるとして消費者委員会が特定保健用食品(トクホ)の表示を不適切と答申したノンアルコール飲料2製品について、消費者庁は答申を覆し、表示を許可する方針を固めたと9月8日にマスコミ各紙が報道しています。

報道によれば、健康増進法に基づき、健康維持などへの有効性と安全性がトクホの要件で、いずれも確認できれば表示が許可されることとなっており、二製品ともに有効性と安全性が認められるから消費者庁としては不許可とするのは困難と判断したとされております。これが事実であるとすれば、法律の字面をなぞっただけの解釈であり、消費者の権利・利益を第一に考える消費者庁の判断とは到底考えられません。

消費者委員会は、本年7月25日に開催した第19回新開発食品調査部会の議決もとづき、8月5日付で内閣総理大臣からの諮問に対して答申を行ました。そこでは、申請品目がノンアルコール飲料という商品形態を前提としていたことから、ノンアルコール飲料が特定保健用食品にふさわしいかという点で議論がされ、保健用食品として認めることは適当でないとの方針が示されました。

また、消費者委員会は、消費者庁を通じて申請者に対し、ノンアルコール飲料を飲用する未成年者が増加した場合、未成年者の飲酒の可能性をさらに上げるのではないかという懸念があることについての見解などの確認を行いましたが、認可が適当でないという方針を覆すだけの根拠提示はなかったとしています。

この方針を覆すことなど到底考えられません。消費者行政の指令塔である消費庁が報道にあるような誤った判断をしないことを強く求めます。

                      (古賀 真子)

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