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予防接種ネット・de・講座 37回 ついに事態収集への危うい舵とり? ~子宮頸がんワクチンからHPVワクチン表記変更はなんのため?

2017年12月22日、第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成29年度第10回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同開催(以下、副反応検討部会とする)が開催されました。接種被害をうけた車いすの女性や保護者が真剣に見守る中、事務局の説明と2,3の意見が出たのみで、会議は予定の半分の時間で終了しました。

マスコミは何をしているのか

当日の副反応検討部会では、重要な資料が提出されましたが、当日の議論は当たり障りのないものでした。そのため、報道はほとんどされないか、されたものも的外れ。せっかく行われた被害弁護団の会見もほとんど報道されませんでした。

以前から注意深くこの問題を取り上げている上毛新聞は、「「子宮頸がんワクチンの情報公開へ 厚労省、勧奨再開の是非判断」とのタイトルで、厚生労働省の専門部会が、子宮頸がんワクチン接種の安全性や有効性について、高いがん予防効果が期待できるが、副作用を訴える人も一定数出ているとの内容の最新の情報を年明けからウェブサイトで提供することを決めた。同省は国民に現状の理解を促した上で、勧奨再開の是非を判断したい考え。これに対し、副作用被害を訴えている原告団は厚労省で会見し「副作用の多様な症状のうち記憶障害や学習障害などの説明が抜け落ちており、極めて不当だ」とした。」と報道しました。

毎日新聞は、「厚労省が一般向けのリーフレットで「子宮頸がん予防ワクチン」と表記していたのを「HPVワクチン」に改めることを決めた。近く自治体に通知する。理由について同省は、ワクチンにがんそのものを予防する効果は証明されておらず、接種を考えている人に効果とリスクを正確に伝えるためとしている。リーフレットには最新の知見も盛り込む。米国などではワクチン導入でがんになる一歩手前の状態(前がん病変)が減少。国内ではワクチン接種した場合、10万人当たり209~144人の死亡回避が期待できる一方、重篤な副反応疑い例は10万人当たり52・5人起きていることを記す。」とし、この接種効果についての過大な評価については弁護団が異議を表明しています。

また、医療系のネットニュースは、合同開催について、「子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)に関する国民向けの情報提供パンフレットの改定素案(3種)について、出席委員の意見を踏まえて新たな素案を作成する方針となった。また、新たなパンフレットの広報については、既存の厚労省HPや地方自治体、接種を行う医師を通じたチャネル以外にも、多方面からの情報提供を検討することになった。

事務局は被接種者・保護者向けの一般的な情報提供と接種直前の情報提供、医療接種後に報告されている“多様な症状”との因果関係には否定的な表現素案には、接種勧奨中止の原因となった接種後の疼痛、しびれなどの慢性的な症状について、「機能性身体症状であると考えられています」と記述。因果関係についても「『接種後1か月以上経過してから発症している人は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しい』と専門家によって評価されています」とし、「HPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の『多様な症状』を有する方が一定数存在したことが明らかとなっています」と否定的な表現を新たに盛り込んだ。

委員からは素案を肯定的に評価し、「保護者と中学生である被接種者むけに、両者を分けたパンフレット作成が必要ではないか」などの意見もあった。また、関連学会や各地医師会会員、養護教諭などに対して幅広く情報提供を進めるべきとの意見が相次いだ。さらに今回の素案に基づく情報提供の成果を効果測定すべきとの意見もあり、今後これらについても検討する見通しとなった。」と流しました。

今回の副反応検討部会は、厚労省に都合のよい情報のみをマッチポンプのように出しそれを養護教員まで含めて情報提供し(させ)、その「情報提供の効果を測定する」?としています。接種率の向上を積み重ねての再開をもくろんでいるのではないかと思われます。加えて、反対の情報、当局に不都合な情報は極力流さないという強い姿勢が感じられます。

審議会はともかく、マスコミの使命は当局に不都合な情報を批判的に提供し、国民の知る権利にこたえることのはず。子宮頸がんワクチン禍の封印をはかる副反応検討部会の姿勢そのものを批判することから始めなければならないはずです。マスコミが報道しないのは、なんらかの圧力が働いているのか、それとも、問題の本質についての理解が足りないのかわかりませんが、副反応検討部会の議論について、弁護団は下記のように評価・批判しています。

