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「日本脳炎ワクチンの北海道での定期接種化決定」の見直しを求める要請文を提出しました~莫大なお金を使って病気のないところにワクチンを導入するのはだれのため?

DSCN23922015年9月16日、ワクチントーク全国、ワクチントーク北海道、CNJほかは、2016年度から日本脳炎の定期予防接種を行うことを決定した、高橋はるみ北海道知事に対して、決定の撤回を求める要請文を出しました。

北海道での日本脳炎予防接種の定期接種化についてはこれまで、何度も反対する申し入れを行ってきました。

  • 予防接種ネット・de・講座 その4 日本脳炎ワクチンを病気のない北海道で莫大な予算をつかって定期接種するのは非常識!
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  • 北海道に日本脳炎ワクチンは必要か?~住民への正確な情報提供と意見聴取が必要
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  • 日本脳炎の定期接種化反対、ワクチントーク北海道が道庁に申し入れ
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  • この時期に、なぜこれほど接種を勧奨するの?日本脳炎ワクチンはいりません!
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  • 2015年度はしません!北海道での日本脳炎ワクチン定期接種
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  • 北海道での日本脳炎ワクチン定期接種化にNO! 署名にご協力を!~病気のない北海道で年間11億円超の交付税を使って定期接種するのはだれのため?
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  • 道民35,243人の署名で反対した日本脳炎ワクチン定期接種化の決定に抗議~ワクチントーク北海道が再度要請書と質問書を提出
    http://consumernet.jp/?p=2546

北海道での日本脳炎ワクチン接種で利益をうけるのは、いったい誰なのか?これまでの申し入れや道庁の対応、厚労省の見解等をもとに、北海道での、11億円超(接種費用のみ)をかけての日本脳炎ワクチン接種は道民の利益にはならないことを今一度訴えるために、北海道知事あてに申し入れ書を送りました。


 

2015年9月16日

 

北海道知事

高橋 はるみ 様

 

ワクチントーク全国 代表 母里 啓子

特定非営利活動法人コンシューマネット・ジャパン 理事長 古賀 真子

MMR被害児を救援する会 栗原 敦

ワクチントーク北海道 代表 荻原 敏子

 

「日本脳炎ワクチンの北海道での定期接種化決定」の見直しを求める要請文

 

私たちは、2014年9月9日に、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会(岡部信彦部会長)に、「北海道での日本脳炎予防接種の定期接種について、A類の定期接種の対象疾病の中で日本脳炎のみ区域指定ができることとなっている合理性を尊重することを求める要望書」を提出しました。また、2014年9月11日には、貴職あてに、北海道で日本脳炎予防接種の定期接種を行なわないよう求める要望書を提出しています。

2015年7月29日「北海道で日本脳炎の予防接種の区域指定を継続し、定期接種化しないこと」を求める35,243筆の署名がワクチントーク北海道により提出されましたが、2015年8月10日、貴職は「日本脳炎ワクチンの定期接種化」に関して、2016年度から実施すると一方的に発表されました。多くの道民の声を無視し、病気発生の確立が極めて低い北海道で、副作用発生の可能性の高いワクチンを、これまでの賢明な政策を変更して行うことについて明確な根拠や説明責任も示さず実施を決定したものであり強く抗議します。

私たちが、北海道での定期接種化に反対するのは、感染症対策の基本として、「そもそも病気にかからないものにワクチンが必要か」という視点から、これまで合理的判断により慎重に区域指定をしていたものを外すにあたって、貴職らが適切な議論が尽くされ、住民に説明されたとは考え難いからです。北海道感染症危機管理対策協議会の議事録も拝見しましたが、納得し難い内容でした。

私たちが、区域指定を外すことに反対してきた理由を以下に再度申し上げるとともに、決定の撤回を求めます。

 

