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びっくりぽん?消費者庁と国民生活センターが徳島に?~移転反対のひとこと意見を出しましょう

政府のまち・ひと・しごと創生本部において、消費者庁と国民生活センターの徳島県への移転が検討され ており、実現する可能性が高まってきています。徳島県が受け入れの手を挙げたことで、この問題を検討している有識者会議が、12月上中旬に評価をだし、2016年3月には政府方針が決定されるということです。

  • まち・ひと・しごと創生本部のホームページ

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/

  • 上記の中の「政府関係機関の地方移転について」

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/about/chihouiten/index.html

  • 上記中、第2回有識者会議の資料の中に当面のスケジュールが入っている(12月上中旬に有識者会議の評価が決まり、3月には政府方針決定 )

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/meeting/chihouiten_yushikisyakaigi/h27-11-06.html

地方の活性化や「一極集中の是正」は重要な政策課題といえますが、消費者庁はいやしくも消費者行政の司令塔。各省庁間での政策決定に消費者利益の実現に資することを期待されて創設された官庁です。

消費者委員会への諮問・建議をとおして重要な消費者政策について、食の安全(厚労省・農水省)、公共料金(経産省(電気料金)、国交省、総務省、財務省、関係省庁への共管やヒヤリング)、消費者関連法制(法務省)など関係省庁とのやりとりを通して政策決定に大きな影響を与えてきました。

消費者にとって重要な集団的消費者被害回復訴訟制度、独禁法改正、景品表示法問題、消費者契約法、特定商取引法などの創設や改正作業を行う中で、消費者庁や消費者委員会が消費者目線をより強く主張する官庁としての役割を全うすることが、しばしば、成長戦略を掲げる政府の強引な政策やその迅速な実践を担う他省庁や関係企業へにとっては、「目の上のたんこぶ」となってきたという現実があり、それを回避するための「地方移転」(中央省庁からの隔離)であるようなことがあってはなりません。

CNJは2015年11月11月5日にこの問題に関する情報を(一)全国消費者団体連絡会からうけ、2015年11月11日、緊急に下記の要請文を提出しました。


 

2015年11月11日

内閣総理大臣 まち・ひと・しごと創生本部 本部長 安倍 晋三 様

内閣府副大臣 松本 文明 様

地方創生担当大臣 石破 茂 様

政府関係機関移転に関する有識者会議 座長 増田 寛也 様

 

特定非営利活動法人コンシューマネット・ジャパン

理事長 古賀 真子

 

政府関係機関の地方移転の検討にあたっての要請文

消費者庁と国民生活センターの地方移転に断固反対します

 

 2014年9月、政府に「まち・ひと・しごと創生本部」(以下、創生本部)が設置され、同12月27日には「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が閣議決定されました。2015年8月には政府関係機関移転検討チームの設置、有識者会議が開催され、8月末が道府県からの提案期限として各府省へは地方提案に対する検討依頼がだされ、今年度中には政策決定がされるとされています。

特定非営利活動法人コンシューマネット・ジャパンは消費者団体として、地方創生のために政府関係移転検討の対象に上げられている、消費庁・国民生活センターの移転に強く反対します。以下理由を述べます。

創生本部は、「東京の一極集中を是正するため、地方の自主的な創意工夫を前提に、それぞれの地域資源や産業事情等を踏まえ、地方における『しごと』と『ひと』の好循環を促進することを目的とする」趣旨で設置されています。人口急減・超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対し政府一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生できるよう、地方への新しいひとの流れをつくる企業の地方拠点強化、企業等における地方採用・就労の拡大を検討し、実践する地方重視の方針については基本的に賛成します。

また、「政府関係機関(独立行政法人等の関連機関を含む)の中には、地方の発展に資するものが存在することが指摘されており、こうした政府関係機関について、地方公共団体から要望があれば、地方の自主的な取組を基本とし、国が支援する」という方針にのっとり、道府県等からの提案を受けて、地方創生に資する機関の移転・地方拠点の設置を図ることは地方だけでなく首都機能の効率化のためにも必要」という、施策の目的に掲げられる東京一極集中の是正が我が国の重要な政策課題であることも一定の限度で理解できます

しかしながら、消費者行政の主務官庁としての消費者庁と国民生活センターを移転することは、今回の地方創生の趣旨からは説明できないばかりでなく、国及び国民全体として被るデメリットの方がはるかに大きいと考えます。

今回強調されている地方創生とは別に、首都機能移転問題については、以前より議論のあるところです。都市機能の一極集中を避ける政府関係機関の地方移転については、1988 年6月の多極分散型国土形成促進法(昭和63 年法律第83 号)の成立を受け、1989 年の政府機関等移転方針が決定したものの、「東京都区内に立地することが適当なものを除く機関について、都区外への移転を進めた」ため、移転機関のうち、関東外に移転した機関は2機関のみでした。  このことは東京、なかんずく首都機能の集中した東京近郊の首都圏でなければ行政の中枢機能を果たすことが極めて難しい機関が存在することを意味します。

地方創生も必要ですが、その一方で、国民一人ひとりを大切にする消費者行政の発展も重要な国家的目標です。2008年、消費者基本法の理念から「明治以来の日本の政府機能の見直しを目指す」として「消費者行政推進基本計画」が策定されましたが、その中で消費者庁は「行政の『パラダイム(価値規範)転換』の拠点であり、真の意味での『行政の改革』のための拠点である」と位置付けられました。「消費者行政推進基本計画」には、消費者庁の機能として「強力な総合調整権限、勧告権」や消費者目線に立った新法等の「企画立案機能」などが挙げられています。

