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特定商取引法中間報告への意見を出しました~迷惑勧誘等の根絶を!

特定商取引法(旧称「訪問販売法(訪問販売等に関する法律)」)は、訪問販売や通信販売等、以下に挙げる消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、事業者が守るべきルールと、クーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めています。これにより、事業者による違法・悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守るための法律です。

CNJでは、他の消費者団体とともに、特定商取引法改正問題を考える~消費者団体が「ストップ!迷惑勧誘」運動開始!などの呼びかけをしてきました。

http://consumernet.jp/?p=2398

2015年8月、消費者委員会の下部組織である消費者契約法専門調査会において、これまでの審議の内容を踏まえ、現時点における到達点を整理するとともに、今後の検討の方向性を示すものとして「中間取りまとめ」が取りまとめられ、また、特定商取引法専門調査会においても、これまでの本専門調査会における審議状況を整理したものとして「中間整理」が示されました。専門調査会の今後の具体的検討において参考とするため、2015年9月30日、上記の「中間取りまとめ」及び「中間整理」に対する意見をだしました。


意 見

特定非営利活動法人コンシューマネット・ジャパン理事長 古賀 真子

一 第1の1 指定権利制について(中間整理P.3)

(意見)権利の政令指定制を見直し、特商法の訪問販売等の規制対象としてください。

(理由)中間整理の結論に賛成します。「規制の後追い」から脱却するため、歴史的にも問題とされていきた政令指定制を見直し、権利も売買を含めて規制対象としてください。

二 第1の2 勧誘に関する規制について(中間整理P.6以下)

(意見)不意打ち的な勧誘への規制については、苦情相談や意識調査に表れた消費者・国民の状況を受け止めて、規制の強化をしてください。

(理由)消費者委員会への諮問は「法律の施行状況を踏まえた購入者等の利益の保護及び特定商取引法の適正化を図るための規律の在り方」を検討することです。中間整理p6(2)p7(3)に記載されているように、追加的な措置の必要性に配慮すべきです。「購入者等の利益の保護」「国民経済の健全な発展」に資する具体策が答申されるためにも消費者保護の立場にたっての規制を要望します。

三 第1の2. 勧誘に関する規制について(中間整理P.6以下)

(意見)消費者が事前に勧誘拒否の意思表示を行うことができる制度が必要です。電話勧誘販売に関してはいわゆる「Do-Not-Call 制度」を,訪問販売に関してはいわゆる「Do-Not-Knock 制度」(以下両制度を総称して「事前拒否者への勧誘禁止制度」という。)を直ちに導入すべきです。

(理由)平成20年改正で「勧誘拒否者に対する再勧誘の禁止等」が盛り込まれましたが、中間整理にも記載されているように、改正後も全国の消費生活相談窓口に寄せられる訪問販売、電話勧誘販売の苦情相談件数は減少しておらず、特に高齢者の苦情相談が増加しています。

消費者庁の意識調査でも、消費者の96%以上が訪問勧誘・電話勧誘を「全く受けたくない」と回答しています。突然の勧誘は迷惑であり、話術長けた事業者に強引に契約を迫られたり、甘言により断りきれずに多額・多量の契約を結んでしまう例が多くあります。中間整理p13の25行目の案「拒否者リストに登録した者に行政機関が「お断りステッカー」を交付するという制度も考えうるのではないか」といった案などは、こうした拒否の意思表示をしにくい消費者の具体的な保護として有効であると考えられます。

四 第2の1.訪問販売における規律について

アポイントメントセールスにおける来訪要請方法について

(意見)アポイントメントセールスの規制は,現行法により規制の対象外となっている勧誘行為についても訪問販売に該当するものとしてすべて規制対象とすべきです。

(理由) 営業所等以外の場所における契約を「訪問販売」として規制する趣旨は、「不意打ち的に勧誘を受ける」取引形態であることの着目したものです。アポイントメント・セールスは、商品等の販売目的を告げないで営業所等に呼び出し、店舗等において勧誘を開始するものであり、消費者にとっては、自ら店舗に出向いていても商品の販売については不意打ち勧誘そのものです。アポイントメントセールスの規制は,消費者にとって不意打ち性,攻撃性が高いものです。