1 病気の発生は考えられない

そもそも、病気の重篤さを強調しているので、病気にかかった場合の致死率などの数字を強調していますが、日本全体でも、栄養状態も環境もことなり、「日本脳炎で死ぬ子どもはいない」という現実を直視すべきです。日脳炎はワクチンができる前から激減しています。ワクチンで防いでいるわけではないうえに、人から人にはうつらない病気ですから、社会防衛はできない反面、病気の発生源の無い地域では感染するリスクもないという点を今一度強調したいと思います。

日本脳炎は第2次世界大戦後の混乱期には日本でも数千人の規模での発症を繰り返していましたが、1960年代後半から激減し、最近20年以上は1ケタの発症(脳症以上)で、そのほとんどが限定された地域での65歳以上の高齢者に限定されています。統計的には40歳以上が85%であり、子どものかかる疾患ではありません。

1992年以降の報告患者は年間10名以下です。国の審議会の報告資料でも、患者数は激減し、毎年のり患は1ケタで、14歳以下の患者は0から1(2011年は2人)です。

また、2002年から2011年の10年間の総数では57人の発生です。大部分は、九州・沖縄地方及び中国・四国地方で発生しており、北海道(0人)、東北(0人)、関東(3人)です。全国的にも報告数は非常にまれであり、予防接種自体が不要です。

ブタの抗体価があることで、感染のおそれがあるとしていますが、ブタの抗体価は食用としてと殺する場合に調べた際抗体価が上がっているという事実をしめすのみであり、日本各地でもブタの抗体価と病気の発生についての関連性は証明されておらず、患者発生もありません。北海道において、病気そのものが発生するということはないのにワクチン接種が必要との前提自体に大きな問題があります。

ワクチンで病気を防いでいるという点もミスリードです。2003年にワクチンで6人のADEMが発生したことにより、2005年に事実上中止(積極的勧奨の中止) され、その後、改良の名のもとにVero細胞(アフリカミドリザル腎細胞)由来のワクチンが2009年から乾燥組織培養日本脳炎ワクチンとして使用開始され、2010年から積極的勧奨が再開されました。しかし、この間の発症者は前後の時期と変わりはありませんでした。

疫学調査では、今後日本脳炎発生は全国的にも日本の関東以北では子どもにはないことからも、病気発生の極めて低い北海道の地域性を直視し努力義務を課してまで予防する必要はないと考えるべきです。流行地域(日本では当面考えられませんが)に行く場合に、どうしても接種したい人が接種することで足ります。

2 ワクチンによる副作用は重篤であり、かつ確実に発生すること

それに反して、ワクチンでの重篤な副作用が発生することは紛れもない事実です。

予防接種後副反応報告書では2010年度(H22年度)の副反応報告は148件あり、重篤なものは脳炎・脳症3件、けいれん12件、運動障害3件、その他の神経障害が4件あったと報告されています。厚労省の記載欄にも「麻痺様行動や行動異常を伴ったことがやや目立った。これらをどのように考えていくか今後の課題になろう。」と問題提起されています。2011年度の報告ではADEMの発生が前回中止時より多かったことが判明しています。*

承認時より2010年1月5日までに、21件の重篤な副反応報告があり、ADEM1件、小脳性運動失調1件、けいれん4件、顔面神経麻痺1件など神経系障害7件が報告されており、2010年度、2011年度報告でも同様の傾向です。2012年度はついに死亡例が発生し、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会日本脳炎に関する小委員会(以下、小委員会)が開かれました。(注3)

小委員会では、「 2009年6月~2012年10月までにワクチン接種が計約1400万回行われ重い副作用が疑われるケースが237件あり、どの程度の副反応があったら接種の勧奨の是非を考えるかの基準を決めた方がよい」との意見がありました。

ワクチンによる副作用としては脳炎や急性散在性脳脊髄(ADEM)などを含む重篤な中枢神経系障害や様々な副作用があります。ADEMだけが強調されますが、薬事法に基づく、現行ワクチンの副作用報告によれば、2011年度もギランバレーやてんかんがそれぞれ2例発生しています。

