消費者のための安全安心情報サイト

2017ワクチントーク全国集会 「そのワクチンほんとに必要ですか?」~予防接種問題の最前線 動画配信します

2017年7月9日に日本教育会館(東京)にて2017ワクチントーク全国集会を開催しました。

以下、集会の記録動画を公開いたします。

*ワクチントーク全国集会のレジュメ(有料)をご希望の方はワクチントーク事務局(03-3777-1946)までご連絡ください。


第1部 ワクチンの被害とは?

もうワクチンはやめなさい この60年の感染症とワクチン(母里啓子)

子宮頸がんワクチン訴訟当事者の声(酒井秀郎さん)

子宮頸がんワクチン副作用・被害者の声(山田真美子さん)


第2部 ワクチン被害をおこさないために~徹底討論

新しいワクチンと予防接種制度の問題点(古賀真子)

副作用報告を追いつづけて(青野典子)

審査請求等からみた被害者救済(栗原敦さん)

北海道の予防接種運動のひろがり(荻原敏子さん)

EBMの大きな前進 WHOタミフル評価を変更(林敬次さん)


(参考)

2017年3月にはコンシューマネットジャパンと海野人権基金と共催で、「そのワクチンほんとに必要ですか?」の集会を行いました。自由人権協会の会報誌に寄せた文を紹介します。

3.18シンポジウム「そのワクチンほんとに必要ですか」報告と法曹界への期待

2017年3月18日、中央大学駿河台記念館で、(社)自由人権協会、NPO海野人権基金、NPOコンシューマネット・ジャパンの共催で、「そのワクチンほんとに必要ですか」が開かれました

第一部では、制度開始後から現在にいたる予防接種の問題点を考えるなかで、そもそもワクチンは効果があるのか、行政の対応に問題はないのかの問題提起を、疫学的、実務的な観点から母里啓子さんが、審議会の実態や行政や制度の問題を古賀が話しました。

第2部では、現に問題となっている子宮頸がんワクチンの原告団代表の酒井七海さんの父親の酒井秀朗さんが被害の経緯と現状および提訴の理由を、HPVワクチン禍薬害訴訟の現状を担当する水口真寿美表弁護士が話されました。

被害が救済されない中、今後の方向を探る中で、これまで予防接種被害救済に長年取り組んでいるMMR被害児を救援する会の栗原敦さんが救済手段としての審査請求の成功例を上げながら救済の可能性について説明しました。4大裁判(注1)のなかの東京裁判で活躍された河野敬弁護士が予防接種訴訟の特性を説明され、円滑な升味佐江子弁護士の司会のもと、最後は海野人権基金の更田弁護士が海野人権基金の由来といのちと健康にかかわる人権問題として予防接種問題の重要性についてコメントされました。

4大裁判以後、増え続ける予防接種の現状

予防接種は主として子どもを感染症からまもるための公的介入として行われてきました。1970年代に種痘ワクチンを中心に起きた26年間の4大裁判訴訟や、1989年に導入され副作用多発により3年半で中止されたMMR新三種混合ワクチン(麻疹、風疹、おたふくかぜ)禍訴訟の勝訴をうけ、1994年に迅速な救済を目的とし、対象疾病の見直しと接種義務を緩和した改正予防接種法が成立しました。ワクチン推進側がいう、「接種に消極的な失われた20年」の始まりでしたが、復活へ地ならしは確実に進められてきました。

病気が増えたわけでも、乳児死亡が増えたわけでもないのですが、いま、0才児が1才までに定期接種だけでも15回も受ける時代となりました。接種間隔を考えると、いきおい同時接種(一度に2種類以上のワクチンを、左右両方の腕や、同じ腕の約2.5cm以上離れた場所に、2回以上打つこと)が行われ、そのことにより同時接種後死亡が発生しています。ワクチン接種後の死亡例の報告の9割が同時接種によるものですが、因果関係は認められず、乳児突然死死亡群や、評価不能とされています。

2010年に乳児のヒブ、は肺炎球菌と一緒に子宮頸がんワクチンが緊急事業接種として行われ、子宮頸がんワクチンは多くの被害者を出しましたが、その後もワクチンは増え続けています。

HPVワクチン薬害訴訟

HPVワクチンの被害者の酒井七海さんは、高校1年生の冬までピアノや琴を弾き、将来は国立大学受験と弁護士を目指していました。接種後生理が止まり、2回目接種からは失神、痺れ、突然の脱力、耐えがたい眠気、激しい頭痛、40度近い発熱、吐き気、下痢、めまい、右半身に力が入らない、動悸、倦怠感、脱力、強い痺れなどのさまざまな症状から、その後、高次脳機能障害、視野障害、学習障害、記憶障害等が判明。症状は改善せず、2015年10月より、鹿児島の病院で自己免疫性脳症としての治療をしています。免疫吸着の効果はあるものの、手足の障害はすでに後遺症の状態です。

