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「賢い」消費者とは?消費者庁が高校生向けの消費者教育冊子を作成

消費者庁が、主に高校生を念頭においた若者向けの消費者教育冊子教材を作成したということです。消費者教育推進会議やその下に設けられた「若年者の消費者教育に関するワーキングチーム」の委員の意見や、試作版を使用して行われた研究授業の成果を取り入れ、全国の高校で実際に授業で使われることを前提に作成されたそうです。消費者への普及啓発の一環として、消費者教育を効果的にすすめるために作成されたものとして評価できます。

消費者庁のHPによれば、

標題は 高校生(若年者)向け消費者教育教材 生徒用教材・教師用解説書
社会への扉 ―12のクイズで学ぶ自立した消費者―

成年年齢の引下げの動きも踏まえ、「自立した消費者」を育成するとともに、「消費者が主役の社会の一人」として行動できるような消費者になることを目指した教材です。
生徒用教材を効果的に活用するために、是非、教師用解説書を合わせて御覧ください。

*生徒用教材は、主として高校生を対象とした消費者教育の教材ですが、適切な指導があれば、若年者を中心に幅広い世代で活用できます。

http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_education/public_awareness/teaching_material/teaching_material_1.html

とされています。

12の項目のQAにより、高校生が無理なく身近で基本的な消費者問題を意識し、考える内容となっており、教師用教材は、ケーススタディとして簡潔にまとめられています。高校生やその教育に携わる人だけでなく、国民の全年齢層に読んでいただきたい内容です。

 いま、ネットでの情報はあふれ、たいていのことはネットで検索すれば、大方の情報を得ることができる情報化社会となっています。しかし、その内容は玉石混合です。あふれる情報のなかで、どうすれば的確な情報にたどり着くことができるのか。マニュアル通りにはいかないのが現実ですが、行政主体である消費者庁が、消費者の自立のための教育を高校生から始めるという視点はこれまで見過ごされてきた消費者問題の解決の端緒となると思われます。

一方で、現代社会は、世界的にも変革期として、多くの解決困難な問題が目白押しです。単純にマニュアル通りにいかない側面も多くあり、むしろマニュアル通りに行かない現実にどう向き合うかを考えていかなければなりません。

一見平和で豊かに見える日本の社会のなかにも、社会福祉の切り下げによる格差社会や貧困問題の顕在化、憲法の立憲主義の政治権力によるなし崩し的な干渉、原発再稼働、安保法制をどう考えるか・・。ポストグローバリズムの中で台頭する世界的な保護主義やポピュリズムとどう向き合うか。国民に十分な説明や議論がないままに、強い与党政権下で次々と法律が作られています。消費者一人ひとりの権利が守られる社会を目指すには、それを阻む社会の構造についての弛みない監視と反省があって、個人の人権を守り育てていくことができるはずですが、それは与えられたものではなく、国家への監視の姿勢と教育を通して、思索する消費者となることで、それぞれが自立して生活するための規範(考え方、判断基準)を、自らの強い意思をもって確立していくことが必要でしょう。

まずは、身近な消費者として直面する問題を学びなおしていくことから始めていきませんか。

(古賀 真子)

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