新しいワクチンになって安全になったとされますが、新組織培養ワクチンで再開後にも23件のADEMの報告があります。(「予防接種後副反応報告書」2009年から2010年にADEM1件、2011年から2012年にADEM12件の報告。2013年4月~2014年9月(1年半)までの副反応報告では、ADEM10例(因果関係を否定できない死亡症例1例を含む)の報告)。これ以外に脳炎・脳症、その他の神経障害も多く報告されています。

ワクチンで病気を防いでいるとの見解もありますが、2005年日本脳炎ワクチン実質中止後の未接種の影響が考えられる年齢層での罹患(自然にかかった人)は2005年から2008年度までで 1名です。2011年度までで も合計3名、年齢0歳から10歳では 合計6名。

それに対して、ワクチンによる脳炎脳症は2005年から2011年で9名、ADEMは11名、運動障害5名、その他の神経障害9名出ています。2012年2名が死亡、2013年にも1名が死亡しています(因果関係は否定されていますが、ワクチン接種をひきがねに起きた死亡事故です)。自然感染よりワクチンの方が被害をだしていることは明らかです。*

3 誰のための接種かが不明

接種にかかる費用は無視できません。今回の接種により、接種費用のみで年間11億円超の財政支出が必要となります。(注1)他の交付金使途を削って、不要なワクチン接種をすることは決して住民の利益になりません。他の交付金のなにがどのように削減されるのかついて、道民にきちんと説明する必要があります。

あえて極限すれば利益を得るのは医師のみである疑いすらあります。接種による費用は注3に示す通りです。日本脳炎の平均接種費用は委託契約単価の内訳としてはワクチン代、問診料・事務費等がありますが、1回の接種により接種した医師は4000円程度の報酬を得ることになります。そもそも北海道医師会が中心となり署名活動までして導入のはずみをつけたとの風評もありますが、この点についての経緯を貴職として詳細に調査し道民に説明していただく必要があると考えます。

               以上

*要請書提出後修正しました。

 

(注1)

北海道の接種費用について、北海道感染症危機管理対策協議会感染症流行調査専門委員会報告書8頁より引用

②本道における接種費用

厚生労働省が総務省に対する平成24 年度地方交付税要求時に用いた接種単価では日本脳炎の1回当たりの単価は6,942 円とされている。総務省行政評価局が平成24 年度に定期の予防接種を行った場合の費用の試算は次(表2)のとおりとなっている。

【表2】 平成24 年度に本道において日本脳炎の定期予防接種を行った場合の試算

(平成26 年8月22 日付け総評相第184 号総務省行政評価局長通知「北海道における日本脳炎に係る定期の予防接種を実施することについての検討(あっせん)」より)

接種年齢 接種回数 接種人口(道内) 接種単価 接種費用
1期初回(3歳) 2回   40,000 人 6,942 円    555,360 千円
1期追加(4歳) 1回   40,000 人 6,942 円    277,680 千円
2期(9歳) 1回   43,000 人 6,942 円    298,506 千円
4回 123,000 人 1,131,546 千円

(注)「接種人口(道内)」は「総務省人口推計(平成23 年10 月)」に基づき算定2接種率は100%で試算

 

(注2)

日本脳炎の平均接種費用(委託契約単価の内訳としてはワクチン代、問診料・事務費等)

1回目 2回目 1期追加 2期
日脳委託単価 7,233円 7,155円 7,243円 6,797円
ワクチン代 3,265円 3,263円 3,263円 3,257円
問診料(1回) 3,773円 3,570円 3,760円 3,285円

(予防接種費委託単価等調査(平成24年度)厚生労働省結核感染症課予防接種室より古賀抜粋)

 

(注3)

・日本脳炎に関する国内疫学情報~感染症流行予測調査、感染症発生動向調査より~ 国立感染症研究所感染症疫学センターほか

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002r5cg.html

 


(参考)

ワクチンの接種にかかる費用はどうなっているのか

ワクチン委託単価0000032800(PDF 0.99MB)