消費者のための安全安心情報サイト

オンラインゲームに注意!ゲーム規約は業者に一方的に有利~改善要望書提出

オンラインゲーム(Online game)は、主にオンラインによるコンピュータネットワークを利用したゲーム(コンピュータゲーム)のことをいいます。コンピュータネットワークを介して専用のサーバや他のユーザーのクライアントマシンであるパソコンやゲーム機と接続し、オンラインで同じゲーム進行を共有することができるゲームで、既存のゲームのプレイ環境がオンラインに変わっただけのものから、オンライン専用にデザインされたものまで、様々なバリエーションがあり、現在では多人数参加型のゲームがオンラインゲームと呼ばれるとされています。

料金制度は、ゲーム製作(運営)企業によりゲームサーバが運営されている場合、ユーザーが月額いくらかの利用料金を支払う事でゲームプレイ可能期間を購入する定額課金制と、基本プレイ料金は無料ですがゲーム内に登場するアイテムを販売して利益を得るアイテム課金制が一般的で、定額課金制でアイテム販売も行っているゲームもあるようです。

企業によっては、短期間の無料ゲームプレイが可能ないわゆる「お試し期間」を設けているところもあり、誰でも無料で参加する事ができる反面、各地の消費者センターにはトラブルに関する相談も寄せられています。

オンラインゲーム被害とは?

インターネット依存症(ネット中毒)など、インターネットに関わる共通の問題を抱えることもあります。月額課金のゲームでは、数千時間もの膨大な所要時間や何年も課金が必要となる設定となっている場合があり、アジアの一部の国ではプレイの時間が規制されたり、韓国でも規制の動きがあるようです。オンラインゲーム依存症とよばれる問題が各国で発生しているようです。ゲームをすすめるにあたり、膨大な時間を要することから、アイテムや仮想通貨の獲得のための時間短縮のためこれらを現実通貨で購入することで知らない間にお金をつぎ込んでしまう例も生じているようです。

月額課金を行っていたゲームが接続無料のアイテム課金にシフトし、現金を使ってアイテムを購入することでゲームプレイが他人より有利になるようなシステムが仕組まれています。接続無料によって気軽にゲームをプレイできる反面、アイテム課金については、「CMで無料が強調され、有料コンテンツが含まれていることが表示されていない。」「ゲームサイトにアクセスした途端に高額な請求をされる。」「バグ(ソフトの不具合)が発生しても取り合ってもらえない」などの問題点が指摘されています。無料オンラインゲームの多くは、無料範囲分だけでも楽しめるとされていますが、依存症になるとかなりの課金をしていることもあります。

CNJには、オンラインゲームでせっかく獲得したアイテムが2つ消えてしまった。ゲーム会社に元の状態に戻してほしいと伝えているが全く対応してもらえないという相談が寄せられました。相談者は、運営会社に対応を申し出ましたが、ネット上の対応してもらえず、内容証明郵便を提出したり、消費者センターに相談しましたが、センターの相談員が運営会社に電話をしても全く対応しないということでした。ネットゲームについては、新しい事業であり、事業者への規制もありません。業界団体が協会を作っているようですが、未加入の会社も多く、そうした会社の多くは消費者からの相談体制には応えられていない点で問題があると思われます。

CNJでは2016年2月1日、オンライン運営会社である、DMM.comに要望書を提出しました。

 


2016年2月1日

DMM.com

代表取締役社長 松栄 立也 様

 特定非営利活動法人コンシューマネット・ジャパン

理事長 古賀 真子

 

貴社のオンラインゲームの規約等に関する要望書

 

冠省 時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。私どもは特定非営利活動法人の消費者団体です。身近な消費者問題に関する相談等が増加する中、スマートフォンやパソコン等を使って、インターネットを介して遊ぶ、いわゆるオンラインゲームに関する相談があります。国民生活センターに寄せられた、全国からのインターネット関連ゲームの相談件数は2015年12月31日現在(2015年度から経由相談の件数を除く)2012年に 5,630件、2013年5,930件であり、2014年は4,850件と減少したものの、2015年は2,679件(前年同期は3,434件)となっており、やや減少傾向はあるというものの、決して少ない数ではありません。

オンラインゲームについては、未成年者が、親権者が知らないうちに高額なクレジット契約をしてしまったなどの問題が以前から指摘されていました。近時は、国民生活センターのホームページによると、規約違反を理由に一方的に利用を停止されたといったものや、事業者に苦情を申し入れても対応が悪いという内容が数多く寄せられています。

無料オンラインゲームは、無料と銘打っていますが、実際は有料のアイテム等を購入しなければゲームの進行が難しいものとなっており、大半の消費者がアイテムを購入しゲームをしているとされています。また、一度始めてしまったり、アイテムを有料で購入してしまったりすると、「ここまでやったのに・・・」となかなかやめられないのが現状のようです。こうした心理に乗じて、営業利益を上げる反面、オンラインゲームの約款においては、「ソフトウェアにエラーがある」「サービスが中断する」「データが消失すること」といったことに関して運営会社は全く責任を負わないなど、消費者にとって一方的に不利な条項を盛り込んでいるケースが少なくありません。