消費者にとって重要な食品や消費財等の安全や表示問題、消費者保護関連法の制定・運用の監視、公共料金のありかたなど、消費者庁は消費者行政の司令塔・エンジン役として、また、国民生活センターは信頼できる公的な商品テストの実施や情報提供機関として消費者の知る権利に応えるものであり、かつ全国の消費生活センター・消費生活相談窓口を支援するセンターオブセンターとして、その機能をますます充実強化させていくことが必要です。消費者政策は各府省庁等の所管分野に広範に関連するものであり、これら機能を効率的・効果的に実施するためには、消費者の視点に立ちながら常態的に国会や関係府省庁との密接な議論、総合調整、連携が不可欠です。

消費者庁は国の重要な政策の立案、実践、監視を行い、第三者委員会としての消費者委員会とも連携して消費者行政の充実の要としての主務官庁です。これを国の中枢機関から切り離し移転することは、2004年の消費者基本法の制定から累々と積み上げてきた消費者行政の努力と推進に逆行するものです。消費者庁が多くの消費者団体や市民団体との丁寧な意見交換を行い、年々予算や人員の充実をおこない、さらに充実すべきと意気込んでいる矢先に、消費者庁の機能が大きなダメージを受けることは必至です。

国家機関相互についてだけでなく、消費者庁が確保すべき機能は、緊急事態における司令塔機能、消費者の視点で、縦割りでない横断的な法律を企画立案し、民主的な国会の審議を経て成立させること、日本中の多様な消費者問題の専門家の知見を十分に活用していくことなどがあり、人的・物的、交通の便なども含め、国の中枢機関を離れ、地方でこの重大な機能を果たすことは不可能に近いと考えます。

国際的に人や物の流通が促進され、ネット社会で代替手段が発展しているとはいえ、消費者政策は各府省庁等の所管分野に広範に関連するものであり、施策を効率的・効果的に実施するためには、消費者の視点に立ちながら関係府省庁や消費者団体との時宜に応じた迅速な対応、きめ細やかな調整、連携が不可欠ですが、移転によりその役割がどのように果たされるかについては、移転を決定する側に厳しい挙証責任があると考えます。

政府方針においては「移転等に伴う弊害・問題点がある場合、それを上回る必要性・効果があると判断されれば、弊害をできるだけ少なくする措置を講じた上で移転を行う」とされていますが、上記のような消費者行政の特徴を考えれば、弊害・問題点を上回る必要性・効果があるとは到底思えず、弊害を少なくする措置も不十分なものに止まるか、莫大なコストを要するものとならざるを得ず、このことは消費者団体や消費者運動が積み上げてきた運動の息の根を止めることになりかねません。

また、今回の審議は、「必要に応じて有識者の意見を聞くなど、公平性、透明性のあるプロセスのもとに検討を行う」とされていますが、消費者代表等不在の中で、消費者に一番の密接的な意見表明の受け皿である消費者庁や国民生活センターを移転するという議論が消費者(団体)の意見も広く聞かないで行われるということは、民主主義を補完する審議会(諮問機関)の役割として許されるものではありません。

有識者会議の議論では、「移転する機関にとっても、地域にとってもプラスの効果がある。日本全体としてプラスの効果があるということでなければいけない」との発言もありますが、そのような形式的な利益衡量論だけでは測りきれない、消費者庁や国民生活センターの消費者団体とともに果たしてきた「連携」を断ち切るものであることに、消費者団体として大いなる危機感を抱かざるを得ません。消費者庁と国民生活センターの移転には断固反対します。

以上

 (連絡先)特定非営利活動法人コンシューマネット・ジャパン (担当)古賀


20105年11月11日

内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全) 河野 太郎 様

消費者庁長官 板東 久美子 様

特定非営利活動法人コンシューマネット・ジャパン

理事長 古賀 真子

 

政府関係機関の地方移転(消費者庁、国民生活センター移転)の検討に関する

内閣総理大臣 まち・ひと・しごと創生本部あて要請文提出に係るお願い

 

 

冠省 貴職におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。また、日頃より消費者政策の推進に格別のご尽力をいただいき感謝いたします。

早速ですが、現在、まち・ひと・しごと創生本部の政府関係機関移転に関する有識者会議において、消費者庁と国民生活センターの徳島県への移転等が検討されています。

消費者政策の推進には、国会や関係府省庁(中央省庁)との調整、連携が不可欠であり、日常的に一体として業務を行う機関に係る機関については地方への移転を検討すべきではないとされていますが、消費者庁や国民生活センターはまさにこれに該当すると考えます。仮に地方に移転したのでは必要な機能が維持できなくなり、その結果、消費者行政が後退せざるをえず、ひいては消費者団体や消費者運動自体の活動の息の根を止めることにもなりかねません。私たちは消費者行政機関の機能を維持・発展させることを求める立場から、まち・ひと・しごと創生本部に対して別紙要請文を提出いたしました。

貴職におかれましては、私たちの懸念を共有、ご理解の上、ご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。

 

敬具

 

(別紙)内閣総理大臣 まち・ひと・しごと創生本部あて要請文 ・・・1通

 


緊急メディア懇談会

~消費者行政機関の機能を維持・発展させるため、消費者庁と国民生活センターの地方移転に強く反対します~

日時:11月11日(水)13:00~13:30

場所:消費者庁記者クラブ会見室(山王パーク6階)


 

移転反対のひとこと意見を出しましょう!

まち・ひと・しごと創生本部のホームページには、国民からの意見を出すフォームが用意されています。ぜひ、多くの反対の声を届けましょう。

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/contact/

文例

「地方創設やそのための地方の努力、国の支援は大切ですが、主要な官庁の移転は慎重に討議し、情報公開してください。消費者庁、国民生活センターの移転には反対します」

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