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電気を選べるための「表示」要望書を提出しました

CNJエネルギーシステム改革プロジェクトでは、2016年度から始まる電力全面自由化に向けて、消費者が電気を選ぶために必要な情報を、わかりやすく提供する「電気の表示」のあり方を、現在進められている改革に反映させるための運動を進めています。その一環として、15年1月30日に経済産業大臣と資源エネルギー庁宛に、私たち消費者が望む表示を求める次のような要望書を、他団体と連名で提出しました。

2016年度からいよいよ「電気を選べる」ようになります。これまで家庭用などの電気は東京電力や関西電力といった自分の地域の電力会社(全国に10社あります)からしか買えませんでしたが、この制度が撤廃され、誰でもどの業者からでも電気が買える「電力の全面自由化」が始まります。電気もスマホや飛行機のチケットのように、価格やサービスで消費者が選べる、ふつうの商品になるのです。

電気は産業や生活に不可欠の基本財であり、その生産(発電)、流通(送電)、販売(小売)を地域独占の下で一手に行ってきた電力産業は、発電や送配電設備のインフラを供給する重電、建設など関連産業とともに、重厚長大型経済の根幹を支える巨大な産業を形成してきました。この体制のなかに自由競争を導入しようとする「電力システム改革」は、多くの分野にわたる、何年もかかる大掛かりな改革です。

改革によって消費者の選択肢が広がるのは歓迎すべきことですが、改革が本当に消費者の利益になるためには、さまざまなきめ細かい配慮が必要になります。なかでも、私たちが買おうとしている商品がどんなものなのかを知るための情報「表示」は、商品を選ぶという消費者の基本的な権利を活かすためになくてはならないものです。


追補 (2015年2月6日):
生活協同組合パルシステム東京も「電力小売に係る消費者への説明・表示義務を求める要望書」を提出されました。

他団体、個人のみなさまもぜひ、この問題に関心を寄せ、要望をしてください!


2015年1月30日

経済産業大臣 宮沢 洋一 様
資源エネルギー庁長官 上田 隆之 様

エネルギーシステム改革市民委員会
コンシューマネット・ジャパン
国際環境NGO グリーンピース・ジャパン
市民電力連絡会
eシフト

電力小売に係る消費者への説明・表示義務を求める要望書

冠省 私たちは、市民の立場から、電力システム改革について、国や関係団体等の制度設計の情報を収集し、他団体とともに、消費者にとってのぞましい制度改革のあるべき方向についての検討をして参りました。

2016年度に予定されている電力の小売全面自由化の実現により、すべての消費者が電力を選択できるようになります。自由化後、消費者が電力会社やその電力メニューを選択するには、消費者が十分な情報を得ることが必要です。

総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革小委員会 制度設計ワーキンググループ(以下、WGという)におかれましては、小売電気事業者が消費者に対して、一定の情報を開示し説明することを義務付けることが議論されています[1]。小売電気事業者の名称・連絡先・料金等の事項は説明が必須であることはもちろんですが、私たちはWG案では不十分であると考えています。

私たちは、小売電気事業者の情報開示・説明・表示義務について、以下のように要望します。

電力に限らず、消費者は料金だけを見て商品を買うわけではありません。消費者が積極的に選択し、納得して電力を消費するためには、小売電気事業者が販売する電力、つまり消費者自身が購入する電力がどのような電力であるかということを知る必要があります。また、自分の支払った電気料金がどのような発電のために費やされているのか等、その内訳を知ることは消費者の権利です。

よって、以下の事項をすべての小売電気事業者に表示することを義務付けることを求めます。なおこれらの情報は別紙に示すようにグラフを用いて分かりやすく表示することを義務付けることを求めます。

この要望書では電力の「内容・内訳」表示の義務化を求めていますが、表示の「方法・手段」、「頻度」などのあるべき姿についても、今後公開の場において消費者の意見を取り入れながら、丁寧に議論が行われることを要望いたします。

以上

[1] 例:第8回制度設計WG資料5-1の25ページなど。


別紙:小売電気事業者の表示義務の例 イメージ

1. 小売電気事業者「電源構成」表示義務のイメージ

図A.電源構成(数値は仮のもの)

  1. 再生可能エネルギー・・・10%
  2. 固定価格買取制度(FIT)による再生可能エネルギー・・・10%
  3. 原子力・・・15%
  4. 化石燃料・・・65%

B.環境負荷

  1. 1 kWh当たりのCO2排出量(g-CO2/kWh)
  2. 放射性廃棄物発生量(g/kWh、Bq/kWhなど)

2. 小売電気事業者の「費用内訳」表示義務のイメージ

(数値は仮のもの)

① 託送料金
② 電源開発促進税、使用済燃料再処理等引当金、等の原子力関連費用
③ FIT賦課金
④ 発電・小売費用、利益等その他

電気の表示:料金構成1電気の表示:料金構成2

*環境価値に基づく表示問題については別途要望書を提出させていただく予定です。

(連絡先)コンシューマネット・ジャパン
Fax:03-5539-4451
メール:info@consumernet.jp
Webサイト:http://ConsumerNet.Jp

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