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もっと知りたい フッ素の話 その10~フッ素化は糖尿病を増加させる  

日本では、各地で集団フッ素洗口が広がっています。WHOでは6歳以下のフッ素洗口は禁忌としていますが、幼稚園や保育園では900ppm週一回法での洗口がすすめられています。フッ素洗口の子どもの対象者数は1400万弱の8.3%といわれており、116万人が洗口をしているようです。地域により推進とそうでないところでは取り組みに差がありますが、霧島市の幼稚園のアンケートでは公立では70.6%、私立では45.7%と、公立のほうがすすめられているところが多いようです。(フッ素洗口の問題点についてはフッ素にNO!~むし歯にフッ素はニセ科学参照)

最新の情報で、フッ素化が糖尿病を増加させるとの論文が発表されました。秋庭賢司さんからの情報です。末尾に2016年11月6日の日本フッ素研究会のお知らせがあります(後日ちらしをアップします)。

フッ素化は糖尿病を増加させる

訳と注( )及び解説: 秋庭賢司

地域水道水フッ素化は、合衆国の22州で2005年から2010年までの年齢調整をした糖尿病の罹患率と有病率を増加させた。
出典:http://jwh.iwaponline.com/content/early/2016/05/24/wh.2016.012
the Journal of Water and Health
Available Online 24 May 2016, wh2016012; DOI: 10.2166/wh.2016.012

著者のKyle Fluegge 博士は、現在ニューヨーク市健康精神衛生部門疾病管理科に勤務し、オハイオ州クリーブランド市の健康環境研究所の共同責任者でもある。この論文はCase Western reserve大学医学部疫学生物統計部門のポスドク研究員当時の仕事(NIH NHLBI T32HL007567による助成)である。

  1. 対象はCDC2015aから入手可能な22州、925地区(以下の合計では924地区)、解析方法はWilcoxon signed-rank testsによる。
  2. フッ素化物質の種類:フッ化ナトリウムのみ(155地区)、フッ化ケイ素酸(536地区)ケイフッ化ナトリウム(54地区)、2種混合地区(163地区)、3種混合地区(16地区)
  3. 1日当たりの水道水の個人消費量から推定したフッ素添加物濃度(0.7-1.2mg/L)による1mg当たりの糖尿病増加の(原文表2)罹患率は0.23/1000人、有病率は0.17%であった。

以下本文要旨から引用

地域水道水フッ素化は20世紀の顕著な公衆衛生施策と考えられている。この論文は水道水フッ素化が合衆国での糖尿病罹患率1)(incidence)と有病率2)(prevalence)に関与しているとの仮説のもとに調査された。

22州の2005年及び2010年のフッ素添加地区のデータとフッ素が自然に含まれている地区との関係を調査するため、入手可能な公開データは人口を調整したモデルが使用された。

フッ素添加地区では、フッ素添加物3)のフッ素量が1mg増加すると、2005年から2010年までに年齢調整後の糖尿病罹患率が1000人当たり0,23人増加(p<0.001)し、年齢調整後の糖尿病有病率が0.17%増加している。一方自然にフッ素(フッ化カルシウム)が含まれている地区では顕著に増加していない。

これらの結果では地区単位、時間変動による一人当たりの水消費量、貧困、年齢、人口密度、年齢調整された肥満度、運動量、フッ素化開始後の平均年数などが調整されている。統計解析によると、どの添加フッ化物も明確な増減結果を示している。

地域の水道水フッ素化は、疫学調査の結果によると糖尿病に関連がある。

注)
Wilcoxon の符号付き順位和検定:ノンパラメトリック(正規分布しない、分散が等しくない)な方法で、対応がある(独立でない)場合の2群(例:2005年と2010年)の比較検定法。信頼区間が狭く、有意差の検出力は高まる。
t検定やMann-Whitney U検定は、2群のサンプルが独立に得られていることが前提。
(神田善伸著、EZRでやさしく学ぶ統計学、p186、中外医学社、2015)

1)2)incidence(罹患率)とprevalence(有病率)は厳密に区別する必要がある。有病率はある時点で疾患を有している患者の比率であり、罹患率はある一定期間に新たに発症する患者の比率を言う。罹患率は人年(per person-year)で表現される。発症危険度が時間とともに変化しないという前提において、一人を一年間観察した場合を1単位として計算する方法。10人を5年間、20人を3年間追跡した場合には、5×10+3×20=110人年として計算する。(神田著、EZR統計学、p283、中外医学社、2015)

3)フッ素添加化学物質はフッ化ケイ素酸(hydrofluorosilic acid)が一般的でケイフッ化ナトリウム(sodiumfluorosilic acid)やフッ化ナトリウム(NaF)は少ない。フッ化ナトリウムは小規模人口に応用される。解析は総フッ素摂取量の比較が望ましい。

解説

参考資料:Fluoride Alert Network News 2016年 8/17
http://fluoridealert.org/news/fluoride-consumption-linked-to-diabetes-using-mathematical-models/

フッ化物添加地区の罹患率は1000人当たり0.23人、有病率は0.17%で、成人の1日フッ素摂取量(IMO1999:1.4-3.4mg)から推定すると、それぞれ0.32-0.78人、0.24-0.58%となる。それに比べ自然のフッ素では増加していない。

フッ化物の種類によりこの傾向は異なり、フッ化ナトリウムでの糖尿病増加回帰係数は、罹患率+0.09/1000人,有病率+0.11%である。フッ化ケイ素酸では逆に減少しており、減少係数は罹患率-0.45/1000人,有病率-0.33%であり、ケイフッ化水素では-0.13/1000人,-0.17%である。この数値も1mg当たりの比較であるが、3種類の合計はフッ化物添加の数値とは異なる。結論としてフッ化物添加は糖尿病の増加と関連があり、添加フッ化物ではフッ化ケイ素酸がその減少と関連する、としている。