国民生活センターに全国の消費者センターから上がってくる具体的な苦情相談では、システムトラブルによって購入したアイテムが消えてしまったが、運営会社は消えたアイテムは再度提供してくれない。オンラインゲームのキャラクターに不具合が発生したので、運営会社に修正を依頼したらアカウントが停止されてしまった。パソコンのオンラインゲームでアイテムが2つ消えてしまった。ゲーム会社に元の状態に戻してほしいと伝えているが対応してもらえないなどがあげられています。

こうした相談に対しては、国民生活センターは、「有料サービスの購入に関しては、掲示板などで利用者の声や運営状況を確認しましょう。今楽しんでいるゲームがいつまでも継続してプレイできる保証はどこにもありません。高額なアイテムなどを購入しても、いつ消えてしまうともわからないので注意が必要です。」などの注意をHP上発してはいますが、実際には運営会社には具体的に被害の実態を伝えきれず十分な改善を要請できずにいるのが現状です。

コンシューマネット・ジャパンにも、貴社の運営するコンテンツ利用により、オンラインゲームでアイテムが2つ消えてしまった。ゲーム会社に元の状態に戻してほしいと伝えているが全く対応してもらえないという相談が寄せられています。

たかがゲームという意見もありますが、課金をして行う以上、事業性を否定されるものではなく、仮にバグにともなう利用者の不利益が発生した場合には、丁寧な対応がなされるべきです。アイテムの取得に課金される以上、不具合についてすべて免責されるとの考え方は契約上も不当であり、全く無答責というのであれば、契約に誘引する際(事前に)対応されないことについての十分な警告を行わなければ説明義務に反します。

貴社の基本利用規約第9条には、免責事項として、「DMMは、当サイトの利用に関して、当サイトにアクセスする者が被った損害または損失などについては、一切責任を負わず、損害賠償義務を負わないものとします。当サイトの利用者はこの事に同意するものとします。」と、一方的に貴社の責任を免責する旨の規定があります。

また、DMMオンラインゲーム利用規約では、「第10条の責任規定において、①コンテンツ提供会社提供のサービス利用不能により、利用者に発生した損害または不利益について一切の責任を負わない②本サービスまたはコンテンツ提供会社の提供情報の正確性を保証しない③本サービスの利用に関し利用者に損害または不利益が発生したとしても一切の責任を負わない」とされています。

その上、規約には、消費者契約法の消費者契約に該当する場合でも、「貴社に故意又は重過失がある場合に限り、利用者が当社に本サービスの利用の対価として支払った金額を上限として損害賠償責任を負うもの」として、損害賠償額を一方的に限定しています。

民法上、損害賠償責任の免除の合意は公序良俗に反しないがぎり一般的には有効とされています。しかし消費者契約法はより消費者の保護の観点から、①事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部免除する条項(同法8条1項1号)、②事業者の故意または重大な過失による債務不履行により消費者に生じた損害賠償を一部免除する条項(同2号)等を無効としています。

貴社のオンラインゲーム等を利用するためには、利用料やポイントを購入しなければなりません。貴社は対価を得て役務(サービス)を提供するものであり、利用者との関係では消費者契約法の適用がある事業者であり、一方的な免責規定を規定していることは消費者保護の観点から極めて遺憾です。

また、近時あらたな債務不履行として重視されているのが説明義務違反です。契約の一方当事者は、相手方に対して、目的物の使用方法、契約による不利益の発生の有無等に関する情報を説明し、相手方の自己決定を促す必要があるとされています。(ダイヤルQ2に関する最判平成14年9月24日判例)。

そもそも、ゲーム等においてはバグが発生する可能性があり、このことをゲーム提供者である貴社において、全く責任を負わないということは消費者にとって極めて不利益な契約関係であり、少なくともその点について、契約関係に入る利用登録前に十分に説明すべきであると考えます。貴社がバグ等について、その不具合が判明した時点でバグかどうかも含めて説明義務を果たしているかということも大変重要な点となりますが、利用者からの度重なる改善の申入れについても、対応されないことは極めて遺憾です。

投機的商品取引においては、契約の相手方は危険を承知のうえで取引関係に入るので、どこまでの説明が必要かは契約類型によって異なるといわなければなりません。オンラインゲームは、投機的商品取引以上に、場合によっては熱狂的にゲームを楽しむサービスの対価として、課金等を重ねながらアイテム等を取得するためにポイント等を購入するわけですから、ゲームにおける目的達成のための課金により財産的損害を発生させるだけでなく、アイテム自体の利用者における価値の喪失を伴うバグについての改善の要望には事業者の責任上誠意をもって応えるべきであると考えます。仮に、全く対応できないということであれば、その旨の説明義務を事前に十分に尽くさなければならないと考えます。

利用者の保護及び貴社の発展のために以下の点について、要望いたします。

 

1 貴社における、オンラインゲーム規約を消費者保護の観点からの見直しを検討いただくこと。

2 HP上の会員登録等、利用を始めるにあたっては、バグへの貴社の対応について十分な警告おこなうこと。

3 利用者の問い合わせや苦情には誠実にご対応されること。また、そのための専用の窓口等を設けること。

以上