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アルコールがもたらす がんのリスクをはぐらかす酒造業界に研究者から批判

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「酒造業界は、飲酒がもたらすがんのリスクについて歪んだ情報を発信して消費者の誤解を誘導している」との批判が研究者の間から上がっている。

英ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院(LSHTM)とスウェーデンのカロリンスカ研究所が、2016年9〜12月に酒造業界の約30業者のwebサイトや発行文書からがんに関する情報を抽出して分析した結果、そのほとんどで「エビデンスについて何らかの歪曲または間違った説明」が見られたという(「アルコールとがんの関係は複雑」「がんのことはあまり心配しない方がいい」など)。

アルコールの消費が口腔がんや肝臓がん、乳がん、結腸直腸がんなどの原因になることはすでに証明されており、英国では年間がん新規患者の4%を占めている。アルコール消費が腎臓がんや卵巣がんなど幾つかのがんを防止するとの限定的なエビデンスも存在するが、英国発がん性委員会(Committee on Carcinogenicity)は2016年「これらのエビデンスには一貫性がなく、飲酒によるがんリスクの増加の方が減少よりも大きい」と結論づけている。

(出典: “Alcohol industry accused of ‘downplaying’ risk of cancer from drinking too much“, Independent 2017.09.07;
元論文は Mark Petticrew, Nason Maani Hessari, Cécile Knai, Elisabete Weiderpass, “How alcohol industry organisations mislead the public about alcohol and cancer”, Drug and Alcohol Review, 7 September 2017.)