消費者のための安全安心情報サイト

動き出した 消費者被害の集団的回復のための制度強化~消費者裁判特例法等に注目!

消費者被害を救済するための集団的な消費者保護のための制度の創設は消費者運動や消費者相談など被害救済に携わる人の宿願でした。

消費者被害の防止や被害回復に対しては、自治体の消費生活センター等、主に行政によって施策が講じられてきました。また、消費者団体においても、消費者相談を受け助言・あっせんを行ったり、裁判外紛争解決機関(ADR)を設けて解決をはかる取り組みが行われてきました。

消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律」(以下、消費者裁判手続特例法)は、内閣総理大臣が認定した消費者団体(特定適格消費者団体)が被害を受けた消費者に代わって被害の回復を求める新しい訴訟制度を定めた法律です。消費者契約法に定められた差止請求の制度によって、適格消費者団体により、消費者被害の拡大防止がすすめてられてきましたが、差止請求等しか認められないことから、より実効性ある財産的被害の回復が求められてきました。(消費者裁判手続特例法は、2013年4月19日に国会に法案が提出され、同年11月1日衆議院で修正議決され、同年12月4日に参議院で可決・成立後、12月11日に平成25年法律第96号として公布されました。2016年10月1日から施行されています。 )

http://www.caa.go.jp/planning/index14.html

制度Q&A

http://www.caa.go.jp/planning/pdf/qa-all.pdf

この法律の実効性を確保するために、新たな改正が消費者庁で検討されていましたが、2017年3月3日に特定適格消費者団体が仮差押えをする際の担保を国民生活センターが代わって立てることができるようにするための改正法案(独立行政法人国民生活センター法等の一部を改正する法律案)の提出が閣議決定されました。今後は悪質な事業者からも、迅速かつ実効性のある被害の回復が期待されます。

過去の悪質な消費者被害事案においては、被害者のうち、訴えを起こす人は数%程度であることが多いのが現状でした。そして、訴えを起こした者のうち勝訴して被害を回復することができる人はさらに少数です。訴訟で債務名義を得ても、執行対象が散逸してしまっては被害回復の実効性が図れないためです。

今回の改正法案に基づく被害回復のための手続では、執行のための仮差押えの際に必要な担保の提供を国民生活センターが行うことで、特定適格消費者団体が提訴しやすくなり、より多くの被害者が手続に参加するようになると考えられます。

改正法案の早期の成立を期待するとともに、制度の周知を行うように呼びかけていきましょう。

法案の詳細は下記参照

http://www.caa.go.jp/soshiki/houan/


消費者団体がこの適格消費者団体を支援する等を目的とした基金

消費者スマイル基金」の設立を進めています。この基金は、下記の事業を行う予定です。

(1)各種消費者被害の相談業務を行っている団体へ助成。
(2)各種消費者被害の 拡大防止ために、不当な約款・勧誘行為等
(3)各種消費者被害の回復・防止
(4)消費者団体による係裁判外紛争解決手続への助成。
(5)消費者被害や政策に関する情報提供教育、啓発事業。
(6)その他こ法人目的を達成するために必要な事業。

すでに、基金には多くの賛同の声が寄せられています。

消費者被害防止救済基金(仮称)への期待を込めて

内閣府消費者委員会委員長 河上 正二氏

消費者裁判特例法によって特定適格消費者団体に民亊の損害賠償請求が認められたことは、少額多数被害を特徴とする消費者被害の救済にとって大変な朗報である。しかし、これを現実に運用して、その実を挙げるためには訴訟手続きの中で要求される経済的負担に耐えうる経済的基盤が欠かせない。しかし、これは各消費者団体にとって決して容易なことではなく、何らかの公的支援が必要であり、委員会としてもこの点については引き続き強く要請していきたいと考えている。

とはいえ、2016年10月から待ったなしでスタートした新しい制度のために、全国消団連が、いち早く基金の創設に乗り出したことの意味は大きく、これにかけられる期待も大きい。今後、同基金が充実し、多くの成果をもたらすことができるよう、心からのエールを送りたい。また、消費者各位から、基金の重要性と意義を認識して、多くの賛同が得られることをお祈りしたい。

日本弁護士連合会会長 中本 和洋氏

当連合会が強く求めてきた消費者裁判手続特例法が2016年10月に施行され,消費者団体は,消費者団体訴訟制度により違法行為の差止めだけでなく,集団的消費者被害を自ら回復ができるようになりました。消費者が,自らの意思で団結し、司法によって主体的に自ら権利を実現していくことが求められています。しかし、その担い手である消費者団体の財政基盤は、残念ながら未だ十分とは言えません。このような消費者団体の公益的活動を助成金によって支援しようとする本基金の設立の趣旨に賛同いたします。

基金の事務局および問い合わせ先は下記です。多くのみなさまのご参加をお願いいたします。

【連絡先】
消費者基金準備会事務局(一般社団法人 全国消費者団体連絡会内)
TEL:
03-5216-6024
FAX:03-5216-6036
e-mail:consumerkikin@tiara.ocn.ne.jp
URL:http://www.shodanren.gr.jp/about/fund.php