弁護団が主張する、リーフレット改訂案の主な問題点は

  1. 記憶障害・学習障害等の症状が削除されており、多様な副反応症状の説明が不適切である。
  2. 接種から1ヶ月以上経過してから発症した症状は因果関係を疑う根拠に乏しいという誤った情報が追記された。
  3. 不適切な祖父江班調査の結果がそのまま引用されている。
  4. 有効性について不適切な推計による過大な「期待」が記載されている。

というものです。詳細は下記参照

弁護団の意見表明より

2017年12月22日の記者会見の記事とともに、厚労省に提出した意見書産科婦人科学会に提出した要望書の記事を弁護団サイトにそれぞれ掲載しましたので、お知らせ致します。

①副反応検討部会・安全対策調査会後の記者会見の様子

https://www.hpv-yakugai.net/2017/12/23/leaflet/

(参考)

弁護団はこのほかにも直近で以下の意見書を出しています。

②厚労省宛 「HPVワクチン接種後に生じた症状に関する新たなエビデンスの有無についての検討」の見直しを求める意見書

https://www.hpv-yakugai.net/2017/12/21/statement/

③産婦人科学会宛 早期に接種勧奨の再開を強く求める声明の撤回等を求める意見書

https://www.hpv-yakugai.net/2017/12/22/sanka/

なぜいま、HPVワクチンなのか?

しかし、そもそもなぜ、この時期に、子宮頸がん予防ワクチンとしていたのを、HPVワクチンとしたり、細かな字で73頁にも及ぶこれまでの副反応被害報告の一覧を出したり、「HPVワクチン接種後に生じた症状に苦しんでいる方に寄り添った支援について」の標題で論点をまとめてみたり、諸外国のHPVワクチンの安全性についての文献の紹介や諸外国の公的機関及び国際期間が公表しているHPVワクチンに関する報告書を出したうえで、リーフレットの改訂(修正)を行ったのでしょうか。

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000189287.html

その背後にある意図をじっくり考えてみる必要がありそうです。

激減する接種数にしびれを切らした関係者

子宮頸がんワクチン被害については、被害者寄りの出版物も多く出されています。接種数については、サーバリックスについては2009年12月から、ガーダシルについては2011年8月から厚労省はおおむね3か月ごとにアナフィラキシーショックを起こした人数を報告しているので、それから接種者数を拾うと、一番多く接種されたのが、2011(平成23年12月から2012年(平成24年)3月の合計149万人、一番少なかったのが2016年(平成28年)9月から2016年(平成28年)11月の合計2500人です。直近の2017年5月から8月では、サーバリックスが720人、ガーダシルが3000人で合計3720人と微増しています。余談ですが、企業戦略から言えば、2009年の新型インフルエンザ騒動の時に輸入した新型インフルエンザワクチン の返品と交換に入ってきたサーバリックスが、ほとんど売れなくなったことはメーカーにとっては大きな痛手でしょう。

あえて、うがった見方をすれば、その代わりに、GSK社はB型肝炎ワクチンやロタワクチンなどHPVと同種のアジュバンド入りワクチンを乳児向けに、抗インフルエンザ薬のリレンザを大量に販売しているのかもしれません。

こうした中、日本産婦人科学会(藤井知行理事長)は2017年12月9日付けで、「HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)接種の早期の勧奨再開を強く求める声明」をだしました。また、これまで被害者バッシングをおこなってきたジャーナリストに公共の利益のために科学や科学的根拠を広めることに貢献した人に贈られるとされる「ネイチャー」元編集長の功績を記念したジョン・マドックス賞が贈られたことから、接種再開に向けての弾みがつけられるかのような期待を口にする関係者もでてきています。

厚労省は2013年12月25日に開催した、第6回副反応検討部会を皮切りに、接種再開の議論を水面下ですすめてきたように思えます。今回の資料はそうした地固めのためように思えます。

接種再開は可能か?