しかし増加、減少での差引で考えるべきではない。この結果からすると各フッ化物は血中濃度増加因子、減少因子となり、正常な状態に影響を与える因子である。

何よりも水道水は投薬媒体ではない。虫歯予防フッ素はその媒体となっている。

フッ素の消費量と糖尿病の関連を数学モデルで解明

回帰分析によりフッ素化水の消費量の増加と2型糖尿病(インシュリン機能の低下)との関連を示唆している。2型糖尿病は合衆国では流行状態にある。過去32年間(1980-2012、原文図3)に4倍に増えており留まる傾向にない。現在合衆国人口の9%が罹患しており、その1/4は運動療法、食餌療法でも軽快せず原因不明としている。研究によるとフッ化ナトリウムは血中のブドウ糖1)を温存するのでフッ素化は糖尿病の寄与因子であろうとしている。フッ素濃度の違いでは有意差が出ず、一人当たりの水消費量で有意差が出た。自然のフッ素は主にフッ化カルシウムである。フッ素摂取源は食品、果物、ジュースなどその他数多くあり、総フッ素摂取量による解析が望ましいがデータ入手に限界があるという。

CDCが本気で取り組めば得られるデータであるが、それをしないところに情報入手での解析に限界がある。また、これは疫学的な結論であることに注意してほしい。

注)
1)糖代謝:人体に摂取された糖質は、細胞に取り込まれやすいよう(インシュリンが作用)血液中ではブドウ糖として存在する。細胞に取り込まれた後、解糖系やTCAサイクルで分解され最終的に水と二酸化炭素になる。フッ素は糖代謝に必要な酵素を阻害するので血液中にブドウ糖が分解されずに滞留して高血糖となり、2型糖尿病(インシュリンの機能障害)と同じ結果となる。そのためフッ化ナトリウムは血液中のブドウ糖を測定する際の解糖阻止剤として利用される。酵素阻害は高濃度(ピーク)ほど影響を受ける。フッ素化(0.7-1.2ppm)より高濃度のフッ素入り歯磨き剤(フッ化ナトリウム1000-1450ppm:日本では1000ppmまで)の方が要注意である。

参考資料:http://kangoshi-mametishiki01.info/?cat=208

参考グラフ(図1:FAN作成)

bloodfluoridelevelsafterusingfluoridetoothpaste

タイトル:未就学児童(3-4歳)の血中フッ素濃度と糖代謝を阻害(成人)する血中フッ素濃度との比較:フッ素入り歯磨き剤(1450ppm)を使用後の血中フッ素濃度
タテ軸:フッ素入り歯磨き剤(1450ppm)使用後の血中フッ素濃度(ppb:1/1000ppm)
ヨコ軸:使用後の時間(hour)
折れ線は上から:最高フッ素濃度者、上位10%者のフッ素濃度、平均フッ素濃度
下の直線:グルコース代謝阻害(95ppb)濃度

以下引用文献
*National Research Council(2006).A Scientific Review of Fluoride in drinking water of EPA’s standards. National Academies Press. Washington D.C.p262.
**Caries Research 1983.Volume 60.p380.Fig1:
Journal of dentistry for children 1993.Volume 19.p122.
Journal of public health dentistry 1999.Volume 59. p217.Table3.

FAN News 8/17よりフッ素添加物の情報(6行目)
Fluegge reported that a one milligram increase in average county fluoride levels predicted a 0.17% increase in age-adjusted diabetes prevalence. Digging deeper revealed differences between the types of fluoride additives used by each region. The additives linked to diabetes in the analyses included sodium fluoride and sodium fluorosilicate. Fluorosilicic acid seemed to have an opposing effect and was associated with decreases in diabetes incidence and prevalence. Counties that relied on naturally occurring fluoride in their water and did not supplement with fluoride additives also had lower diabetes rates.


36回日本フッ素研究会及び全国集会のご案内

 歯科口腔保健法や各県歯科条例(福井、東京を除く)を法的担保として、幼稚園、保育園、小、中学生を対象とした虫歯予防のフッ素洗口が全国的に拡大しています。

虫歯は減少しているにもかかわらず、今年の4月からは学校歯科検診での経過観察歯にもフッ素応用が導入され、学校保健法にフッ素応用をリンクさせるなど、フッ素は虫歯予防のトップとして宣伝されています。しかし、最近では効果、安全性に問題があるとするエビデンスが多数報告されています。

日時:2016年11月6日(日)

時間:10時~15時(会場:9時~17時)

場所:日本教育会館 一ツ橋ホール(アクセス:http://www.jec.or.jp/koutuu/
(東京都千代田区一ツ橋2‐6‐2)

午前:10:00 開会

講演 「フッ素によるチタン金属の腐食とインプラント性歯周炎
松井 孝道 歯科医師(宮崎県開業)

12:00-1:00 昼休み

午後:各地の報告

1:00-1:30

山形県におけるフッ素洗口アンケートの調査結果と考察
高山 みつる(前山形県教組養護教員部長)

1:30-2:00

熊本県水俣市のフッ素洗口の現状と取り組み
藤本 寿子(熊本県水俣市議会議員)

2:00-2:30

鹿児島県霧島市のフッ素洗口の現状と取り組み
中村 満雄(鹿児島県霧島市議会議員)

2:30-3:00

質疑と討論

閉会

主催:日本フッ素研究会

共催:フッ素問題全国連絡会, コンシューマネット・ ジャパン

(問い合わせ先)

FAXのみ 042-754-0019 (秋庭) ,  0532-37-7580(杉田)

info@consumernet.jp (古賀)

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