様々な障害は全てHPVワクチン接種後から始まり、6年以上経過しても未だに新たな症状が発生しています。副反応の初期の段階で迅速な治療がなされず、有効な治療に行きつくまでに3年かかりました。これまでの6年半の間に、25か所の医療機関を受診し、入院は29回、入院日数は420日を超えました。

誤報告による間違った判断をつづけ被害を認めない国

七海さんの最初に接種の3日後に、接種したクリニックから被害報告を製薬会社に出しましたが、副反応検討部会のHPVワクチン被害者一覧は、「回復」として処理。その後高次機能障害等の治療をうけた病院が再度、「予防接種後副反応報告」に医師が「高次脳機能障害」と報告書に明記したのに、その後の副反応検討部会資料では「精神的機能障害」と変更されていました。

国は被害の実態を正確に把握しようとせず、誤った報告をベースに副反応検討部会を開催し、被害者の症状を心身の反応と判断しています。酒井さんは、「国が接種後に発生した副反応情報を迅速に集め、医療機関と情報を共有し、初期の症状に対する治療を指示していれば、ここまで被害が拡大することはなかったと思う。国と製薬会社は、被害の実態を認め、責任を認め、治療法を開発するよう訴えるため」に裁判を起こしました。

HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団共同代表の水口真寿美弁護士は、薬害オンブズパーソンとして、被害の実態調査や国や製薬会社への申し入れを続けた後、2016年7月に全国4か所で起こされた集団訴訟の共同代表をしています。2016年12月には第二次提訴をし、原告は119人となりました。被害報告は3000を超え半分が重篤なもので、100万接種あたりの副作用が他のワクチン接種による重症者と比較しても桁違いに出ているとされています。被害者の肉体的苦しみも壮絶ですが、治療費もかかる。常時介護が必要で家族の生活にも支障が出る。様々な症状に苦しんでいても周りにも理解してもらえない。事業接種から6年、定期接種から3年以上たっても国は本気で対策しないし企業も認めないために、裁判で争うしかない、との被害者の声を受けての提訴だとします。

被害者の救済と制度改革、法曹への期待

MMR被害児を救援する会の栗原敦さんはこれまで、市町村が否認した予防接種被害について県に審査請求(不服申立制度)をしています。2016年1月にはC県でDPTワクチンによる障害をうけた子どもに不支給処分取り消しの裁決がおりました。件数は少ないですが、訴訟ほど費用や期間がかからないことから救済制度としての将来性を強調しています。

4大裁判の際に訴訟を担当された河野弁護士は、「予防接種の裁判で勝訴するためには、接種と被害との因果関係とそれに関わる過失の証明が必要ですが、被害は中枢神経系のものが主となり、副反応には多様な症状があります。しかも、非特異的で、原因との関係で対応しないものもあり、別の原因でも生ずる症状もあります。後遺障害の証明を困難としている理由は、疫学的に反応の発生メカニズムが解明されていない点にあり、4大裁判でも白木3(4)原則という被害者救済に資する基準がたてられたものの、実際の勝負は臨床医学的判断の事実の問題として、副作用はないことを前提に争う国との戦いは困難を極めたとされます。最初のデータを踏まえて専門の医療機関で改めて検査や診断を踏まえた診療をし、その記録判断が訴訟等の最初の不支給を取り消させる重要な資料となるのではないか)とされています。

子宮頸がんワクチン被害は、定期接種として行われたのが、2013年4月1日から6月13日の間だけで、ほとんどが任意接種(緊急事業接種:国と県がお金を出して、自治体が予防接種賠償保険に入ることを義務付けて行った接種)のときの被害者です。救済申し立てはPMDA(医薬品医療機器総合機構)が窓口となり、審査請求は使えません。PMDAとの関係は不明ですが、自治体の賠償保険で1000万円単位の補償金が支給される事例が数件でています。

380万人以上の少女が接種し、多くの重篤な障害を発生させた子宮頸がんワクチン禍は、接種開始から8年が過ぎようとしています。提訴に至った人はごく一部です。PMDAに申請した人は2012年から2016年までに557人、支給決定されたのは187人。詳細な支給内容はわかりませんが、医療費や医療手当に留まると思われます。申請手続き自体の煩雑さ、医療機関における副作用意識の低さから、申請にいたらない潜在的な被害者ははかりしれません。PMDA不支給の不服申立の実態も不明ですし、そもそもそうした手続き自体が周知されておらず、有効なノウハウもないと思われます。自治体の賠償保険の存在すら知らない方が多いでしょう。

訴訟の支援は当然ですが、潜在的な被害者の声をどう拾い、救済につなげていくのか。子宮頸がんワクチンだけでなく、ワクチンの副作用被害の実態を知り、救済をひろげるために、法曹関係者に現行法での救済方法の検討や組織つくりをよびかけ、法改正も含めた議論をすすめていただきたいと思います。

古賀 真子