積極的勧奨を復活して、定期接種として復活を果たすことはできるのでしょうか。これまで積極的勧奨を中止後接種を再開して例が日本脳炎ワクチンであります。日本脳炎ワクチンは、ADEM 発生を機に2005年から2009年まで積極的接種勧奨を中止し、新しい細胞培養型の副作用の少ないワクチンができたとして復活を果たしました。1992年以降日本脳炎は年間一桁の地域限定で発病する病気です。9年間で14歳以下の子どもの患者は4人です。副反応報告書によるものだけでも、再開後A DEMは2009年から2014年までで23例発生しています。脳炎脳症や神経障害や因果関係が強く疑われる死亡例もあります。

病気がない日本で2016年には北海道でも定期接種がはじまりました。

0才代で定期接種だけでも13回、任意もいれると15,6回以上と、いまや日本はワクチン大国となりました。高齢者へのインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンも日常的に接種されています。帯状疱疹ワクチン(不活化水疱瘡ワクチン)が導入されるのも時間の問題とされる中で、一見HPVワクチンの接種再開は容易なように見えます。

WHOがどういおうと日本社会が副作用を受け入れられる状況か?

2015年12月WHO(世界保健機関)のワクチン専門委員会(GACVS)は、日本の措置に対して、安全で効果的なワクチンの不使用による政策決定は有害、と批判しました。また、2016年4月には「予防接種推進専門協議会」とそれに賛同する2団体(合計17団体)が、HPVワクチンの積極的な接種推奨を求める声明を出したとされています。

2017年7月にWHOの委員会GACVSは、HPVワクチンのSafety update において、本ワクチンは極めて安全であるとの見解を重ねて示したことから、2017年8月に、日本産科婦人科学会は、「HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)接種の積極的勧奨の早期再開を強く求める声明」を公表しました。

では、再開は可能なのか、ここで、これまでの経緯を振り返りながら、当日の資料をもとに今一度HPVワクチンの問題を探ってみましょう。

積極的勧奨できないワクチンの再開をどうするのかの地ならし?

2009年12月にグラクソスミス・クライン社のサーバリックスが日本での販売を開始しました。いわくつきの国会議員や関係団体の働きかけ等により、2010年11月には他の乳児用のヒブ、肺炎球菌ワクチンと併せて、緊急促進事業として公費助成対象となりました。2011年8月にはMSD社のガーダシルも使われるようになりました。

2013年4月には私たちの反対を押し切って定期接種となりましたが、わずか2か月半で積極的勧奨が中止されました。定期接種であるかぎり積極的勧奨をしようとしまいと、予防接種法上の公的接種であることから接種する人はいます。

産婦人科学会をはじめとして積極的勧奨の再開を望む声は強く、米国からの圧力も背景に被害者へのバッシング勢力も後を絶たず、厚労省の弱体ぶりが社会の混乱に拍車をかけた格好となっています。事態の収拾を試みたと思われる官僚は左遷され、導入時の担当者や審議会の長も引退するなか、2016年の全国での集団訴訟提訴後各地で数回の口頭弁論期日が進行する中、被害者への適切な治療や補償を求める声と接種の再開の声の中で開かれた今回の副反応検討部会では、再開にむけての議論は皆無、単にリーフレットの字句修正についてのたわいもない意見が出されたにとどまっています。

しかし今回の資料は、再開への地ならしを目指しているかのように、いわばこれまでの推進に有利な上布を総括しているように見えます。

日本の被害の実態は氷山の一角、責任回避での再開は許されない

HPVワクチンは、「がん予防ワクチン」との欺罔のもと、医療機関はもとより学校をはじめ自治体も接種に邁進し、重篤な副作用以外にもさまざまな問題を引き起こしてきました。販売開始直後から、接種後急性反応として失神し転倒する少女や、一定時間の経過後に激烈な疼痛、運動障害や記憶障害等の精神・神経症状を起す事例が相次ぎ、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会やワクチントーク全国、薬害オンブズパーソン会議など、このワクチンについて疑問を呈する市民団体等による院内集会や講演会などが、全国的に何度も開催されました。こうした講演会や厚労省の審議会には車いすの少女や家族、地方議員を中心とした自治体議員や支援者が全国から集まり、被害の実態を実名で顔を出して真摯に訴えました。

厚生労働省はそうした事態への対処を迫られ、「上手に積極的勧奨を中止」したことを内部的には公言しているとされています。その後、副反応検討部会は膨大な資料のもと、因果関係はみとめないままに、「被害者に寄り添う」との美名のもと、むしろ因果関係を認めないための調査を積み重ねてきました。海外でいくら有効とされても、米国からの圧力があっても、到底同一条件での再開などできない状況でしょう。

