消費者のための安全安心情報サイト

予防接種ネット・de・講座 その27 赤ちゃんへのB型肝炎ワクチンの接種に注意!必要性も安全性も供給体制も疑問!

必要性や副作用情報はないままの推進に注意!!

必要性や副作用情報はないままの推進に注意!!

2016年10月1日から、B型肝炎(HBV)ワクチンが予防接種法上の定期接種となりました。HPV被害の支援をする方や北海道での日本脳炎ワクチン導入に疑問をもつ自治体の議員さんからも、B型肝炎ワクチンについての質問が寄せられています。

 

定期接種(勧奨接種)になった以上は、対象年齢のお子さんには自治体からお知らせが来ます。大方のかかりつけの医師は接種を強く勧めるでしょう。

2016年7月のワクチントーク集会では、B型肝炎ワクチン接種に慎重を期するようよびかけました(ワクチントーク2016資料参照)。

その後、接種が開始されるにあたり、どのような問題点が見えてきたかについて報告します。B型肝炎のワクチンがどのような考えに基づいて導入されたのか、行政の本音を審議会の資料から推測しながら、本当に接種が必要なワクチンなのか今一度考えてみましょう。各地の自治体で、対応は異なると思いますが、このワクチンの必要性や安全性について、議員さんは議会で質問し、自治体として、住民のための健康政策が行われるよう監視して頂きたいと思います。

 1.B型肝炎という病気

まず、B型肝炎とはどのような病気でしょう。ワクチンの導入を検討する作業班がまとめた、ファクトシート(注1)をみると、「B型肝炎はB型肝炎ウイルスの感染によって引き起こされ、世界中で20億人の感染者 そのうち3億5千万人が持続感染者で、年間50万~70万人がB型肝炎に起因する疾病(肝硬変・肝がんなど)で死亡していると推測されている」とあり、怖い感染症のように思われます。

しかし、感染経路は主として、血液や精液などの体液を介して感染するとされ、このうちがん化する持続感染はHBVに感染している母親からの垂直感染、小児期の水平感染によるものとされます。感染者が1歳以下の場合は90%、1~5歳は25~50%、それ以上の年齢になると1%以下と蔓延等を恐れる病気ではありません。成人での初感染の場合、多くは一過性感染で自覚症状がないまま治癒し、20~30%が急性肝炎を発症。急性肝炎が劇症化するのは0.4~1%で予後は良好とされています。

要はキャリアからの感染を防止すればよいのですが、日本は1980年代の母子感染事業は成功をおさめ、子どもの肝炎は非常にまれでグラフ化できないほどとなっています。死亡に至ってはほとんどない病気です。

よくWHOが推奨していることが強調されますが、WHOも5歳児HBVキャリア率をB型肝炎の疫学状況の指標としていますが、これが2%以下である場合、その地域のB型肝炎はコントロールされているとみなしています。日本では1997年の段階で0.04%ほどであり、今更ユニバーサル化の必要はないといえるでしょう。

14歳以下の小児、70歳以上の高齢層の報告数が少ないことから特に性交感染対策の強化が必要とされていますが、このようなワクチンに莫大な血税を使い、副作用のリスクを冒してユニバーサルワクチンとして乳児に一律に定期接種する意味はどこにあるのでしょうか。子宮頸がんワクチンでの愚挙を繰り返すことがあってはなりません。

 2.予防接種基本方針部会での議論は活かされたか?~水平感染の実態は不明のまま導入へ

2013年11月18日、厚労省の第7回予防接種基本方針部会に提出された資料(注2)によると、冒頭から、「技術的検討であり、広く接種を提供する仕組みとして実施するためには、前提として、ワクチンの供給・実施体制の確保、少なくとも、必要となる財源の捻出方法等の検討を行ったうえで、関係者の理解を得るとともに、副反応を含めた国民の理解等が必要と」書かれています。ユニバーサル化について、異論があることを前提に財源と国民の理解があれば導入をするという意思で議論がはじまったものです。

子宮頸がんワクチン問題で明らかになったように、ワクチン接種推進の流れは、2012年5月23日の予防接種制度の見直しの際に出された第二次提言(注3)で「広く接種を促進していくことが望ましい」ワクチンとして挙げられたものを、順次定期接種化してきました。

そして、2013年の予防接種法改正の法律やその附帯決議で。「安定的なワクチン供給や継続的な接種に要する財源の確保をしたうえで、定期接種化の結論を得るように努めるとされ、その後、不活化ポリオ、HPV、ヒブ、肺炎球菌(子どもも高齢者も)、水ぼうそうと導入が決められ、いよいよB型肝炎も2016年2月の第14回予防接種基本方針部会で2016年10月1日からの導入(実施)が決められたわけです。(注4)

第7回基本方針部会(2013年11月18日)の資料では、①ユニバーサルの目的については、母子染防止事業の開始後9年でHBVキャリア率が0.26%から0.024%に低下したこと、1988年出生学童(10才)の陽性率が0.03%であったことなどから、小児による水平感染の実態把握とワクチン戦略再構築に関する研究が始められました。水平感染が一定の割合で起きていることが示唆されるとしながら、更なる実態解明が必要とされたわけです。

接種開始時期については、出生直後に接種をすれば、高い接種率が期待できる反面、その時期に行う他のワクチンがないこと、副反応との紛れ込みがあることなどが問題とされました。また、異なる遺伝子型についての効果も問題とされました。

2015年1月9日の第12回の予防接種基本方針部会では、小児についての水平感染の疾病不可がより明らかになれば生後2か月からの接種を開始することとされましたが、陽性率は0.0~0.15%とされ、水平感染については明言が避けられ、実際の導入にはさらなる実態解明と評価が必要とされました。また、ワクチンの長期の予防効果は証明されているとされたものの、接種後も感染リスクは避けられないとされました。また、長期的視点でのB型肝炎ワクチン接種による費用対効果は明らかではないとされ、ここでも水平感染の実態をより明らかにする必要があるとされました。