五 第2の2. 通信販売における規律について(通信販売事業者の表示義務について)(中間整理P.19以下)

(意見)特定商取引法に基づく通信販売事業者の表示義務の対象項目としてアクワイアラー・PSPに関する情報を追加して下さい。

(理由)販売者がだれであるか解約や交渉相手がだれであるかを明確に意識させるためにも国内においても通信販売事業者の表示義務を徹底することはもちろんですが、海外を含む加盟店も増加していることから、情報表示義務を制定する必要があります。

割賦販売小委員会において、アクワイアラー・PSP(決済代行業者)が介在するクレジットカード決済については、国内の販売業者と加盟店取引を行うアクワイアラー等に対し割賦販売法に基づく登録制・加盟店調査義務を規定する方向で検討が進められていますが、しかし、日本国内の消費者を取引相手とする海外通販業者が海外アクワイアラー・海外PSPを通じてクレジット決済を行う場合は、割賦販売法では海外アクワイアラー・海外PSPを規制することができません。

日本国内の消費者を取引相手とする海外通販サイト業者は特商法の広告表示義務等の適用を受ける立場にあることから、クレジット決済を利用する場合のアクワイアラー・PSPが割賦販売法の登録業者であるか否かの情報の表示を義務付けることが必須です。表示内容は消費者が取引の安全性を判別する手がかりとなり、消費者の注意によってトラブルを防止するためには、契約締結過程で容易に確認できる表示方法であることや消費者への啓発が不可欠であり、表示を履行ない海外通販業者に対する是正の方策についても検討が必要です。

六 第2の4. 特定継続的役務提供について(美容医療契約の取扱いについて)(中間整理P.21以下)

(意見)美容医療契約等のうち役務が継続的に提供されるものについて、特定商取引法の特定継続的役務として規制対象として下さい。

(理由)美容医療契約に関しては、不適切な勧誘や解約に関する消費者トラブルが増加しています。ダイエットや美容と健康管理のための指導など、複合的な役務サービスについても、エステティックとは別に特定継続的役務として下さい。

七 第2の3 電話勧誘販売における規律について(過量販売解除の導入について)」

(意見) 電話勧誘販売に過量販売解除権を導入してください。

(理由) 2008年改正により訪問販売に過量販売解除権が導入されましたが,過量販売解除権の導入は消費者トラブルの防止等に一定程度の効果を挙げています。本中間整理21頁)ことからすれば,高齢者に被害の多い電話勧誘販売にも導入すべきです。

八 第3 執行上の課題について(中間整理P.23以下)

(意見)行政処分の効力の対象・範囲の拡大を積極的に進めて下さい。(1) 中間整理の内容①②③を具体的に法整備してください。虚偽報告・検査妨害等を行った事業者名の公表等をしてください。

(理由)消費者の保護と健全な市場の構築のために、法規制の潜脱を図ろうとする者に対する行政の執行力強化が必要です。中間整理に挙げられている内容はいずれも必要なものばかりであり、整備することが必要です。

九 その他

1.訪問販売等に伴う借入等の勧誘について

(1)割賦販売契約について

特商法関連取引では、高額な契約を未成年者や収入の少ないものに対して行う際、必ずといっていいほどクレジット契約が締結されます。クーリングオフ期間も30日間と限定される中、サービス等を利用しなくても割賦販売を止められず、途中解約についての相談窓口へのアクセスもできずに泣き寝入りしているとの相談が多くあります。中途解約金の計算なども複雑であり、消費者は声を上げにくくなっています。割賦契約における現場の被害状況などの調査と契約の具体的解約方法等の地域や学校での教育面での対応の支援を要望します。

(2) 訪問販売・電話勧誘販売の勧誘において、消費者が代金を支払う財源がないと断ると借金を勧めて契約させる手口や、金融機関に同行して預貯金を降ろさせる等の従来的手口に加え、ネット上でギフト券や電子マネーを利用して代金の支払いに充てさせる手口もあり、悪質業者の手口は日進月歩です。こうした被害に対しても、各地の消費者センターなどの存在はあまり知られておらず早期の対応にためには公的相談窓口の整備・拡張が必要です。また公報にも継続的に案内するなども広報活動も望まれます。

以上

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