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毛利子来さんを追悼する~ワクチントーク全国集会 開催決定

ワクチントーク前代表の毛利子来さんが2017年10月26日に亡くなりました。87歳でした。毛利さんは、「たぬき先生」の愛称で親しまれ、型にはめない自由な子育てを提唱しました。著書が多いことでも有名です。東京・原宿に小児科医院を開業し、約55年間にわたって診察を続ける傍ら、多方面で活躍され、市民運動にも関わり、育児や教育に悩むお母さんたちの相談に力を注がれました。小児科医で、予防接種や放射線被ばくの問題などに取り組む黒部信一さんや、毛利さんとともに育児書をだされた山田真さんとともに、「基準」や「平均」にとらわれた画一的な育児論に疑問を投げ掛け、子供の立場だけでなく、親の心情も踏まえた育児論を展開し、多くの悩めるお母さんの支持を集めました。非科学的な医療や強制について、市民が声をあげることを医療者として最初に提唱された功績は大きく、市民運動にとってもかけがえのない存在でした。

ジフテリア・百日咳二種混合ワクチン(DT)の予防接種で重度の障害者となったお子さんを介護しながら長年、東京原告団の被害者をまとめた、ワクチントーク全国の前事務局長の藤井俊介さんとともに、静岡で予防接種被害児をもつ静岡予防接種を考える会の故藁科勝治さんとともに、予防接種被害者を支えるワクチントーク全国の前身である、「子どものためのワクチントーク」の設立に関わりました。

ワクチントーク全国事務局長の青野典子さんは、こう述懐します。子どものためのワクチントークは、1985年、予防接種の問題で、市民が最初に集まったのは静岡市での集会でした。ワクチンには少なからず重い副作用があることを被害者に学び、当時義務接種だったワクチンについて、情報を持ちより意見を出し合いました。とくにインフルエンザ集団義務接種は必要性・有効性・安全性ともにないことがわかり、ボイコット運動などを経て接種率が激減しました。入れ替わるように出てきたMMRワクチンの副作用が多発した1990年に、すべてのワクチンを見直そうと結成したのがワクチントークです。子どものためのワクチントークはその後ワクチントーク全国として、副作用被害者、支援する保護者、医師、自治体の議員や職員、市民など、病気やワクチンについて学び行動する多くの人々とともに、ワクチン問題を考え、副作用による被害者の救済活動などを行ってきました。(コンシューマネット・ジャパンもMMR被害児を救援する会の栗原敦さんとともに、ワクチントーク全国とともに、国や行政への申し入れ活動を行っています。)

毛利さんは、1985年静岡で開催された「どうする予防接種?」よりワクチントーク全国の代表として活動し、1994年の予防接種法の改正では、義務接種を中止すること、疾病対象を見直す国会議員への要請行動をともにしました。法改正後も厚労省の啓発資料への対抗書の出版を主張され、「予防接種と子どもの健康」の対抗書として、「予防接種と子どもの健康攻略本」(現、新・予防接種にいくまえに(ジャパンマシニスト社)を作ることを提唱しました。

毎年1回開催されるワクチントーク全国の活動は現在も続いていますが、毛利さん自身は、2009年ヒブ・肺炎球菌・子宮頸がんワクチン導入時のころから、新しい情報が入らなくなったので予防接種の講演はできないとして一線から退かれました。

2010年6月に私が審議会で知った子宮頸がんワクチンの導入を危惧し、学習会の講師の紹介をお願いした際、医師の堀口貞夫さんをご紹介いただき、「必要ですか?子宮頸がんワクチン」(日本消費者連盟)を上梓するきっかけとなりました。毛利さんはそのころより、体調をくずされ、入退院を繰り返し、26日に亡くなられました。

最近、予防接種の学習会で、乳児期のワクチンの増加について、お母さんたちから相談を受けます。一昔前は毛利さんのところまで、遠路はるばる、受けたいワクチンを選んで出かけていたお母さんも多かったようです。いま、予防接種受けないことがネグレクトとまで言われる中で、どのワクチンをうければよいかと悩むお母さんが増えています。耳障りのよい非科学的な民間療法や自然育児を逆手に取った健康食品や出版物も皆無ではありません。

生後1年間、定期接種だけで13回、ワクチンの種類では8種、最近増えている任意接種のロタワクチン(経口接種)も含めると15回から16回も赤ん坊にワクチンを投与する時代の中で、DPTの三種混合ワクチンの百日咳ワクチンを除いたものを受けたいとか、破傷風ワクチンだけを受けたいというお母さんのニーズにこたえ、国への働きかけをともにしてきた毛利さんとの議論を懐かしく思う反面、HPVワクチン被害や同時接種後死亡を起こしている現在の予防医学の問題を身近な予防接種やフッ素洗口の問題を基軸としてどう伝えていくか。ネット社会の中で、安直に情報が得られると思われる中で、真に必要なもの・情報を選択するためにはどうすればよいのか。

毛利さんを追悼し、「考える人を増やしていく」活動を継続していく2018ワクチントーク全国集会開催が決まりました。

ワクチントーク全国集会2018

2018年5月20日(日)午後1時から5時

場所 日本教育会館 7階 中会議室

詳細は追ってお知らせします。

(古賀 真子)

 

 

 

 

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