2013年4月に予防接種法上の定期接種化されたにもかかわらず、2か月半で積極的勧奨が中止されたときの中止の経緯を振り返ってみましょう。2013年6月14日に厚生労働省において開催された「第2回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」の議事録によれば、CRPS事例をどうみるか(「慢性疼痛症例については的確に情報が伝えられる段階に今ない」などの発言あり)についての議論の後、「このまま接種を継続するか、それとも積極的勧奨を一時差し控えて、その間、情報を整備するか」について賛否を採決し、3対2で後者とすることを決定し、同日直ちにその通知を全国に発出した。

2013年に取られた「差し控え」措置は、「接種部位以外の体の広い範囲で持続する疼痛の副反応症例等について十分に情報提供できない状況にある」(厚生労働省)というのが「理由」で、2017年12月現在も、積極的勧奨の中止は継続されています。厚労省の本音は、いかに有効性を強調しても、現に激烈な副作用被害者がでており、今後も必ずでるであろうこのワクチンを、あえて再開などとてもできないというのが最小限の国民の健康を預かる官の良心であろうと思います。両論併記のようにして、「受けたい人が受ける」ことすら危惧される被害の実態を一番知っているのが官厚労省担当者であると思われます。

今回の報告では、疼痛以外のさまざまな症状が未解明のまま報告されており、副反応検討部会が被害者に真に寄り添った医師等の主張するHANSや、アジュバンド等による副作用の可能性を示す複数の国際的論文、持続感染を目的とする新たなこのワクチンの副反応発現についての新知見を否定し続ける副反応検討部会は、これらの点の議論をしないままに、接種後に報告されている“多様な症状”との因果関係には否定的な表現素案を出したことに説得力は全くありません。また、接種勧奨中止の原因となった接種後の疼痛、しびれなどの慢性的な症状について、「機能性身体症状であると考えられています」とし、因果関係についても「『接種後1か月以上経過してから発症している人は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しい』と専門家によって評価されています」とし、「HPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の『多様な症状』を有する方が一定数存在したことが明らかとなっています」と、接種不明者を自己に有利な解釈により、因果関係についてあえて否定的な表現を新たに盛り込んだ点で、「検討」機関としての責任を放棄したものとしかうけとれません。

2017年もあとわずかです。2018年には抜本的解決のための建設的な議論がされ、これまでの資料を整理し、被害者の救済と恒久的被害対策が行われることを強く呼びかけたいとおもいます。

(古賀 真子)

HPVワクチン接種数の推移

 

2017年11月29日 第31回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成29年度第9回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会合同開催  資料9 HPVワクチン(サーバリックス)接種後のアナフィラキシー※が疑われる症例まとめ(重篤症例)、同資料資料10  HPVワクチン(ガーダシル)接種後のアナフィラキシー※が疑われる症例まとめ(重篤症例)より古賀作成

サーバリックス 推定接種人数

平成21年12月~平成23年1月      67万人  2010年11月緊急接種事業開始

平成23年2月~平成23年5月       59万人

平成23年6月~平成23年8月22日   113万人  2011年8月ガーダシル導入

平成23年8月23日~平成23年11月  101万人

平成23年12月~平成24年3月     125万人

平成24年4月~平成24年8月       29万人

平成24年9月~平成24年12月      21万人

平成25年1月~平成25年3月       11万人

平成25年4月~平成25年7月        8万人 2013年4月定期接種、6.14日勧奨中止

平成25年8月~平成25年9月       500人

平成25年10月~平成26年3月      710人

平成26年4月~平成27年6月        3万人

平成27年7月~平成28年2月      1000人

平成28年3月~平成28年4月       600人

平成28年5月~平成28年8月       600人

平成28年9月~平成28年11月      500人

平成28年12月~平成29年4月       850人

平成29年5月~平成29年8月        720人

 