その後、水平感染の実態や異なる遺伝子型への対応については納得できる結論がだされないままに、2016年2月に10月からの導入を決定しました。

 3.副作用の実態解明もない

水平感染の実態が不明であるのに、定期接種としてユニバーサル化をすることは疑問があります。長期的な費用対効果についても他のワクチンと比べてよい結果ではありません。

それでも何らかのメリットがあるのであればあえて行うという選択もあるかもしれませんが、予防接種には副作用がつきものです。副反応の実態はどのように情報提供されているでしょう。

副反応報告書(注5)によれば、2013年4月から、2016年6月末までの3年2か月の間に、任意接種であるのもかかわらず、のべ約1250万人の接種が行われています。重篤な副反応は製造業者、医療機関からのいずれの報告からも0.001%とされていますが、死亡報告8例、後遺症2例とされ、アナフィラキシー報告が24例あります。死亡はB型肝炎ワクチンでは1例ですが、7例は同時接種によるものです。B型肝炎は9割が同時接種されています。2016年9月1日と9月20日に報告された、B型肝炎ワクチンを含む同時接種後死亡では、4名中すべてが報告医は評価不能としており、調査会はワクチン接種との因果関係を1件は否定的、2件は因果関係は不明、1件は調査中としています。明確に因果関係を肯定されないことをもって「安全」宣言がされているようです。

 4.前に進むしかない?足りないワクチンをどう補うか?

大人用の半分量を乳児に接種し残りは捨てる?

2016年6月8日、朝日新聞デジタル版では、前日の厚生労働省の発表をうけた記事がありました。「化血研(現アステラス)がシェア8割を占めるB型肝炎ワクチンは設備の被害が大きく復旧の見通しが立たないが、ほかの1社の増産で10月から予定されている乳児向けの定期接種化への影響もない」としていました。

B型肝炎ワクチンは現在2種類が承認されています。ビームゲン(アステラス製薬)とヘプタバックスⅡ(MSD)です。(注6)。ファクトシートによれば、日本人に多い遺伝子の方は遺伝子C型とされていますが、ビームゲンはC型で、ヘプタバックはA型とされています。

しかし、熊本の震災の影響でビームゲン(震災前はビームゲンのシェアは80%)の生産がストップしており、供給再開は1年後になるとされています。つまりビームゲンはほとんど在庫が無い状況です。ビームゲンは子ども用(10才未満)の0.25mlと大人用の0.5mlの規格がありますが、ヘプタバックスⅡには0.5mlの規格しかありません。しかも、保存剤が入っていないので分割して使えないとされています。ですから、子どもに使う場合は0.5mlから0.25mlを抜いて残は捨てなければならないことになります。そうすると、①0.5mlを分割して、2名に使ってしまう。

②0.5mlをそのまま使ってしまう。という危険があります。

これについて、厚労省に聞いたところ、「使用方法は0.5mlを2分割し残りは廃棄という指導を徹底しているとのことでした。また、自治体では、受託医療機関には、「予防接種ハンドブックを送付しあらためて接種量含め接種に関する時期その他の基本事項を明記し資料送付するよう指導している」というところもありました。しかし、ヘプタバックスを0.25mlを使う際に、残りは捨てるといった記載まではしていないようです。過量接種がされないか、注視する必要があります。

異なるワクチンの相互乗り入れも安全?

2016年7月に研究代表を廣田良夫氏とした、厚生労働行政推進調査事業費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)でワクチンの有効性・安全性評価とVPD対策への適用に関する分析疫学研究 1歳未満時を対象とした「組み替え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)の互換性に関する臨床研究の報告がだされました。(注7)

研究期間は2015年6月から2016年8月まで、5施設による45人を15名ずつ3郡に分け、ビームゲンとヘブタバックスⅡを相互に接種しても問題はないとの結論を出すための研究です。化血研(アステラス)のワクチンが足りなくなるのではとのことから、急きょ2種の会社のものを相互に接種しても問題ないとの結論を出すために行われたものと推測されます。しかし、接種前陽性者1名を除き、入院又は入院期間の延長を伴う程度の重篤な有害事象が2例(肺炎、急性肺炎)、発生しています(因果関係は否定されましたが)。

そこまでして接種が必要かどうかもですが、すでに副反応の検証や現実のリスクを無視して強引な接種体制が整えられているということです。

なにがあっても接種推進の国の姿勢を止めるのは、個々人の正常な判断力しかなさそうです。

b%e5%9e%8b%e8%82%9d%e7%82%8e%e5%b9%b4%e9%bd%a2%e5%88%a5%e6%ad%bb%e4%ba%a1%e7%99%ba%e7%94%9f%e7%8e%87

(注1)B型肝炎ファクトシート (平成22年7月7日版)

国立感染症研究所
http://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000bx23-att/2r9852000000bxqf.pdf

(注2)http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000029874_1_1_2_2.pdf

(注3)http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=146424&name=2r98520000030o8q_1.pdf

(注4)http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000113406.pdf

参考資料

B型肝炎及びB型肝炎ワクチンに関する基本的情報
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000111769.pdf

(注5)第21回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、平成28年度第5回薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 資料

平成28年9月26日(月)資料13 組換え沈降B型肝炎ワクチン (酵母由来) の副反応報告状況
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000137822.pdf

(注6)
ビームゲン添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/200011_6313402A1073_2_03.pdf

ヘプタバックスⅡ添付文書
http://database.japic.or.jp/pdf/newPINS/00048535.pdf

(注7)http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000137138.pdf

(古賀真子)