ガーダシル 推定接種人数

平成23年8月~平成23年11月        17万人

平成23年12月~平成24年3月        24万人

平成24年4月~平成24年8月          50万人

平成24年9月~平成24年12月        41万人

平成25年1月~平成25年3月         24万人

平成25年4月~平成25年7月         16万人2013年4月定期接種、6.14勧奨中止

平成25年8月~平成25年9月          1万人

平成25年10月~平成26年3月         3万人

平成26年4月~平成27年6月          2万人

平成27年7月~平成28年2月          7千人

平成28年3月~平成28年4月          2千人

平成28年5月~平成28年8月          3千人

平成28年9月~平成28年11月         2千人

平成28年12月~平成29年4月         4千人

平成29年5月~平成29年8月          3千人



マスコミ報道から

厚労省「HPVワクチン」に表記変更

毎日新聞2017年12月22日

「子宮頸がん予防ワクチン」から子宮頸(けい)がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンについて、厚生労働省は22日、一般向けのリーフレットで「子宮頸がん予防ワクチン」と表記していたのを「HPVワクチン」に改めることを決めた。近く自治体に通知する。理由について同省は、ワクチンにがんそのものを予防する効果は証明されておらず、接種を考えている人に効果とリスクを正確に伝えるためとしている。

子宮頸がんは主に性交渉でHPVに感染することが原因。ワクチンで感染を防ぐことで、がんを予防できると考えられている。

予防接種法上はHPVワクチンで、これまでも国会答弁や審議会では正式名を使っているが、一般向けには分かりやすさを重視して子宮頸がん予防ワクチンと呼んできた。

リーフレットには最新の知見も盛り込む。米国などではワクチン導入でがんになる一歩手前の状態(前がん病変)が減少。国内ではワクチン接種した場合、10万人当たり209~144人の死亡回避が期待できる一方、重篤な副反応疑い例は10万人当たり52・5人起きていることを記す。

厚労省は2013年6月から勧奨を中止しており、「積極的にお勧めすることを一時的に止めています」との文言はこれまで通りとする。【熊谷豪】

 

 

子宮頸がんワクチンの情報公開へ 厚労省、勧奨再開の是非判断

厚生労働省の専門部会は22日、子宮頸がんワクチン接種の安全性や有効性について、最新の情報を年明けからウェブサイトで提供することを決めた。高いがん予防効果が期待できるが、副作用を訴える人も一定数出ているとの内容。同省は国民に現状の理解を促した上で、勧奨再開の是非を判断したい考え。

検討会座長の桃井真里子・自治医大名誉教授は「勧奨中止から4年半たち科学的データが集まった。分かりやすい情報提供が重要」と述べた。

これに対し、副作用被害を訴えている原告団は厚労省で会見し「副作用の多様な症状のうち記憶障害や学習障害などの説明が抜け落ちており、極めて不当だ」とした。

上毛新聞ニュース

 

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)、新たなパンフレット作成へ-厚労省

合同開催の厚生科学審議会、薬事・食品衛生審議会にて

 

第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成29年度第10回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会が12月22日、厚生労働省内で合同開催され、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)に関する国民の向けの情報提供パンフレットの改定素案について、出席委員の意見を踏まえて新たな素案を作成する方針となった。また、新たなパンフレットの広報については、既存の厚労省HPや地方自治体、接種を行う医師を通じたチャネル以外にも、多方面からの情報提供を検討することになった。

この日、事務局は被接種者・保護者向けの一般的な情報提供と接種直前の情報提供、医療従事者向け情報提供の3つのパンフレットの素案を提出。いずれも国内でのワクチンによる効果推計、副反応疑い報告の実態、副反応時の救済制度の実際とその利用状況などの詳細な情報が付け加えられた。

接種後に報告されている“多様な症状”との因果関係には否定的な表現素案には、接種勧奨中止の原因となった接種後の疼痛、しびれなどの慢性的な症状について、「機能性身体症状であると考えられています」と記述。因果関係についても「『接種後1か月以上経過してから発症している人は、接種との因果関係を疑う根拠に乏しい』と専門家によって評価されています」とし、「HPVワクチン接種歴のない方においても、HPVワクチン接種後に報告されている症状と同様の『多様な症状』を有する方が一定数存在したことが明らかとなっています」と否定的な表現を新たに盛り込んだ。

委員からは素案を肯定的に評価する声が多数を占めたものの、「被接種者はおおよそ中学生であり、保護者との理解能力には差があることから、両者を分けたパンフレット作成が必要ではないか」「被接種者・保護者向けパンフレット素案は、一般の方がより理解しやすい工夫が必要」などの意見もあり、委員からの追加意見などを年内中に収集し、新たな素案を作成することになった。

また、関連学会や各地医師会会員、養護教諭などに対して幅広く情報提供を進めるべきとの意見が相次いだ。さらに今回の素案に基づく情報提供の成果を効果測定すべきとの意見もあり、今後これらについても検討する見通しとなった。

 

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